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愛原様のたわごと(10年12月19日)




愛原「また更新だ。」

鼎「本当に最近、更新ペースが上がってるよね。本当なら隔週更新が当たり前なのにね。」

逆沢「ブログやってる他サイト様とかと比べたら、これでも随分のんびりペースだけどね。」

愛原「公開直後だから、今は製作は事実上一休みモードに入ってるからな。皆様からの反応を伺った上で、方向性を決めようという段階とでも言えばいいかな?」

鼎「それで仕様を、ちょこちょこいじってたりしてるのかな?」

愛原「作者の視点だけでは、どうやっても独りよがりな作品にしかならないからな。もっとも仕様変更には、作者の技術力と時間的余裕が必要となる為、やりたくてもできない事は多い。ちょっと悔しいけどな。」

逆沢「つまりバージョン1.04で追加した【顔グラ位置の変更機能】は、顔グラに文字を重ねるなと言う声を、中途半端に取り入れた妥協案って事?」

愛原「うん。文字を一から打ち直すのは時間的に極めて困難だからな。顔グラの位置変更くらいなら、どこでも移動可能だから、今回は試験的に【本来より少し上】と【消す】の2パターンを追加してみた。何か反応なり感想がいただければいいのだが。」

逆沢「うーん。けど私のような物臭なプレイヤーの場合は、不便な仕様とかがあれば【いちいちその不便な部分が気になって、製作者に文句の一つでも言ってやりたくなる】けど、良い部分なんかいちいち記憶に留めないからねー。たとえ快適にプレイできても、【そんなのは当たり前】だとしか思わないし。」

鼎「健康な人に健康なことのありがたみを自覚させようとしても、すごく難しいのと同じだと思うよ。キーコンフィグとかちょっとした電子音の工夫とかは、不便さや違和感を感じたら、いちいち気になっちゃうけど、逆に操作性が良くても、その場合はシナリオとかグラフィックとか別の部分に関心がいっちゃうだけで、誰も大して気に留めたりしないから。」

愛原「BGMなども、そういう不当な扱いを受けやすいよな。余程カッコ良かったり、インパクトが強い曲をBGMを使用してたら【良い音楽】と言われやすいが、普通に雰囲気に馴染みやすいタイプの曲を使用しても、【BGMに関しては、あまり印象に残ってない。良くも悪くもないと思う。】とアンケートに書かれて終わりな事が多いみたいだしな。」

鼎「私は、シナリオに意識を集中させてくれる程、雰囲気に馴染んだBGMというのは、実はすごく名曲だと思うけど・・・。」

逆沢「ザコ敵との戦闘用BGMなども、何回も聞く曲という事で、実はすごく製作者が気にする部分らしいけど、派手なボス戦闘用BGMの陰に隠れて、正当に評価されないケースが多そうね。」

愛原「何度も聞く事になる曲というのは、ある意味、その作品のメインテーマ曲でもあるんだがな。」

鼎「派手でカッコいい曲を使えば高く評価されて、明らかに場違いな曲を使えば低く評価される所まではまだ良いとしても、シナリオに集中させてくれるような地味で職人肌の曲を使用すれば、【印象に残らなかった】で片付けられるのは、やっぱり少し残念だよね。」

愛原「でもまぁ、それは仕方ない事だ。キーコンフィグにしろ効果音にしろ、こういうのは所詮、黒子だからな。黒子が俳優より目立っては本末転倒だし、【印象に残らなかった】と言われる程、地味な存在に徹してこそ一流の黒子なんだと思うべきなんだろうな。」

逆沢「つまりウチのゲームの黒子は、まだまだ三流って事ね。」

愛原「レイアウト関係では、まだかなり熟練しなければならないだろうな。作者の独りよがりな感覚ではどうしても気付きにくい部分だから、皆様からのこういう指摘は素直にありがたい。効果音部分に関しては、素材の質や作品との相性が良かったのか、今回も特に指摘は受けていないし、黒子として合格点だと思ってもいいかな?」

