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愛原様のたわごと(11年6月5日)




愛原「作者が心の中にあったモヤモヤを、一つ取り除いたそうだ。」

逆沢「心の中にあったモヤモヤ? なんだそりゃ?」

愛原「うむ。ウディタ製ゲームを作ったのに、ウディタ公式サイト様んところに一切報告や掲載をしないままというのはどんなんだという素朴な疑問がな。」

鼎「そういえば昔、7lcwを公開した時には、ツクール公式サイト様の作品宣伝掲示板に紹介させていただいた事があったよね。」

逆沢「今ではとっくに消えてるみたいだけどね。」

愛原「第三者からすれば全く気に止めることもない、本当にどうでもいい小さな小さなモヤモヤでしかないのだが、作者の精神衛生上良くないから、極めて個人的な事情により、とりあえず掲載に踏み切ったようだ。本当なら完全完結版までもっていってからにしたかったのだが、作者の予定として、今後の見通しが全く立たないのでまぁ苦肉の策という奴だな。」

逆沢「私がさらっと見た感じ、感想云々よりも、バグがあったら報告してもらえそうな感じの掲示板ね。それだけ鋭いユーザーさんが多いという事の裏返しかも知れないけど。」

鼎「新規の人とか、どれくらいいた感じ?」

愛原「12月に初めて公開した時から1週間と比べると、大体3分の1くらいかな? なぜか新作方面より7lcw方面の方が目に見えてアクセスが多かったが。」

逆沢「そりゃいきなり厳しい洗礼受けたわねー。いきなり新作無視されて、あっちに流れたか?」

鼎「ねえねえ。私達のコーナーはどんな具合?」

愛原「心配無用。こちらは超平常運転だ。こちらへのアクセス数は今までと全くと言っていいほど、変わってないぞ。いつもの常連さんだけがこっそり覗く程度の秘密結社状態だ。」

逆沢「つまり、いつも通りの言いたい放題でOKと。」

愛原「全く問題ない。ああそれと、掲示板とアンケートにそれぞれ書き込んで下さった方にも深く感謝だ。斑鳩町のイベントで登場する公園っぽい場所が何なのか知ってる人も案外いるらしく、世間は狭いなとも思った。」

鼎「あれ、ただの公園じゃなくて、実は当時大ニュースにもなった程の超有名○○なんだよね。」

逆沢「なぜ伏せ字にする? 意味分かんねー!」

愛原「まぁ斑鳩町のアレは昔、全国ニュースにもなってるし、社会科の教科書にも写真掲載されていてもおかしくない程のものだから、見る人が見れば全国どこに住んでいても、【ああ、アレか】くらいに感じられるかも知れないけどな。」

鼎「けどこうして見ると、結構広い範囲で実写系素材を使用してる感じもするよね。」

愛原「汎用素材で間に合う場面に関しては、汎用素材を優先して間に合わす傾向があるけどな。別に普段からカメラとか持ち歩いている訳じゃないし。ただ現場に行かないと分からない事もあるので、チャンスがあればなるだけ色んな場所に行くようにして、知見を増やすようにはしてるが。」

鼎「ここの作者。特にお城が好きそうだから、お城を舞台にしたイベントもなんか多そうだよね。」

愛原「お城巡りは楽しいぞ。行く場所や季節によって保存環境から管理方法から客層まで違うしな。ここは本当に天守閣しか残してないなとか、逆に天守閣は既にないような状態だけど、それ以外の保存状態が実に良いとか。ここは割とボッタクリだなとか思う所も中にはあったりするが・・・。まぁ資料だけ見ても分からないような、現場に行ってみないと分からない楽しみとかがあるのは確かだ。」

鼎「すぐ着くと思ったら意外と交通の便が悪かったり、便所や飲食店の整備具合に難があったり、あるいは逆にそういうのがすごく行き届いていたりとか、施設や場所によって色んな顔があるよね。」

愛原「施設に関しては、保存状況や景観との兼ね合いがあるから、難しいところだがな。防火施設一つとっても、こんな所に設置したら景観が台無しだと思う事はあるし、バリアフリーを意識し過ぎたせいか、こんな所まで手すりつけんなとか思う事も全然無くはない。」

