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「戦国史Version 0.44i」向けフリーシナリオ、地方別解説ページ

1.兵庫県 (41勢力/105都市/最高石高559651石)


兵庫県の特徴は2点。人口配分がかなりアンバランスである事と、農村部に合併勢力がかなり多い事である。
兵庫県は、9つものエリアに分割されているが、内、「神戸エリア」と「阪神エリア」の2エリアたけで、県内全人口の約6割に達する。
極論すれば、この2つのエリアを完全支配すれば、その他の兵庫県全域を支配できるような巨大勢力が現れても十分対抗できるという事だ。
但し、この2エリアが序盤で統一される事はほぼあり得ない。殆どの場合、神戸市と西宮市と尼崎市は、互いに同盟関係を結んで領土を分け合う事が多いからだ。そして西兵庫の雄である姫路市と決戦する形になる。

一方、農村部は農村部で、そんな厳しい状況に対応するかのように、合併勢力が非常に多いのが特徴である。
県内で最も人口の少ない勢力である神河町ですら1200石もの石高を保有する。




1−1.神戸エリア (1勢力/9都市/最高石高153080石)

神戸エリアに所属するのは、神戸市のみ。全9区で構成されており、これは150万人都市にしてはシンプルな方ともいえる。
ゲーム的にいえば、1つの区を敵に奪われるだけでもダメージは大きい。運が悪いと序盤の財政再建中に、石高を半減させられかねない。
そういう意味では、割と運の比率の高い勢力でもある。
特に西宮市に奪われると、その奪還は困難。特に西宮市があまりに強すぎると感じた場合は、同盟を結び東播方面に伸びて頽勢を挽回したいところだ。
但し、序盤さえうまくしのげれば、クリアは楽勝。0人プレイでも最強候補の一つである。

難読地名としては、垂水(たるみ)など。明石海峡大橋は、実は明石ではなく垂水区と淡路島を結んでいる。もっとも小選挙区では淡路島と明石市でセットだが。



1−2.阪神エリア (8勢力/8都市/最高石高174931石)

阪神エリアは、8勢力が所属し、全8都市で構成されている。つまり1勢力ごとに各1都市である。
好もうと好まざると各都市の人口差が、プレイの有利不利にダイレクトに関わってくる。
中でも最も有利なのが、西宮市と尼崎市。ちなみにこの2勢力が血みどろの抗争を繰り広げるケースは少なく、互いに同盟を結んで、西宮市は北や西へ、尼崎市は大阪方面に向かっていく事が多い。そしてどちらもそれなりに有力勢力に育つ事が多い。
但し、尼崎市は強敵ぞろいの大阪方面が相手ということもあり、中盤伸び悩みやすい。一方、西宮市は神戸市相手に有利に展開できれば天下への道が開くが、破れると一気に衰亡する事になる。無論、神戸市とも同盟して安定勢力となるケースも多い。

残りの6勢力は、0人プレイだと高い確率で西宮市か尼崎市に潰されてしまう事になる。
よって宝塚市か伊丹市でプレイする場合は、かなり早い内に勢力拡大に取り組み、また同盟締結と同盟破棄、場合によっては従属志願と独立を上手く使って、西宮市や尼崎市の裏をかく梟雄プレイも検討せざるを得ない。
川西市・三田市・猪名川町も同様だが、西宮市や尼崎市と直接隣接している訳ではないので、だまし討ちよりは、純粋に勢力拡大を急ぐのがより基本。特に猪名川町でのプレイの場合は、鉄砲を大量に買い込む事で意外と格上の勢力を翻弄することも可能だ。
芦屋市は、財政再建中の神戸市を徹底的に攻め続けるか、西宮市の背後を突く以外に活路はない。
何にしろ阪神エリアの経済力は絶大なので、このエリアの覇者となれればそれだけで天下は見えてくるので、序盤が肝心。

難読地名としては、伊丹(いたみ)、三田(さんだ)、猪名川(いながわ)など。西宮(にしのみや)や尼崎(あまがさき)は知名度的に大丈夫か。ちなみに伊丹は大阪空港の所在地として、西宮は甲子園球場の所在地として知られる。三田は三田牛で有名だが、ミシュランガイド東京では「Sanada牛」として誤記紹介された。尼崎は公明党の大幹部、冬柴鉄三国土交通大臣のお膝元として、また某脱線事故などでも有名。


1−3.丹波エリア (2勢力/10都市/最高石高11367石)

丹波エリアに所属するのは、丹波市と篠山市のみで、それぞれ6都市、4都市を保有する。
ただ丹波エリアは兵庫県内の3エリアと隣接するのみならず、京都府内の2エリア(両方とも京都側の丹波)、さらに超大都市圏である北摂エリアとも境を接する交通の要衝である。いくら多くの都市を保有してても、四方八方から攻撃を受ければ防衛は厳しい。
ちなみに0人プレイでの丹波市は、「攻撃こそ最大の防御」といわんばかりの勢いで、序盤から派手に動くケースが多い。
丹波市より国力の劣る篠山市の場合は、比較的動きはおとなしく、圧倒的な確率で自然消滅していくが、まれに猪名川を奪うなどして、阪神エリアや北摂エリアで細くも覇を唱える事もある。

プレイする場合の基本戦略も、COMが担当した場合の戦略から大きく外れる必要はなさそうだ。
特に篠山市の場合は、人口の多い南を目指した方が、結果的に生き残りやすい。
丹波市の場合は、とにかく大勢力が迫ってきても有利に同盟が結べるように、少しでも国力を伸張させた方がよさそうだ。但し北播エリア方面だけへは伸びない方が良さそうだが。

難読地名としては篠山(ささやま)、西紀(にしき)、今田(こんだ)、氷上(ひかみ)、柏原(かいばら)など。ちなみに篠山市は、実は「平成の大合併で日本国内で生まれた市町村第1号」である。数々の丹波ブランドの本場としても知られる。氷上は、日本一低い分水嶺のある都市。



1−4.但馬エリア (5勢力/19都市/最高石高18688石)

但馬は19もの都市に、5つの勢力が割拠する大農村エリアである。
丹波エリア同様、「平成の大合併」成立率100%のエリアでもあり、序盤の抗争は特に激烈を極める。
但し、かなり貧しいエリアでもある為、但馬内での激烈な抗争が落ち着いた頃に、南方か東方から現れた大勢力に脅されて、さっさと傘下に入るケースが殆どである。

一応、但馬エリアでの最大勢力は豊岡市だが、この勢力でのプレイは序盤が肝心である。
なぜなら四方八方を、数百単位の兵力を持つ多くの勢力に囲まれているからだ。特に東隣の京丹後市は非常に厄介で、こことの同盟は是非とも結びたい。京丹後市の領土は広い割に貧しく、仮に勝っても得るものが少ない割に、戦ったら強いというシャレにならない存在だからだ。
まずは専守防衛に徹して、情勢が落ち着いてきたら反撃開始。本来の国力は北近畿ではトップランクなので、南方や東方から大勢力が北上してこない限りは、まず問題ないはず。先の先を見越した上で、福知山方面か朝来方面に侵攻したい。

一方の朝来市の立場からみれば、進路は自在なので、周囲の状況次第だろう。養父市も同様。但し、もたもたしていると未来がないのは他の但馬・丹波の群雄と同じ。
香美町と新温泉町は、その地理上、両者間の抗争が避けづらい上、国力的に他勢力との同盟も困難で、難易度はかなり高い。
結局の所、但馬エリアの勢力を選択する限り、楽なプレイは保証外となる。かなり厳しいか、どうしようもなく厳しいかの違いがあるだけだ。

ちなみに豊岡市は、兵庫県内で夏は最も暑く、冬は激寒の地としても知られる。数年前は堤防が決壊し街の大部分が水浸しになるなど、天災が多そうなイメージの都市だが、それでも但馬随一の都市でもある。なおゲーム上では大雪が降りやすいという設定は反映されているものの、大雨が降りやすいという設定まではない。

難読地名としては、但馬(たじま)、城崎(きのさき)、香美(かみ)、香住(かすみ)、朝来(あさご)、生野(いくの)、養父(やぶ)、八鹿(ようか)、関宮(せきのみや)など。城崎は温泉で、生野は銀山で、香住は全国一のマツバガニの水揚げ産地として知られる。


1−5.西播エリア (7勢力/16都市/最高石高27746石)

西播は16の都市に7つの都市が割拠する、やはり農村エリアの一つだが、南方の国力は意外と低くない為、但馬エリアよりは攻略価値は高い。
そして殆どの場合、姫路市に蹂躙されるか、あるいは姫路市を屈服させた巨大勢力の支配下に入らざるを得ない末路をたどる事になる。

という訳で西播の群雄でプレイする限り、姫路市相手にどう対応するかを無視して、戦略を語ることはできない。
姫路市は堺市に次ぐ関西第5の強豪勢力であり、部隊数も最初から5と、その戦力は極めて高く、とても西播勢がまともに戦える相手ではない。
しかし地理的に見て、姫路市を何とかしないと前に進むことは困難だ。貧しい但馬方面に勢力を伸ばしても、展望は開けないし、岡山方面はゲームに登場しないから、方針は勢い限られてくる。

