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愛原様のたわごと(17年2月5日)







愛原「今回のテーマは【歴史的人物の当時の評価】。大どんでん返しが当たり前のファンタジーものでは、主人公が隠された歴史の真相を知るにつれて、評価が正反対になる事も多いというか、まぁ定番の設定だな。」

逆沢「【歴史上の英雄とされた偉人が、実は凡人に過ぎず、本当の英雄は別にいた】みたいな奴ね。でも本当の英雄は、何らかの理由で歴史の闇に消されてしまっていたり。」

鼎「逆に、悪辣な謀反人とか大罪人として誅された人間こそが、実は本当の愛国者であったり、正義の味方だったってパターンも割とありそうだよね。」

逆沢「現実の歴史でも、ファンタジーの歴史でも、歴史修正主義者というか、自分達の都合のいいように歴史をねつ造しまくる奴は、本当に古今東西、無くならないもんだと思うわ。」

愛原「まぁ時の権力者が主導した結果、歴史がねつ造されるケースも多いだろうが、特定の誰かの悪意によってねつ造されてしまうのではなく、比較的ナチュラルに歴史的評価に差が出るケースもあるのかなと、最近俺は感じ始めてしまってだな。」

逆沢「ん? なんか思う事があったのか?」

愛原「今年の1月20日にトランプ大統領が就任して、わずか2週間。そう、わずか2週間しか経っていないのだが、なんかものすごいスピードで変化する動きを感じるというか、もう1ヶ月くらい経ったような錯覚まで覚えてる自分がいたりする。そしてそれによる怒り、不安、動揺の声もメディアを通じてしつこく取り上げられる一方で、肝心のアメリカでは、トランプ大統領の移民制限政策に賛同する声も多いらしく、良かれ悪しかれ、強いインパクトを感じざるを得ない。そしてふと思ったんだ。革命児と言われる人に対する世間の反応は、案外こんなものなのかも知れないと。」

鼎「日本で革命児と言われると、私は織田信長さんを一番思い浮かべるかな?」

逆沢「日本で尊敬する歴史的人物を問われると、坂本竜馬と並んで、大抵トップ争いするというか、少なくともベスト5くらいには入りそうな歴史的大英雄ね。織田信長といえば。」

鼎「戦国の三英傑の中でも、一番人気だよね。有名な政治家や実業者の人でも、尊敬する人物の一人に織田信長さんをあげる人は、少なからずいるし。」

愛原「まぁ織田信長が歴史的な革命児であり、また時代を変えた英雄である事に、異論を唱える人は少ないだろう。そして尊敬される人物として常に上位で名前が挙がるのも分かる。ただ、しかしだ。織田信長は、当時の時代を生きる人に、その偉業に見合うレベルで尊敬されていたのだろうか? ふと、そう感じたりもした訳だが。」

逆沢「うーん。歴史的評価は突き抜けて高いかも知れないけど、当時の人にどれだけ尊敬されていたかと言われると・・・。どっちかというと嫌われてた方じゃねえのか? 当時の戦国大名の中でも、飛び抜けて不義理かつ残虐非道だったし。降伏勧告に応じて投降した武将をいきなり処刑したり、同盟も平気で破るし、幕府や朝廷や宗教勢力といった当時尊崇されるされる対象もないがしろにしまくるし。天正伊賀の乱や長島一向一揆などでは民衆相手にジェノサイドもやりまくったし、民衆から、女中から、僧侶から、武将まで、とにかく気に入らない奴は殺す殺す殺しまくる。そんなのだから、包囲網も敷かれるし、謀叛や裏切りにも何度も遭うし。最後に本能寺の変で死んだのも因果応報というか、彼が死んで嘆き悲しんだ人より、内心でほっとした人の方がずっと多いと、私は思うけどねー。何となく。」

鼎「でも、戦国時代の混乱状態を収束に向かわせたという事で、後世からの評価はすごく高いよね。」

逆沢「当時の住民からすれば、むしろ混乱を拡大させた側だったんじゃね? 比叡山焼き討ちとか、しなくてもいいような虐殺までやって、余計に敵を増やしまくったというか。」