鼎「アンケートは何度でも送ることが可能ですから、気になる点、おかしな点、改善すべき点など、何でも気づき次第、気軽に書き込んで下さいね〜♪」

逆沢「作者の技術力との勝負になるから、できない事の方が多いと思うけど、一応、改善のモチベーションは今の所、十分らしいしね。」

愛原「でも良かった部分があったら、ほめてやったら作者、間違いなく喜ぶぞ。根が馬鹿だから、おだてられたら間違いなく木に登るぞ。」

逆沢「【豚もおだてりゃ、木に登る】って奴ね。」

愛原「ブー!!」

鼎「ところで今回は、これで終わり? ちょっと早くない?」

愛原「てかお前らが、勝手に終わりにしてるだけだろ? 今回は新ゲームに登場する一部のキャラの裏設定みたいなものについて、少し語る予定だ。例えば、さっき黒子の話をしてたよな?」

鼎「黒子さんは、縁の下の力持ちだよね。決して目立たないし、目立つべきでもないけど、作品を成り立たせるためには絶対に必要な存在だし。」

愛原「という訳で今回のテーマは、派手でカッコいい少年の心を持った主人公型キャラを、一歩下がったところで支える地味系キャラとしてしばしば登場する【社会人型キャラ】だ。」

逆沢「新作の主要メンバーで社会人型キャラといえば、ズバリ徳田さんと山野さんの二人になりそうね。年長者組というか、アンケート結果ではイマイチ人気なさそうというか。」

鼎「でも年長者キャラに地味キャラが多いのは、別にウチのゲームだけの傾向じゃないよね。大抵の作品では、年長者キャラの方が、どっちかというと性格的にも落ち着いてる事が多いし。」

逆沢「ジジイキャラくらいになると、かなりぶっとんだ設定のキャラも多いけど、適当な大人のキャラは、落ち着いているか、落ち着いたふりができるキャラが確かに多そうね。」

鼎「少年のような心を持ち続ける年長者キャラというのは、やっぱり色々難しいのかなぁ?」

愛原「現実世界でも、社会人になると色々ワガママを通しにくくなるからな。経営者や自営業者側の人間なら個性の強さも武器の一つになりやすいからまだしも、単なるサラリーマンの場合は、組織の歯車化しやすい為、どうしても【枠の中にはまったような】地味キャラに変質していかざるを得ない。」

逆沢「大阪支部のメンバーに限って言えば、公務員のくせにワガママし放題というか、組織の枠に縛られないようなキャラが多いみたいだけどね。」

愛原「大阪支部の場合は、軍隊教育風の指導方針を嫌う三方監督のポリシーが、強く反映されているからな。あと1年生メンバーの多くは、研修施設に滞在していた期間が短い為、やはりちゃんとした社会人教育を受けていないままという事情もある。2年生の中にも、特権のお陰か、あるいが本人の我の強さもあるだろうが、1名だけとんでもない例外規格が混じっているが。」

鼎「とすると、それなりに社会人としてすぐに通用しそうなのは、元々社会人出身である山野さんと徳田さん。それと2年生の小谷さんと吉岡さんあたりになりそうだよね。」

逆沢「本当の意味でまとまっていそうなのは、徳田さんくらいしかいないんだけど。」

鼎「でも山野さんも社会人の常識から逸脱する程の変な奇行はしないし、小谷さんと吉岡さんもその点は大丈夫な気はするんだけど。」

逆沢「うーん。山野さんに関してはまぁ大丈夫っぽいけど、小谷と吉岡に関しては、なんか危なっかしい気もするんだけど。確かに2人とも常識はちゃんと備わっていそうだけど、まだ若いというか、若さゆえの暴走を、なんか突然しそうな気が・・・。」

鼎「そうかなぁ? 小谷さんはかなり頭もいいし空気も読めそうだし、吉岡さんもルールや規律をちゃんと熟知した大人キャラだと思うけど。」

愛原「裏話になるが、吉岡の場合は、いわゆる真面目な風紀委員型キャラとして生み出された。派手なパフォーマンスは苦手だし、自分自身も【目立ちたくない】と言ってるだけあって、本来は地味キャラ志向なのだが、正義感が非常に強く、不正に泣き寝入りする事を最も嫌うような内に熱い情熱を秘めた性格だ。」

