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愛原様のたわごと(16年3月6日)






愛原「現在もまだまだ三国志13をプレイ中。バージョンアップの度に内容にも磨きがかかっており、割と好感を持ってプレイしている。」

逆沢「久々に長く遊べるゲームって感じか?」

愛原「いや、長く遊べるゲーム自体は、いくらでもあるけどな。こういったらなんだが20年近く前のゲームでも、未だに常駐しているゲームソフトもあるぞ。元々はwindows95時代のゲームなんだが。」

逆沢「ものすごい高寿命ゲームねー。そんなに面白いのか?」

愛原「まー、スルメゲーだな。一定間隔でふとやりたくなる。古いPCゲームは、今のパソコンではまともに起動しないものも多いのだが、奇跡的に生き延びているゲームも中にはあってだな。そのメーカーは残念ながらとっくに潰れてるが。」

鼎「今のパソコンでも動作できるようにリメイクして出して欲しいゲームも、中にはあるよね。」

愛原「いっぱいあるなぁ。いちいち名前を出せない程にあるっちゃああるが。市販PCゲームとしては大航海時代V。フリゲ関連では恋愛シミュレーションツクールシリーズあたりが、とりあえず今は頭に浮かんだかな?」

鼎「OSが進化したせいで、古いゲームが遊べなくなるのも、進化と呼んでいいのかは、ちょっとした疑問だよね。」

愛原「全くだ。」

逆沢「もっとも懐古厨じゃないけど、思い出補正がかかっている場合も多いけどね。かつてすごく楽しめたゲームを今プレイしたとして、果たして同じように楽しめるのかという疑問というか。」

鼎「今時のゲームでは当たり前のように備わっている機能が、昔のゲームには備わってない事も多いし、結構いらいらするかも知れないよね。」

愛原「AVGとかだと、今のゲームではほぼ標準装備である既読スキップとバックログが、昔のゲームではあまりなくて、ストレスを感じる可能性も多そうだな。」

逆沢「昔のゲームは、画像も粗いしね。今はディスプレイの解像度なども上がってるから、640×480くらいでも、結構粗く感じる事も無くはないし。」

愛原「かつてフリゲ界に革命を起こしたRPGツクール2000ですら、解像度は320×240でしかないからな。当時のスペックとしては十分だったんだが。」

逆沢「RPGツクール2000が出て、約15年。たかが15年と思いたいところだけど、15年の歳月となるとやっぱり大きいのかな?」

鼎「当時のゲームを今、プレイしてみると、画像の荒さなどで、耐えられないプレイヤーも出そうだよね。」

愛原「当時としては、全く不満も問題もなかったんだがなぁ。」

逆沢「美食が当たり前になった人に、昔の思い出の味を再確認させても、あまり喜ばしい結果にはならないのかねー?」

鼎「思い出は思い出のままにしておいた方が、無難な事もやっぱりあるのかな?」

愛原「同窓会とかで定番のネタだな。そういうのは。」

逆沢「あー、かつてのイケメンがすっかりハゲてたり、かつてのヒロインがすっかり太ったおばちゃんになったりしてるわけね。ていうかそういうネタは、やめて差し上げろ。」

愛原「まー、ただ人間の場合は歳も取れば劣化もするが、ゲームの場合はそうじゃないからな。ゲームは年月が経っても決して劣化はしない。ただ時代の進歩に伴い、プレイヤーやハードが要求するスペックが変わるだけで。」

逆沢「あー、そうか。そうなのよねー。昔はそれが標準スペックだったんだろうけど、ぜいたくになった今のプレイヤーからすれば、おそらく物足りないスペックに感じるだろうってだけの話で、ゲーム自体は当時と何も変わっていないというか。」

鼎「スペックの問題もあるけど、好みの変化という要素もあるよね。たとえばかつてドラゴンクエストVというゲームが大ヒットしたけど、今、あのシステムで同じように受けるかといえば、いくら美麗なグラフィックにしようと、ちょっと難しそうな気もするし。」

愛原「俺は今でもあの自由度の高いシステムは好きだけど、今のプレイヤーは、明確な目的をいちいち示さないと駄目な人も多いらしいからな。小さなクエストを数珠つなぎにして、それなりにドラマやシナリオを細かくねじ込まないと駄目というか。」