たつの市か太子町でプレイする場合は、何とかうまく姫路市が他勢力を兵糧攻めにしている隙などを狙って姫路を急襲すれば、大逆転の可能性はゼロではない。反面、ゲーム開始直後に自都市を姫路市によって兵糧攻めにされる事もある。特に太子町でプレイした場合は、滅亡勢力第一号になりたくなければ、こうなった場合従属やむなしである。
宍粟市の場合はやや選択肢は広く、西播勢では最も安定したプレイが可能。但し、難易度的にはたつの市の方が若干マシかも。
赤穂市・相生市・佐用町・上郡町の場合は、姫路市と隣接していない為、序盤の危機はないが、太子町などのケースと異なり、姫路市の経済基盤を急襲する事もできない為、姫路市が勢力を伸ばしてきた場合、より確実な終わりを迎える可能性が高く、やはり難易度は高い。
但し、赤穂・相生・龍野の3都市をまとめて奪う事ができれば、それなりの国力にはなるので、中盤以降の新展開にそなえてこれらを支配下に入れることができれば未来はなくもない。
中盤に入ると、姫路市は神戸市や西宮市との本格的な抗争に入る為、その間隙をうまく突いていきたい。

余談だが青春18切符を使って岡山方面に行く場合、この西播エリアが大きな関所になる。各駅停車しかない上に1時間に1本しか電車がないなど、兵庫県と岡山県の垣根は相当に高い。岡山県は関西勢にとって、やはり別の地方なのである。岡山県は本当に近くて遠い・・・。

難読地名としては、揖保川(いぼがわ)、御津(みつ)、相生(あいおい)、赤穂(あこう)、上郡(かみごおり)、宍粟(しそう)など。中でも相生は兵庫県内に4つある新幹線停車駅のある市でもあり、古くは造船、最近ではど根性大根で地味に知られる。赤穂と言えば赤穂浪士。


1−6.中播エリア (4勢力/9都市/最高石高58350石)

姫路市の根拠地。9つの都市の内、5つが姫路市領。残り4つを福崎町・市川町・神河町が分け合っている。
ちなみに姫路のエリアは実はかなり広く、ゲームの仕様上経路は7本までしか引けないのだが、実は現実世界の姫路は、龍野・安富・福崎・加古川とも直接隣接している。この7本制限による割愛は他都市でも割とあるが、本来の経路が10本以上もあるのはさすがに姫路だけである。
反面、無論現実世界では、家島とは船がないと行き来不能だが、経路をつながないとゲームが終わらなくなる可能性があるので、特例扱いである。

姫路市でプレイする場合は、アドバイスは特にない。この勢力でクリアできなかったら、どんな勢力でプレイしてもクリアは困難だ。
残る福崎町・市川町・神河町は、姫路市の25分の1以下の石高しかなく、難易度はむちゃくちゃ高い。但しここまで弱いと、逆に初期資金がかなり多いというメリットが出てくるため、とりあえず鉄砲を買い集めて、そこから活路を見いだしていこう。
姫路市はなぜか同じ中播のこの3勢力を、あまり積極的に襲おうとしない為、もしかしたら何とかなるかも??

難読地名は、強いて言えば香寺(こうでら)くらいか。本ゲームで登場する「香」は「か」と読むのがメインなので。


1−7.北播エリア (6勢力/12都市/最高石高28829石)

現実世界では日本の標準時の基となる東経135度北緯35度がある事から「日本のへそ」とも形容される西脇市があるエリアだが、本ゲームでは「兵庫のへそ」に位置する。
そしてこのエリアは、侵略者にとっても被侵略者にとっても「かなりの激戦エリア」である。特に神戸市・西宮市・姫路市、場合によっては加古川市・丹波市・篠山市・宝塚市なども入り交じって、激しい激戦を繰り広げる。そしてこのエリアに深入りすればする程、その侵略者は消耗しやすい魔のエリアだ。例えば神戸市が深入りすると、その間隙を縫う形で姫路市が東播を経由してどんどん神戸市領を浸食する形になり、逆に姫路市が深入りすると、神戸市や西宮市はやはり東播経由で西進して、姫路市を降伏させてしまう・・・といった具合である。
ぶっちゃけ北播は交通網が発達している割には貧しい上、深入りしやすく攻撃を受けやすくもある為、侵略者にとっては鬼門ともいえなくもない。

一方、侵略される側の視点に立つと・・・・、これはこれでやはり非常に厳しい。
なまじ交通網だけは充実している為、四方八方から攻撃を受けることになる。神戸市や姫路市だけならまだしも、下手すると自分たちよりも格下の神河町辺りに領土を侵食されるケースもごくまれにあるほとだ。
はっきり言って守りに回ると明日はない。
と言うわけで、三木市でプレイした場合は、財政再建中の神戸市をできるだけ攻め立てたい。
加西市でプレイした場合は、何とかして姫路を奪って大逆転を狙いたい・・・が、多分無理。加西市で姫路市の打倒を目指すくらいなら、鉄砲戦術が効果的な太子町や、初期兵力の多いたつの市の方がまだ現実味がある。とかいって格下の福崎町や市川町にケンカを売っても、鉄砲で返り討ちにされて恥ずかしい思いをする可能性があり、見かけ以上に難易度は高い。
残る小野市・加東市・西脇市・多可町の場合は、もう流れに上手く乗るくらいしか手だてはない。周辺都市がどこかの都市に攻め込んだならば、すぐさま同盟を破棄してでもその背後を突くなり、籠城戦展開中の都市をギリギリのタイミングにかすめ取るなど、手段を選ばす積極的に動きたい。
結論から言うと、北播勢のプレイはかなり大変である。

難読地名は、吉川(よかわ)、黒田庄(くろだしょう)、加西(かさい)など。吉川は舞鶴自動車道の起点として、黒田庄は高級和牛の産地として知られる。加西は、かつて東京都知事選や長野県知事選に出馬したり、地元でも不信任決議を受けながらも再選を果たすなど、強烈な政治経歴を持つ中川暢三市長が治める都市。


1−8.東播エリア (5勢力/5都市/最高石高71905石)

5つの都市しか存在しない、極めて狭いエリアだが、実は何気に戦略的価値は高い。
実は東播エリアの総人口は中播エリアよりもずっと上で、このエリアを統一すれば、西の雄である姫路市よりもさらに強大な勢力になれるのだ。
先の北播エリアの項目でも触れたが、ライバルが魔の北播エリアで泥沼にはまっている間に、東播エリアを一気に飲み込むことができれば、兵庫県内の頂上決戦はまず制する事ができる。まさしく兵庫県内の天王山である。

その天王山に最初からいるのが、明石市・加古川市・高砂市・播磨町・稲美町の5つ。0人プレイの場合、いずれも中途半端に強く牽制し合う形になって、無駄に兵力だけを多くため込みがちになり、その結果、籠城戦に持ち込まれたら最後。あっという間に兵糧が尽きて、まぬけな滅亡を迎えやすい。
あ、そうそう。「まぬけ」がらみの余談だが、安倍晋三は社会人時代、神戸製鋼の加古川製鉄所に勤務していた。

さて東播エリアの勢力でプレイする場合は、そういった間抜けな事態に巻き込まれないように、もう少し精力的に動きたい。といっても北播エリアにいきなり首を突っ込むと、泥沼にはまってしまうだけなので、それよりもできれば東播統一か東西への進出を優先させたい。
稲美町でプレイする場合は、財政再建中の神戸市から西区を奪い取れれば最善だろう。
明石市でも同様。垂水区を押さえたいならば、淡路市対策をしっかりしておきたい。
加古川市の場合は、高砂か加西をうまく姫路市からかすめとった後、そのまま姫路攻略にかかるのも一案。
残る高砂市・播磨町は東播統一を目指すのが一応は堅実だが・・・。高砂市の場合は、有り金のほとんどをつぎ込んででも姫路市と同盟を結ぶか、あるいは姫路市に従属するという選択肢も検討せざるを得ない分、難易度は高い。

難読地名は、強いて言えば高砂(たかさご)、播磨(はりま)くらいか。ちなみに阿閇(あえ)村が1962年に播磨町に昇格した事により、兵庫県は全国で初めて村のない県となった。


1−9.淡路エリア (3勢力/11都市/最高石高14755石)

淡路島には、3つの勢力と11の都市が存在する。
難易度的には、淡路市が一番ラクで、洲本市と同盟を結んだ上で神戸市の打倒を目指すのが基本戦略となる。財政再建中の神戸市から2都市も奪えれば、かなり今後の展開に期待できる状況になる。
逆に厳しいのが洲本市。それも「極めて厳しい」。ぶっちゃけクリアは多分無理。もしかしたら兵庫県一難易度が高い勢力かも知れない。それくらい難易度は高い。
南あわじ市も、洲本市よりはかなりマシだが、やはり難しい。順当に行けば、淡路島統一くらいは十分可能なのだが、本州に地盤を広げられるかが大問題である。「運も実力のうち」と自覚し、機を待つ覚悟も必要かも知れない。

難読地名は、洲本(すもと)くらいか。洲本市と言えば、平成の大合併前から市政を敷いていた淡路島唯一の市町村なのだが、ゲーム的には淡路島最弱勢力と言わざるを得ない。





2.京都府 (26勢力/56都市/最高石高264051石)