逆沢「あー、確かに言われてみれば、そんな行為が吉岡君には多いわね。授業参観でトンデモ行為をする親を部外者のくせにつまみ出そうとしたり、車の違法改造や飲酒運転を見るやいなや、直ちに行動したりするあたりも。」

鼎「応接室の掃除などもよくやってくれてるらしいし、ゴミのマナーとかも全然いい加減じゃないよね。」

愛原「吉岡は、悠久院とは違った意味で、曲がったことが嫌いな几帳面な性格だ。いや、ある意味では、悠久院に最も近いタイプかも性格かも知れない。」

逆沢「悠久院の場合は、全然几帳面ではなさそうだし、派手なパフォーマンスがいかにも大好きっぽいみたいだけどね。」

鼎「あと強い相手に対する態度とかが違うよね。悠久院さんの場合は、自分より相手の方が腕力や権力が上かどうかで態度を変える所があるけど、吉岡さんはそういう部分でも堂々としてるし。」

逆沢「世間一般の庶民からしたら、ある意味では、悠久院よりも吉岡君の方が、余程純粋な少年の心を持ってそうな気もするわね。」

愛原「そう。吉岡の場合、ある意味では悠久院よりもずっと純粋な正義感を持っている。変なスイッチさえ入らなければ、悠久院の方がずっと妥協しやすい性格も知れない。」

鼎「でも年齢的には、吉岡さんより小谷さんの方が、さらに年下なんだよね。」

愛原「うん。小谷は、18歳だからな。」

逆沢「でも頭は良さそうね。小賢しいというか、器用な部分もありそうだし。」

愛原「うん。その指摘も当たっている。でも小谷の場合、安定冒険のどっちを取るかといえば、間違いなく冒険を取るタイプだぞ。」

逆沢「え? そうなの? 小谷って、結構、空気も読めそうだし、手堅く生き残りそうな性格だと思ったんだけど。」

愛原「小谷は、本質的には【太く長く生きる】のを望む野心的なタイプだ。少年特有の好奇心を強く持っており、難題にも積極的に首を突っ込むタイプでもある。だから事件が起きる度に本気で嫌な顔をする鈴木とは正反対で、むしろ喜んで【お任せ下さい】と言わんばかりに、クエストに首を突っ込みたがる。冒険心(好奇心)が強いため、相手が自分より格上の北斗や魔術師ら相手にも、物怖じせず本質に斬り込む事もできる。怖い者知らずと言ってもいいかも知れない。」

鼎「相手が格上になるほど、肝っ玉がすわるという意味では、三方監督と同じタイプかも知れないよね。」

愛原「確かに似てるな。但し、三方はあくまで【みんなを守る】事が第一の守備の人だ。対する小谷は攻撃型。ちくっとするような皮肉もよく言うし、厳しい指摘もしてみせる。ローリスク・ローリターンよりは、ハイリスク・ハイリターンを選びやすいタイプ。2位になるよりは、1位or失格を選ぶ性格。だからよくある軍師タイプのような手堅さには、やや欠ける。つまんない勝利をするよりも、堂々と敗北する方が後悔が少ないタイプともいえる。」

逆沢「好奇心が強すぎて、もめ事に首を突っ込みたがる性格といい、リスクを恐れない性格といい、そういう部分はまさしく少年の心そのものね。」

鼎「つまり吉岡さんも小谷さんも、どちらも少年の心を強く持った大人キャラといえるのかも知れないよね。」

逆沢「これが徳田さんランクになると、かなり大人の風格もありそうだけど、これは当たってるかな?」

愛原「徳田は、優等生キャラのまま、大人になった普通人という性格設定だ。確かに空気は読める。気遣いもできる為、誰かを敵に回す事もない。勉強はよくできたみたいだし、運動も決して苦手ではなさそうだ。容姿で損をするタイプでもない。学校の先生が求めるような【素直で優秀な生徒】であり、会社組織が求めるような【素直で使える部下】であり、世間が求めるような【でしゃばらず気遣いのできる隣人】タイプでもある。」