逆沢「姫路城のような世界遺産クラスになると、昔からの構造を保存する方にウエイトが傾いているせいか、階段の傾斜とかも急な所があった気がするわ。」

鼎「観光客にとって優しい構造に改造するか、あえて昔のままの姿で残すか、そういう所はすごく悩みどころだよね。」

愛原「自分がお年寄りや障碍者になった時には考えが変わるかも知れんが、現時点では、むやみにあちこちに便所や売店や防火施設や手すりがあるのは、あまり好きじゃないな。もっとも世の中には悪い奴やうっかりさんも結構いるから、防火施設とかはやはりあれくらいは必要不可欠なのかも知れんが。」

逆沢「それ以前に、喉が渇いた時に売店や自動販売機が無かったり、尿意や便意を催したときにトイレが近くなかったら、すぐに不満言いそうな気もするけどね。」

愛原「ごめんなさい。やっぱりそういう施設もある程度は必要です。情けないな、俺・・・。」

鼎「交通の便も、観光客の立場からしたら、結構重要な要素だよね。」

愛原「まぁ交通の便に関しては、その施設の管理者に文句を言っても仕方ない部分がほとんどだから、どうしようもないけどな。個人的には(ゲーム範囲内では)滋賀県と南近畿に移動するのが一番つらい。次に三重県。後は割と楽。」

鼎「ほえ? なんで?」

逆沢「私的には、北近畿や徳島に移動するのも、結構しんどい気がするけど。」

愛原「作者の居住環境や持っている人脈からすると、北近畿や徳島は全然ラクチン。北近畿は自動車を使えば交通の便もそんなに悪くないし。徳島県も橋が出来てから一挙に移動が楽になった。特に徳島淡路方面に関しては、移動目的によって自家用車と高速バスを細かく使い分けられるのが大変便利だ。」

鼎「和歌山市周辺とかも、十分遠そうな気がするけど、これはどうかな?」

愛原「車で移動すると若干骨が折れるが、電車を使えば無問題。特にオススメなのが、スルッとKANSAIが出す3dayチケットで、これを利用すれば期間内の好きな3日間(3日連続しなくても良い)、規定区間内なら5000円で乗り放題になる。一日辺りで割れば約1700円だな。」

逆沢「規定区間内ってどの範囲?」

愛原「電車で言えば、西は姫路市。東は大津市。南は和歌山市あたりまでのJRを除くほとんどの各私鉄。バスも奈良県と姫路周辺を除くかなり広い範囲で乗り放題。一例を出せば、和歌山市民が京都市内に電車で遊びに行って、そこでバスを利用して自由に京都観光をして、終電に間に合うように和歌山市内に帰っても、交通費は一日あたり1700円。」

逆沢「おおっ。それは安い!!」

鼎「でもその例で言えば、例えば範囲外の彦根城まで遊びに行くと、結構お金かかるよね?」

愛原「うん。彦根城まで移動する場合、JR京都駅から新快速で彦根駅まで行くのが標準ルートになると思うが、この交通費が馬鹿にならない。何しろ片道1110円。往復2220円だからな。もっともチケット屋を利用する事で、少しだけ安く浮かす事も可能だが。」

逆沢「高っ!! 京都まで1700円で乗り放題なのに、そこから先でいきなり2000円以上か。うへー。」

愛原「とかいって自家用車で移動するのも骨が折れるしな。大阪近郊は最大1000円の割引とかも除外範囲になってた上、元々渋滞しやすい路線でもあるから・・・。」

逆沢「なるほど。それで滋賀県への移動はしんどいってか。」

愛原「うん。少なくとも作者の環境で言えば、そういう事になる。とまぁこんな具合に、実際に現場に行ってみたりする事で、新たに得られる印象とかも多いわけで、そういうのは資料だけではなかなか伝わらない部分だな。」

