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愛原様のたわごと(16年10月16日)





愛原「今回は初期のたわごとで割と触れていたような基本的な話。感情移入という視点からのキャラクターメイキングについて軽く触れてみようと思う。」

逆沢「基本的であるが故に、難しい話でもある気がするわ。」

鼎「漫画でも小説でも、人気や売れ行きを左右する最も重要な要素の一つだよね。」

逆沢「特に最近は、その傾向が顕著すぎる気がするわ。【かわいいは正義】じゃないけど、どれだけ人気キャラクターを生み出せるかで、その作品の成否自体が決まりかねない風潮すらあるからねー。」

愛原「と言っても、【人気キャラクターの作り方】みたいなものを講釈する気はないぞ。第一、そんな能力もノウハウもないし。」

逆沢「はなっから、お前にそんな事を期待してる奴なんていないから気にするな。」

鼎「というかそういう【あざとい発想】でキャラクターを生み出しても、大抵は受け手に見透かされてしまうというか、人工的な印象はぬぐえないような気もするよ。」

逆沢「それ以前に、なんで今、突然、そういうテーマを取り上げたくなったのか、そっちの方が不思議だわ。」

愛原「少し前に山本弘氏のツイッターを見る機会があったのだが、そこに思わず同調したくなる興味深いコメントが載っててだな。10月10日投稿分の一部引用という形で以下に4つほど転載するが、【実は僕にも、どうしても共感できないタイプの人間がいる。それは「弱者に共感できないタイプの人間」。 長谷川某みたいに、人工透析を受けている人を「無理だと泣くならそのまま殺せ!」と主張する奴には、まったく共感できない。】【だから小説を書く時でも、悪役の心理に感情移入できないから困る(苦笑)。今、連載中の『BISビブリオバトル部』の第3部でも、中学時代に空をいじめていた男を出したけど、すごく苦労した。 】【僕自身、いじめられてた経験があるから、いじめの加害者の心理はまったく理解できないし、ましてや共感もできない。つーか、したくない。 『僕の光輝く世界』とかもそう。いじめの被害者側の心理は書けても、加害者側の心理は書けなかった。】【だから「悪役のキャラクターが薄っぺらい」と言われたら、「はい、そうですね、ごめんなさい」と素直に謝るしかない。】といったものだな。」

逆沢「つまり作者自身が共感できなかったり、感情移入しにくいキャラクターを創造したり、まして生々しく動かすのはしんどいって事か?」

愛原「まぁ主人公側で動かすのは、やや厳しいかも知れんな。いじめっ子の心理といじめられっ子の心理は、自ずから異なる。どちらかしか体験していない人間に、体験していない陣営にいるキャラクターの心理を細かく描写するのはしんどいだろうし、どちらも体験していないなら、なお薄っぺらくなる可能性は高いだろう。【どうせいじめっ子はこんな奴らだ】とか【どうせいじめられっ子はこんな奴らだ】みたいな感じで、ステレオタイプなキャラクターしか創造できなくなる可能性はどうしても高くなる。」

逆沢「いじめっ子は傲慢なジャイアンタイプに決まってるとか、いじめられっ子はいじめられて当然のような、弱気だったり、陰気だったり、不潔だったり、オタクだったり、勉強も運動も出来ないような無能なキャラに決まってるとかね。」

鼎「実情は全然違うよね。クラスの人気者が、つまらないきっかけで突然いじめられる側に回る事は珍しくないし。」

愛原「人気者だろうが、優等生だろうが、ほんのつまらない、きっかけが何か思い出せない程につまらない理由で、人間関係が突然暗転する例は珍しくないからな。人間は嫉妬する生き物でもあり、悪意ある生き物でもあるから、【水に落ちた犬は打て】じゃないけど、ちょっとしたきっかけで、人気者が突然バッシングに遭う例も珍しくない。テレビとか見てたら、特によく分かるはず。」

逆沢「分かる分かる。人気者の芸能人が突然、バッシングに遭う例はいくらでもあるし。逆に少し前までバッシングされてた芸能人やアスリートや政治家が、気がついたらやたらアゲアゲされてる時もあるし。手のひら返しが凄すぎるというか。」

鼎「自民党関係の人達の、小池都知事に対する手のひら返しも、すごいものがあるよね。」

逆沢「最初、あれだけ叩いてたのに、今ではニコニコで握手だもんねー。でも何かのきっかけで小池都知事の人気が落ちたら、また手のひらを返して、対決姿勢に転換しそうな気もするけど。」

愛原「世の中にはかなり卑怯な一面を持つ人間もいて、人気者に刃向かったら自分の身が危ういと思えば、平気でゴマもすれる。しかしその人気者が水に落ちたら、ここが追い落とすチャンスとばかりに、いきなり手のひらを返して徹底的に追い落とす側に回ったりもする。クラスの人気者がある日を境に、突然クラス中から無視されたりするように変わるのも、その延長ではあるだろう。」