京都府は、5つのエリアで構成されている。そして北部の3エリアと、南部の「山城エリア」では全く傾向が異なるのが特徴だ。
ぶっちゃけ同一の都道府県だと考えない方がいい。
「丹後」「奥丹波」「口丹波」の3エリアは、兵庫県北部のお仲間さんと考える方が分かりやすい。地理的にも兵庫県とは密接な関係にある。まぁ史実では、丹後や北丹波は、かつて豊岡県の一部だったくらいなので、当然と言えば当然だが。
一方の「山城エリア」は、奈良県のお仲間さんと考えた方がいいだろう。地理的に密接であるのみならず、多数の勢力が細々と乱立している辺りも、奈良県のよくあるパターンそのものである。
そして残る「京都エリア」がこの南北4エリアに挟まれる形で存在する。「京都エリア」を支配するのは、勿論政令指定都市、京都市。序盤から中盤をうまくしのげさえすれば、京都市はやがて京都府の大半を飲み込んで天下取りに突き進むことになるだろう。京都府全体の人口の60%が京都市内に集まる事からも分かる通り、所詮、京都エリア以外の4エリアは、京都府全体からみて枝葉以下でしかない。
0人プレイでは無論、京都市の一人勝ち状態。但し、大津市などの攻撃を受けて京都市が序盤ノックアウトされると、京都府からは天下を狙える勢力がほぼ消滅する。




2−1.京都エリア (1勢力/12都市/最高石高147012石)

京都エリアは、12の都市で構成されているが、実際に存在する区は11である。京北は「平成の大合併」で新たに右京区の一部として編入された旧市町村である。ゲームとして処理する際、京北をどう扱うかは一つの課題であったが、隣接経路を考慮した結果、右京区の一部内に押し込めるよりも分離した方が分かりやすいという理由で分離させる処理となった。
さて京都市は、4つある政令指定都市の中では、最も周囲の状況に恵まれている勢力である。
都市数が少なくリスクが大きい神戸市や、周囲がハイレベルな大阪市や堺市よりも、正直かなり状況は良い。そんな環境が功を奏してか、0人プレイでも天下統一候補の一角として大暴れするケースが多い。
そんな京都市が0人プレイで序盤ノックアウトされるケースをあげると、一番に大津市の侵攻。あるいは枚方市の東進などが原因になっているケースが多く、これらの勢力の伸長には要注意だ。

難読地名はほとんど無いがあえて言えば、伏見(ふしみ)、上京(かみきょう)、下京(しもきょう)など。


2−2.山城エリア (15勢力/17都市/最高石高70732石)

山城エリアはなんと17もの都市に15もの勢力がひしめき合う、小勢力密集地帯である。
エリア全体としては決して貧しくもなく、まずまずのエリアなのだが何しろ分離分割されすぎている。これは奈良県ではよくあるパターンなのだが、その傾向が隣接する山城エリアにも色濃く表れている。ゲーム的には奈良県の一部と考えてもいいかも知れないほどだ。
全くの余談だが、山城エリアを主に走るJR奈良線は、全体の9割近くを京都府内で占めるのだが、それでも「奈良線」。

そんな山城エリアは、周辺の有力勢力・・・とりわけ枚方市には最高の肥やしになる。
特に八幡市は滅亡勢力第1号になりやすく、その後も次々と枚方市によって、いくつもの勢力が滅ぼされていくだろう。
一方の山城東部から南部では、大津市や奈良市、さらに伊賀市や甲賀市の侵略を受け、やはりバタバタ倒されていく可能性が高い。
山城北部では無論、京都市の格好の狩り場だ。いくら京都市がゲーム開始後2年ほどは財政再建で動けないといっても、山城エリアの弱小勢力の手で滅亡させられる程、弱くはない。

山城エリアで比較的まともなのは、木津川市くらいのものである。人口的には山城エリア5位の中堅でしかないが、4位の八幡市よりもはるかに健闘できる。奈良市と同盟を結んだ上で精力的に拡大政策を取れれば、山城エリアに群雄アリといった活躍も十分可能だ。

向日市や長岡京市などの北部の勢力の場合は、積極的に財政再建中の京都市を攻め立てていけば、可能性はそれなりにある。但し、伏見区争奪戦を制するのは大変だ。伏見区は京都市内でも突出して人口が多く、その最高石高は何と県庁所在地級。奈良や大津と同規模なのである。しかし地理的にライバルが多く、とかいってライバル同士で足を引っ張っていると、京都市に有利にさせるだけというのが何とも悩ましい。

西部の勢力は枚方市対策は必須。京都府内の勢力の中で特に難易度が高そうなのが、八幡市や京田辺市・精華町らが張るこのエリア。
南部の郡部勢力でプレイするなら、とりあえず鉄砲を買い集めて、カモを狙い撃っていこう。うまくやれば格上の宇治市や大津市を打倒する事も不可能ではない。

難読地名としては、向日(むこう)、久御山(くみやま)、和束(わづか)など。


2−3.口丹波エリア (2勢力/5都市/最高石高12961石)

元々は「口丹波エリア」と「奥丹波エリア」を合わせて一つのエリアにする予定だったのだが、あまりに面積的に広大すぎて、エリアマップを1画面表示させるのが困難と判断し、分割した。あと兵庫に「丹波エリア」が既にあるのに、京都にも「丹波エリア」を置くと、混同しやすいという事情もあった。
分割する際、行政区分としても使用される「南丹」「中丹」に分割するアイデアもあったが、そうすると丹後エリアの舞鶴の移籍を考慮する必要が出てくる事と、マップの管理しやすさの観点から、独自に分割した方がゲーム的にマシと判断し、「口丹波エリア」はあくまで京都市と隣接する市域のみに限定した。

さて「口丹波エリア」の特色だが、隠れた交通の要衝である。
特に亀岡は、京都エリアと北摂エリアをダイレクトに結んでおり、実は無駄に密集した感じすらある山城エリアを経由するよりも、大阪の中心街と京都の中心街を簡単に行き来可能な一大ショートカットポイントなのだ。
とはいえ亀岡市でプレイする際には、何も自分の都市を他勢力に使わせてやる義理はないので、むしろうまく活用する側に回りたい。うまくやればかなり飛躍的に自勢力を伸ばすことが可能だ。
一方の南丹市だが、こちらもプレイ次第で伸びるチャンスはある。南丹市の場合は、恵まれた部隊数と初期兵力を背景に、少しでも多く財政再建中の京都市を攻め取るのが基本。だが亀岡市が隙を見せたら、一気に亀岡を掠め取るのも一案だ。

難読地名は特に無さそう。


2−4.奥丹波エリア (3勢力/8都市/最高石高13440石)

京都府内で人口上位5都市といえば、まず京都エリアの京都市。次に山城エリアの宇治市。次に口丹波エリアの亀岡市。次に丹後エリアの舞鶴市。そして奥丹波エリアの福知山市である。極端に人口分布に偏りがある都道府県も多い中、京都府の上位5都市は、綺麗に分布されていると言って良い。
ちなみに余談だが、福知山市は未来の総理候補として度々名前があがる谷垣禎一代議士の地元でもある。

さて奥丹波エリアも含めた北部3エリアは、兵庫県の「丹波エリア」や「但馬エリア」と似た傾向があり、特に奥丹波エリア以北は、地理的にも兵庫県と関係が深い。元々、兵庫の丹波も京都の丹波も同じ丹波なのだから当たり前だが、現実世界でも方言から風土から、殆どイコールである。ゲーム的にも兵庫県の但馬・丹波勢を無視して、ゲームを進めるのは、あまりに危険な位置にある。
中でも福知山市の状況は、その典型を成す。京都府第5位の勢力といっても、いきなりゲーム開始直後からピンチになる事も珍しくない。但馬エリアの豊岡市と同様の苦しい展開も十分ありえる。

もっとも京丹波町や綾部市の状況は、それに輪をかけて楽ではない。
残念ながら6都市、4都市を保有する兵庫県の丹波勢の方が戦力的には優位にあり、京都府の丹波勢力はどちらかになると防戦に回る方が多いからだ。
とはいえ所詮は兵庫の丹波勢も井の中の蛙に過ぎず、いずれフェードアウトしてしまう可能性が高く、奥丹波の各勢力も京都市か兵庫の強豪辺りにやられる可能性が高い。
中でも綾部市は、おそらく京都府内勢力の中でも最大級の難易度を誇る。当然ながらクリアの保証は一切できない。難易度は高い。

難読地名は、三和と書いて(みわ)と読むくらいか。


2−5.丹後エリア (5勢力/12都市/最高石高19906石)

丹後エリアの勢力で、最も知名度が高いのは舞鶴市だろう。
実際、舞鶴市は、敦賀市から新温泉町まで続く近畿圏の日本海側市町村の中でも、トップの人口と工業力を併せ持つ大都市なのだ。
ついでに言うと、日本有数の軍都である。日本の軍事拠点は太平洋沿いに偏っている事もあって、万が一某国などから電撃上陸戦を挑まれた場合、舞鶴自衛隊の活躍如何で日本の将来が決まりかねない程の大拠点である。
そんな舞鶴市だが、ゲームの世界では、ひたすら弱い。9割以上の確率で、殆ど何もできないまま、他勢力に攻め込まれてそのまま終わるケースが多い。一応、ゲームの世界でも日本海側で人口第1位の都市なのだが・・・・。和歌山市と並んで、実力の半分も出せないまま消えていく謎の大勢力の一つである。

では丹後で最も活躍する勢力はどこかというと、これはダントツで京丹後市。
但馬第1位の格上勢力である豊岡市を序盤から圧迫できさえすれば、以降は東に転じて宮津市・舞鶴市などをどんどんのみ込んでいく。南方から大勢力がなかなか北上してこなければ、京丹後市はさらに奥丹波や福井県まで触手を伸ばすことすら珍しくない程の暴れっぷりだ。
但し、南方から大勢力が現れたかと思えば、さっさと従属の意志を示して、とりあえず京丹後市は歴史の表舞台から消えていく事になるが・・・。