逆沢「城や店の宝箱を無断で開けるようなプレイは、今ではもう難しいのかねー?」

愛原「三国志シリーズにしても、昔のシリーズで当たり前のようにあった、イナゴの襲撃とか、税率変更システムとかが、綺麗に無くなった。」

逆沢「あー、昔は税率を100%にする社会主義プレイなんてのもあったらしいわね。税率を最大まで上げれば、収入は当然上がるけど、その代わり民衆の不満も上がる。けれど莫大な収入の一部を民衆に還元することで、民の怒りを鎮める事もできる。民の稼ぎを一旦全部国庫に入れるけど、その代わり必要分に応じて民にちゃんと還元するから、名付けて社会主義プレイと。」

愛原「三国志13では、災害も起きない。民衆も反乱を起こさない。だからそもそも国民世論を気にする必要も無い。しかし反面、税率なども一切調整できないから、いわゆる圧政プレイも社会主義プレイもできない。また対民衆だけでなく、対武将でも同様で、武将の忠誠度を上げる手段が、今作ではかなり限られている。昔のシリーズのように、お金を与えて即忠誠アップというのが難しくなった。」

逆沢「それじゃ武将の忠誠を上げるには、どうすればいいのだ? まぁ引き抜かれたり、離職されないシステムなら構わないけど。」

愛原「所属する勢力が難しい目標を達成したりすれば、武将が感服するのか、忠誠は上がる。あと忠誠を上げるのが得意な武将を重臣に任命するなどの方法もある。あと君主のポケットマネーで忠誠を上げる方法もあるが、今作では君主といえでも、国庫のお金の私物化はできないので、君主ですら、毎年の給料の中からポケットマネーで色々やりくりしないとならない。」

鼎「太閤立志伝シリーズとかだと、城主は公金を自由に私物化できたけど、三国志13は違うの?」

愛原「違うらしい。公金の私物化も横領もできない。君主ですら、あらかじめ決められたお給料の中でやりくりしないと駄目らしい。まぁ個人的には嫌いなシステムじゃないけど。」

逆沢「時代の変化を感じるわねー。君主ですら、独裁者では無く、所詮は一公務員って事かよ。」

愛原「あと従来のシステムだと、最前線に兵力と武将を集めて、地道に敵対勢力を押しつぶす作業の繰り返しだったけど、今作ではそれは困難になっている。兵士の移動は決して自由では無く、基本的に各都市に縛られているので、最前線に兵を移動させようとすると、それなりに兵糧などの経費がかかる。まぁこれは、最新作の信長の野望のシステムの流用でもあるようだが。」

鼎「つまり薩摩の兵士はあくまで薩摩に常駐するのが基本で、敵を攻略する度にどんどん中国地方、近畿地方、中部地方、関東地方と東に移動させていける訳ではないという事かな?」

愛原「むやみに最前線に常駐させると、どんどん兵糧を消費するから、必要な戦が終わったら、元の場所に兵士を帰してやらないとならない。仮に薩摩出身の兵士なら薩摩にって感じだな。まー、リアルでいえぱ当たり前の話だが。」

逆沢「つまり昔のシリーズみたいに、兵士をどんどん最前線にずらして、じわじわ押し込んでいくようなプレイができないって事ね。」

愛原「うん。俺的には割と気に入ってるシステムだ。面倒くさい部分もあるが、うまく大規模な遠征軍を組織して運用すると、一気に10以上の都市をぶんどれるので、この手のSLGにありがちな、中盤以降のダレを回避しやすいのが非常に良い。」

鼎「前作と同じシステムのままで売り出しても売れるはずがないし、毎回少しずつシステムに変化もみられるよね。」

愛原「シリーズものだけに、変わらない根幹部分も大切にしながら、同時に前作までにない部分も積極的に組み込んでいく必要もあるからな。」

逆沢「でも必ずしも今のシステムの方が良いとも限らないんだろうけどね。」

愛原「だな。たとえば一騎打ちシステムは、三国志6あたりが一番良かったと思っているくらいだし。トーナメント戦とか勝ち抜き戦とか、多彩な遊び仕様も素晴らしかった。これも20年近く前の作品だけど。」