逆沢「そのせいか、個性派の多い大阪支部では、イマイチ影が薄いイメージもあるんだけどね。」

愛原「うん。【個性が強い=凡人と違う所がはっきりある】と定義するなら、彼は凡人の枠から抜け切れていないのかも知れない。何をやらせてもソツなくこなせる安心感はあるが、ここぞの場面で決定打の打ち込めないタイプといえるかも知れない。ちなみにチラシの裏ネタではあるが、彼自身もそういう自分を少しだけ気にしていたりする。」

逆沢「へ? そうなの?」

愛原「うん。ある意味では悠久院や服部ら個性派の振る舞いを、徳田はうらやましく思っている。だから悠久院の事も別に嫌っていない。徳田は常識人だから、悠久院の言動や行動の全てに対して肯定的でもないが(実際に悠久院らに注意しているシーンもある。)、感情レベルでは全く嫌っていない為、吉岡や服部らのように露骨に悠久院が不快がるような敵意丸出しの非難をする必要がないのだ。」

鼎「そう言えば、徳田さんだけは、悠久院さんに対しても、キツい口調で罵倒したり非難したり皮肉をかます事はないよね。」

逆沢「私は、ただの八方美人な【いい人】タイプだと思ってたわ。」

愛原「確かに【いい人】には違いないが、別にいい人のふりをしている訳ではないぞ。例えば徳田は、山野に対しても強い敬意を持っているが、それは単に年長者だからだけに留まらない。自分よりはるかに年長者でありながら、自分よりも強い個性を発揮して堂々と生きているいる山野の事を、実際に尊敬しているからだ。」

鼎「つまり徳田さんは、本当はもっと目立ちたいし、はっちゃけたいけど、常識人な性格が邪魔して、それができないキャラという事かなぁ?」

愛原「うーん。そうだな。確かにはっちゃけたいとは思ってるかも知れんな。だが別に今の自分の性格を嫌がってる訳でもないぞ。むしろ周りに個性派が多い分、自分の役割や居場所がちゃんとあると思ってるかも知れない。あと徳田の場合、今まで優等生キャラとして生き続けた反動もあってか、今の職場の冒険的な環境に内心でワクワクしていそうだ。」

鼎「そういえば徳田さんの場合も、鈴木さんみたいに【次々と厄介ごとが増える環境】を全く嫌がってなさそうだよね。」

逆沢「細く長く生きたいタイプの大抵の凡人なら、鈴木さんみたいな反応を見せる方が普通のような気もするのにね。」

愛原「徳田の場合は、優等生キャラではあるが、どこかで冒険に憧れていたようなタイプでもある。自分一人ならとてもこんな冒険じみた体験はできなかったであろうという事も知っているし、だからこそある意味で、自分に冒険的な生活をさせてくれている今のメンバーに内心で感謝もしている。」

逆沢「確かに常識人の徳田さんなら、もしも悠久院らと関わりを持たなかったら、普通に2年になって普通に卒業して、普通に組織の歯車としてどこかの職場に派遣されて、普通の超素質者として人生を終えていた可能性が高そうね。いい人としてそれなりに愛され尊敬されて、まぁそういう人生も悪くもないとは思うけど。」

愛原「徳田は、性格的には【普通に優秀な、普通のいい人】だ。そしてそんな自分の長所と限界も知っている。そして未熟ではあっても爆発力もある他の仲間の事も、ある意味では正当に評価している。だから大阪支部内の誰の事も、本気で嫌う必要がないのだ。」

逆沢「徳田さんはどうやら、普通人にしては、かなり前向きなタイプでもありそうねー。」

愛原「ちなみにその点では、山野も同じだ。年長者である彼らには、ある意味、一度しかない人生を楽しむ余裕がある。社会人として何年も生きてきた彼らだからこそ、新しい冒険的な環境を楽しむ余裕がな。」

