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愛原様のたわごと(17年1月22日)





愛原「前回、前々回と続いて鑑定をテーマにし続けたわけだが。」

鼎「人を鑑定するのも、企業や商品の価値を鑑定するのも、実際の価値の判定は評価困難って感じたよ。特に人の場合は、常に変化する事を前提に考える必要があるみたいだし。」

逆沢「ゲームに登場するキャラクターみたいに、始めからパラメータや成長率などが固定されてたら、有能・無能の鑑定も容易なんだけどねー♪ あー、こいつは有能だから即雇用。こいつは無能だから即2軍行きみたいに。」

鼎「でも実際は、事前評価が全然アテにならない事も多いよね。プロ野球の新人とかみても、ドラフト1位が一番活躍しているみたいな事は全然無いみたいだし。」

逆沢「阪神タイガースのドラフト1位の顔ぶれとかみたら、失笑しか出てこんわ。藤波晋太郎以前のドラフト1位で活躍したといえるのは、2003年の鳥谷選手くらいまでさかのぼらないといけないみたいだし。」

愛原「前回にも触れた話だが、人を見る目以前に、育成環境とか相性とか、色んな要因も大きいからな。我々一般人にしても、入社する企業を間違えるとひどい目に遭う。その新社員が有能とか無能とかそんなのは関係なく、たまたまひどい上司と巡り会ってしまったり、ブラックな企業に迷い込んだりしてしまうと、いつ潰されてもおかしくない。もちろん相性次第で、ブラック企業の中にあってもメキメキ力を発揮する奴もいるのは間違いないが。」

逆沢「ナニワ金融道とかその手の漫画読んでると、ブラックな企業で成功してるような奴は、どこか倫理観がおかしかったり、少なくとも自分の利益のためなら他人を不幸にする事にためらいのないような、反社会性の強い奴ばかりのような気がするわ。」

鼎「人を殺す事に何の罪悪感も感じずに、戦場で活躍するようなタイプは、平和な世の中では力をもてあますみたいな感じかな?」

愛原「まぁそういうケースも含めて、人には相性というか、向き不向きがあるのは間違いない。この相性という概念を無視して、人の優劣を論じたところで全く意味が無いようにも思う。」

鼎「そういう話も前回したよね。【人は変化する】だけでなく【人には相性もある】という話も。」

愛原「そして人が変化する生き物である以上、物の価値が変動する事も避けられない。人が流行に踊らされる生き物である以上、土地の値段から絵や茶器の値段まで常に変化する。今は1ドル115円ちょうどと思っていても、1秒後にはそこから大きく動いている事もあるし、物の価値も、需給や人の欲望の変化に応じて常に絶えず変化する。」

逆沢「そんな事を言い出したら、予想屋や格付け屋の存在価値ってないじゃん。」

愛原「彼らの仕事は、たとえるなら天気予報士に近い。知っての通り、雲や風の動きなどは常に変化し、それによって天気予報の内容も常に微調整なり変更なりを迫られる。しかし、だからといってデタラメを言っていいものではない。土曜日に雨が降るか日曜日に雨が降るかまでは断定できなくとも、その前後に雨が降りそうなら、そう予報すべきだし、土曜日に近づくにつれ、より詳しい状況が分かれば、その時点でより詳しい予報を出すみたいな感じでだな。」

鼎「台風の予報円みたいなものだよね。先の日の予報になるほど、予想の範囲も広がるから、予報円の円がどんどん大きくなってもおかしくないようなもので。」

愛原「そういう事。予想屋や格付け屋の仕事も、本来はそういうものだ。たとえば今、東芝の経営状況は最悪だが、だからといって20年前の時点で東芝の格付けを最悪と予想すべきとまでは思わない。その時点でそんな未来を予測するのは不可能だし、そもそも経営陣の顔ぶれすら違う訳だしな。」

逆沢「けど、問題が表面化してから格付け評価を下げるようでは、格付け屋の存在価値はないわね。日本のどこかの格付け会社がほんの数日前になってようやく投資不適格級に下げたけど、株価も暴落して、新聞にも大々的に取り上げられてから、ようやく格付けを下げても手遅れとしか思えないというか。」