逆沢「20年前の作品を越えられないシリーズものというのは、さすがに問題だろ?」

愛原「まぁこれは、あくまで俺の主観だからなぁ。あと、今時のプレイヤーからすれば、少々面倒くさい仕様と感じるかもしれない。AI同士の対戦に関しては、今でも最高に熱く感じられるようにも思えるが。」

鼎「三国志6といえば、唯一派閥抗争システムを取り込んだ作品でもあったよね。」

愛原「アイデアとしては面白いと今でも思うが、正直期待外れでもあったな。個人の思想信念の違いを背景とした派閥抗争というのは、人間模様を演出する上でかなり盛り上がる要素でもあるので、いずれ何らかの新作でブラッシュアップして欲しいなとは思う。」

逆沢「三国志シリーズで、最もお気に入りだったのはどれだった?」

愛原「今、プレイして面白いと思えるかを問われたらかなり怪しいが、当時楽しめたという意味では、三国志5あたりかな? シリーズで初めて評定という概念を取り入れた事。BGMが非常に良かったこと。そして独特の陣形システムとか。」

逆沢「陣形というと、鶴翼の陣とか、魚鱗の陣とか、方陣や円陣とかいわれるようなアレか?」

愛原「うん。まさにそれ。」

逆沢「一昔のゲームだと、割と積極的に取り入れられていた頃もあったような気もするけど、最近のゲームではほとんど着目されない気がするのは気のせいかな? 陣形って。」

鼎「陣形っていうのは、一部の戦国マニアとかは好きそうだけど、実際はどの程度、効果的だったのかな?」

逆沢「魚鱗の陣で攻撃力アップとか、方陣・円陣で守備力アップとか、鶴翼の陣で包囲殲滅とか、上杉謙信ゆかりの車懸の陣はなんか良く分からないけど、とにかく威力ありそうとか、そういうイメージみたいなものはあるけどねー。」

愛原「陣形という概念は、現在でも十分通用する思考パターンの一つだと思うけどなぁ。まぁせっかくだから、今回のテーマは【陣形】でいくか。」

逆沢「今回はちょっとマニアっぽいテーマね。」

愛原「いや、割とシンプルだぞ。陣形なんてのは、大まかに分類すると、密集陣形散開陣形のどちらかにまとめられてしまうものだからな。」

鼎「でも実際に陣形として扱われるのは、大体密集陣形側のものばかりだよね。」

愛原「うん。密集陣形といっても色んな形態があるが、まぁその中でも基本形といわれるものをあげると、まず円陣横陣といわれるものになるだろう。ちなみに方陣も形が丸か四角の差だけで、陣形に期待される効能的には円陣とほぼ同じな。」

鼎「方陣や円陣といわれるものは、味方が一カ所に集まって固まる事で、守りを強化する事を目的とした陣形だよね。味方の背中とか、円や四角の壁の中に隠れる味方を守る目的な訳だから。」

愛原「うん。RPGでよく登場する前衛・後衛という概念も、元々は方陣の考え方から来ていると思われる。前衛が壁になる事で、後衛が直接攻撃を受けにくくするという思想は、基本的には方陣と全く同じだ。」

鼎「円陣が期待される機能も、一言でまとめると、仲間同士で輪を作って壁を作る事で、仲間に包まれた内部の味方を守るという所から来ているよね。」

愛原「円陣は、【背中を攻撃されずに済む】という考え方でもある。互いに背中を攻撃されないように身を寄せ合う事で、味方全体の防御力を強化する。あるいは自分の背中だけでなく、背中のさらに内に潜む弱き者を守るという機能も含まれる。RPGで多用される前衛・後衛という概念も、前衛が壁になる事で、後衛を危険から守るという思想からくる以上、円陣の仲間と考えて差し支えない。」

逆沢「もっとも後衛という概念は、敵が背後を突かないという大前提があってこそ成り立つものでしかないけどね。敵が背後と正面の両方から攻撃してきたら、どちらも前衛になってしまうし。まぁその場合は、いわゆる中衛が後衛のようなものになるのかもしれないけど。」

愛原「RPGというのは、基本、想像のゲームだから、その辺は色々脳内設定で切り抜けて欲しい訳だがな。」

逆沢「で、もう一つ名前が出てた横陣というのは、円陣や方陣とはまた違うのか?」

愛原「横陣を前後に2枚以上用意するならば、前の横陣が前衛で、後ろの横陣が後衛という形状となり、事実上の方陣になり得るが、そうでない場合、狙いが少し異なる。横陣は主に数に勝るか、もしくは機動力に自信がある側が、攻撃的に相手を退ける為に使う陣形だ。たとえば数に勝る側が、横一列に並んで槍を突き出したまま、前方に並走突撃する場面を想像してみよう。これを迎え撃つ側としては、かなり驚異を感じないか?」