鼎「逆にいじめっ子も、いわゆるステレオタイプなジャイアンタイプばかりではないよね。」

愛原「いじめられっ子と聞くと、陰気なイメージを与えるかも知れないが、実際にはいじめっ子の方が何倍も陰湿なケースも多いからな。豪快なジャイアンタイプだけを想像するのはまずい。先生にばれないようにとか、相当に狡猾にずる賢く振る舞う者もいる。外面も人によって様々で、いかにも悪そうな外見のいじめっ子から、見た目は品行方正な優等生タイプのいじめっ子まで何でもアリだ。またいじめっ子の心理も様々で、面白いからいじめる者も多いが、見てて不快だからと場から排除する為にいじめる者もいる。自分の強さや権威を誇示する為に公然と目立つようにいじめる者もいる。お金を奪うのが目的でいじめる者もいる。そいつの成績を落とすのが目的でいじめる者もいる。誰かに媚びを売る為にそれに加担する者もいる。それら複数が絡み合う者もいる。これは学校だけでなく職場でも同様でというか、職場だとより目的が分かりやすい事も多い。」

逆沢「将来、脅威になりそうなライバルを早い段階で潰すとか、意見やそりが合わない目障りな人間を組織から排除するとか、自分の方が立場が上である事をはっきりさせるためにいじめるとか、自分に逆らった奴がどうなるかを周りに見せつける為にいじめるとか、もちろん面白いからいじめるとか、カツアゲしたり残業を押しつける為にいじめるような人もいるだろうけどね。」

愛原「小池都知事やテレビの芸能人の例をあげるまでもなく、人は簡単に手のひらを返す。いじめっ子やいじめられっ子という人種や性格があらかじめ存在する訳ではなく、どんな素晴らしい人間でも、ある日突然組織全体から不当なバッシングを受けて転落する事もあるし、その逆もある。またいじめっ子を悪人キャラとして描くのは簡単だが、自覚のないいじめっ子も世の中には多いからな。たとえば差別主義者とか。」

鼎「差別主義者は、それを当然と考えているから始末が悪いよね。悪意のないいじめっ子そのものというか。」

逆沢「テレビやネットにすぐに扇動される人も、悪意のないいじめっ子かもね。デマやネガキャンに踊らされて、簡単に人を攻撃するし。しかも本人は悪を糾弾する正義の心に燃えてたりとか。」

愛原「学校や職場のイジメの中には、そういう正義(?)のいじめも少なからずあるからな。【組織にふさわしくない人材】と位置づけて、そいつを排除する為に苦労も惜しまず迫害したりとか。」

逆沢「上司(あるいは会社自体)の悪事を止めさせるべく動いたら、その上司によって組織的にイジメに遭ったりする訳ね。でもその上司(あるいは会社)自身にしてみれば、自己防衛の為に必要な手段として正当化していたりして。」

鼎「学校のイジメにしてみても、大体、いじめっ子は何らかの自己正当化手段を持っているよね。いじめられっ子に何らかの能力的な弱みがあれば、その能力を非難したり。ちょっとした落ち度を徹底的に糾弾したり。あるいは何の落ち度がなくても、その場合は、生意気だとか、言うことを聞かなかったからとか。ひどい場合は、ウソ話をねつ造して、それを根拠にしたり。」

逆沢「一方的に泥棒の疑いをかけて、それをネタにあいつは泥棒なのにそしらぬを顔をして許せない、みたいな感じね。」

愛原「一方的に大量破壊兵器を保有している疑いをかけて戦争をふっかけるようなノリだな。」

鼎「大人のイジメとか見てると、【隙があれば追い落としてやろう】と考えている人が仕組んでいるような例が多そうな気がするよ。この前も東京で大停電が起きた際に【中国人の仕業】とデマを流した人がいたそうだけど。」

逆沢「停電は中国人のせいじゃないし、そもそも中国人に停電に関わる隙自体ないだろ。【隙があれば】じゃなくて【口実があれば】じゃね?」

愛原「この中国人による停電デマの発生源の一人は大学生で、既に大学からも注意を受けたという話もあるが、仮にそれが事実なら、動機を聞きたいところだな。デマを広げるのが面白いからか、本気でそう思っていたのか、あるいは何らかの義侠心がそうさせたのか、複数の要因があったのか?」

逆沢「そういう事をやろうと思わない人には、なかなか想像しにくい心理ではあるけどね。」

愛原「うん。だから俺が仮に【デマを流す悪人キャラ】を作品に登場させた場合、薄っぺらいキャラクターになる可能性は否定できないな。但し、俺の場合、自分は正しいと思ってた事が実は間違いだったというケースは普通にあるので、【思い込みでデマを広げた】とか、あるいは【単なる願望や予想に過ぎないものを、なぜかそうであるに違いないと確信してしまった】といった過失説なら、多少は心理描写しやすいかも知れない。」