鼎「書類上のデータと、実際に現場を訪れた時の実感とで大きな差がある事は、実生活でも珍しくないよね。」

逆沢「現場の人間じゃないと分からない生の情報ってのは、確かにあるわね。」

鼎「その結果、本部に居るお偉いさんと、現場の担当者の間で意見が対立する事も、現実世界では珍しくないよね。」

愛原「現場担当者が本部の指示を無視して独断で行動した例としては、福島第一原発の吉田所長が、東京にいる本社の指示を無視して、無断で海水注入を続けたなんてニュースがあったな。」

逆沢「なんか世論の反応としては、上層部の指示を無視して独断で行動した吉田所長を支持する声の方がダントツみたいだけどね。世論の反応に敏感な菅内閣も、吉田所長の独断を評価するコメントを出したみたいだし。」

鼎「私達庶民の感覚だと、下の者が上の者の命令に逆らって大活躍すると思わず喝采したくなる雰囲気になるけど、これって実際にはどうなのかなぁ? 現実にはこういうのって、すごく難しいよね。」

愛原「うむ。現実世界の場合、上の命令に下が背いた場合、上が下を制裁する確率が非常に高いからな。という訳で今回のテーマは、【上司に反発!】だ。」

逆沢「うわぁ! 今回もなんかキツいテーマ!!」

鼎「けど日頃、嫌な上司とか、無能な本社とか、質の低い権力者にウンザリしている人達からしたら、ちょっと魅力的なテーマかと思ったかも。」

逆沢「けど駄目な上司に逆らいたくなる気持ちってのは、なんかすごく同情できるわ。3日前の内閣不信任案だって、要は全ての国会議員のトップに当たる内閣総理大臣が気に入らないという理由で出された法案だと思うし。」

鼎「野党が与党の総理大臣と対立するのは当然だけど、与党内からも不信任案に同調しようという人達が出た所が問題だよね。」

愛原「与党の国会議員が不信任案に賛同するという事は、とても大変なことだ。こういう例自体は戦後何度も起きているが、内閣不信任案に賛同しようとした与党議員は、大体悲惨な結果になっているからな。」

逆沢「菅内閣の前の例で言えば、郵政解散劇の時ね。あれで小泉に反発した自民党の人達は、みーんな自民党を追放されてたっけ。」

鼎「安倍さんの代に、何人かは復党したみたいだけど。」

愛原「その前の例で言えば、森内閣の時の加藤の乱だな。当時の森内閣の支持率は約10%だったから、最近の麻生や鳩山や菅なんか目じゃない不人気政権だったんだが、それでも加藤紘一はこの不信任案を巡って、ついに大きな決断に踏み切れなかった。」

逆沢「あんな歴史的超不人気総理にすら反発する度胸が、彼らにはなかったって事ね。」

愛原「まぁ昭和の時代から、内閣不信任案に賛同した与党議員は、例外なく干し上げられてしまうというのが常識だったからな。まぁ政治の世界だけに限らず、一般企業とかでも、上司に公然と反発して、それでこれからもすんなりと組織に留まれるという例はそんなに多くないような気がする。」

逆沢「うーん。まぁ確かにねー。上司に逆らうってのは、なかなか勇気の入る事だわ。」

鼎「けどイエスマンの部下しかいない組織というのもあまり良くない気がするけど、どうして上司と言われる人は、部下に反発されるのを嫌うのかなぁ?」

逆沢「そうそう。偉いさんと言われる人程、万事に偉そうなのよね。部下や後輩にタメ口きかれるだけで、すぐにムッとするというか。」

愛原「それはどこの会社でも、一緒じゃないのか? というか学校とかでも。」

逆沢「あはは、こりゃ失敬。けど尊敬できない人に対して敬語を使うというのも、これはこれですごくストレスたまるのよねー。」

愛原「尊敬できようとできまいと、所属する組織の上司にあたる人に対しては、最低限度の礼儀は守るべきだろう。それが嫌なら、その組織を辞めればいいだけの事だし。」

逆沢「あん? お前、いつから権力者の肩を持つようになった? 殴るぞ。」

愛原「いや、暴力で人の主張を曲げようとされても困るがな・・・。ただ良きにしろ悪しきにしろ、命令系統上、上が下に対して指示を出すという形になっているから、ある程度、それはやむを得ないと思うんだ。もちろん【ある程度】であって、【無制限】に下は上の指示に従うべきだとまでは言ってないぞ。」