逆沢「うーん。横一列に並んでる部分が厄介ねー。真っ正面から迎え撃つのはかなり怖いし、とかいって回り込もうとしても、横一面に広がる敵を考えると、かなり大きく迂回しないと駄目だろうし。」

鼎「迂回するだけでも、相当大廻りしないと駄目だし、それ以前に相手も方向転換や軌道修正くらいはしてくるだろうから、うまく回り込める保証もないよね。迂回が間に合わないと、一方的に側面攻撃を食らうリスクもあるし。」

愛原「狭い地形だと、そもそも迂回できるだけのスペースが残っていない事もあるしな。端から端までみっちり横一列に壁ができてたりしてたら、相手の側面や背後を襲う事すら不可能になるし。」

逆沢「横陣だけでも、やり方次第で、自分の背中を守れる方陣としての機能をもたせる事が可能って事ね。」

愛原「横陣は、戦国時代に最も多用された陣形だけあって、おそらく全陣形中最強格の強さと汎用性をもっている。一部のゲームでは、随分扱いが低いけど、実際には最も隙の少ない強力な陣形だ。特に数に勝る側が使うとな。」

逆沢「戦国絵巻とかみても、横陣は割と見られるけど、それはやはり使い勝手が最高に良かったからかな?」

愛原「味方同士で横に長い壁を作る事で、敵を容易に迂回させない。かつ正面から数の暴力で殲滅できる。正直、恐ろしい陣形だと思う。横に長い分、縦に薄いので、万が一、劣勢になっても、後退が容易というメリットもあるしな。」

鼎「戦場では、味方の兵が邪魔になって、前進も後退もままならずにやられてしまうケースも多いから、前後に広いスペースを確保できるというのは、機動性を確保できるという意味でも大きいよね。」

逆沢「おいおい。まさかの横陣最強説か?」

愛原「ちなみに横陣を最もシンプルに改良したのが、いわゆる鶴翼の陣な。両軍が共に横陣を敷いて、かつ敵より数に勝る場合、両端部分が余るから、その余った部分を使って敵を側面攻撃できれば、それだけで戦況もかなり有利になるし。」

鼎「正面部分は1対1でも、両端部分は、2体1以上で戦える訳だから、数に勝る側は自然と有利になるよね。」

愛原「鶴翼の陣というのは、数に勝る側が横陣で臨んだ場合に、割と自然とできやすい陣形でもあるといえる。」

逆沢「じゃあ、よく鶴翼の陣と対で語られる魚鱗の陣というのは?」

愛原「あれは、中央突破用の陣形だな。但し、実際に運用するとなると、横陣や鶴翼の陣よりも、はるかに難易度は高くなる。何しろ短期決戦で一気に敵の中央部を貫けないと、逆に包囲殲滅される危険すらあるし。」

逆沢「魚鱗の陣をまともに機能させたければ、先端部に一騎当千の猛者を置いておく必要があるって事か?」

愛原「まぁ、上手く決まれば、相当面白い展開になるだろうけどな。うまくやれば、後方でふんぞりがえってる敵の総大将の元まで一気に迫れるかも知れん。」

逆沢「大坂夏の陣の時の真田幸村みたいな展開が期待できるって事ね。」

愛原「うん。もっとも常識的な軍隊は、後方にもそれなりに兵力は待機させているし、真田幸村が徳川家康を討ち切れなかったように、実際の難易度は非常に高い。またこの陣形は、中央突破に成功したとしても、その後も大変で、この陣形を構成する兵士達は、その後も絶えず走り続け、かつ戦い続けるハメになるから、相当の精兵でないと運用は難しい。」