逆沢「それはそれで小物感あふれるキャラクターになりそうね。」

愛原「仕方ないな。作者自身が小物だと、どうしても生み出すキャラも小物になりやすいかも知れない。神話に出てくる神様がやたら人間くさいのも、同様の理由じゃないのか?」

逆沢「あー、ギリシャ神話に出てくる神々とか、いかにも俗っぽいというか、人間くささ満点で、こいつらのどこが崇めるべき神やねんって心底思うわ。」

鼎「でも神様というのが、仮に、人間が生み出した想像上のキャラクターに過ぎないならば、神様が人間っぽくなるのも、仕方ないと思ったかも。」

逆沢「今、世界の多くで崇拝されている神様仏様というのは、ある意味、人間が考えた理想像に過ぎないのかもね。だからどうしても、人間の思考を超えられていないというか。外見も人間をベースにしたものが多そうだし。」

愛原「よくよく考えたら、何も人間っぽい外観をしている必然性はないもんな。これは神様とかではなく、宇宙人であってもそうだけど。」

逆沢「SFで出てくる宇宙人の場合、人間離れした外観の宇宙人ほど、大体敵対的な気がするわ。特に気持ち悪い外観になればなるほど、その傾向が強まるというか。」

鼎「逆に地球人に対して親和的な宇宙人になるほど、外観も人間に近くなるか、そうでなくとも気持ち悪い外観の確率は低そうな気がするよね。」

逆沢「これも人間が持つ願望が、ストレートに反映された結果なのかねー? 美しい外見を持つ者とは親しくやっていきたい。逆に醜い外見を持つ者とは仲良くしたくない(or仲良く出来ないor仲良くする気もないor仲良くすべきではないor迂闊に仲良くすると後できっとひどい目に遭う)という。」

愛原「まぁ普通に考えても、デブでブサイクなヒロインで萌えアニメやっても、まず成功しないだろうしな。同じ仲良くするなら、美しい人と仲良くなりたいというのは、人間の素直な心理なのかも知れん。逆をいえば、ムカデのような外観の宇宙人と仲良くするのには抵抗があるし、そういうのとは、むしろ排除する(or戦う)理由があった方が好都合というのも含めて。」

逆沢「美しい外観の持ち主とは、仲良くなれる理由が欲しい。醜い外観の持ち主に対しては、排除したり迫害できる大義名分が欲しいってか。」

鼎「でも美形=善玉とは限らず、美形の悪役とかも、割といるよね。」

愛原「それも人間の素直な願望の反映じゃないのか? リア充のイケメンにギャフンと言わせる事で爽快感を感じる人間もいるだろうし、美しすぎる○○とか宣伝されていい気になってる女性が転落する事で胸がすく事もあるだろう。権力を笠に着ていい気になってる富裕層や、文武両道の委員長キャラや、人気芸能人らが転落していく事で爽快感を感じるケースもあるように、それも人間が持つ正直な願望の一面でもある。」

逆沢「まぁ人間の大半が、生まれつきの美形とか、生まれつきの富裕層とか、恵まれた才能にあふれるタイプでない限り、そういう人達に嫉妬する事もあるし、また恵まれた要素を持ちながらそれを笠に着た傲慢な人間も実際にいる訳だから、そういうキャラを倒されるべき悪役として配置する需要も、まぁそれなりにはあるかもね。」

愛原「あと、悪役にもアンチヒーローとかダークヒーローというのがいる。人を無下に殺したり、女性を遠慮無く犯したりしながらも、ある種の人気を持つタイプの悪役だな。これも配役としては悪役だが、人間の素直な願望を投影したキャラの一つとも言える。自分の信念、あるいは欲望に極めて忠実に生きるようなタイプでありながら、ある種の成功を収めているタイプというか。」

逆沢「配役上は悪人だけど、同時にある種の憧れの対象という訳ね。無茶苦茶やっても、世の中で通用するという理想を体現した存在というか。」

愛原「この手の悪人キャラは、矛盾する両端の層を満足させる可能性を持っているからな。悪人キャラに感情移入することで、己の正直な負の欲望を満足させる機能が一つ。恵まれたポテンシャルを武器に傲慢に生きている奴が最後に倒されることで、爽快感を感じさせる機能が一つ。つまり傲慢で完全無欠を気取ってる奴が最後にギャフンと言う事で爽快感を感じる視点と、自分自身が傲慢で完全無欠な悪に成りきることで俺強eeee感を感じる視点の両端が存在する訳だ。」

鼎「なんか【ネトラレ属性】を思い出したかも。」

逆沢「あー、エロで有名な属性の一つね。NTRとか略されてるらしいけど。」

愛原「寝取られ属性も、同様の両端の欲望を満たせるのが利点だな。寝取られる側の視点と、寝取っている側の視点の両方で楽しめる。あるいは間に挟まっている女性キャラの葛藤(心理描写)そのものが、一番の目的という人もいるだろうし、いわゆる【堕ちる過程】にこだわりがある層とも比較的相性が良いかも知れんし、故か、寝取られものの作品も、シェア的に広がっているような印象を受ける。」