鼎「マジックが点灯してから、広島と日本ハムの優勝を予想するようなものだよね。あるいは空を黒い雲が覆い始めてから、雨を予想するようなものというか。」

愛原「そう。我々凡人が報道で知った後とか、実際に相場が激変した後で予想を出した所で何の役にも立たない。少なくとも凡人が広く認知する以前において、プロがみれば分かるような経営悪化が疑われる兆候が見られた時点で、格付けというのは見直されなくてはならない。東芝のケースならば、粉飾決算が行われたあたりで見抜かねばならなかったし、可能ならばアメリカの原発会社を買収したあたりから、これはヤバいかも知れないとマークしておくべきだったみたいな感じかな?」

逆沢「天気予報で言うなら、台風が日本に近づきだした時点で、警戒予報を出さないと駄目なようなものね。台風が上陸寸前になって、実際に風が強くなってから予報を出しても意味がないようなもので。」

愛原「ひどい奴になると、結果が明らかになってから、さも最初から予想してたみたいなセリフをはく奴もいるからな。【あいつは絶対に大成すると前から思っていた】とか【こんなものは絶対に失敗するとと思っていた】とかみたいな。」

逆沢「雨が降ってから、雨の予報をしてるようなもので、何の価値もね〜。」

愛原「というわけで今回は【未来予測】の話。未来予知ではなく未来予測の方な。」

鼎「未来予知というと、いかにも超能力というかオカルト的なイメージがあるけど、未来予測というと全然似て非なるイメージだよね。」

愛原「予測というのは、何らかのデータなり兆候を根拠にした科学的なものだ。蓄積された過去のデータや天気図を元に、明日の天気を予測したり、台風の今後の進路を予測するみたいな感じだな。占い師がオカルト的な直感や霊感で導き出す予知とは、全く根源を別にするものだ。」

鼎「予知というと、いかにも胡散臭いイメージがあるけど、予測というとそれなりに信用できそうなイメージがあるかも。」

愛原「そんな未来予測を職業としているのが、天気予報士とか格付け屋とかアナリストと言われる人達だな。」

逆沢「天気予報士くらいならともかく、格付け屋とかアナリストと聞くと、途端に胡散臭く感じるのは私だけか? あいつら、平気で嘘をつくし、嘘をついても責任も取らないし。」

鼎「サブプライムローンにしても、東芝にしても、誰が見ても絶望的に悪化する直前までオススメ銘柄として推奨していながら、今更逃げ出しても手遅れという水準になってから、素知らぬ顔で評価を改めるなんて、悪質以外の何者でも無いような気がするよ。」

逆沢「雨雲が目の前に迫るまで今日は素晴らしい天気と吹聴しておいて、雨雲が目の前に迫ってたら、傘を忘れないようにしましょうと手のひらがえしをするようなものね。予報として全く役に立たないどころか、罠にはめ込む気マンマンだろ。」

愛原「未来予測をする上で最も重要なのは、時期だ。たとえば極論だが【貴方はいつか死ぬ】という未来予測に何の意味もないだろ?」

逆沢「人はいつか死ぬのは当たり前だから、そんな予想には何の意味もないわ。」

鼎「【いずれ雨が降る】とか【いずれ円高になる】とかも、何の役にも立たない予測だよね。そういえば日銀の黒田総裁も、2年後を目処とした物価目標を4年経っても達成できなかった事を受けて、去年の9月に期限を区切らないオーバーシュート型コミットメントだかなんだかを発表したけど、これも全然意味が無いよね。」

逆沢「【いずれアメリカに勝つ】とか【いずれ拉致問題を解決する】とか【いずれ一票当たりの格差を是正する】並みに意味の無い空論だわ。」

愛原「なぜ、それらが空論にしかならないかというと、予測に必要な工程がないからだ。たとえば台風の進路を予測するにあたっては、明日はこの位置。明後日はこの位置に台風がいるだろうみたいな積み重ねというか、工程がある。同様にたとえば、仮に【アメリカに戦争で勝つ】という目標を空論にしたくなければ、本来、いついつにどこを陥落させるとか、いつまでに何をどれだけ生産するとか、いつまでにどういった外交関係を形成するとか、そういった工程表がないと話にならない。物価目標にしたって同様だし、議員定数や一票の格差問題にしてもそうだし、拉致問題や北方領土問題にしても同様だ。全ての未来予測や未来予想図には、工程が必要であり、工程のない目標は願望にしかならず、また必然と期限を区切る事もできない。」