逆沢「今を生きるのに必死な悠久院や鈴木さんには、とても理解できない感覚かも知れないわね。そういうのは。」

鼎「その点は、吉岡さんや服部さんらも、実はそんなに悠久院さんや鈴木さんらと大差ないかも知れないよ。」

逆沢「普通は、若者ほど冒険が好きで、歳を重ねるごとに保守的になっていくんだけど、大阪支部のメンバーはその点で少し違うって事かな?」

愛原「うーん。今時の若者は、高校生でも公務員志望の若者がすごく多いなど、かなりの安定志向だからな。良く言えば現実的。悪く言えば夢が足りない。本当は安定した仕事に就くのがゴールではなく、むしろそこからがスタートなんだが。まして終身雇用の時代でもないし。」

鼎「でも今の日本の現状を考えると仕方ないのかも。人生を楽しむ余裕以前に、みんな生き残る事に必死だから。」

逆沢「鈴木さんなんかどう見ても、【生き残るのに必死です】という感じのキャラだしね。【細く長く生きる】論者だし。目立つことは嫌いみたいだけど、実際にはたった一人だけクエスト参加に後ろ向きだから、かえって目立ってしまってたりもしてるけど。」

愛原「これが山野くらいになると、かなり考え方が変わってくる。山野は徳田のような優等生タイプではなく、何度も職を変えているし、色々挫折も経験している。そんなにカッコのいい大人ではないが、ある意味、【自分はこの程度】というのを知っている分、妥協しながらも人生を楽しめる境地に達しているんだろうな。適当に生きているだけともいえるが。」

逆沢「典型的なそこらのオヤジね。特別に出世したわけでもないのに、それでもテレビみたりしながら、それなりに楽しく人生送ってるような脳天気オヤジタイプというか。」

鼎「でも特別に出世できるような大人の人って少数派だよね。大半の大人は、社会の歯車に組み込まれながらも、それなりに平凡に苦労しながらも楽しくも過ごそうとしているわけで。」

愛原「山野は、そういう特別すごい訳でもない、元を正せばただのオッサンだ。でも悠久院ら個性的な若者に囲まれて、若い頃に抱いたような好奇心や少年の心を刺激され、自分もその輪の中に入って楽しんでいるようなタイプだな。」

鼎「こうしてみると、大阪支部の大人キャラ達は、みんながみんな、冒険心とか少年の心みたいなものをどこかで持っていそうだよね。」

逆沢「まぁ冒険心のないキャラなら、始めから悠久院についていって研修施設から飛び出そうと思うはずがないだろうしね。」

愛原「大半の人間なら、与えられたレールにそのまま乗っても不思議ではない。だが小谷も吉岡も、与えられたレールに乗ることをはっきりと拒否した。山野もその冒険的なシチュエーションに便乗した。徳田も何の抵抗もなく、その成り行きを受け入れた。服部と金村も、それぞれの目的意識をもって、自主的に決断した。鈴木だけは、成り行きに任せてたら個性的なメンバーに振り回されて、気がついたら本来のレールから大きく外れてしまったって感じだろうが・・・。」

逆沢「それでも冒険好きなタイプが過半数を占めているのは、間違いなさそうね。」

愛原「でないと話が前に進まないからな。まぁともかく大阪支部のメンバーは、大きく3つのタイプに分かれる。1つは【自ら能動的に動く事で、自分の生き方を自分で切り開く事ができるタイプ】。悠久院・服部・小谷・吉岡らだな。次に【自分の力だけでは無理でも、きっかけさえあれば積極的に新しい生き方にジャンプできるタイプ】。徳田・山野・金村などだな。少し優柔不断ではあるが、宮本もこれに含めていいかも知れない。鈴木だけは【他人に振り回されて、自分の生き方まで他人に決められてしまいかねない受動的なタイプ】に分類されるが、彼女も物語が進行するにつれて、それなりにタフになっていくのか、はっきりと自分の意思を示す事も多くなる。」