逆沢「なる程。じゃあよく講談とかに出てくる、偃月の陣とか雁行の陣とか鋒矢の陣とか長蛇の陣とか車懸の陣とか八門金鎖の陣とかは?」

愛原「知らん。」

逆沢「は?」

愛原「知らんもんは知らん。だから答えようが無い。まぁ一般論としていえば、雁行の陣というのは、確か横陣を斜めにしたものだったか? だとしたら、敵の横陣の片面の端を側面攻撃するのが目的だろうから、うまくはまれば面白いだろう。それなりに実用性はあると思う。鋒矢の陣は魚鱗の陣と実用面でどう違うのかよく分からない。あとはもっとよく分からない。講談などではあれこれ言われるけども、実用面などでちょっと首をかしげたくなるものもあり、本当に伝記で言われるほどの効果があったのかといわれると正直疑問なものもある。また今回はミクロの視点で主に触れたが、マクロの視点だと状況はより大きく変わる。たとえば横陣を複数、魚鱗の陣の形に配置するみたいなケースも実戦ではままみられる。」

逆沢「そこまで言われると、本当に陣形というのはマニア向けの話だと思うわ。」

愛原「まぁ俺もマニア向けの話はできないし、とりあえず円陣と横陣だけ知ってれば、密集陣形に関しては問題ないと思う。サッカーとかでもゾーンプレスとかオフサイドトラップとか、横陣思想に基づいた戦術は多いし、スポーツなどでも割と使われる概念だからな。」

鼎「一方、散開陣形の方は、あまり話題にならないよね。陣形扱いされない事も、ままありそうな気もするし。」

愛原「陣形扱いされない事もある散開陣形だが、これは密集陣形に共通する弱点を克服する上で、とても価値があるものでもある。」

逆沢「密集陣形に共通する弱点というと。」

愛原「範囲攻撃に弱いという事。スパロボでいう所のマップ兵器。SRPGでいうところの範囲魔法攻撃。テーブルトークで言うならファイヤーボールとか。ドラゴンクエストシリーズのベキラマとか。」

逆沢「あー、なる程。範囲全体に効く攻撃って事ね。」

愛原「うん。たとえば方陣は、守りに強いとよく言われる。しかしそれは前衛だけでガードできるような白兵戦などがメインの時であって、前衛も後衛もまとめて焼き尽くすような攻撃が来たら、結局一網打尽だからな。味方が壁になって邪魔している分、余計に逃げ遅れがちになるデメリットすらあるし。」

逆沢「それを回避する為に有効なのが、散開陣形って事ね。」

愛原「うん。バラバラに広く散らばる。そうする事で、敵の広範囲攻撃によって、一網打尽にされないようにする。」

逆沢「でもただ、バラバラになるだけなら、そんなの陣形って呼べないんじゃ無いの?」

愛原「それは個人の解釈次第だな。たとえばサッカーにおけるマンツーマン戦術とかなら、立派な散開陣形の一つと呼べなくも無いだろうし。」

鼎「マンツーマンというのは、一人一人の選手が、敵の一人一人をそれぞれマークする戦術だよね。一人一人の選手の身体能力や質が高い場合に特に有効な戦術というか。」

愛原「密集陣形の場合、数の暴力によって、局地的に2対1、3対1みたいな有利な状況にもっていく事で、戦況を有利に運ぶスタイルになりやすい。散開陣形はそれと対極だな。」

逆沢「言われてみればそうね。横陣や鶴翼の陣や雁行の陣は、側面攻撃部分で2対1以上に持ち込めるのが強みだし、魚鱗の陣も中央の一点を複数の人間(あるいは強力な人間達)で貫く形態だから、やはり一点を数の暴力で圧倒する理念自体は他の陣形と変わらないけど、散開陣形の場合は、逆に敵にそれをさせない事を狙っているのが特徴というか。」

愛原「もっとも、散開陣形と密集陣形を交互に入れ替える戦法もあるぞ。ヒット・アンド・アウェイとか。」

鼎「一旦、バラバラに弾けた状態から、突然、誰か一人に一斉に襲いかかって、それを倒した後、またバラバラになるような戦い方は、野鳥とかが割と好む戦法だよね。」

愛原「野鳥やサバンナの肉食動物などで、ままみられる戦法だが、これはこれで野生に生きる彼らならではのメリットがある。象やバッファローのような強力な草食動物を倒す上では、群れの味方を総動員しないと危険だが、逆に猛り狂うバッファローなどに反撃されるリスクもあり、仮にそれらに襲われた場合に、被害を最小限に食い止める効果が期待できるからだ。」