愛原「革命を嫌う保守層からみれば、古来からの価値観を変える行為自体が、しなくていい余計な所業というか、災いと混乱の元でしかないからな。後世に生きる我々からすれば、強すぎる宗教勢力や旧勢力を一気に弱めた織田信長の歴史的功績は小さくないとも言われるが、当時の保守層からすれば、おそらく歴史的暴挙以外の何者でもなかっただろうし。」

鼎「当時の保守層からすれば、宗教勢力との戦いとか、しなくていい戦いまでふっかけて戦国の混乱を拡大させた災厄の象徴そのものだけど、後世の人からすれば、逆に旧態依然とした価値観をぶっ壊す事で戦国の混乱を収束に向かわせた歴史的英雄であるというギャップが、少し面白いと思ったかも。」

愛原「豊臣秀吉なら、曲がりなりにも戦国時代を終わらせて天下統一を果たしたという実績があるからまだしも、織田信長の場合は、それすらも中途でしかないからな。当時の時代に生きた者からすれば、当時の常識を破壊しまくって多くの人の不安と怒りを増幅したあげく、混乱をますます拡大させただけで、中途半端な状態で殺されたくらいの評価でしかないかも知れない。織田信長が死亡した後、信長の功績を称えてその遺児を盛り立てていこうなんて機運も、庶民レベルでそれ程巻き起こらなかったようでもあるし。」

鼎「今の時代に生きる私達からすれば、もしも織田信長が本能寺の変の後でも生き残っていたらとワクワクしたり、安土城も焼失して残念だと惜しんだりもするけど、当時の人は、そんな事、全然思わなかったかも知れないって事かな?」

逆沢「悪の総本山(?)である安土城もまとめて焼失した事に、喝采した庶民も案外いたんじゃね? 秀吉や家康が安土城を再建しようとしなかったり、そこに首都や地方拠点を起きたがらなかったのも、信長政権時代の悪いイメージを思い起こすからかも知れないし。交通の便も当時としてはかなりいい場所にもかかわらず、再建された大坂城と違って最後まで放置されたのは、当時の世論に配慮した結果と思えなくも無いわ。」

鼎「表向きとしては織田信長の意思を継承したはずの秀吉さんにしても、実際には信長政権時代の方針の多くをひっくり返していたりもするし、むしろ過激だった信長政権からの脱却を表に出す事で、自分に降伏・従属しようとする諸大名を安心させようとしたと思えなくもないよ。諸大名に対する完全覆滅戦略からの脱却だけでなく、朝廷や宗教勢力に対する融和姿勢もそうだし。」

逆沢「日本屈指の革命児として後世からの評価はすごく高い織田信長だけど、あれだけの破壊行為と残虐行為を繰り返した織田信長が、当時の人達にまで高く受けとめられていたとは、私にはとても思えないからねー。常識的に考えて。」

愛原「豊臣秀吉に対する評価も、似たようなものかも知れないな。後世からの評価としては、天下統一を果たし、戦国の世を終わらせた事ですこぶる評価は高いが、じゃあ当時の人達からどう思われていたかと言われると、正直疑問符がつかない事も無い。」

逆沢「まぁ信長政権時代の頃と比べれば、マシと思えなくもないけどね。」

鼎「けど秀吉さんも、老化するに従って、自分の悪口を言う人を容赦なく処刑したり、朝鮮征伐を強行したり、人心が離れるような事を繰り返して失望を招いた部分はあるよね。」

愛原「【豊臣秀吉は、足軽の身分から成り上がって天下統一を果たしたというだけでスゴい】という評価は、まぁ正しいだろう。しかしそれは【ドナルド・トランプは、政治経験が全くないにも関わらず、超大国アメリカの大統領になったというだけでスゴい】と同様でもあるといえる。確かに凡人には到底成し遂げられない偉業を成し遂げたという点ではスゴいと思うが、それが大衆からの賞賛とかに結びつくとは限らない点くらいは、理解しておく必要があると思う。」

逆沢「秀吉は確かに天下を統一したという点でスゴいかも知れないけど、善政を敷いたり、政権を安定させたりできたかといえば、大いに疑問だしねー。実質一代で豊臣政権も崩壊してるし。」