鼎「なんか【ある程度】って表現自体があいまいだよね。【震災復興に「一定(ある程度?)」のメドがついたら総理を辞める】と宣言した人の言葉まで思い出したかも。」

愛原「そんな風に突っ込むか!? けど【部下は上司の命令に従うべきか?】という設問に対して、イエスかノーの2択で答えろと言われても正直困るのだ。あいまいと言われても、【ある程度】としか答えようがない。」

逆沢「私的には、【上司の指示に従うかどうかは、部下の判断次第】と言って欲しいんだけどねー。」

愛原「もちろん最終的にはお前の言うとおりなんだが、大抵の上司は、逆らった部下に対して何らかの制裁を施してくるからな。【お前のような馬鹿な上司に従うくらいなら、自宅で寝ていた方がマシだ】とタンカを切ってその通り実行した部下に対して、会社側がそれからも給料をその従業員に支払い続ける事がないように、上層部は上層部でその従業員を解雇したり、給料を支払わなかったりなどといった何らかの制裁を加えてくる事は往々にしてある事だ。」

鼎「つまり当時自民党のボスであった小泉さんが、不信任案に賛同した亀井さんや平沼さんをクビにしたとしても、それ自体は仕方ないって事かなぁ?」

逆沢「まぁ自分が所属する会社の社長に対して、はっきりと【お前はダメだ! クビだ! 今すぐ辞めろ!】と言うのと全く同じ気がしなくもないけどね。内閣不信任案に同調するという事は。」

愛原「上司批判というのは、なかなか大変な事だ。部下としてはその組織全体の事を思いやった結果、どうしても今の上司の命令には従えないと思う事もあるが、だからといってそれを実行に移すとなると、これはなかなか難しい。」

逆沢「毎日安定した生活が送れたらそれでいいと考えるような、無気力なサラリーマンタイプの人間なら、上司のイエスマンとしてどんな命令でも唯々諾々と従うんだろけどねー。」

鼎「とするともしも福島原発の吉田所長がそういう普通のサラリーマンタイプの人だったなら、本社の命令を何も考えずただ素直に実行して、そのまま海水注入を止めた可能性もあったわけだよね。」

愛原「ていうかそういう人の方が大多数だろうな。大体、普段から上司に逆らうくせのついている人は、そのほとんどが出世する前に左遷されているか、既に会社を辞めてるだろうから。」

逆沢「なるほどね。そっか。なるほど。大きな組織ほど、官僚組織みたいに思考が硬直化しやすいのはそういうせいもあるかもね。上層部の考えに逆らうような部下は、出世する前にパージされてしまってるから、結果的に似た考えの人ばかりが上層部に集まってしまう訳で。」

愛原「自分と似た考えを持つ部下ほど信用しやすいとか、自分の意見を称揚する部下の方がかわいいとか、自分の命令を素直に聞く部下の方が扱いやすいとか、そういう思いもあって、上司といわれる種族は、自分に近い部下ばかりを登用しがちだ。その結果、組織全体の空気はいつまでも変わらないという例は確かに多そうだな。」

鼎「けどそういう流れを繰り返すと、今度は【誰かの命令を聞くのは得意だけど、自分の考えがない】人が組織の幹部になっちゃう可能性も高いよね。」

逆沢「あっそっか。東電の本社幹部達が、いちいち官邸に意見を求める空気になってたのも、もしかしたら自分の意志で重大なことを決断するという判断ができなかったからかも知れないわね。」

愛原「政府や官邸は専門家の集まりじゃないのだから、そんな細かい技術的な事まで質問されても余計に困るだろうにな。そんな事は専門家集団である東電の自己責任で判断するべき事案だとも思うし。要するに何かあった時の責任を、東電側は政府に押し付けたかったんだろうな。政府に判断をお伺いして、政府の言うとおりにすれば、結果的にどうなろうとも、その際の最終決断に伴う責任は、政府がかぶる事になるわけだから。」