逆沢「散開戦術をとった場合、群れの誰かは逃げ遅れて捕まってしまうかも知れないけど、バラバラに逃げる事で、大多数は助かるという訳ね。」

愛原「津波てんでんこという考え方もそうだけど、みんなが一網打尽にされない為に、あえてバラバラになるという考え方は、集団全体の壊滅を避ける上で、極めて意味のある考え方だ。」

鼎「もしかしたら方陣や円陣といわれるものよりも、散開陣形の方が、ずっと守りに強いのかも知れないね。」

愛原「この密集陣形散開陣形という2つの考え方は、知っていると日常生活でもすごく役に立つぞ。」

逆沢「陣形が日常生活にどう役立つっちゅうねん?」

愛原「たとえば今、マイナス金利というか、アベノミクスによる悪影響で、金庫が売れているらしいが、財産を金庫で守るというのは、密集陣形的な考え方だ。一方、複数の金融機関、さらに証券やゴールド・外貨・不動産などに資産を分散させるやり方は散開陣形的な考え方といえる。」

鼎「要するに、鉄壁の防御を優先するか、分散して一網打尽にされないことを優先するかの差って事だよね。」

愛原「そう。金庫は確かに頼りになる。しかし金庫に全財産を入れていた場合、万が一、金庫が開けられてしまったり、あるいは金庫ごと盗まれたら全財産がパーだ。一方、資産を分散させていた場合、一気に全財産を失うリスクは減るが、その代わり、特定の金融機関が破綻したり、証券が暴落したりする事で、一部の資産を失う可能性が生じる。どっちを取るかという話だな。」

鼎「去年の6月7日に触れた防諜の考え方と同じだよね。機密情報を一カ所に固めた上で鉄壁の防諜システムを配備するか、機密情報が全部漏れないようにする為に分散管理すべきかみたいな感じで。」

愛原「震災やテロに対する備えも同じだな。大震災やテロ攻撃に備えて、あらかじめバックアップを取ったり本社機能や首都機能を分散させておくか、あるいはどんな大震災やミサイル攻撃やサイバーテロでも耐えられるような鉄壁の防衛システムを本社や首都に構築しておくかみたいな感じで。」

逆沢「なる程。そう考えると、密集陣形と散開陣形という考え方の汎用性は広そうね。」

愛原「世間一般では、陣形といえば密集陣形しか想像しない人も多く、同様に【守りを固める=集中や強化をする】としか考えない人も多い。でもそうじゃない。分散という方法もある。というか厳しい野生の世界に生きる者達は、ほとんど散開陣形型ばかりだ。」

逆沢「確かにライオンやバッファローやカラス達が、横陣を組んで槍衾状の攻撃してくる場面とか、見た事ないわ。実際にしてきたら、それはそれでかなり恐ろしい光景だろうけど。」

鼎「けど実際には、彼らは密集陣形は取らないよね。群れを作ったり、ヒット・アンド・アウェイ戦法を使ってくるくらいだから、必要に応じて密集陣形型の攻撃をしかけるくらいの知能はあるみたいだけど、それでも基本は常に散開陣形の方みたいだし。」

逆沢「津波てんでんこじゃないけど、やっぱり一網打尽にされて、群れそのものが一気に壊滅するのだけは避けたいと考えているかねー。あるいはどれだけ密集して鉄壁の防御を固めても、世の中には絶対に勝てない相手がいる事を野生の本能で知っているというか。」

鼎「どんなに守りを固めても、駄目な時は駄目だとしたら、やはり全滅だけは避けたいよね。金庫が盗まれて全財産が一気にゼロになったり、要塞に閉じこもってたら要塞ごと焼かれたとか、地下にこもってたら水を入れられて全員溺死したとかも最悪だし、そうならない為にも、一カ所に固まらず、可能な限り分散するって考え方はよく分かるというか。」

愛原「我々、現代日本人は戦争を知らない世代ではあるが、それでもマップ兵器や広範囲魔法で一網打尽にされる恐ろしさくらいは、知っている者も多いだろう。散開陣形も生き残り、勝ち残るために知ってて役立つ知識なのは間違いない。密集陣形だけが陣形じゃないという事で、今回のたわごとは終わる。」

逆沢「久々にちょっとマニアックなネタだったわね。」


















過去のたわごと 
2016年 2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神〜命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方〜捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日













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