鼎「トランプ大統領も、大統領になれたという点ではすごいかも知れないけど、善政を行えるか、次の大統領選挙でも勝てるかといえば、それは別問題という事かな?」

愛原「ただ仮に、トランプ大統領が志し半ばで、次の大統領選挙で落選したり、もしくは任期途中で暗殺されたとしても、それで彼の歴史的評価までが地に落ちるとは断定できない。本能寺の変で暗殺されて志し半ばで散った織田信長が、後世の人達から高い評価を受けているように、彼が数百年後、後世の人達から評価されないという確証はどこにもないからだ。」

逆沢「次々と革命的行為を繰り返し、歴史を飛躍的に前進させながらも、志半ばで散った悲劇の歴史的英雄みたいに、数百年後に評価される可能性もあるってか。私は想像したくないけど。」

愛原「トランプ大統領の政策が、歴史を前に進める偉業なのか、歴史を逆流させる愚行なのかは、今は断定しかねる。織田信長のように、後世、歴史を大きく前進させたと評価されるかも知れないし、逆に西南戦争を引き起こした西郷隆盛のように、歴史を逆流させる側に立って晩節を汚したとみられる可能性もあるだろう。」

鼎「西郷さんは、歴史上の偉人としても評価は高いけど、最後の最後に士族の反乱に同調したのは残念だったかな? あれは歴史を逆流させようとする行為以外の何者でもないよね。むしろ成功しなくて良かったというか。」

愛原「世界の民主化を加速させたフランス革命も、その直後には歴史に逆行する動きが出てるし、急激に革新を進めようとすると、それに抗う動きが出やすいのはやむを得ない。保守層は、そうでなくとも革命的な動きを嫌うし、革命者に対しては、怒り・怖れ・動揺・嫌悪感を感じざるを得ないだろう。」

鼎「トランプさんの移民政策や保護貿易政策に関してはどうかな? 歴史を前進させる動きの側か、あるいは歴史を逆流させる動きの側か? 私は何となく逆流させる側の動きに感じざるを得ないけど・・・。」

愛原「革命側であれ、反革命側であれ、どちらにも過激派ははつきものだからなぁ。そして過激派は、しばしば血を好む。たとえば織田信長は比叡山を焼き討ちにするなどの暴挙に出たが、その暴挙に言葉で言い表せない怒りを感じた層が多く出た一方で、実は拍手喝采した層もかなりいたようにも思うのだ。傲慢で俗物化した宗教勢力にうんざりした大衆もそれなりにはいただろうし。」

逆沢「まぁあれだけ残酷でひどい真似をした織田信長が、それでもあれだけの大勢力を築いたという事は、その残酷な行為も含めて支持した隠れ支持者も少なからずいたというかも知れないってか?」

愛原「楽市楽座政策にしても、既得権益を死守しようとする旧来の商人をギャフンと言わせる暴挙とも解釈できるし、それに拍手喝采して乗っかった新興の商人も少なからずいただろうしな。秀吉や滝川一益ら新参者の登用と、佐久間や林といった旧臣の排除、あるいは出自を問わない専業兵士の積極採用なども、当時の慣習とかけ離れた暴挙(?)だが、それを喜んだ人達も意外といた可能性はある。」

鼎「けど、そういう革新的な政策を快く思わない人もたくさんいただろうし、今のトランプさんじゃないけど、まさしく評価を二分しそうだよね。」

逆沢「敵対者には容赦しないこと。昔から続いてきた慣習を躊躇無くぶっ壊そうとする事。比較対象としてふさわしくはないかもしれないけど、織田信長とトランプに、若干の共通点くらいはあるかも知れないという事か?」

愛原「まぁ織田信長は本能寺で死ぬまでの数十年間、最後まで破壊的な革命児だったけど、トランプ大統領のあのスタイルがあと何年、あるいはあと何日続くかは知らないけどな。」