と言うわけで、京丹後市でプレイする場合は、基本はコンピュータが担当した場合の戦略をなぞっていても問題ない。最低でも豊岡は落としたい。但し、並のプレイでは、南方から巨大勢力が北上してきたらオシマイなので、よりハイペースな攻略スピードが必要だ。

伊根町に関しては、鉄砲をとりあえず買い集めて、宮津市と舞鶴市を急ぎ攻め落とそう。
宮津市も鉄砲を集めて、舞鶴市をうまく攻め立てたい。
舞鶴市に関しては、京丹後市との同盟は忘れずに。
残る与謝野町に関しては、とりあえずかなり厳しいとか言いようがない。もっとも京丹後市でプレイしても、南方から現れる大勢力の事を想像すれば、十分期待薄である事には替わりはないが・・・。正直な事をいえば、丹後エリアの勢力で始める事自体が、そもそもヤバい行為なのである。

難読地名は、弥栄(やさか)くらいか。京都府の市町村名は意外と分かりやすい。






3.大阪府 (43勢力/72都市/最高石高883103石)

大阪は、某元総理に言わせると「たんつぼ」らしいが、言うまでもなく人口・経済力ともに圧倒的な水準を誇る関西の中心地である。
当然ながらこの地を完全掌握すれば、まず天下取りに失敗する事はない。
但し、大阪府は関西のど真ん中にあり、ある意味全ての勢力が、この大阪府めがけて攻めてくるといっても過言でもない。
最も魅力的な地にして、最大の激戦区である。

大阪府の勢力の大半は、1都市のみ保有する勢力なので、相手が他都市に攻め入った後、主不在になった都市を掠め取るか、落城寸前の都市を横取りする戦法が有利。俗にいう漁夫の利プレイ。もしくはハイエナプレイである。相手が格下勢力なら、人海戦術で兵糧攻めなり強襲攻めなりに持ち込むパワープレイもOKだ。
0人プレイで天下を狙えるのは、大阪市・堺市・東大阪市・八尾市・枚方市など。中でも枚方市は最有力候補。強敵ぞろいの中心部から外れているのが、かえっておいしいようだ。




3−1.大阪エリア (1勢力/24都市/最高石高264476石)

大阪エリアを完全支配しているのは、当然ながら大阪市である。しかも大阪市は24区もある。何と東京特別区の23区よりも多いのだ。9区しかない神戸市とは正反対で、都市を1つや2つ奪われたくらいで動揺せずに済みやすい。
ただ0人プレイの経過を見守る限りは、大阪市が天下を取る確率はそんなに高くはなく、場合によっては開始後2年足らずで自滅する事すらある。大阪市は部隊数が1しかない割に他勢力から同時襲撃されやすいため、他勢力の捕虜にされやすいからだ。ちなみに序盤で捕虜にされると、部隊数は0になり、滅びた勢力の部隊が落ち延びてきたりしない限り、以降は防戦一方になってしまう。これが典型的な大阪市の自滅パターンである。

仮に自滅しなくても、大阪市の前途は意外と安泰ではない。
大阪市は隣接する都市数も非常に多い上に、その一つ一つがハイレベルだからだ。
大阪市でプレイした場合は、序盤はひたすら運頼み。但し、半分くらい都市を奪われても、この程度なら許容範囲としよう。財政再建が一段落したら、不戦同盟を積極的に結んでいきたい。大阪市の部隊は、戦闘はからきし駄目なので、いくら大兵力を運用できるといっても、無理は禁物だ。
そしてある程度、敵の侵略活動が落ち着いてから、改めて反撃開始。大阪府の周囲は非常に豊かな都市ばかりなので、あわてて所領拡大する必要性は低い。むしろ確実に一歩一歩勢力を拡大したい。狙い目は1都市しかない勢力がベスト。うまくいけば部隊数を増やす事ができるからだ。

難読地名としては、此花(このはな)、都島(みやこじま)、浪速(なにわ)、東成(ひがしなり)、西成(にしなり)、生野(いくの)など。此花区はユニバーサル・スタジオ・ジャパンの所在地として、浪速区は通天閣や日本橋などで、西成区は愛隣地区などで、生野区はコリアタウンなどで有名。


3−2.北摂エリア (10勢力/10都市/最高石高174865石)

北摂エリアは、10の都市と10の勢力で構成されている。とてつもない人口を擁する一大ベッドタウンエリアであり、その総人口は奈良県、あるいは滋賀県まるまる一つ分に相当する。たかがベッドタウンと言われればそれまでだが、本ゲームでは人口が一番ものを言うので、極めて重要度の高いエリアなのは疑いない。

但し、このエリアの勢力は、強大な周辺勢力に囲まれているのが問題だ。豊中市にしろ吹田市にしろ高槻市にしろ人口30万人以上の大都市で、これは滋賀県の県庁所在地以上の高水準なのだが、周辺の大阪市・尼崎市・西宮市・枚方市・東大阪市などは、40万人以上の人口を擁する格上ぶりで、気がついたらこれら諸勢力に各自包囲殲滅させられる事も珍しくない。
たとえるなら、ベスト16に入る実力があるにもかかわらず、1回戦でベスト4の常連とぶつかるようなものだ。

逆を言えば、ベスト4の常連を叩きつぶす事ができれば、あとは楽勝。
という訳でその方法だが、まず序盤は大阪市と隣接していれば、大阪市の力をどんどん奪う事。この作業を怠けると、立ち直った大阪市の反撃でやられてしまう可能性があるので、なるだけ手は抜かないこと。
一方、大阪市と隣接していない勢力は、大阪市に攻め込むなどして留守となったライバル都市を速攻で落としたい。無論、これは大阪市と隣接している勢力が試しても悪くない。

能勢町や豊能町の場合はさすがに厳しいが、鉄砲を買い集めて何とか意地をみせたい。島本町は山城エリアの群雄と自身を位置づけた方がプレイしやすいかも。

難読地名としては、能勢(のせ)、豊能(とよの)、箕面(みのお)、茨木(いばらき)、吹田(すいた)など。


3−3.北河内エリア (7勢力/7都市/最高石高118257石)

全くの余談となるが、北河内エリアは、本ゲームのマップ制作上のエッセンスが凝縮されている。拡大マップの縮尺が全然異なる「大阪エリア」と「北和・東和エリア」に挟まれており、そういった事情もあって、大阪エリアに隣接する都市はできるだけ大阪エリアに近い位置に凝縮し、逆に北和・東和エリアに隣接する都市は、そっちのマップで文字が重なりにくいように、間隔を広げまくったというあんばいだ。
このような様々なゲーム管理上の理由もあって、本来の位置を全く外れた配置になっている事もあるが、ご了承願いたい。

さて北河内エリアは「1強、2弱、4普通」で構成されている。1強は無論枚方市で、特にアドバイスは不要だろう。
2弱の交野市と四条畷市は、シンプルに厳しめ。何とか留守宅状態になったライバルの都市を奪うなどしないと明るい未来はない。ただ「いくら都市を奪っても先行きの見えない」日本海側と異なり、こっちは1都市奪うだけでも格段に未来が明るくなる状況なのだから、何とか頑張りたい。
残る4普通の勢力に関しては、基本は2弱と同じ。財政再建中の大阪市なり、主不在状態になった枚方や東大阪を奪うなり、チャンスがあればどんどん掠め取っていこう。

難読地名としては、枚方(ひらかた)、交野(かたの)、四条畷(しじょうなわて)など。門真(かどま)や大東(だいとう)は音訓を誤らないようにしたい。


3−4.南河内エリア (12勢力/12都市/最高石高150155石)

東大阪市や八尾市や柏原市などの中河内地方の群雄を南河内に含めるべきか否かは思いもあったが、北和・東和エリアや山城エリアとも隣接するエリアにこれらを含めると、色々違和感もあったので、こっちに回した。

さてこのエリアの傾向だが、このエリアで主役を張るのは、東大阪市と八尾市の2勢力。本来、中河内に属する群雄ばかりである。残念ながら生粋の南河内エリアの群雄は、0人プレイでは脇役にしかなれない。東大阪市か八尾市か堺市のいずれかにやられるのが、おきまりのパターンだ。
この地で主役を張れる東大阪市か八尾市でプレイするなら、それほどの問題はない。東大阪市ならパワープレイでも十分だし、八尾市なら東大阪市の背後を襲うも良し、東大阪市と同盟を結び、南や東に進んでも問題ない。

問題はその他の群雄である。
基本は、大阪府の大半の群雄が取らざるを得ない、漁夫の利プレイだろう。財政再建中の堺市もどんどん攻め立てたい。南東部の郡部3町村に関しては、鉄砲の活用が有効だ。
なお奈良県中南部方面への侵攻も可能だが、大阪府方面で状況が硬直しない限りは、後回しにした方がいい。奈良県中南部はぶっちゃけ貧しくてうまみが少ない。

難読地名としては、八尾(やお)、羽曳野(はびきの)、富田林(とんだばやし)、大阪狭山(おおさかさやま)、千早赤阪(ちはやあかさか)、柏原(かしわら)など。丹波エリアの柏原(かいばら)や中和エリアの橿原(かしはら)と混同しがちなので要注意。大阪の柏原は阪奈を結ぶ交通の要衝の一つであり、兵庫の柏原は天気予報などでよく取り上げられる地名であり、奈良の橿原は県内の有力都市として知られ、いずれも中途半端に知名度があるのが余計にややこしくさせているのかも。
千早赤阪は、かの楠木正成の出生地にして、また挙兵した地でもある。ゲームでも楠木公の雄略を再現したい。