逆沢「それはひどい!! 政治的な駆け引きとしては、東電本社の判断は間違ってないかも知れないけど、現場やその周辺住民の事なんか全然考えてないって事じゃない?」

愛原「もしも東電本社側にちゃんとした責任感があれば、プロとしての自分達の判断にもっと自信をもった行動をすべきだったとも思うし、本社側にそれだけの自信がなければ、現場の責任者達に意見を聞くという手もあったはずだ。だが無駄にプライドが高いのか、上司に逆らいかねない性格の所長に意見を聞く気にもなれなかったのか知らんが、結果的に東京の本社は現場責任者に意見を問おうともせず、現場に一方的な命令を出すだけだった。」

鼎「部下に意見を聞くという判断ができなかった事が、もしかしたら一番の失態だったかも知れないって事かなぁ?」

逆沢「よく考えたら、森内閣も小泉内閣も菅内閣も、反主流派といわれる人達を無視して自分達だけで政権を運営していこうとしたから、それで無視された側の人達が怒って、それでああいう事になっちゃったのかも知れないわね。」

愛原「人間はロボットじゃない。部下も部下なりに自分の意見は持っているし、こうしたらもっと良くなるのにとか思う事も多い。そういう部下の心を無視して【部下は黙って上司のいいなりで働いてたらいいんだ!】的な考えを持つ上司ばかりになると、これでは組織がギクシャクしてもやむを得ない。」

逆沢「けど東電幹部達は、誰かの命令に従って唯々諾々と従うのは得意だけど、自分の頭で責任ある判断をするのは苦手で、しかも部下は上司の命令を聞いてたらそれでいいという考えだから、部下から意見を求めるなんてあり得ないってのが実態だったって事かも知れないわね。」

鼎「けど実際には、現場の者しか知らない実態というのも多いよね。」

逆沢「数字や書類とにらめっこしてるだけの事務方にはとても分からない現場の事情というのは、どんな業界にもありそうだしね。」

鼎「そういう意味では、菅さんが現場視察を積極的に行なおうとしてた事自体は間違いではないって事かなぁ? 野党の人とかは、総理は東京に留まってそこから指示を出すべきだとか言ってたけど。」

愛原「うーん。パフォーマンス目的の現場視察などは無駄にしかならない事も多いから、その質問には肯定も否定もできないな。2009年8月24日で書いたような4分視察なんて酷い例も世の中にはあるからな。」

鼎「現場の声に耳を傾けるのと、傾けたふりをするのとでは根本的に違うよね。」

愛原「うむ。もっともこれは、現場にいようがいまいが実は関係なく、単に他人の意見に耳を傾ける度量がどれだけあるかという点だけのような気もするが。まぁ目上の者に判断を仰ぐというのは、責任を上司に転嫁できるという利点もあるからまだしも、部下や部外者の意見に耳を傾けるというのは、これはなかなか難しいのかも知れないけどな。」

逆沢「まぁそりゃ、部下の意見を取り入れた結果、まずい結果に終わったとしても、部下の責任にはできないからねー。」

愛原「あと嫌いな部下や政敵に、功績を与えたくないという思いもあるだろうな。反主流派や野党の意見を取り入れてうまくいっても、それは反主流派や野党のアピールにしかならない事も多いから。上手くいってもライバルの功績にしかならず、上手くいかなければ自分達の判断ミスになってしまうという構造上、そういう連中の意見に耳を傾けたくないという気持ちも少しは分かる。」

鼎「あ、そっか。たとえば菅政権が自民党のアイデアを取り入れて上手くいったとしても、それは自分達の意見を飲ませた自民党の功績になってしまうし、逆に失敗しても、それは実行手順や採用方法のどこかで問題があったとか、そんな意見でも最終的に採用したのはお前らだろという事で、叩かれるのは菅政権になっちゃうという事だよね。」