鼎「ただ口先だけの日本の政治家と違って、就任後もあの勢いのままという時点で、かなり私の予想は超えてたけど・・・。」

逆沢「先週の金曜日に【メキシコの壁に関して2年以内の完成を目指す】とか発表されてたけど、案外本当に実現させそうな勢いね。最初はメディアも、悪い冗談というか、荒唐無稽というか、とても真面目に受けとめられてなかったけど、なんか風向きが変わりつつあるというか。」

愛原「オリンピック会場の見直し一つできない日本の政治家とは大違いだな。正直、過小評価しすぎてたというか、かなり見誤ってたわ。」

鼎「それを実現させる事で、みんなが幸福になるかどうかは別問題だけど・・・。」

愛原「後世の評価というのは、そういうのとはかなり別次元な所にあるからなぁ。たとえばピラミッドや万里の長城を始めとする世界遺産の全てが、当時の大衆に愛されていたり、あるいは実際に役に立った訳ではない。それどころか、当時の臣民を酷使して、おびただしい流血の末に出来上がったものも少なくない。今の時代に生きる我々からすると、素晴らしい歴史上の建造物であっても、それが当時を生きた人にとっても素晴らしい建造物であったとは限らない訳だ。」

鼎「今風の言い方をすれば、今現在、悪名高いブラック企業として知られている企業でも、数十年後に世界的大企業になって成功していたならば、後世からの評価も大きく変わる可能性があるって事かな? 【当時はブラック企業だとか散々言われてたが、それでもめげずに社員を酷使し、客を欺き、ライバルを悪謀で蹴散らしたり乗っ取ったりを繰り返し、政治家に賄賂を送り、タックスヘイブンに利益を貯め込んで、手段を選ばず積極的に会社を大きくした結果、ついに人々を幸福にする新製品の開発に成功して、世界的な大企業として成長する事も出来た。】みたいな感じで。」

逆沢「嫌だな。なんか【勝てば官軍】みたいで・・・。」

愛原「逆を言えば、負ければ賊軍だな。どんなに善政を敷いても、その結果、織田信長みたいな凶悪な敵に目を付けられて、国を滅ぼされて、住民がジェノサイドでもされたら、きっと後世の評価も地に落ちるんだろう。」

鼎「天正伊賀の乱で滅ぼされた伊賀とか、そんな感じかな? 大名家が力を持つのが当然の当時にあって、珍しく住民による自治が発達してた伊賀の国だったんだけど、それ故に特に織田家に目を付けられて。」

愛原「講談などでは忍者の国とか言われるが、忍者とまでは言わなくとも、十分に住民自体が訓練された地域であり、第一次の伊賀の乱では、数倍の兵で挑む織田家の軍勢をメタメタに打ち破るなどの活躍も見せている。住民自治だけでなく、高い自衛力にも秀でた、今風の言い方をすればまさに善政(?)を体現した国だったんだが、それが信長をますます怒らせた。信長は5万の兵をつぎ込み、物量で伊賀軍を壊滅。見せしめとしてか、非戦闘員であるなし関係なくジェノサイドを敢行し、当時の伊賀の人口の3分の1がわずか数日でこの世から消えた。」

逆沢「超大国の圧力にも屈せず、善政を敷いてても、それがかえって暴君の攻撃を受けるきっかけにもなり得るって事か?」

愛原「伊賀なんて、京都や大阪のような大都市でも無いし、制圧しても大してうまみもないのに、そこに5万の兵をつぎ込むんだから、余程、癪に障ったんだろうな。」

逆沢「大国毛利家と争った秀吉軍でさえ、3万前後程度の兵しか与えられてなかったのに、伊賀一国制圧に5万とか、総力戦過ぎるだろ。」

愛原「まぁ伊賀衆は、織田家への臣従を拒否したばかりか、第一次の戦いで数倍の兵を持つ織田の軍勢をメタメタにしてるからな。伊賀衆が他の弱小大名家レベルに弱ければ、そのまま敗走してそのまま制圧されるだけで終わったんだろうけど、織田家に一方的に完勝してしまったのが、逆に不幸の始まりだったのかも知れない。」