逆沢「鈴木さんに関しては、徐々にノーの意思をはっきり示す方向に変わってる気はするわね♪ ある意味で。」

鼎「けど現実の日本人で一番多そうなのは、3番目のタイプだよね。」

逆沢「大阪支部に限って言えば、その多そうなタイプが逆に少数派みたいだけどね。」

愛原「あの個性的な悠久院に便乗してまで、敷かれたレールからはみ出してやろうと考える時点で、既に平穏を優先するタイプの人間の発想じゃないからな。服部や小谷だけじゃなく、徳田や山野なども、安定よりは冒険を内心で求める冒険者だったのかも知れん。」

逆沢「【冒険者パーティー】の異名を持つ千葉支部出身の三方監督からしたら、もしかしたら待ち望んでいたような新人たちだったかも知れないって事ね。」

愛原「かつての千葉支部は、かなり【おせっかい】なメンタルをしてたらしいから、どうみても安定志向とはいえないからな。トラブルメーカーの取り扱いにも慣れてそうだし。逆に鈴木さんのタイプの新人が過半数を占めた方が、よほど三方監督は、部下の取り扱いに苦しんでいたかもしれん。」

逆沢「なんかそれ、分かる気がするわ。中学校とかで、先生が【この問題の答えが分かる人は手を上げて】と言っても、(本当は答えを知っていても)誰も手を上げなかったりしたら、それはそれで先生はやりにくいと思うし。」

鼎「大阪支部では、そういうのはあまりなさそうだよね。悠久院さんがあの性格だから、他のメンバーも(彼の暴走を止める意味でも)手を上げざるを得ない部分もあるし。」

逆沢「あ、そうか。仲が悪そうな組み合わせも多い割に、大阪支部の雰囲気が明るそうなのは、誰もが気軽に手を上げやすいような環境が出来上がっているからなのかもね。」

愛原「もしも大阪支部が、周りの目を気にして誰もが挙手をためらうような雰囲気だったら、ただ一人手を上げ続ける悠久院の主導で、全ての議題が決定されかねないからな。」

鼎「でも実際には、服部さんや吉岡君とかが、悠久院の思い通りにさせないと言わんばかりに、かなり積極的に発言したりもするよね。」

逆沢「おかげで山野さんや徳田さんらのようなタイプも、積極的に我こそがと前に出ないで済むと。」

鼎「もしも大阪支部のメンバーが鈴木さんタイプの人達で固まってたら、山野さんや徳田さんらは、どうするのかな? やっぱり雰囲気に流されてしまうのかなぁ?」

愛原「それは分からない。ただ彼らは【非常識な社会人】タイプではない為、場の雰囲気を壊すような言動や行動を取るのは、やはり苦手だろう。いくら【冒険したい(あるいは、自分の良心に正直生きてみたい)】気持ちを内心で抱えていても、あっさり妥協してしまうかも知れない。【成熟した社会人】には、そういう【世間の空気に流されがち】な弱さがある。【社会の歯車として組み込まれる】とは、【集団の雰囲気に逆らう強さを失う】事とほぼ同義だからな。」

逆沢「まぁ、歯車が求められた動作に逆らった動きを見せたりしたら、組織としては大問題だからね。」

愛原「社会人として何年もやっていると、時々自分の限界を色々思い知らされる事になる。特に【もし自分がその職場を辞めても、その職場はそれでも今まで通り営業を続けていけるんだろうな】と自覚した時、【自分は替わりの利く、ただの大量生産品の歯車の一部品に過ぎない】事も自覚させられてしまう。仮に自分が組織に逆らってカッコいい所をみせたとしても、組織全体からすればそれは【求められていない動作をした不良品の歯車の一つ】に過ぎず、ぽいっと捨てて、別の歯車に交換してしまえば、それで済んでしまう事も多いんだ。」

鼎「社会人が、世間の空気に抵抗するのは、結構難しそうだよね。」

逆沢「今は、子供の段階から世間の空気を気にしすぎる所も、かなりありそうだけどね。手を上げるべき時も、なかなか手を上げない生徒がたくさんいるなんてのは、日本特有の現象らしいと聞いた事もあるし。」