愛原「部下や部外者の立場というのは、ある意味では気楽な立場ともいえる。おかしな事を言っても、責任を取らなくていいからな。いわば占い師の立場と同じで、【政府などの責任者が自分と同じ意見を採用して、なおかつ上手くいった時だけ、自分の先見の明を後付で宣伝できる】便利な立場とも言えなくもない。」

逆沢「うーん。なるほど。責任という意味だけでいえば、確かに部下や部外者の立場というのは楽なのかも知れないけどねー。」

鼎「でも部外者の場合は責任者の意見に逆らった時のリスクはないけど、部下の場合は上司の意見に逆らったときのリスクがある所が違うよね。」

愛原「うむ。だがこれは責任の所在を考えれば仕方ないとも言えるのだ。例えば部下が上司の命令に逆らって、とあるスタンドプレーをしたとしよう。で、その結果、組織が大損害を被ったとする。この場合、責任は誰がかぶるのだ?」

逆沢「うーん。無謀なスタンドプレーをした部下が処分されるのは当然として、上司の管理責任も否定できないわね。こういう場合は。」

鼎「あ、そっか。部下が勝手にやった事でも、上司の責任は避けられないんだよね。」

愛原「そういう事だ。部下が勝手にやって上手くいった場合、その部下が功績を独り占めしてしまう。下手すると、上司のメンツも丸つぶれになってしまう。今回の吉田所長と東電本社の場合もそうだよな。だが逆に部下が勝手にやって大損害を被った場合、【部下が勝手にやった事】では済まないのだ。たとえば吉田所長が変な形で暴走して、より致命的な大損害を与えたとしても、それで【東電に責任はありませんよ。全て彼一人の責任ですよ。】では済まない。東電側には管理責任というものがあるからだ。」

逆沢「うーん。そう考えると、管理職の立場もつまらないわねー。他人のミスまで背負うとするならば。」

愛原「だから軍隊などの場合は、上司の命令は絶対という風に教育する。部下が勝手にスタンドプレーをして、結果的に敵軍に大損害を与える活躍をしても、逆にそのスタンドプレーをした部下を処罰する例は珍しくない。一度、スタンドプレーを認めてしまうと、勲功目当ての部下達が勝手に一番槍をつけんとばかりにスタンドプレーを繰り返したり、あるいは逆に無断で戦線離脱してしまう可能性もあるからだ。」

鼎「自分の采配ミスで負けるならともかく、部下の暴走で負けたら、悔しいと考えてもおかしくないよね。」

逆沢「確かにね。精一杯やって上手くいかなかったなら諦めもつくけど、部下が指示通りに動かずに悪い結果になった場合は、ちょっと納得できな気持ちになりやすい気もするわね。」

愛原「まぁ【部下を指示通りに動かす】という采配能力も、上司としての条件に含まれるから、【部下が言うとおりに動きませんでした】なんて言い訳が通用するはずもないのだが、じゃあ【部下を指示通りに動かす】にはどうすればよいか? その一つが【命令違反をした部下に制裁を加える】という事になるのだろうとも思う。」

逆沢「無断欠勤した部下を叱りつけたり、反省文を書かせたり、場合によってはその日の分の給料を下げるとか、そういう奴ね。」

鼎「けどそんな恐怖で人を縛るだけの管理で、上手くいくはずがないよね。脅しだけで皆がいう事を聞くなら、不信任案に賛同するような与党議員が出るはずもないわけだし。」

愛原「その通り。嫌な会社を従業員はいつでもやめる事ができるように、部下なら部下なりの抵抗方法があるからな。骨のある性格の部下である程、上司にもどんどん諫言するし、場合によってはより積極的な手段を選択してくる。そういう骨っぽい部下は、ロボットタイプやイエスマンタイプにはない知恵と行動力も期待できるし、できればそういう者の意見に耳を傾ける度量があってもいいと思う。」

逆沢「けど実際には、部下に自分の地位を脅かされると困るとか、部下に意見を求めるような事をしてナメられたら統制が効かなくなるとか、そういう理由で部下の意見を取り入れたがらない上司タイプの人も多そうだけどね。」