3−5.堺エリア (1勢力/7都市/最高石高83492石)

堺は、関西第4の政令指定都市である。国力的には神戸市・京都市の約半分でしかないが、それでも政令指定都市ならではの長所と短所を併せ持っているので、それ相応の対応が必要になってくる。
まず2年ほどは、財政再建しなくてはならない。いくつかの都市は捨てざるを得ないだろう。運が悪いとかなり領土を削られるが、幸い、堺市の隣接都市はそんなに強くはないので(大阪市除く)、堺区さえ死守できれば、挽回は不可能ではない。

ただ神戸市や京都市のケースと異なり、堺市の隣には大阪市という強豪がいる。この強豪の状態は、良く見極めたほうがいいだろう。大阪市がかなり弱っている状態なら、大阪市の領土にどんどん進行していけばOK。逆に大阪市がまだまだ強いと感じた場合は、同盟は是非とも結びたい。
そして大阪市対策が一段落済めば、とりあえずの進行ルートは和泉エリアがいいだろう。和泉エリアは豊かである割に、突出した勢力が皆無なので、少々財政再建で領土を削られていたとしても、反撃・進撃はそんなに難しくはない。そして和泉エリアと堺エリアを統一すれば、天下への道筋も徐々に開けていく事だろう。

難読地名は特に無さそう。


3−6.和泉エリア (12勢力/12都市/最高石高91858石)

和泉エリアは、12の勢力がそれぞれ1つずつの都市を保有する形となっている。その形状はほぼ横長1車線から2車線の状態で、しかも突出した勢力がない事から、侵略者の側から見れば、典型的な各個撃破の的だ。
ただお隣の堺市は、序盤の財政再建期間が効いて動きが封じられがちだし、他の近隣勢力もそれほど厄介な存在はない為、実際にはこの地方を脅かす強大な外部勢力が和泉エリアに牙を向くのは、むしろ中盤以降が殆どである。
田尻町が目立って弱い以外は、全体の水準がほぼ均衡している事もあって、0人プレイでもこのエリアで大きな戦いが起こったり、突出して強い勢力がこのエリアから現れる事はほぼない。

故にこのエリアでプレイする場合は、ライバルが隙を作るのを待つだけの漁夫の利プレイスタイルだけでは、やや難しい場合がある。その場合は、自ら和歌山県内なり堺エリアなどに足を踏み入れて、自ら新しい空気作りから始めなければならない。初期資金が少ないのを承知の上で、あえて鉄砲に予算をつぎ込むのも一興か?
という訳で、和泉エリアで目立って最弱勢力である田尻町でプレイするのも面白い。豊富な初期資金を武器に鉄砲をつぎ込んで、硬直状態になりがちな和泉エリアに喝を入れてやろう。喝ついでに和泉エリアの覇者になれれば、こんなカッコいい事はない。

なおゲームの世界では、場が硬直しやすく平和主義的なイメージすらあるエリアだが、現実世界では方言から車の運転から祭りにいたるまで、むしろ荒々しいイメージが強いエリアである。

難読地名は特に無さそう。それでも強いて言えば、和泉(いずみ)くらいか?






4.和歌山県 (30勢力/50都市/最高石高101962石)

和歌山県は、近畿2府4県の中では、最も過疎気味な県である。その人口は100万人前後で、神戸市や京都市の約3分の2しかない。
そしてゲーム的に重要なのが、全部で50ある和歌山県内の都市の内、和歌山1都市だけに県内全人口の約40%が詰まっているという事実だ。
極論すれば、和歌山1都市の最高石高と、その他の県内都市40個ほどの総最高石高が互角という事である。
和歌山県内の格差社会ぶりは、あまりにむごい。
ただゲームでは、これ以上都市間の格差が縮小する事もない代わりに拡大する事もないので、ただ現状を受け入れてプレイするのが基本となる。

0人プレイでは、和歌山県勢が天下を取る確率は皆無に近い。あえて言えば、紀の川市が最も天下に近いくらいである。
が、プレイする立場に立てば、意外とプレイしやすい県である。東紀北以外の勢力は、まず和歌山を目指せばいいし、和歌山を奪った後は、和泉エリアに乗り込んでいけばいい。和歌山県内の勢力は良くも悪くも五十歩百歩の水準の勢力が多く、和泉エリアの勢力も和歌山を奪った勢力の戦力があれば、飲み込むのは難しくない。
基本戦略は単純だし、その道筋も決して絶望的な勢力ばかりではない。
プレイする立場に立てば、なかなか面白いのがこの和歌山県である。

なお本ゲームでは、国道・県道および主要道路(これはある程度は主観となる)で結ばれる都市間を経路を結んでいるが、例外もある。例えば東紀北のかつらぎと南河内の河内長野間などはマップの関係で、粉河と貝塚間や、龍神〜中辺路間や、熊野川〜古座川間などは非主要道路と位置づけて経路をつながなかった。高速道路も無いものとして処理してある。
つまり現実には、もっと多くの交通ルートが存在する。和歌山は特にその傾向が顕著なので現実世界で訪れる際には参考にしたい。中でも紀中以南は高額な公共工事による道路が充実しており、例えば海南〜御坊間の高速道路はなんと約半分がトンネルの中。那智勝浦〜新宮間を国道42号線沿いに建設中の通称「二階バイパス」は、総工費なんと1200億円。これだけあれば、財政難と騒がれた神戸ルミナリエが200年開催できる。すごい!




4−1.西紀北エリア (4勢力/9都市/最高石高54721石)

本来は、東紀北とセットで1つのエリアとする予定だったのだが、そうするとあまりに横長になりすぎて拡大マップが見辛くなってしまった為、2つに分けた。
そういう事情でできた西紀北エリアだが、ここには和歌山県で最有力な2勢力が結集している。即ち、パラメータ上はダントツ優位の和歌山市と、実際に0人プレイを進めると最も活躍しがちな紀の川市である。

和歌山市は、コンピュータが担当すると、舞鶴市と同様、なぜか本領を発揮できずに自然消滅しやすい。が、プレイする立場になると、おそらくなぜコンピュータの和歌山市がこんなに弱いのかが理解できないと思えるくらい、楽勝のはずである。貧しい県南部に関心を持つ必要はないので、さっさと北上していこう。
対する紀の川市は、コンピュータが担当すればおそらく和歌山県勢の中で最も気勢を上げる勢力となる。紀の川市の最大の強みは、5部隊を始めから保有している事なので、この大勢力をもって、まずは岩出市か和泉エリアの適当な勢力を攻め滅ぼすことから始めたい。
岩出市は、率直に厳しい。和歌山県と紀の川市の両方と同盟を結んだ上で、紀の川市の兵力が一時的に弱まった隙に、紀の川市との同盟を破棄して決戦に乗り出すのが一番、順当な戦略か。それでも楽な戦いにはならないかも知れないが。
残る海南市は、いきなり和歌山を目指すというセオリーを貫くのは厳しいので、和歌山市とは同盟を結んだ上で、紀中辺りで力を蓄えるのもやむを得ないかも知れない。無論、紀の川市が一時的に兵力を弱めた隙を突いて、紀の川市との全面戦争に入るのも有効な戦略だ。

難読地名としては、打田(うちた)、粉河(こかわ)、那賀(なが)など。濁るのか濁らないかのわずかの差なのだが。


4−2.東紀北エリア (5勢力/8都市/最高石高10764石)

同じ紀北でも、西紀北エリアの勢力とは、基本的に別物だと理解しておいた方がよい。
というか和歌山県勢の大半が取るひな形パターンが、このエリアの勢力の大半の場合、有効に機能しないからだ。

特に橋本市の場合は、現実世界でも大阪府の経済圏の範疇だが、ゲーム的にも南河内エリアの勢力と位置づけた方が間違いはない。但し、和歌山県内では第3位の石高を持つ橋本市といえども、南河内エリアの勢力全体から見ると下位の存在でしかないので、状況は楽でもない。とはいえ南下してもメリットは殆どないので、厳しいのを承知で北進していくのが、結果的にはベストだろう。

かつらぎ町の場合は、保有する2都市がなんと分断されている。何とか連結したいのは分かるが、無理は禁物。この際、花園は捨てる覚悟も必要だ。進撃ルートの選択肢は豊富なので、紀の川市でも橋本市でも、あるいは大阪勢でも、隙を見せた勢力の都市から順次攻略していきたい。鉄砲を活用すれば、攻略も楽になる事だろう。

残る3勢力も鉄砲の活用が必須。九度山町や高野町の場合は、打倒橋本市。紀美野町の場合はどちらの紀北のエリアでもOKだ。

難読地名は、九度山(くどやま)くらいか。真田昌幸・幸村父子が徳川家康によって幽閉させられた地として知られる。


4−3.紀中エリア (11勢力/16都市/最高石高16469石)