鼎「どんなに素晴らしい会社でも、そのせいで悪徳政治家や悪徳企業に恨まれて、最終的に倒産させてしまったら評価はバツになってしまうって事かな?」

逆沢「逆にどんな暴君じみた真似をやってても、結果さえ良ければ讃えられるってか? なんか引っかかるわね〜。」

愛原「結果というけど、後世からの評価なんてのは、それこそ数十年から数百年後の評価に過ぎないからな。織田信長が宗教勢力を弱体化させたせいで今の日本があるといえば聞こえはいいが、こんなものは結果論に過ぎん。」

逆沢「たまたま豊臣秀吉、徳川家康と、宗教にこだわりの薄い為政者が続いただけでもあるだろうしね。幕末になると、尊皇攘夷運動なんてものが起きて、廃仏毀釈も含めた、神道という宗教が再び力を持ち出してくるし。今の日本の宗教観は、織田信長ではなく、マッカーサー率いるアメリカ軍が作ったような気もするわ。」

鼎「だったら織田信長さんは、あまり関係なさそうだよね。」

愛原「平成の今でこそ豊臣秀吉の評価が少し下がってるけど、幕末から昭和までの間は、太閤さんとして秀吉に対する評価は今よりずっと高かった。後世の評価なんてのは、案外、流行によって変わる程度のものかも知れない。」

鼎「後世の人だからこそ、客観的、冷静に評価できるという人もいるけど、それは必ずしも当てはまらないって事かな?」

愛原「全く当てはまらないとまでは言わないが、現代の価値観を混ぜてはいけないだろうな。」

鼎「つまり【こんな素晴らしい世界遺産を作ったくらいだから、すごく立派な偉人だったに違いない】とか【こんなに素晴らしい胴像や肖像画が飾られているくらいだから、すごく立派な偉人だったに違いないなどと思い込んだら駄目って事だよね。」

愛原「後世の人から見れば素晴らしい歴史的建造物かも知れないが、当時の人からすれば、見るのも嫌になるくらいの暴君の権力の象徴というか、自己顕示欲の垂れ流しに過ぎないなんて事は珍しくないからな。」

逆沢「豊臣秀吉やドナルド・トランプは、凡人では百回生まれ変わってもまず到達できない地位についたかも知れないけど、それも、当時の大衆がそれを祝福したかどうかとは無関係という事ね。」

愛原「そして今やってる行為が、後世にどう評価されるかも全然分からないという事だ。もちろんだからといって、今さえ良ければそれでいいなんて事をやってると、後世の評価なんてものを待たずとも、ほんの数年で大抵はメッキがはがれる事になるけどな。」

鼎「移民排斥運動みたいなものだと、そのメリットとデメリットは長くても数年で大体の結果が出そうかな? 本当に雇用や景気にプラスの影響を与えるか?」

逆沢「メキシコ国境の壁とか、保護貿易とか、そんなのも上手くいくかどうかは、任期中に十分結果が出そうね。日本の政治家なら、上手くいかない場合は、永久に【道半ば】と言いそうだけど。」

愛原「トランプ大統領の政策は、その思想部分においては正直嫌悪感が勝るけど、それでもあの想定外のスピード感には正直感嘆させられた。最終的に反面教師として終わるかどうかは分からないが、誰がやっても変わらないとか、緩慢な衰退に向かうだけみたいな日本的展開と違って、良くも悪くも何らかの歴史的教訓をたたき込んでくれそうな期待感は正直ある。」

鼎「あ、そうか。反面教師という視点も持つならば、有名な歴史上の偉人の多くは、後世の人にとってやっぱりすごく有用なんだよね。」

逆沢「良い面しかない人間などいないし、良いところも悪いところも含めて参考にするのならば、個性的な歴史上の英雄は、やはりその時代に存在したというだけで、後世の人にとって素晴らしい判断材料であり、歴史的教訓なのよね。」

愛原「日本の歴代首相の中で、あるいはアメリカの歴代大統領の中で、強烈な印象と教訓を与えた人物がどれほどいるだろうか? そういう視点に立つと、トランプ大統領には正直期待せざるを得ない部分もある。」