鼎「同じ悪役でも、そういう人の願望を投影したようなタイプの悪役は、比較的感情移入もしやすいよね。」

逆沢「ブサメンモヒカンのザコヤンキーに自分を投影したい人はいないだろうけど、知勇兼備で威風あふれる悪役とか、リアルの自分よりもカッコよく権威もある悪役に投影したい人なら、それなりにはいるだろうしね。善玉と違って、自分のやりたい事が制限される事も少ないだろうし。」

愛原「山本弘氏のツイートにも、そういう内容の話は書かれていたな。これも引用という形で申し訳なくもあるが、氏の作品を全く読んだ事が無い人でも、極めて内容が伝わりやすい秀逸なツイートなので以下に転載させていただく。【僕がこれまでに自分で生み出した悪役で、書いてて感情移入できたのは二人だけ。『サーラの冒険』のジェノアと、『神は沈黙せず』の加古沢だ。】【ジェノアは世間のモラルには反しているけど、彼なりのモラルや論理に従って行動している奴。その野望にしても、「世界征服」なんて俗っぽいものじゃなくて、裏から世界を操って、世界の安定を保つこと。彼自身には名誉欲なんてかけらもないから、表の世界で有名になろうなんて思っていない。】【無論、平和を維持するための手段が「暗殺」なのは、僕自身としては容認できない。でも、悪役キャラとしては(自分で言うのもなんだけど)魅力的なんである。特に短編「鏡の国の戦争」では、彼にひたすら「正論」を言わせた。】【「私は、戦争は最も原始的な解決手段──他のあらゆる手段が失敗に終わった場合の、最後の手段だと思っている。(中略)人間の最大の武器は、暴力でなく知恵だ。戦争に訴えねばならないということは、知恵による戦いに敗北したことを意味している」なんて台詞は、まさに僕の信念だったりする。】【あと、自分でいちばん気に入ってる台詞はこれ。 「おかしな話じゃないか。戦争で何万人もの人間を虐殺する連中のことを、民衆は英雄だ豪傑だと賞賛する。それなのに、私は残忍だ冷酷だとののしられる。割に合わん話だ──私が殺した人数など、ルキアルやリジャールの足許にも及ばんというのに」】【『神は沈黙せず』の場合、自分の性格をいくつもに分割して、主要キャラクターに割り振った。ヒロインの優歌も、葉月も、良輔も、大和田老人も、みんな僕の分身である。加古沢に割り振ったのは「邪悪な山本弘」だった。】【自分が悪に走ったらどうなるかと想定して、加古沢を創った。僕より何倍も頭が良くて、何十倍も売れている作家だ。すごく楽しかった! こんなに感情移入できた悪役はいない。 まあ最後に神の意図を読み間違えたのはマヌケだったけど、話の都合上、彼には敗北してもらわなきゃいけなかったんでね。】と、ここまでが転載。」

逆沢「さすがプロ作家というか、作品そのものを知らなくても、言いたい事が素直に伝わってきたわ。」

鼎「つまり悪役ではあっても、ある意味、自分自身の信念や欲望を体現・代弁した存在なんだよね。主人公に言わせるのは困難な、ある種の正論をヅケヅケ言える存在。あるいは躊躇なく実行できる存在。もしくは自分が悪の道に走った場合の理想の一面みたいな。」

逆沢「頭が良くて、他人を使役できる(裏で操る状況も同様)立場で、自分の信念や欲望のままに行動できるだけの器量と能力も持ち合わせていて、かつそれを実現もできる。まさにある種の理想ね。」

愛原「まぁ自分よりも頭が良くて魅力的なキャラというのは、作家志望のアマチュアを中心として、最も創作意欲をかき立てるキャラの一つではあるわな。」

逆沢「作者自身よりも頭のいいキャラなんて、創作できるのか?」

愛原「そういう設定のキャラ自体は、普通に設定できるぞ。諸葛亮を超える神算鬼謀の大軍師であろうと、アルセーヌ=ルパンを超える神出鬼没の大怪盗であろうと。但し、あまり細かく動かすとボロが出るだけで♪」

鼎「あまり細かいところに突っ込まないようにすれば、大抵のキャラは作れるよね。」

愛原「作者自身が貧乏人育ちでも、大金持ちのお坊ちゃんキャラは普通に作れるし、逆に作者自身が体験したこともないような超貧乏ホームレスキャラも出そうと思えばいくらでも出せる。というか、同じ時代を過ごしたこともない織田信長や坂本竜馬を作品に登場させても問題ない。但し、そのキャラへの感情移入のしやすさによって、リアリティーやキャラの造形の深みなどには差は出るだろう。」

逆沢「同じ織田信長でも、作者自身がどれだけ織田信長に対する知識や愛があるかによって、作品内に登場する織田信長の深みに差が出るって事ね。」

愛原「そういう事。作者自身に独自の深い歴史観や織田信長観があれば、(たとえ史実と比べて脚色がむごくとも)それなりに味と深みのある作品になり得るだろう。徳川家康が実は影武者だったという突飛のない設定であっても、その前提なりに、作者自身がその世界観や各登場キャラをとことん愛し一体化し、それを存分に表現できるなら、それなりの作品になり得るようなものだ。」

