愛原様のたわごと(07年12月01日)
逆沢「ねぇねぇ聞いた? 守屋前事務次官の汚職事件に関連する形で、額賀がピンチらしいわよ。」
鼎「ウチのゲームに登場する額賀さんも、【不祥事のデパート】といわれる程、問題のあるキャラクターだったけど、なんかイメージ的にかぶるよね。」
逆沢「モノホンの額賀も、大概不祥事のデパートそのもんだと思うけどね。閣僚をクビにされた事も何度もあるし。」
鼎「ウチのゲームに登場する額賀さんは、どんなに不祥事まみれになっても、絶対に議員辞職に追い込めない、気がついたらすぐに復権を果たしてしまうタフな政治家って設定だけど、現実世界の額賀さんは、今回も凌いじゃうのかなぁ?」
逆沢「凌ぐんじゃないの? アイツ、結構ヤバいくらい強大なバックを持ってるみたいだし、下手すると最後には総理の椅子にまで座っちゃったりして。」
愛原「贈収賄という罪は、贈賄側と収賄側が両方いる事で成り立つ。守屋前事務次官と対になるのは、山田洋行の元専務という事で完全な国内問題だが、額賀と対になるのは、下手するとアメリカになるからな。アメリカの要人を日本政府が逮捕できるとは思えないし、それ以前に追求も困難だろう。残念ながら額賀は逃げ切るだろうな。」
鼎「でも【不祥事のデパート】という部分だけ、ゲームの設定とかぶるというのも何か複雑だよね。」
逆沢「まぁ、リアル額賀も、ゲーム内の額賀に悪い意味で劣る事はないくらいは想像できたけどね。」
愛原「それはもしかして【女の直感】って奴か?」
逆沢「は・・・、何それ?」
愛原「かつて守屋前事務次官のクビを飛ばした小池百合子元防衛大臣が、【(大臣在任中に)女の直感で『これはよろしくない』と思った】とか言って、今更ながらに功を誇っているらしい。10月5日分のたわごとでも書いたが、俺は結果が出てから【初めから予想済みでした】とばかりに功を誇る連中は、あまり好きじゃない。」
鼎「でももし、本当に予想済みだったとしたら、【女の直感】ってすごいよね。」
愛原「【女の直感】とやらがそんなにスゴいシロモノなら、これからは会社の経営も国家の運営も全て女性に任せたらいい。これで日本は安泰だ。」
逆沢「守屋元事務次官の悪妻も、もしかしたらその【女の直感】で、事前に逮捕される未来まで予知してたら、これはスゴいと思うけどね。」
愛原「自分が逮捕される予知が出ておきながら、ならばなぜそれを回避しようとしないんだ?」
鼎「タイム・パラドックスの問題は単純じゃないんだよ。ちょっとくらいあがいた所で簡単に変えられないのが未来、という説もあるんだよ。」
逆沢「そういやゲームの世界でも、予知とか暗示とか未来の世界とか、そういう要素が出てくる事もあったりするわね。」
愛原「そうだな。という訳で今回のテーマは、【謎〜予知・暗示・過去・未来】だ。」
逆沢「タイトルに【〜】を使うところが、なんかいかにも臭さ満点ね。」
愛原「まぁそう言うな。ところでRPGのシナリオにしろ、落語漫才にしろ、大長編ドラえもんのようなものにしろ、ある程度出来たシナリオと言われるものには、まず出来た【つかみ】というものが存在するだろう?」
逆沢「【つかみ】って、いわゆる【つかみはバッチリ】とかいう感じで使われるあの【つかみ】の事?」
愛原「そう。その【つかみ】。小説などでも同じ事だが、【つかみ】に失敗すると、その後、どんなにシナリオが面白くなるとしても、その前の段階で放られてしまう可能性があるから、それだけ【つかみ】は重要だ。」
鼎「キャラゲとかなら、キャラの魅力だけで【つかみ】に成功する事もあるかも知れないけど、そうじゃなければ序盤の内に、プレイヤーや読者を引き込むような工夫が必要になるよね。」
愛原「そう。そこで必ずしも、主人公が朝目覚めたシーンから始まるのではなく、その前のシーンで、全く別世界のシーンとかがオープニングに流されたりする事もある訳だ。そのちょっと謎めいた、あるいは予知めいたシーンをあえて冒頭に置くことで、読者やプレイヤーを一気に引き込もうとする。」
逆沢「それでオープニングの部分で、別世界の出来事とか、過去の出来事とか、必ずしも主人公の身の回りのシーンとは無関係のシーンが流される事もある訳ね。」
鼎「聖剣とか、伝説めいたアイテムが冒頭に出てきて、その謎めいたウンチクを語る所から始まったりするタイプもあると思うよ。」