紀中エリアは、16の都市を11の勢力で分割支配している。大半の勢力は都市1つのみだが、有田川町・日高川町・みなべ町の3勢力が複数の都市を保有している。
この内、戦略的に重要な位置を抑えているのが、上記の内の2都市。即ち有田川町と日高川町である。現実世界ではいずれも山間部を多く含む勢力で、残りが支配する海岸線の方が交通の便もよく発展しているのだが、本ゲームでは逆。主街道であろうが山道であろうが、実際の都市間の距離がどうであろうが、そんな区別は全くないので、本ゲームでの交通の要衝を抑えているのは、あくまで山間部寄りの2勢力の方なのだ。
という訳で、ゲーム上、紀中エリアで主導権を発揮するのも、山間部の2勢力。但し、主導権といっても極めて低レベルなものであり、大抵の場合は、山間部の勢力が豊富な初期兵力を引っさげて海岸線の他勢力にちょっかいをかけたのはいいものの、息続かず撤収するか、鉄砲の威力の前に返り討ちに遭って痛み分けに終わるケースが多い。

という訳で紀中エリアは、有数の鉄砲保有エリアでもある。史実で有名な紀州の雑賀衆や根来衆は主に西紀北の集団であるが、本ゲームではむしろ紀中や紀南に鉄砲を大量に抱えた勢力が多く存在する。
下手すると攻め込んだ方が痛い目に遭いかねない、極めて厄介なエリアである。

即ち、上記の2勢力はなまじ初期兵力が多い事もあって、鉄砲の保有状況も分散しやすく、また調子に乗って攻め込んでは返り討ちに遭ったりもするので、結果的には初期状態で有利な2勢力の方が弱体化しやすい。そしてこの2勢力が保有する都市の方が、交通面で重要性が高い事もあって、プレイヤーにとっては、絶好のカモになりやすい。

慌てて動かず、隣接勢力が他都市と交戦して疲弊するのを待つ方が、結果的には楽なケースが多いエリアといえる。
逆を言えば、自分から下手に攻め込むのは論外として、序盤に攻め込まれて痛み分け状態になったあげく第三勢力に漁夫の利を得られても悲惨なので、まずは外交策も駆使して、守りを固めよう。
自分から攻める場合は、入念な準備を怠らない事である。

難読地名としては、有田(ありだ)、広川(ひろがわ)、金屋(かなや)、南部(みなべ)、御坊(ごぼう)、印南(いなみ)など。濁音がらみとか、微妙な引っかけ的な難読地名が多い。もっとも有田は、「有田みかん」という強力なブランドでも知られる地名であり、みかん箱にもひらがなやローマ字で書かれていたりするので、気をつけて見れば、有田焼の有田(ありた)と異なり、こちらは「ありだ」なんだとすぐに気がつくはずなのだが・・・。



4−4.紀南エリア (10勢力/17都市/最高石高20008石)

10の勢力が17の都市を分割しているが、その中でとりわけ目を引くのが、和歌山県第2位の勢力にして、5都市を保有する田辺市である。いかなる勢力でプレイしても、田辺市に最初に目をつけられると、かなり苦しい状況になる。が、田辺市もその威勢は長く続く事もなく、大抵の場合はいずれ兵力をすり減らし、和歌山県でよくある普通の群小勢力の一つに落ち着く事が多い。
要するに田辺市に序盤に攻め込まれないように対策できれば、とりあえず序盤は安心である。が、その後はその後で苦難は続く。元々貧しいエリア故に、都市を攻略してもなかなか石高は上がらず、しかもライバルは大量の鉄砲を保有している事がザラだからだ。
うかつに戦争状態にすると、相手も大きく傷つくが、自分も大きく傷つき、しかも雇える兵士数があまりに少ない事もあって、そのまま歴史の表舞台からフェードアウトさせられかねない。

という訳で攻略方法だが、実は田辺市は最大の脅威にして最大のカモである。田辺市は初期資金が少ない事もあって、鉄砲の装備率は非常に低い。しかもその威勢が長く続く事もない為、弱体化した後、改めて攻勢をかけてやれば、意外と効率よく攻略も可能だ。田辺は紀南エリアの中でもダントツの石高を持っているので、ここを取れば兵力の補充も簡単になるし、良いことづくめなので、虎視眈々と田辺市が弱体化するチャンスを待とう。無論、序盤でも、田辺市がどこかの都市を兵糧攻めにかかった隙を見計らうなどして、その間に田辺市の都市を奪うのも良い方法だ。
紀南エリアで第2位の勢力である新宮市も、同様の理由で割と攻略しやすい。
以上の理由から、本ゲームで最低石高勢力である北山村は、実は難易度は本ゲーム最低級という訳ではない。大量の鉄砲を引っさげて新宮市と田辺市の領土を侵食していくだけで、効率よく北上できるからだ。(但し、兵力の補充は序盤は一切できないので、かなり緻密な戦略戦術センスが必要になる。)
本当に絶望的な勢力は、むしろ太地町や古座川町の方である。

難読地名としては、中辺路(なかへち)、本宮(ほんぐう)、大塔(おおとう)、上富田(かみとんだ)、太地(たいじ)など。音訓入り交じった引っかけ的な難読地名が多い。和歌山県の難読地名は、トラップっぽいのが多そうだ。






5.奈良県 (39勢力/47都市/最高石高140596石)


奈良県は、本ゲームでは「北和・東和」「中和」「南和」の3エリアで分割されている。奈良県のエリア分割に関しては、実は最後まで悩んだ。最大5分割する事も視野に入れて検討したが、最終的には「中和エリア」に、奈良県中西部の密集エリアを詰め込む形が、一番マップ的に見やすいと判断して、このような形となった。要するに拡大マップの倍率の問題を最優先にしたという事だ。
決して小さな県だから3つしかエリアがないのではなく、人口も和歌山県の1.5倍を擁する。

さて奈良県の特徴は、典型的な弱小勢力分立型である。大阪府のようにハイレベルの人口エリアでもなく、本来ならばもっとスマートに統合されても良さそうな市町村が、ほとんど平成の大合併を経ても変わらない形で残っている。かつて明日香村と橿原市の合併話が、一部の歴史マニアらの反発を受けて挫折したという俗説も聞いたことがあるが、歴史を重んじる地域や、そういう人程、行政の効率化の名の下に安易に地名を消す事には抵抗があるのかも知れない。そして奈良県は、日本の主な歴史の出発点でもある・・・。
ただ本ゲーム的には、対して強くもない勢力が合併もせずに乱立している状況は、不利以外の何者でもない。奈良市以外の奈良県の勢力が天下に覇を唱えることは、少なくとも0人プレイではありえない。
和歌山県のケースの場合は、プレイすれば意外と難易度の低い勢力も多いが、奈良県の場合は全体的に難易度も高めなので要注意だ。




5−1.北和・東和エリア (9勢力/14都市/最高石高74474石)


北和と東和を分離するアイデアもあったが、分離したところで元々横長いエリアがさらに横長になって、見にくさに拍車をかけるだけなので都市数は多いが、このまま一体化させる事にした。

そんな難産の末の「北和・東和エリア」だが、複数都市を持つのが奈良市と宇陀市である。本ゲームの奈良県の勢力で最も気勢を上げるのも、またこの2勢力だ。宇陀市よりも人口の多い都市は、北和・東和エリアには奈良市の他にもいくつもあるのだが、実際にゲームを進めると、宇陀市は奈良市に次ぐ活躍を見せることが多い。但し、その宇陀市も、やがて奈良市や伊賀市の猛攻の末にひざを折る事が多いのだが・・・。

奈良市でプレイする場合は、さほど問題ない。生駒を早期に押さえて枚方市等が奈良県に侵入するのを防ぐのが定石だが、自信のあるプレイヤーなら、わざと生駒を敵に与えて、敵主力が中和エリアに攻め入った直後に生駒を取り戻して退路を断つという技もある。奈良と生駒の2都市を押さえるだけで、京都府や大阪北部からの敵は完全シャットアウトできるので、この利点をうまく活用したい。

生駒市でプレイする場合は、枚方市を警戒すること。不安なら早い内に同盟を結んでおくのも一つの手段。基本は山城エリアや中和エリアの弱小勢力を潰していけばOKだが、奈良市が隙を見せたら、奈良自体も奪えるよう準備はしておきたい。
大和郡山市や天理市なども、基本は生駒市と大差なし。
宇陀市は序盤有利な勢力だが、伊賀市辺りが本格的な西進をもくろむ前に、桜井なり名張なりの豊かな都市を奪って国力を高めないと、いずれ息切れする可能性がある。
山添村・曽爾村は、かなり厳しい状況だが、とりあえず鉄砲を買い集めた上で、積極的に動きたい。御杖村は・・・曽爾の地で異変が起きるまでは待つのもやむなしか。
残る桜井市でのプレイに関してはノーヒント。選択肢がかなりある勢力なので、プレイヤーなりの戦略で切り抜けて欲しい。

難読地名としては、生駒(いこま)、都祁(つげ)、曽爾(そに)、御杖(みつえ)、宇陀(うだ)、榛原(はいばら)、菟田野(うたの)など。何となくシナリオライターが、自作キャラクターの名字に使用したくなるようなマニア好みっぽい地名が多そうだ。


5−2.中和エリア (18勢力/19都市/最高石高57505石)

狭い面積の中に、19もの都市と18もの勢力が乱立する、近畿最大の超密集エリア。
本来、西和や東和に入れても良い都市も含んでいるが、拡大マップの倍率を考えた結果、密集エリアだけを集めて、まとめて1つに押し込んだ方が画面の表記的には無難そうだという事で、こういう案配となった。