鼎「逆に作者自身がキャラクターや世界観そのものに同化できていないと、色々ひどい事になるよね。年齢や身長などがいつの間にか大幅に変わってたりとか。」

愛原「作者自身にとっては単なるモブかも知れんが、そのキャラクターのファンからすると、そのキャラクターの年齢や外見、あるいは過去などが理由もなく大きく変わると、憤りすら感じるからな。」

逆沢「関西出身という設定のキャラが、いつの間にか九州出身とかになったら、唖然とするファンもいるかもね。」

愛原「作者自身に、そのキャラに対する愛があれば、いきなり年齢や外見イメージや過去が変化するような事にはまずならないだろうけどな。」

鼎「山本弘氏がいじめっ子キャラに感情移入しにくいように、どうしても感情移入しにくいキャラも、物語上出さざるを得ない事もあるけど、そういう場合は、あまり作品に深入りさせない方が良さそうだよね。」

愛原「愛着のないキャラをうかつに再登場させると、そのキャラの基本設定を忘れてたりする事もあるからな。役割的にそれほど重要でもないなら、変にいじらず分かりやすいステレオタイプで済ますか、あるいは逆にインパクト重視の一発屋狙いでいく方がいいかも知れない。」

逆沢「ステレオタイプのモブというと、たとえばチンピラキャラなら、一目で分かるような分かりやすいチンピラの方がいいって事か?」

愛原「そのチンピラが作品のキモ部分に関わるなら、チンピラの過去話とか、人間関係とかも、ある程度は練ってた方がいいかも知れんが、そうでなければ一目で分かるようなチンピラの方が望ましい。一目見てチンピラと分からないようだと、逆にまずい。漫画なら無駄にコマ数を割くことになるし、小説でも行数が無駄に膨らむ。【なぜそのキャラがチンピラといえるのか?】みたいな細かい要素は抜きにして、小説やゲームなら、いきなり【チンピラがあらわれた】で構わない。」

逆沢「出会った瞬間に、チンピラと断定してしまうのか? それはそれで断定された人が気の毒ねー。本当はチンピラでもなんでもなく、見た目は悪くても、実は平凡な一般大衆かも知れないのに。」

愛原「ページやコマ数が無駄だから、チンピラと断定して構わない。【チンピラのような外見だけど実は一般人】って設定なら、【チンピラっぽい外見の男】みたいな形容に留めておくべきだろうけども。」

鼎「逆に一般市民っぽい外見をしたチンピラだったら?」

愛原「【一般市民っぽい外見をしているにも関わらず、突然チンピラとしての本性をむき出しにしてきた】みたいな複雑な過程を表現する羽目になるから、俺としてはあまりオススメできない。どうしてもやるなら、理由が欲しい。たとえば主人公に【外見だけで人を判断するのは危険だ】と再認識させる契機にするとか、あるいは【この作品の世界では、この手の人を欺くような人種は日常】という部分を読者にすり込ませたいとか。というか、そういう伏線がないと、わざわざコマ数や行数を増やす意味が無い。ゲーム的に言えば、トイレをゲーム内で登場させる意味が皆無なのに、いちいちトイレをゲーム内のマップに登場させても、スペースの無駄にしかならないようなものだ。」

逆沢「つまりモブはモブらしく、分かりやすく最低限の役割に留めろって事か?」

愛原「愛着のないキャラに深入りすると、設定に矛盾が生じるリスクが高まるからな。チンピラを作品内に登場させる理由にもよるだろうが、たとえば主人公の強さを見せつける為のやられ役という位置づけなら、主人公がチンピラに暴力を振るう動機となる部分だけが表現されていれば、それで役割的には十分すぎる。その動機すら描写されてなければ、主人公がただのストリートファイターなのか、主人公の方が悪いのかすら、判別しにくくなって、(主人公の素性を謎にしたいなどを除けば)いささか問題だけど。」

鼎「つまりチンピラさんが、チンピラにふさわしい悪事をやってるシーンか、あるいはチンピラから解放される事で喜んでいる市民のシーンか、チンピラがチンピラとしてふさわしい捨て台詞を吐いて逃げていくようなシーンさえあれば、それでチンピラさんの配役としての役割は十分って事だよね。」

愛原「髪型がリーゼントとか、服装が特攻服とか、外見がいかにもチンピラだとなお完璧だな。そんなテンプレートなチンピラが現実にいるのはまれだと思うけど、漫画的な演出としてはそれで十分。外見が普通のサラリーマンの方が、むしろ困る。」