逆沢「期限や期日について一切触れられていない未来予測や未来予想図や公約に何の価値もないって事ね。」

愛原「もちろん【いずれ人は死ぬ】し【いずれ雨も降る】し【いずれ物価目標を達成する】事もあるだろう。【いずれアメリカに勝つ】とか【いずれ拉致問題を解決する】という目標にしたって、そりゃあ数百年後に達成できるかも知れないし、未来永劫達成できないかも知れないけど、期限を区切らない事によって、最悪でも問題の先送りくらいはできる。永遠に【道半ば】と言ってれば済むわけだから。」

逆沢「永遠に道半ば、ワラタ。」

鼎「【いずれ人は死ぬ】し【いずれ雨も降る】し【いずれ物価目標を達成する】事もあるだろうけど、その予想がいずれ当たる時が来たとしても、それは【たまたま】であって、そんな予測に何の価値もないよね。何日後になるか、何ヶ月後になるか、あるいは何十年後になるかも分からない予測を根拠に、人生計画を建てるわけにはいかないし。」

愛原「いつ頃に円高になるという予測が出来れば、それを根拠に為替戦略も練れるけど、それがいつ頃か分からなければ、そんな予測に何の価値もないからな。」

逆沢「末期癌だから余命何ヶ月とか言うのなら、それを元に残りの人生計画も練れるけど、何年後になるか、何十年後になるか分からないけど、いずれお前は死ぬとか言われても、人生計画の練りようがないようなものね♪」

愛原「天気予報にしてもそうだが、いつ?という期日や期限のない予測にほとんど価値もない。いずれ台風が来るではなく、大体いつ頃に台風が来るというのなら役に立つんだけどな。」

鼎「つまり未来予測には、期日の明記が必要って事だよね。」

愛原「【いずれ台風が来る】なんて情報に何の価値もないし、実際に台風が来てからでは手遅れだ。同様に【いずれ東芝はピンチになる】なんて情報にも価値は無いし、実際に東芝がピンチになってから格付けを下げてもやはり手遅れでしかない。未来予測というのは、適切な時間軸の元で行われなければならない。逆を言えば、適切な時間軸の管理さえ出来ていれば、予測の当たり外れは必ずしも重要ではない。」

逆沢「ん? 私達は、予知にしろ予測にしろ、当たるか当たらないかだけで価値を判断しがちだけど、もしかして実際はそうじゃないって事か?」

愛原「うん。たとえば降水確率(一定区域・一定時間内に1mm以上の雨もしくは雪が降る確率)10%というのがあるが、仮に10%であるにも関わらず、大雨が降ったからといって、その予測が大間違いという事にはならない。なぜなら10回に1回はそれなりの降水があると触れてある以上、今回たまたまその1回である可能性があるからだ。」

鼎「つまり降水確率10%のケースを100回抽出して、その100回の内、10回前後ほど雨が降れば、その予報はむしろドンピシャという事だよね。」

愛原「そういう事。降水確率10%と発表しておきながら、全然雨が降らなければ、その方が天気予報として余程不正確だ。降水確率10%と発表されていながら、大雨に遭うと裏切られた気持ちになるかも知れないが、10回に1回前後はそうなると覚悟しておいてこそ、むしろ予測情報としては意味がある。」

逆沢「でも10%ならともかく、50%とかは正直困るわ。特に株価が上がる確率が50%とか、このアナリストの予測が当たる確率は50%とか、予測の意味ないじゃん。」

愛原「○×クイズのような2択問題で正答率50%というのは、予想屋としてはカス以外の何者でも無いな。正答率30%以下とかなら、その人の予想の逆をいけばいい訳だから、むしろ逆神としてすごく役に立つのだが、50%前後は一番タチが悪い。逆神と違って、そこそこは当たるし、またアナリスト当人も自分の予想が当たった部分に関しては派手に吹聴するから、それに騙される人もでやすく、存在自体が害悪であるとすらいえる。」