愛原「別世界の出来事と言っても、色んなパターンがあるな。敵対組織の謀議であったり、あるいは将来仲間となる人達が勇戦するシーンであったり、一見すると主人公達には関係ないけど実は物語に深く関わってくる事件やニュースのシーンだったり・・・。」
鼎「前世の記憶とか、過去のシーンとかを登場させる事でつかみを図ったり、逆に全てが完結した後の未来をあえて冒頭に置くことで、本編で失われる大切な存在とか、守り抜いたものの素晴らしさとか、そういうのを先に匂わせるのも一つの方法だよね。」
愛原「これらの【つかみ】の部分で重要なのは、実は【謎】を提起している事があげられる。まず【謎】というか、読者やプレイヤーが関心を持ってもらえそうなことを冒頭にブチ上げる事で、【つかみはバッチリ】状態に出来れば、目的達成って事だ。」
鼎「とすると、次に重要なのは、その【謎】をどう折りたたんでいけるかって事になるのかなぁ?」
愛原「そうだな。よくある【何とか連続殺人事件】のドラマが好例だが、この謎の広げ方とたたみ方次第で、シナリオはいくらでも面白くなる。」
逆沢「【なんとか連続殺人事件】で例えれば、まず謎めいたトリックがあって、容疑者候補が数人いて、そんなパズル状態をどう解いていくかで面白さが決まるって事ね。」
愛原「そう。【なんとか連続殺人事件】の場合、中盤で容疑者候補の一人がまたもや不審死したりするが、これがさらに謎を広げる効果と、謎をたたむ(選択肢が減る事と、この事件の内容自体が大きなヒントになる事から)効果を生む。【なんとか連続殺人事件】の場合は、謎から始まり謎を解くことでシナリオが綺麗に終わる。謎の調理だけで、ちゃんとシナリオが最初から最後まで綺麗に成立してるんだ。」
鼎「【謎】って、シナリオではすごく大切な要素だったんだね。」
愛原「謎の一切ないシナリオは、単なる【お使いシナリオ】になりがちだからな。あと謎の使い方にも、良い使い方と悪い使い方がある。いわゆる【後付け設定】といわれるものは後者になりがち。伏線も何もなく、突然今までなかったような謎設定を出してくると、思わずしらけさせる事もあるので要注意だ。」
逆沢「【なんとか連続殺人事件】で、いよいよ終盤になって、突然初めて登場するキャラが真犯人だったりしたら、思わずエーッ?て思うかもね。」
鼎「作者が昔、ファミコンで【ポートピア連続殺人事件】ってゲームをプレイして、真犯人が××ってオチには、思わずエーッ?って感じになったそうだよ。」
逆沢「後付け設定と言えば、【ふっ。こんな事もあろうかと用意しておいたのだ】とか言って、御都合的に秘密のアイテムや秘密の魔法とかが登場する事もあるわね。」
愛原「事前に伏線を張っておけば違和感もなかったろうに、ここぞの場面で出すからシナリオが安っぽくなるって好例だな。ちなみにこの例の場合、この伏線を上手に張っておく事で、【何でコイツはそんな物を持ち歩いてるんだ?】的な謎を含んだ良い伏線になりうる。突然、後付け設定的に秘密のアイテムを出すよりも余程、知将っぽくなってシナリオ的にも面白くなる可能性すらあると思う。」
鼎「事前に伏線を張っておけば、それ自体が【謎】というカンフル剤になるのに、伏線を忘れるとそれだけもったいない事になりかねないって事だね。」
愛原「例えば、主人公なりラスボスなりが、ラストバトルで覚醒なり最終変化なりするとしよう。ここで大した伏線もなく突然、覚醒なり最終変化をすれば、【最初から何で最強形態で戦わないんだ】的なイメージを与えやすい。だが【できれば最終形態にしたくない理由】が事前にきちんと用意してあれば、それだけで説得力は強くなる。【ダイの大冒険】辺りは、その辺で割とよく出来ていた方だと俺は思う。」
逆沢「ああ、ミストバーンという存在は、その中でも最高の伏線だった気がするわね。序盤から登場する謎だらけの存在で、しかも物語の最終部分に関わる要素まできっちり関わってきてるくらいだもんね。」
愛原「いきなり謎だらけ伏線だらけにして、読者やプレイヤーを混乱させるのは論外だが、適度に折りたたんだり広げたりを繰り返して、飽きさせない工夫ってのは大切だと思う。勿論、最後にはちゃんと全ての謎が解けている状態が望ましい。」