逆沢「外見が普通のサラリーマンだと、なんでサラリーマン風の人間と喧嘩になったのか、いらん説明が必要になるからねー。」

愛原「いじめっ子という役割のモブも同様だな。モブなら、分かりやすいいじめっ子の方が望ましい。実はいじめっ子も普段は良い子だったみたいな伏線は、かえって読み手の認識を複雑にしてしまう。【外面はいいけど、実際はすごく陰湿】ないじめっ子という設定なら分かりやすいが、【学校ではいじめっ子だけど、それ以外は普通にいい子】だと、いささか困るのだ。」

逆沢「悪役は悪役らしくしろって事ね。」

愛原「もちろんそのいじめっ子キャラがモブではなく、ストーリー上もっと重要なキャラなら、話はそれなりに違ってくるけどな。普段の素顔とか、いじめている理由とか、もっと色んな部分を検討する必要が出てくるだろう。」

逆沢「もっともいじめっ子が主人公とか、善玉というケースはちょっと聞いた事が無いし、そもそも魅力的なキャラになりようがないから、そんなケースは考えにくいけどね。」

愛原「仮にいじめっ子を善玉の主人公にするのなら、ブッシュ前大統領的なキャラを軸にする必要があるかもな。いじめられっ子キャラをもっと凶悪にして、放っておくと主人公達をさらに不幸にする要因にしかならないような描写にするとか。」

逆沢「それでも設定的にかなり苦しいと思うわ。」

愛原「自分より弱い奴を蹂躙するのは、絵的にも美しくないからな。どういう理由を付けても苦しい設定になるのはやむを得ない。」

鼎「開拓者の安全を守るために、幾度となく襲撃してくるアパッチさんを追い返す保安官的な視点ならどうかな?」

逆沢「コブリンの襲撃に備える善良な村人的視点って事か?」

愛原「人間達が熊やイノシシの住処をどんどん狭めておきながら、村に降りてくる熊や猪を一方的に嫌悪するような心理みたいで、俺としては複雑だな。なる程。いじめられっ子に対して一切の共感を持たず、自分の都合だけを前面に押し出せば、いじめっ子視点での感情移入もしやすいのかも知れん。人工透析を受けている人が身内におらず、かつそれが税の無駄遣いとしか感じられないなら、正義の味方的視点で人工透析患者を容赦なく叩けるようなものというか。」

鼎「オタク嫌いの人間が、いかにもオタク風の若者を見て【コイツらのような連中が増えたから、日本が駄目になっていくんだ】と感じるような心理を吐露させたらいいような感じかな?」

逆沢「オタクの部分を、パチンコとか生活保護者とか障害者とかに置き換えてもいいかもね。たとえばパチンコ嫌いの作者さんなら、ごくナチュラルに【朝早くからパチンコ店の入り口で並ぶ男女の群れを見て、こいつらが日本を蝕んでいるんだと主人公に嘆息させる】シーンも描けそうだし。」

鼎「人工透析を受けている人に対して殺せと言ってる人の心理が理解できない山本先生には、ちょっと描きにくい心理描写だと思ったかも。」

愛原「作品に登場するキャラクターは、どうしても作者自身の思想の影響を受ける。これはやむを得ない。田中芳樹氏の【銀河英雄伝説】あたりもそうだし、百田尚樹氏の【カエルの楽園】もその対極的にまさにそうなんだろうなと感じたり。」

鼎「作者自身に自分の思想の押しつけをするつもりがなくても、人間味のあるキャラクターを出せば出すほど、作者自身の思想を代弁したシーンが出やすいのはやむを得ないという事かな?」

愛原「作者自身が思いも願いもしないキャラクターを出しても、中身のない薄っぺらいものにどうしてもなりがちだからな。作者自身が魅力的と感じない女性をヒロインにしても、おそらく筆が乗らないようなものだろう。」

鼎「自分自身、もしくはその理想や主張の一部をキャラクターが体現してくれる方が、むしろ筆が乗りやすいという事かな?」

愛原「先に触れた通り、悪玉にも2種類いる。作者自身の黒い欲望を刺激してくれるような魅力的な悪役と、最終的に倒されることで爽快感を刺激してくれるような分かりやすい悪役だな。ちなみにカエルの楽園は、百田氏が激しく毛嫌いするような“愚かな左翼”がたくさん登場しており、賢明な主人公がそれに抗うも、最終的に“愚かな左翼”達のせいで大変な事になる的な流れのようだが、多分、百田先生はノリノリで描いたんだろうなと個人的に思ったりもする。」

逆沢「ま、作品の筆が進まないタイプの人には、オススメかもね。自分の理想や主張を投影したキャラクターをメインに出すというのは。人気が出るかどうかは知らないけど。」

愛原「売れるかどうかを基準にキャラクターメイキングをするかは個人の自由だが、自分自身が感情移入できないようなキャラクターを前面に出しても、中身の薄い作品になるか、矛盾だらけの作品になるか、いずれにしろ大した作品にならないリスクが高い。逆に自分自身がキャラクターに思い入れができるなら、そのままキャラクターと同一化するのもいいだろう。あまり細かく展開を決めずに、キャラクターが歩きたいように歩かせるタイプの作者さんも実際にいるし。」