さて見ての通り、中和エリアの乱立具合は尋常ではない。幸いというか、中和エリアに隣接する勢力の大半(柏原市・生駒市・桜井市など)は、より強大な勢力(東大阪市・八尾市・奈良市・枚方市など)をすぐ近くに抱えているため、そちらに気を取られて、中和エリアに積極的に関心を持ってくる事は少なめだが、そのより強大な勢力が、元々隣接していた勢力を潰してからは、蜂の巣をつついたような騒ぎに陥ることも少なくない。

典型的な「井の中の蛙」状態に陥りやすいエリアなので、一刻も早く中和エリアから飛び出して一定の安定勢力を築くか、もしくは中和エリアの覇者となる気概で速攻で中和統一に取り組むかしないと、かなり将来は厳しい。

さてそんな中和エリアの勢力は、「中和エリアの中ではマシだが全体から見たらその他大勢」か「中和エリアの典型的なタイプ」か「中和エリアの中でもどうしようもなく厳しいタイプ」の3つに分類できる。
橿原市はその1番目の典型で、0人プレイではよく明日香村や高取町にプレッシャーをかけるが、こういう石高の低い都市に固執するのは、実は愚の骨頂である。こういう弱小勢力は、外交で取り込むのが上策であり、むしろ桜井市や大和高田市などに狙いを絞った方が効率的だ。香芝市や大和高田市や広陵町でプレイする場合も、何とか倒せる範囲で、少しでも石高の高い都市を狙う方が効率的という点では同じだ。
2番目のタイプは、ある程度は風を読まないと厳しい。大阪府の勢力の基本手段である漁夫の利プレイが有効だろう。
3番目のタイプは、鉄砲を買い集めて、とにかく激しく戦い抜いていこう。それしかない。

このエリアでは難読地名はかなり多く、平群(へぐり)、斑鳩(いかるが)、安堵(あんど)、王寺(おうじ)、上牧(かんまき)、香芝(かしば)、當麻(たいま)、御所(ごせ)、田原本(たわらもと)、橿原(かしはら)など。奈良の地名は、マニアが喜び、それ以外の者が困惑しそうな真の難読文字が非常に多い。


5−3.南和エリア (12勢力/14都市/最高石高8617石)

都市あたりの石高で言えば、ゲーム内でダントツの最貧エリア。
本ゲームでは、石高に反比例して初期資金額が増える為、貧しい勢力程、鉄砲を買い集めやすく、そう言う意味ではむしろ有利なプレイも可能だ。故に通常の場合は、貧しい勢力であえてプレイするのも、実は必ずしも難易度が高い事を意味しない。
だが極貧勢力ばかりが割拠するエリアとなると、これは大変だ。
ライバルはほとんど皆、鉄砲をありったけ抱え込み、その攻略は至難を極める。しかもその困難を乗り越えて都市を奪っても、経済力はほとんど増えない。当然ながら、失った兵士数もそう簡単には元に戻せない・・・。恐るべき負のスパイラルである。

南和エリアの外に飛び出しやすい、五條市や十津川村・吉野町・大淀町・野迫川村辺りは、まだ不幸中の幸いだ。
だが上北山村を筆頭とする南和の奥深くの勢力でプレイしようものなら、地獄を体験する事になる。おそらくどんなに腕に自信のあるプレイヤーでも、どうにもならない展開になるだろう。
これらの勢力でプレイすれば、「絶望」が体験可能。本当につらいのはあちこちから攻められる事ではなく、何もできない、何の対策も取れない、前進の実感も味わえない、努力の成果が見えない・・・そういう事が嫌でも分かるはずだ。どんな弱小勢力でもクリアできるぜ、という自信マンマンの「自称」戦国史マスターは、とりあえず体験するべし。おそらく鼻っ柱をへし折られる事になるだろう。

難読地名としては、十津川(とつかわ)、野迫川(のせがわ)、大塔(おおとう)、天川(てんかわ)など。和歌山県っぽい難読地名が多い。なお十津川村は、(北方領土を除く)日本の村の中でも最大の面積を持つことで知られる。






6.滋賀県 (26勢力/50都市/最高石高139619石)


滋賀県は、近畿2府4県の中では、最も孤立した位置にある。実は50ある滋賀県内の都市の内、他の近畿2府3県に隣接するのは、京都府に隣接する大津と信楽だけで、後の48都市は全部、その向こう側という位置づけなのである。
本ゲームでは、実質近畿地方と見なして良いとも思われる伊賀エリアと嶺南エリアも加えているが、これらを加えたのは、孤立した位置関係にある滋賀県をうまく取り込む意図も実は大きかったのである。
ただこの両エリアを加えたといっても、効率的な領土拡大を志すなら、やはり滋賀県と他府県を結ぶルートは、「大津〜京都府」ルートしかありえない。従って「大津・湖南エリア」以外の勢力は、まず「大津・湖南エリア」をめざし、「大津・湖南エリア」を掌握した勢力は、京都府を目指すというのが、この県の勢力の基本戦略となるだろう。

そんな半孤立状態の滋賀県の群雄をとりまくパターンは、簡単。
大津市か甲賀市が県外に攻め入って勇名を馳せるか、京都市・枚方市・奈良市・伊賀市などに攻め入られてフェードアウトするかの2択である。残念ながら大津市か甲賀市以外が、0人プレイで県外に飛び出して本格的に天下を争うシーンは見たことない。
また滋賀県が他県勢力に攻め入られる場合は、大抵大津か甲賀エリア経由だが、ごくまれに兵庫県勢が福井嶺南エリア経由で琵琶湖の北側から攻め入ってくる事もある。




6−1.大津・湖南エリア (5勢力/7都市/最高石高63859石)

「大津・湖南エリア」は、7つの都市を5つの勢力で分け合う、比較的シンプルなエリアだが、滋賀県ではダントツの重要度を誇る大津を含むエリアでもある。大津は、他府県との境目にあると同時に、滋賀県でダントツトップの人口を持つ大都市でもあるからだ。極論すれば、例えば京都勢が大津1都市だけを攻め取って最初の1歩を踏み出しただけで、滋賀県全体の約20%の人口を取られる事になってしまう。
下手すると最初の1歩で県の将来を左右されかねない位置に県内第一の都市があるという点では、和歌山県や奈良県と同様なのだが、滋賀県は侵攻ルートが限られている事もあって、条件はより悪い。大津市以外でプレイしても、大津市にある程度は頑張ってもらわないと極めて苦しいのが、滋賀県勢力の特徴である。

ただ「大津・湖南エリア」に所属する群雄に限って言えば、より積極的な問題の打開方法がある。それは大津を他府県勢に取られるよりも先に奪い取る事である。大津市以外でプレイするなら、できるだけ早く西進して、大津を奪い取りたい。甲賀エリアを経由するのも一つの方法である。野洲市のように湖東エリアに近い勢力でのプレイの場合は、無理をせず湖東エリアか甲賀エリアで力を蓄えるのも1つの方法だが。
大津市でプレイする場合は、京都エリアを乗っ取るつもりでまず西進しよう。それがある程度一段落付いたら、山城エリアに踏み込むも良し。滋賀県内に固執する必要はほとんど無い。

難読地名は、栗東(りっとう)、中主(ちゅうず)など。栗東は、中央競馬の調教拠点として非常に有名であるが、最近では新幹線の新駅構想で大いにニュースになった。ちなみにこの構想は、滋賀県知事の判断等により中止が決まり、某元総理に「女の人だな、やっぱり(視野が)狭い」と酷評された。



6−2.湖西エリア (1勢力/6都市/最高石高5329石)

「湖西エリア」に所属するのは高島市のみ。6都市6部隊を保有するなかなかの有力勢力で、頑張ったらいきなり大津を奪うことも不可能とはいえない。大津さえ奪えれば、天下は十分に目指せるので、困難を覚悟で挑む価値は大きいだろう。というか時間をおくほど、人口の差が効いてきて大津攻略は厳しくなるので、できるだけ早い決断が望ましい。
うまくやれば、大津市の両都市に同時に攻め入って、兵力回復の余裕も与えず圧殺する事も可能かも。

このエリアは嶺南エリアや湖北エリアとも隣接する地味な交通の要衝だが、貧しい北に固執する意味はほとんど無い。

難読地名は、湖西(こせい)、朽木(くつき)、安曇川(あどがわ)、新旭(しんあさひ)など。「西」という字は「さい」とか「せい」とか色んな読み方があって、たまに間違えやすいことも?