逆沢「但し、織田信長と違って、トランプ大統領は決して歴史上の人物では無く、今の人物。つまり彼が暴君的な振る舞いをすれば、反面教師なんて悠長な事を言ってる余裕は無く、直接災厄が降りかかる覚悟はしておくべきだろうけどね。」

愛原「そうなのだ。今の時代を生きる我々からすれば、織田信長がどんな無茶をしても他人事でいられるし、脳天気に英雄と賞賛する事もできるが、戦国の世を生きる人達にとっての織田信長は、いつ自分の命を奪いに来てもおかしくない、生ける災厄でしかない側面もあったわけだからな。もちろん織田信長という異端児が世に現れたからこそ、出世できたとか、商運に恵まれたという人もいただろうけど。」

鼎「トランプさんが大統領になった事で、商機をつかむ人とか、外交戦略を改善できる国とかもあるだろうし、結局は変化をモノにできるかそうでないかの差かも知れないけど、今までより多くの人を不幸にするなら、それはやはり世の中にとっては災厄なんだろうし、歴史がどうこうではなく、今を生きる一人としてきっちりと判断しないと駄目だよね。」

愛原「比叡山を焼き討ちにした織田信長に対して、内心で拍手喝采した層もそれなりにいたかも知れないが、この手の暴君は自分の気に入らない奴全てに牙をむく。社会的弱者である農民らに対しても。自分の部下である女中や兵士に対しても。長年使えた重臣に対しても。尊崇されるべき上流階層に対しても。トランプ大統領に関しても同様で、移民排斥運動に加担していたずらに拍手喝采してると、今度は自分も排斥される側になる可能性くらいは留意しておくべきだろう。あの手のタイプは、決して公平ではない。あれだけマスコミ全般を叩いてたのに、自分を賞賛するマスコミだけは賞賛したりなど、自分が気に入るか気に入らないかだけで、どんどん敵味方を変節させてくるからな。親しい人間による助言だけで、態度を軟化させたとか、逆に信頼する側近による助言だけで、強行的な態度に変化したりとか。」

逆沢「まぁそれくらいの性格で無いと、大きな事はできないのかも知れないけどねー。」

愛原「トランプが歴史的に見て、どのようなレベルの人物になるかどうかは、今の所は分からない。ただ歴史の流れを逆流させる側の人間なら、後世からはまず評価されない。また多くの民衆を不幸にするようなタイプであれば、後世の歴史がどうこう以前に、当時の時代を生きる人によって裁かれる可能性も十分にある。歴史的英雄とされる織田信長も、当時を生きる人達の手によってあっさり殺されたし、同じく歴史的英雄である豊臣秀吉も、その死後間もなく遺児も殺され、当時の栄華を完全に水泡に返されたからな。」

逆沢「数百年後に英雄と見なされても、当時を生きる人達の反応を知れば、その英雄とされる人物の実像が、どんなだったかはすぐに分かるって事ね。」

愛原「俺自身は今の時代を生きる人間なので、トランプ大統領が百年後にどんな評価をされているかどうか分からないが、その代わり、トランプ大統領が活躍した時代を生で体験する事はできる。災厄をまき散らすような事だけはして欲しくないが、可能ならば後世だけで無く今の時代にも評価される歴史的偉人になって欲しいものだ。就任してまだ半月ほどであり、結果を要求される4年後はまだまだ長い。」

逆沢「安倍政権はもう4年目も終わって、5年目突入だけどね。」

愛原「民主党は3年間で結果を出せなかったと非難してた首相が、もう5年目か・・・。本来なら今を生きる時代の視点では無く、後世からの視点で安倍政権を振り返ってもいい頃なんだろうけど。日本とアメリカでは、時間の流れが違うんだろうなぁ。」

逆沢「先進国中最低レベルの労働効率の悪さが、政治の世界でもそのまま当てはまってるんだと思うわ。」

鼎「今の日本は、後世ではどのように評価されるかな? 戦後の日本で、5年も政権が続いた例はほとんどないから、歴史的には安定政権という事になるんだろうけど。」

愛原「後世の人達の歴史観もアテにならないけど、当時を生きる人達の評価も、同じくらいアテにならないのかも知れないな。」
















過去のたわごと 
2017年 1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神〜命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方〜捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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