逆沢「2択問題で正答率50%前後のアナリストとかをさらし者にするサイトとか、作って欲しいわ。【この人には騙されるな!】みたいな感じで。」

愛原「まぁいずれにしろ未来予測というのは、当たり外れでは無く、確率で判断するという事くらいは覚えておいて損はない。ちなみに格付け屋の評価というのも、投資不適格級だから確実に倒産するとか、そういうものではなく、一定期間内で破綻する確率などがランクによってちゃんと公開されている。最上級のトリプルAなら、この確率。投資不適格級の境界線上にあるトリプルBやダブルBならこの確率。Cならこの確率みたいな感じでだな。」

鼎「でもリーマンショックの時には、トリプルAを始めとした債権の多くが、そう指定されてから短期間の間にどんどん焦げ付いたから、大問題になったんだよね。」

愛原「そう。トリプルAでも目安となる期限内で破綻する確率はゼロではないし、それ自体は仕方ないのだが、その確率から大きくはみ出たから大問題になったんだ。天気予報でも、降水確率10%で大雨が降る事自体は構わないのだが、あまりに大雨になるケースが多すぎたり、あるいは逆に全く雨が降らないと、気象庁や気象予報士的には役立たずという事になるようなものだな。」

鼎「実際の天気予報は、どの程度、当たるのかな?」

愛原「降水確率とか、台風の予報円の範囲とか、そういう観点からみれば、日常生活を営む上で信用した方が絶対にプラスといえる程度には当たっているとは思うけどな。もちろん確率であり、当たり外れを占うものでない事は念頭に置いておく必要がある。台風の進路や速度にしたって、多少のずれは当然のように生じるものと理解しておく必要はある。」

逆沢「その点、株価や為替の予想は、全然当たらないイメージがあるけどね。大きく下落するとの予想が外れて小幅な下げに留まるとか、明日から反転の予想が数日後の反転にずれ込んだりとか、材料に乏しく方向性のない展開との予想にも関わらず若干ながら一方的な方向に動いたとか、そういった多少のずれはあってもいいけど、そもそも上と予想しながら大きく下にぶれたりとか、反転を予測しておきながら全く反転しなかったりとか、動かないと予想しながら派手に動いたとか、デタラメ予想が多すぎるイメージがあるというか。」

愛原「軍事参謀には絶対にしてはいけないタイプだな。大体、未来予測というのは、確率を元に色んなパターンを想定しておくものだ。」

鼎「【敵は真っ正面から迎撃してくるに違いない】みたいな予測をするのではなく、真っ正面から来る確率を計算すると同時に、それ以外の確率も計算して、実際の展開に応じた対策を取るべきみたいな考え方だよね。」

愛原「そう。真っ正面から来る確率が圧倒的なら、それを前提に対策を取れば無駄も少ないだろう。だがその確率が最も高いとはいえ、他の確率もそれなりに高いなら、2番目に確率が高いケースとか、他のケースが起きた場合のリスクも計算に入れておく必要が出てくる。特に敵が真っ正面から来なかった場合のリスクが高すぎる場合は、余程その対策にも備えておかないと危険だ。」

鼎「株価でいえば、たとえば中国株がバブルで上り調子だけど、いつバブル崩壊してもおかしくない状況ならば、上り調子に乗っていくのが基本だけど、崩壊に備えていつでも逃げ出せる準備もしたいみたいな感じかな?」

愛原「株の扱いはよく分からないけど、多分そんな感じだと思う。近い内にバブル崩壊するに違いないみたいな確信があるなら、最初から下げ前提で動いてもいいけど、崩壊がいつになるか分からないなら、上げ基調の中で逆張りするのは危険だし。上がる確率、下がる確率、その際の幅などを総合的に判断して、今、勝負を賭けるか、当面は様子見に徹するかを判断するのが普通な気はする。」