愛原「そういう小心者のくせにプライドだけは高そうな上司タイプは一番困るな。もっとも東電の場合は、そういうタイプばかりが上を占めているのか、悪い意味での部下に対するプライドの高さと、責任回避の為に手段を選ばない卑劣さだけが感じられて、本当に残念な感じになった。」

鼎「上司が裏表なく【俺が全責任持つから、お前らは安心して今の仕事を頑張れ】と言ってくれる人なら、部下も安心して仕事できるけど、何かあったら他人に責任を転嫁する事しか考えず、しかも部下とコミュニケーションもとろうとしない上司だと、部下としては本当に怖くて仕事しにくいよね。」

逆沢「それは怖すぎる。でもそういう上司に限って、自分の管理責任を無視して、容赦なく部下に全責任をかぶせてきそうで怖いわ。で、上手くいった時に限って、功績を自分で独り占めしそうな気もするし。」

愛原「コミュニケーションが密な組織の場合は、上司が功績を独り占めしようとしたり、責任を部下に押し付けようとしても、他の部署に実態が筒抜けな事も珍しくないが、縦割り官僚組織みたいな組織だと、たちの悪い中間管理職が栓のような状態になって、その中間管理職が率いている部署の中がどういう実体かが全く分からない事も多いからな。」

逆沢「けどそういう空気の会社とかも、中には結構あるらしいけどね。たくさんの支店やお店を持ってる会社とかだと、支店長とか店長と言われる人が絶対の権限を持っていて、その支店内がどういう環境だろうと本社は全然知らないとか。」

愛原「そういう会社の場合、本社は数字だけで支店のことを判断している場合が多い。営業成績さえ良ければその店長がどんな風に従業員や客を扱っていようが、どうでもいい。逆に営業成績がイマイチだったり、本社に直接クレームが入ったりすれば、変なクレーマーがついたとか、道路工事により客が寄りつきにくくなったとかいった、特殊なバッドイベントの可能性も考慮せず、問答無用でその支店長のクビを飛ばしたりとか。」

鼎「つまり現場の事情を無視しがちな組織ほど、結果的にタチの悪い中間管理職が入り込む余地も高いって事かなぁ?」

愛原「見た目の数字さえよければそれで良いと本社が考えるようになれば、支店の方も見た目の数字さえ繕えればそれで良いと考えるようになってしまうからな。その結果、手抜き工事が蔓延したり、食中毒が起きかねない調理環境になったりする恐れもあるだろうな。口ではいくら【真心込めたサービスを】とか叫んでいても、現場をほとんど見ようともせず、数字ばかり追い求めるようでは、そりゃ現場が腐敗してもやむを得ない。」

逆沢「そういう意味では、上司や本社に堂々と諫言できるような部下がいる環境というのは、本当はすごくいい事なのかな?」

愛原「今の政治家連中のように自分が権力の地位に取って代わりたいが為に、上の足を引っ張ろうとする連中はあまり好きではないが、そういうのとは無関係に、責任感も持って上にもの申せる部下は貴重だと思う。その点、吉田所長の場合は、もし自分の判断が間違っていた場合(例えば海水注入をしなかった場合、再び正常に再稼働できる程度の状態だった場合)、日本中から猛バッシングを受けて社会的に殺されていた可能性もある上、仮にそれが高く評価されても、東電内でこれ以上の出世が(年齢や本社幹部との関係から)困難な事を考えれば、世論の評価は妥当だろうと思われる。但し、事故前のスタンスがよく分からないので、一方的に英雄視する事はしないけどな。」

鼎「上司に逆らったときのリスクを考えると、私はよっぽどの事がない限り、そういう気骨ある部下は、ほぼ無条件に評価していいと思うよ。」

逆沢「そうそう。上の命令に唯々諾々と従ってたらそれでいいなんて、つまんないサラリーマンタイプの人間に対するアンチテーゼとしても、そういう人は私も無条件に支持したいわ。」

愛原「まぁ俺も、その考えに乗りたい気持ちは、内心結構あるけどな。」







過去のたわごと 
2011年 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日










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