鼎「お気に入りのキャラクターが出来たなら、後はそのキャラクターに任せる的な考え方だよね。無謀な考え方にも思えるけど、キャラクターの魂を殺さないという意味では有効な手法だよね。」

逆沢「シナリオの都合で、主人公の性格ならまずしないような行動をさせてしまったならば、それ自体がキャラクターの魂を殺す事にもなりかねないからね。」

愛原「そう。シナリオの都合上困るからといって、突然特定のキャラの身長が変わったり、出身地が変わったり、過去の職業が変わったりするようだと最悪だ。」

鼎「そういう意味でも、作者がお気に入りに出来るようなキャラクターを主要キャラにはすえたいよね。たとえば作者と主人公の考え方が近い場合、シナリオの都合で主人公なら嫌がるような行動させる場合に、葛藤シーンも力が入るだろうし。まして経歴や年代や身体的特徴などが突然変わるような事もないだろうし。」

愛原「主人公が感じているであろう心の痛みを、作者自身が感じられるようなキャラクター造形ができていれば言う事はないな。たとえば俺が西部劇風の作品を描いた場合、襲撃者であるアパッチの皆さんを一方的な悪とは描けないので、そういうのに葛藤があるキャラクターを主人公に起用する形になるだろうし、それが過ちとも思わない。たとえ敏腕編集者の人に“アパッチを一方的な悪と断定できるキャラを主人公にした方が絶対に売れます”と進言されても、それを受け容れる事はないだろう。そんなストレスフルなキャラクターに感情移入はできないし、そんな主人公に魂を灯すことも、魅力的に描く事もできるとは思えないからだ。」

逆沢「キャラクターに作者の思想を代弁させる事を快く思わない読者の方もいそうだけど、そういうのは無視してOKってか?」

愛原「百田尚樹氏が彼がイメージするところの左派とやらに媚びた作品を書いても、大した作品になりそうもないしな。俺は百田氏の思想に共感できる部分は限られるし、故に氏の作品を正当に評価できるとも思えないが、それは嗜好が合わないだけの問題でしかない訳で。ゲーム嫌いの人に、どんなゲームを薦めても無意味だし、それと同じ事だ。大衆に媚びて自分をごまかした作品を描くのではなく、むしろキャラクターの魂にちゃんと火を灯せるような作品を目指した方がいい。作者自身が余程の変人か未熟者でない限りは、分かる人にはわかってもらえるはずだから。」

逆沢「変人はともかく、未熟者とはどういう事だ?」

愛原「漫画なら画力、小説なら筆力といった、表現技法全般が未熟だと、作者の意図がちゃんと伝わらない怖れがある。たとえば作者自身が絶世の美少女という設定で漫画を描いても、画力が未熟で老いたおばさんにしか見えなければ、受け手に自分の意図を正しく伝えられないだろう?」

逆沢「あー、創作したキャラクターが脳内や設定上では魅力的でも、表現力が未熟だとちゃんとそう受けとめてもらえないリスクがあるって事ね。」

愛原「そういう誤解を避ける為にも、設定上あまり重要でないモブキャラに関しては、ステレオタイプか一発屋である方が望ましい。大して重要でないキャラクターごときで、足を引っ張られるのはまずいからな。」

逆沢「大して重要でないチンピラキャラを、根拠もなくサラリーマン風の外見にしてしまったせいで、不要な憶測を読者に与えてしまうようでは困るって事ね。」

愛原「RPGでも、無駄な町民をたくさん出すと、プレイヤーも重要な情報を見つけるためにいちいちそれ全部に話しかけたりする羽目になって、いらん手間だけが増えるようなものだな。エロ漫画で主人公が一人暮らしであるか、家族が留守がちなのも同様の理由。家族がエロや何らかの伏線にからむならまだしも、そうでなければ家族は物語の円滑な進行を阻害する邪魔者でしかないからだ。」

鼎「作者自身が余程の変人で無い限りというのも、すごく分かるよ。たとえば多くの人がヒロインが美少女である事を望むだろうけど、作者さん自身がその多くの人の一人である限りは、自分の欲望に忠実にヒロインを造形しても、そう的外れにはならないと思うから。」

逆沢「作者が老女マニアとかデブ専だと、かなりニッチ狙いの作品になってしまうだろうけどね♪」

愛原「まぁそれはそれで、需要と供給という意味では悪くないだろうけどな。たとえばデブ専の人は相対的にはかなり少数だろうけど、デブ専志向の作品を作ってくれる作者もまた少数だろうから、それなりに需給のバランスは取れてくる。」

逆沢「変に売れ筋とか、多数派に媚びずに、作りたいものを作るのが一番正解ってか?」

愛原「大ヒットを狙うなら、売れ筋にこだわりたい所だが、売れ筋はライバルも多いからな。たとえば大してそのキャラに思い入れもないのに、売れ筋だからと言う理由だけで二次創作作品を作っても、マニアがみたら、すぐにそんな事はバレるだろうし。」