逆沢「【ふはははは、冥土の土産に教えてやろう!】ってラスボスが言えば、最大の謎が解けるフラグね。」
鼎「【なんとか連続殺人事件】とかでは、岸壁にたたずむ真犯人が、いきなり真相を丁寧に話し始めて、話し終わった頃に刑事さんが遅れてやって来て逮捕されるんだよね。」
逆沢「マツオカも自殺する前に、無理やりにでも岸壁に立たせる事ができれば死なずに済んで、真相をペラペラしゃべってくれてたのかもね。」
鼎「じゃあ、額賀さんも岸壁に立たせて、疑惑の真相を語ってもらおうよ! 証人喚問の場に立たせるとかよりも余程、真相を喋ってくれるかも知れないよ。」
愛原「現実世界では、謎が全容解明されるどころか、秘密を握ったままあの世まで持っていく奴も多いからな。加古川の小2女児殺人事件も犯人が見つからずじまいのままマスコミもフェードアウトさせつつあるし、謎だらけのまま、本当に悪い奴だけが真相を抱えて歴史の闇に消えていくってのは、正直胸くそ悪いものがある。」
鼎「せめてゲームの世界くらいは、謎は解決された状態でちゃんとエンディングにたどり着けたらいいよね。」
過去のたわごと | ||||
2007年 | 11月16日 | ゲーム世界での対人設定2(その他視点) | 11月3日 | ゲーム世界での対人設定1(味方視点) |
10月20日 | レジスタンス勢力 | 10月5日 | 終盤〜エンディング | |
9月21日 | 世襲について | 9月8日 | 悪役(ヒデブ派5隊長など) | |
8月24日 | 確率について | 8月10日 | セーブ&ロード | |
7月27日 | 成長について | 7月15日 | SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理 | |
6月30日 | SRPGのマップのシステム | 6月17日 | 徴収と略奪 | |
6月2日 | 兵科あれこれ | 5月19日 | 理想の君臣関係 | |
5月4日 | 経済力うんぬん | 4月21日 | 戦略ゲームと戦術ゲーム | |
4月6日 | 公開情報と非公開情報 | 3月24日 | 個人戦用の武器等 | |
3月9日 | 兵士の武器 | 2月25日 | ゲーム作りとゲーム遊び | |
2月11日 | 少数派(属性持ち)向けゲーム | 1月28日 | バージョンアップ | |
1月13日 | 宮田軍にてこ入れ? | 12月30日 | フリーゲームの宣伝 | |
2006年 | 12月15日 | 投票・アンケート | 12月1日 | 最強の敵 |
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10月22日 | 現代・近未来ものについて | 10月6日 | 趣味の社会人クリエイター | |
9月15日 | 新作?の状況について | 9月8日 | BGMについて | |
8月27日 | 登場人物の口語表現 | 8月12日 | 女性キャラ | |
7月28日 | 主人公選択式ゲーム | 7月16日 | マイサイトについて | |
7月2日 | 死について | 6月17日 | 風刺について | |
6月2日 | シナリオタイプあれこれ | 5月19日 | ゲーム作りの進め方について | |
5月5日 | ゲーム作りを始める時について | 4月21日 | 高能力キャラの表現方法 | |
4月8日 | 悪い敵 | 3月31日 | 名前について | |
3月18日 | 伝え方と伝わり方 | 3月12日 | キャラクターのプロフィールについて | |
3月5日 | アマとプロによる基本プロット考 | 2月25日 | 自作CGについて | |
2月19日 | 著作権について | 2月12日 | バックグラウンドの設定について | |
2月5日 | SRPG95の次回作に対する期待 | 1月29日 | 分岐と自由度について | |
1月22日 | 難易度について | 1月15日 | 勢力別能力値考察 | |
1月8日 | 主人公について | 1月1日 | ユニットの能力値をどういじるかについて | |
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