6−3.湖北エリア (8勢力/13都市/最高石高16549石)

13の都市で構成されるが、うち4つが米原市、うち3つが長浜市が占める。残る6つの勢力は、鉄砲の買い占めが必須といって良いような弱小勢力ばかりだ。
ちなみに6つの弱小勢力は、湖北の北端部に数珠つなぎで配置されており、特に高月町、木之本町、余呉町の3つは、同タイプの都市に両端を押さえられている為、領土の拡張は至難を極める。誇張抜きで、何もできないままゲームが終わる可能性が高い。ぶっちゃけ南和奥部の弱小勢力と難易度は大差ない。
湖北町、虎姫町、西浅井町に関しても、先の3町よりは周囲に流動性がある分はマシだが、クリアできる保証が一切ない勢力という点では変わりない。

という訳で普通のプレイヤーは、長浜市か米原市でプレイすることになるはず。
なお、人口的には長浜市の優位だが、総合力は米原市の方がずっと楽だ。方針としては、北部の6勢力にはあまり構わず、長浜VS米原の争いに一段落が付いたら、早い内に湖東エリアを経由して、他県に殴り込みをかける事が基本になる。領土拡大が遅いと、大津周辺を他府県勢に押さえられている事もあるが、この場合は「頑張ろう」としかいえない。但馬エリアや丹後エリアのような日本海側の勢力よりはマシな状況なだけに、本当に頑張って欲しい。

難読地名は、米原(まいばら)、余呉(よご)、浅井(あざい)、西浅井(にしあざい)など。但し、米原町の時の町名など一部で「まいはら」の模様(駅名等は昔から「まいばら」)。普通に地名として使う分にはどちらでも通用はするようである。
なお米原市は、名神高速道路や東海道新幹線などが岐阜県の関ヶ原町に向けて通過する場所で、まさしく中部地方と近畿地方をつなぐ一大ポイントである。
近畿の市町村に何の愛着も関心もない関東・東海のプレイヤーは、少し脳内補完した上で米原市で始めるのも一興だろう。


6−4.湖東エリア (10勢力/17都市/最高石高38961石)

10の勢力と17の都市で構成されるが、2都市以上保有するのは、東近江市と愛荘町のみ。中でも東近江市は、7つもの都市を保有しており、本ゲーム中、最も多くの部隊と兵力を持つ巨大勢力である。
但し、0人プレイでは、東近江市はあまり活躍できない。理由は色々あるが、その一つに本来弱小であるはずの郡部に鉄砲を主力とする勢力が多いことと、いびつに都市が広がっている事もあって、なかなか守備を固めきれないのも一因かも知れない。
逆を言えば、彦根市や近江八幡市を優先して狙うようにするのも効果的だろう。
近江八幡市の場合は、早急に西進したい。彦根市も同様だが、できれば東近江市の兵力がある程度損耗した後に西進した方が良いだろう。
その他の郡部勢力でプレイするなら、鉄砲を買い集めた上で、市を名乗る勢力を翻弄しておくのが良さそうだ。但し、難易度は高めなので覚悟は必要。

難読地名は、愛荘(あいしょう)、愛知川(えちがわ)、秦荘(はたしょう)、五個荘(ごかしょう)、蒲生(がもう)、豊郷(とよさと)、近江八幡(おうみはちまん)など。ちなみに本ゲームでは、基本的に役所・役場の所在地がある都市の名を冠する部隊を当主扱いにしているのだが、愛荘町は旧愛知川町役場と旧秦荘町役場が両方とも正規の町役場という扱いになっているらしい。だからといってゲームの仕様上、ツートップにはできないので、とりあえず町長室や議場がある愛知川の方の部隊を当主扱いにする事にした。
豊郷町は、個性的な形の小学校旧校舎と個性的な髪型の前町長で、プチ有名。


6−5.甲賀エリア (2勢力/7都市/最高石高14921石)

甲賀エリアは、甲賀市が保有する5都市と、湖南市が保有する2都市で構成されている。
南の伊賀エリアと同様、智謀値が高い部隊が集まるエリアで、普段とは違った雰囲気でゲームを楽しめる。
難易度は必ずしも高くなく、0人プレイでもまれに甲賀市による天下統一を見ることができる。大津市と並んで、滋賀県のツートップである。あくまでゲームの話であるが・・・。

甲賀エリアの勢力にとって最大のライバルは、やはり伊賀市。残念ながら石高でも地理的な守りやすさでも、甲賀市は伊賀市より条件が悪いが、ここは何とか頑張ろう。伊賀市と同盟してプレイする方が楽なことは楽だが、この辺は雰囲気重視でもOKだ。
湖南市は、甲賀市の陰に隠れて印象は薄いが、一応甲賀エリア勢という事で、部隊の能力値は甲賀市のそれと同じ。よりハードな条件でプレイしたい人はどうぞ。

難読地名は、甲賀(こうか)、水口(みなくち)、信楽(しがらき)、甲西(こうせい)など。甲賀は「こうが」の読みで全国的に有名であるが、地名としては一応こっちが正式。但し、「こうが」と読むのがおかしいという事はないようで、むしろ地元住民も普通に「こうが」の読みも使い、また地域ブランド名としても「こうが」を積極的に使用している模様。当然、甲賀忍者ゆかりの地でもある。信楽は、たぬきの置物で有名。






7.その他のエリア

ゲームでは、近畿2府4県の他に、三重県から伊賀エリア、福井県から嶺南エリアが登場する。ゲーム的な事情による理由も勿論あるが、現実世界でも極めて近畿に馴染みに深いエリアである。




7−1.伊賀エリア (2勢力/7都市/最高石高18098石)

伊賀エリアは、三重県の中でも突出して近畿と馴染みの深いエリアである。歴史的も勿論そうだが、地理的にも淀川につながる木津川水系上にあり、経済的にも近畿・大阪方面への通勤人口がかなり多く、文化的にはテレビも関西圏の番組をメインに視聴する世帯が多いとされる。三重県は時に近畿圏ともみなされる事もままあるが、その事情は伊賀エリアが極めて関西寄りの土地柄であるという事情もかなり効いていると思われる。

そんな伊賀エリアは、伊賀市と名張市の2つで構成されている。この両市は、人口差はさほどないのだが、かたや6都市6部隊、かたや1都市1部隊という事で、ゲーム的な戦力バランスでは、伊賀市の一方的優位が確定している。
伊賀市は0人プレイでも意外と有力で、奈良市や大津市といった強豪を差し置いて、付近エリアで威を見せる事も多く、天下を取ってしまう事もある。北隣の甲賀市もそれなりに有力だが、伊賀市の方が地理的にも戦力的にもさらに上に行く事もあって、序盤の内に甲賀市を無力化してしまう事も多い。
以上の理由で伊賀市でプレイするなら、実はそんなに苦労しない。

一方の名張市の方は大変だ。もたもたしていると、確実に伊賀市に潰されてしまうので、一刻も早く勢力を拡大しないとならない。バクチ覚悟でうまく上野を急襲して落とせれば最善だが、難しそうなら宇陀市辺りとのドンパチは避けられない。ただ宇陀市も、名張市の戦力では十分に強豪なので、どちらにしろ厳しい事に変わりはないが・・・。
という訳で、名張市のプレイは、自信を持って難関だと宣言できる。

難読地名は、多分ない。


7−2.嶺南エリア (6勢力/8都市/最高石高14727石)

嶺南エリアは、若狭湾に面するエリアで、福井県に組み込まれるまでは近畿圏の一部そのものとして機能していた。経済面でも京都府や滋賀県方面と比較的密接なつながりがあり、方言などもこれらの性質に非常に近い。
ゲームでも、地味に交通の要衝の一つであり、このエリアがあるとないのとでは大きな違いとなる。普通に日本地図をぼーっと見ると京都府と滋賀県はすごく密接っぽいが、実は山が邪魔して、京都府北部と滋賀県北部は通常行き来不能。別世界。それをジョイントする嶺南エリアの価値は地味に高い。もっとも現実世界では、滋賀県北部の民にとっての丹後・丹波、京都府北部の民にとっての湖北・湖西は、基本的にほとんど用のない場所なので、嶺南地方がジョイントの役割を果たしていようがいまいが、そんなことはどうでもいいと言われればそれまでだが。
現実世界の関西人にとっての嶺南の価値は、一番に原発であって、嶺南の地理的価値はそれほど重要ではないのかも知れない・・・。

前書きが長くなったが、嶺南エリアは6つの勢力と8つの都市で成り立っている。そしていずれも中途半端に貧しく、経済的にはうまみがないエリアと言わざるを得ない。本ゲームでは原発がいくらあろうが、そんなことは全く関係ないので、残念ながら嶺南エリアは、ただの京都府北部と滋賀県北部を結ぶルートでしかないというのが、実感だ。そしてむごい現実として、このルートを最も派手に生かすのは、実は全くよそ者の京都市や兵庫県勢なんて事もしばしば。土着の嶺南・湖北・湖西・丹後・丹波勢では、残念ながら嶺南エリアを一気に貫通できるような国力がないからだ。

そんな嶺南勢でのプレイは、非常に厳しい。
一番国力的にマシなのは敦賀市だが、それでも鉄砲を大量に抱えているであろう勢力が付近に乱立しており、侵攻は簡単ではない。湖西の高島市を相手にしても、厳しい戦いを余儀なくされる割には、うまみが少なく厳しい。
むしろ京都府よりの高浜町やおおい町の方がまだマシかも。特に高浜町は、現実世界では舞鶴経済圏に属する小さな町でしかないが、本ゲームでは鉄砲を活用する事で、舞鶴市を打倒する事も不可能とはいえない。
残る小浜市、若狭町、美浜町は、うかつに動くとやぶへびになるので、慎重に機会を待ちたい。若狭町の場合は、テクニカルに行動すれば、湖西に一定の勢力拡大は可能そうだ。
もっともこれはあくまで序盤の戦略でしかなく、嶺南エリアの群雄にとっての真の正念場はむしろ中盤以降。すなわち、湖西エリアや奥丹波エリアなどに、10万石を超えるような大勢力が足を踏み入れた時である。この段階で、まだノロノロしているようなら、嶺南エリアの群雄は当該の大勢力に貫通されて、一巻の終わりだろう。難易度は非常に高い。

難読地名は、嶺南(れいなん)、敦賀(つるが)、大飯(おおい)、名田庄(なたしょう)、上中(かみなか)など。ちなみに若狭町は、三方郡三方町と遠敷(おにゅう)郡上中町が、合併してできた町だが、合併後、郡名までリニューアルして三方上中郡となった。越郡合併自体は珍しくないが、その際に郡名まで新設してしまった点では、比較的まれな例かも知れない。
















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