逆沢「上の方でも触れたけど、いつ?が分からない予測に、安易に乗っかるのは危険って事ね。」

愛原「中国バブルも、アベノミクス円安も、それなりに数年もったからな。いずれ弾けるのは分かっていても、いつ弾けるかも分からないのに、弾ける事を前提に早く動きすぎると、数年も辛抱させられる羽目になる。下手すると弾けるまでの上昇が大きすぎて、たとえ弾けても元の水準まで戻らない事もあるし。【いずれ死ぬ】や【いずれ大地震が起きる】と同様、いつ起きてもおかしくないが、だからといってそれが近い内に起きる前提に動くのはあまりにもハイリスクだ。」

鼎「大地震の予測にしてもそうだけど、重要なのは、時期や確率だよね。」

愛原「あと起きた場合のリスクだな。原発事故なんかもそうだけど、確率が低いからといって無視して良い事にはならない。低くとも、起きた場合のリスクが甚大なら、やはりリスク管理は必要になる。たとえば静岡県の浜岡原発が福島原発事故並みの災害を引き起こしたなら、東海道新幹線や東名高速が使用不能になる可能性が生じるし、福井の原発が弾けて琵琶湖が汚染されたら、京都や大阪は大ピンチになるだろう。」

鼎「降水確率10%は、決して雨が降らないという意味ではないし、確率が0%でない限りは、起きた場合の覚悟も必要だよね。」

愛原「まともな予測屋は、確率と工程を重視する。台風の進路予測でいうなら、まず大まかに台風の進路を大まかな予報円で示し、実際の進路を確認しながら、予報円の範囲をどんどん絞り込んでいくみたいな感じでな。故に予想が当たった外れたではなく、今起きている現実を前提に、予測内容を絞り込んだり、あるいは必要に応じて見直したりするのが、本来のあり方になる。予想の範囲ではあるが、予想の中心より北に台風が動いているなら、その前提で予報円の北部分を中心に絞り込んでいく事になるだろうし、(めったに起きないけど)予報円の範囲外に台風が位置しているなら、その現実を受けとめて、新たな予報円を見いだすのが気象予報士の仕事になるみたいな感じだな。」

逆沢「仮に凄腕の気象予報士がいるとするなら、その予報円の大きさが最初からすごく狭そうね。」

愛原「予報円があまりに大きすぎると、予報の意味をなさないからな。明日の日経平均株価を10000円から25000円の間と予想するようなものだ。」

逆沢「範囲が広すぎて、たとえ予想が当たってても、全然意味ね〜。」

鼎「それこそ【貴方はいずれ死ぬ】と同レベルだよね。」

愛原「予測の範囲は、狭ければ狭いほど、実用的になる。無論、いくら狭くてもデタラメだと意味をなさないが、どの程度の誤差や正答確率までを許容範囲ととらえるかは、我々の責任でもあるだろう。予報円からちょっとでも外れてたら許せないなんて人が多ければ、予報円も広く取らざるを得ないが、そうなると実用性は下がるし。」

逆沢「実際、そんな人がいるから、最近は昔よりも警報も出やすくなってる気がするわね。ちょっとでも危険性があるなら、すぐに警報とか、すぐに避難勧告とかみたいな。」

愛原「まぁ、人の命には変えられないから、命の危険があれば、少し過大評価するくらいでちょうどいいのかも知れないけどな。まぁ起きた場合のリスクと相談して、リスクが大きいなら精密さよりも正答率を重視し、リスクがそれ程でもないなら、精密な予想を心がければ利便性も高まるだろう。もちろん精密な予測をして予想の範囲を絞れば絞るほど、予測が外れる可能性が高まるのは当たり前だから、予測結果を利用する者の寛大さも求められるだろうけども。」

逆沢「人をはめ込むような真逆の予想とかするのでもなければ、私は全然気にせんわ。天気予報が外れてもふーんって感じだし。」

鼎「私は、予想と真逆でもいいけど、どっちに転ぶか分からない場合は、確率で示して欲しいかな? この確率でこの範囲。2番目に確率的に高いのはこの範囲。こうなった場合は、今後の予測をこのように修正みたいな感じで。もちろん降水確率と同じで、最終的に確率の期待値から大きく外れないのが大前提だけど。」