愛原「だから徳田や山野からすれば、悠久院や服部などは、十分【一緒にいて面白い奴】なのだ。確かにその言動やトラブルメーカーぶりにいらだつ事も多いだろうが、その代わり、自分達が持っていない破壊力を彼らはしっかり持ってるからな。」

逆沢「でもそれは徳田さんや山野さんが、内心で冒険を望んでいるタイプだからこそそう思えるのであって、むしろ平穏を求めるような性格の大人キャラからしたら、悠久院とかは生意気ではた迷惑な小僧にしか思えない気もするけどね。」

愛原「それは間違いないだろうな。何のトラブルもなく平凡に毎日を過ごしてお給料を得たいサラリーマンタイプの学校の先生なら、悠久院のような生徒は、ただムカつくだけだろう。そして悠久院が研修施設内で嫌われていたのは、平穏を願うスタッフや同窓生の方が、多数派であった裏返しでもあるだろうな。」

鼎「そういえば総本部も、すごく責任を回避したがるようなメンタルを持った組織という設定になってたよね。」

逆沢「責任の二文字をすごく嫌う組織だったよね。責任を取りたがらないというか、責任を他人に押し付けたりうやむやにするためには、手段を選ばないような体質というか。」

愛原「大人になるほど保守的になるのは、どの国の民でも同じだが、今の日本人は子供の頃から既に保守志向で、大人になるとそれにさらに磨きがかかるみたいだからな。その傾向を、作品内の世界観ではより強調して反映した形になっているのだろう。」

鼎「そういえば今の日本で年代別の統計を取ってみると、70歳以上が最も保守的で、年齢が若くなるほど保守志向が薄れていくけど、20代以下になると逆に保守色が再び強くなる傾向があるらしいよね。」

逆沢「今の20代以下は、小泉政権時代に学生をやってた世代だから、その当時の空気の影響を強く受けちゃったのかな? 中国でも90年代の反日教育を受けた世代が社会で活躍するようになって、色々影響があるようなもので。」


鼎「ゆとり教育世代というのも、少しはあるのかなぁ?」

愛原「分からん。だが若者ほど冒険心が強いはずという一般的な傾向が、20代以下の今の日本人には必ずしも当てはまらない事は特筆に値すると思う。逆に山野と徳田は、現実世界の日本で最も保守志向の弱い30代を挟む形の世代であり、そういう影響も少しはあるかも知れんな。」

鼎「そういえば千葉支部のトラブルメーカーの早乙女さんは、35歳だから一番、保守志向が弱い年齢層だよね。」

愛原「この世代は、ベビーブーム&就職氷河期世代である事もあり、色々世間の厳しさも知ってるが、同時に今のオタク文化を創造・発信している側の主力の世代でもあり、おそらく【妥協しなければならない厳しい現実も知ってはいるが、内心で最も冒険したがってる世代】のような気もする。結婚したがらない男女も多く、引きこもり文化が顕在化しだした問題の多い世代でもあるが、それも大それた夢を捨てきれない世代とも分析できそうだ。」

逆沢「なるほど。つまり徳田さんや山野さんは、【社会の歯車に組み込まれてしまった部分もあるけど、内心で冒険したいと思う気持ちは失っていない】世代の典型例とも取れるわけね。」

愛原「本当なら、こういうネタをチラシの裏に書くようでは、シナリオライターとしては大失格なんだけどな。作品の中でそういう部分を表現できるようにならないと駄目だ。まぁ続編部分で、うまく表現する機会があればいいのだが。」

鼎「それでもとても大感涙もののありがたい感想を下さった方もいるよね。このレポートを見たいが為に、1年以上頑張って作りましたと言い切れるくらいに。」

愛原「うむ。昨日の晩。見つけた。なのでいい機会だから、今回は【愛原様のたわごと】の2話目もダブル公開でやるぞ。そこでゲーム難易度などに関する裏話でもやりたいと思う。」

今日の愛原様のたわごとの続き(2話目分)はこちら。











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