逆沢「本当に原作を愛しているなら、まずしないような真似をしてしまったりするわけね。」

愛原「そんな事にならない為にも、自分が感情移入できるキャラクターを前面に出す方が無難だと俺は考える。二次創作だろうがオリジナルだろうが。」

鼎「でも一つのストーリーを書き上げようと思ったら、感情移入できるキャラクターも、そうでないキャラクターもいっぱい出さざるを得ない事もあるし、そうなると引出しは多い方がいいよね。」

愛原「当然。たとえば女性の好みの幅が広ければ、創造できる魅力的なヒロインキャラの数も増えるだろうしな。熱いキャラから、知性的なキャラから、優しいキャラから、邪悪なキャラまで、全てにそれなりに愛嬌を感じられるような作者なら、たくさんのキャラを魅力的に創造できると思われる。」

鼎「守備範囲はできるだけ広い方が、キャラクタークリエイト的には有利に働きそうだよね。」

愛原「運もあるが、タイプの違う色んな人間と接する事が出来れば、それだけでもキャラクターメイキングの幅は広がるぞ。当たり前だが、大阪人や九州人といっても、決してステレオタイプな者ばかりではないし、大金持ちだろうが、左翼だろうが、自民党支持層だろうが、実は一人一人かなり考え方などに差があったりする。」

逆沢「一口に大金持ちといっても、みんなが麻生さんみたいなタイプではないだろうしね。疑う事を知らない深窓の令嬢タイプもいれば、陰謀うずまく家庭環境に育って人間不信のカタマリみたいなのに育つ事もあるだろうし。徹底的に帝王学を仕込まれて一族の権威と財産を死守する事だけが生き甲斐のマシーンに育つ事もあれば、逆に親の権威を頼ったり束縛される事を嫌って、裸一貫で自由に生きる事に生き甲斐を見いだす事もあるだろうし。他にも、自分を生まれついてのエリートと信じて傲慢になる者から、エリート家系にふさわしくない成績の自分に劣等感を抱く者まで、それこそ人の数だけパターンもありそうな気がするわ。」

愛原「モブキャラに関しては、分かりやすいステレオタイプでも十分だが、魅力的なキャラを多く配置できる自信があるなら、色んなパターンのキャラを積極的にメイキングするのもアリだろう。」

逆沢「たまに、たくさんのキャラを登場させているようにみえて、実はキャラがかぶり回ってる作品もあるけどね。特に同人で。」

愛原「残念ながらその作者は、引き出しが少ないんだろうな。髪の色が違うだけとか、そういうのはさすがに困る。」

鼎「悪役でも、モブに関してはモヒカンやリーゼントのチンピラキャラだけで十分かも知れないけど、引き出しはある程度あった方がいいよね。四天王がそれぞれ個性的だと作品に深みも出るけど、みんな似たようなものだとすごくガッカリだし。」

逆沢「現実世界の悪役は、大体ワンパターンだけどね。都議会自民党のメンバーでも、すぐに都知事に媚びを売る者から、最後まで公然と徹底抗戦する者まで、色んなキャラがいれば、もっと盛り上がると思うのに♪」

愛原「そういや10月10日の山本弘氏のツイートにも、こういうコメントがあったぞ。【SFでもファンタジーでもない日常的な世界で、リアルな悪役は出しにくい。感情移入できないから。 だいたい日常世界の悪って、魅力的じゃないんだよね。醜いだけで。】と。」

逆沢「確かに現実世界の悪役で、感情移入したくなるような悪人はほとんどいないわね。悲しいととるべきか、正常と受けとめるべきかは微妙だけど。」

愛原「もっとも、すぐに手のひら返しするのが珍しくない今の日本の場合、マスコミや政府によって、ある日突然、悪玉認定される例もあるからなぁ。そういう場合、不当に悪玉認定された側に感情移入したくなる(or感情移入してしまう)事くらいはあるけどな。あるいは本当に悪い奴に追い詰められた末の犯行とか。まぁ悪の定義にもよるだろうけど。悪人キャラクターである事を前提としたモブ的配置なら、えん罪の可能性とか、そんな小難しい事は考えず、時代劇のごとくスパッと切り捨ててやっつけてやればいいが、そうでないなら悪人に感情移入する機会くらいはあってもいいかもしれない。現実世界の悪人も色んなタイプがあって、私利私欲に満ちたタイプから、共感能力に欠如しているが故に他人の痛みに気づけないタイプから、自分自身は正しいと勘違いしているタイプから、やむを得ない事情を抱えているタイプから、悪人と勘違いされているだけのタイプまで、本当に色んな奴がいるからな。」

鼎「引き出しが多ければ多い程、悪役一つとっても色んなパターンをクリエイトできるし、できるだけ視野を広くできたらいいよね。」

















過去のたわごと 
2016年 10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神〜命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方〜捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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