愛原「予測というのは、バクチではないからな。様々なデータを元に、工程を組み立てながら未来予想図を作り上げていく性質のものだ。もちろん実際の雲の動きなどを元に、台風の進路を微調整したり、予報円を絞り込んだりするように、適時予測結果も微調整(あまり望ましくないが、予測結果と大きく外れた場合は、その事実を受け容れて大幅な予測内容の見直しをする事も必要)していく。」

逆沢「ちなみにトランプ大統領が作り上げる未来について、あんたはどう予測する?」

愛原「期待に応えられなくて申し訳ないが、予測不能。無責任な予知や予想はできるかも知れないが、予測するには判断材料が乏しすぎる。別に逃げているのではなくて、材料が全然足りないのだ。過去の実績もないし、参考にするには、相反する材料すらある状態だしな。」

鼎「トランプさん自身はドル安志向だけど、トランプさんが任命した新財務長官はドル高志向だとか、方向性すら見えないのが予測する上で厄介すぎるよね。」

逆沢「トランプ自身は親露だけど、担当長官はむしろ逆とか。トランプ自身は積極財政路線だけど共和党は伝統的に小さな政府路線だとか。方向性がねじれすぎて、私のような素人には、進路すら全然予測付かないわ。」

愛原「進路すら読めないというのは、予測する上でかなりヤバい。トランプ台風は、向かう方角すら全く読めない。今の所、かなりの暴風雨なのは間違いないが、すぐにしぼむかどうかも分からない。だが気象予報士的な表現をするなら、今の所は十分な警戒が必要だろう。後になって、実は大した事は全然無かったと笑い話になるかも知れないが、今、必要なのは1年後の天気では無く、今日明日の天気という観点でな。」

鼎「そう言えば、格付け会社の格付けに関して、こんな話を聞いた事があるよ。格付けの善し悪しは、今後、さらに成長する見込みがあるかとか、そういうのではなく、あくまで破綻する確率がメインなんだって。だから成長の見込みは低くとも、堅実経営と見なされたら格付けの評価は高くなるし。逆に爆発的な急成長を続けていても、リスキーな経営を続けている所は低い格付けになるんだって。」

逆沢「そういう意味では、トランプ大統領というのは、かなり危険な銘柄という事になるのかな?」

愛原「最悪のケースを想定して予測するというのは、視点として大事だと思う。悪い予測を重視して良い結果が出ても、せいぜいチャンスを逃した程度で済むけど、良い予測だけを前提として、最悪の方向に転んだら目も当てられないからな。予測というのは、あらゆる可能性を確率・統計に基づいて模索して、リスク管理できてナンボのものだ。たとえ敵が正面から突っ込んでくる確率が一番高くとも、もしも背後から本陣を突かれたら全軍壊滅と予測され、かつそれが実行される確率が0%でないなら、まずはそれに備えないと、いつか絶対後悔するようなもので。」

鼎「たとえ勝率99%で、かつ勝ったら掛け金が倍になるという条件でも、負けたら全財産没収という条件なら、何度も続けている内にいつかは全財産がゼロになるようなもので、そんなリスク管理を無視したバクチをしたら駄目だよね。」

愛原「予測というのは、当たった外れたは必ずしも重要ではない。1%でも確率があるなら、それを無視してはいけない。たとえ降水確率10%でも、雨に打たれる可能性を考慮すべきものだ。」

鼎「そしてその確率をはじき出すに至った根拠というか、工程を重視すべきものだよね。」

愛原「工程のない予想は、ただの勘。もしくは願望だ。あらゆる可能性を客観的・科学的に考慮し、最も起きる確率が高いものだけで無く、たとえ起きる確率自体は低くとも、それが仮に起きた場合のリスクも考慮してこそ、初めて予測となる。当たった外れたで一喜一憂するだけの、安易な予想や勘とは全然異なる、非常に大切な概念だ。」

逆沢「当たった外れたで騒ぐだけの予想ではなく、どう転んでもパニックにならないような予測こそ大事にしたいって事ね。」



















過去のたわごと 
2017年 1月8日 人相見(人物鑑定)    
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神〜命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方〜捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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