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愛原様のたわごと(17年3月20日)





愛原「今回のテーマは、【ロスト・ハイ・テクノロジー(失われた超技術)】。ファンタジーでよく登場する概念の一つだな。」

鼎「RPGなどで特によく登場するものだよね。神の時代に使用されていた超先進技術とか、はるか昔に存在した古代文明が誇っていたスーパーテクノロジーとか。」

逆沢「RPGとか、バトルもののファンタジー小説のシナリオを作る上で、すごく使いやすいからねー。冒頭からネタバレになっちゃうけど。ぶっちゃけ♪」

鼎「スーパーテクノロジーを登場させる事で、シナリオ上、どんな劣勢にあっても、問答無用で大逆転も可能になるから、起承転結の転を派手に演出する上ですごく都合がいいよね。」

逆沢「そうそう。主人公陣営が謎の超技術で作られた武器を手に入れる事で、まさかの大逆転が可能になるシーンも多いし。逆に主人公陣営に追い詰められた敵の陣営が禁断の超技術の封印を解く事で、いきなり主人公陣営が大ピンチに陥って、緊迫したクライマックスになるシーンも多いし。あるいは隠された真のラスボスそのものが、古代文明の使い手とか関係者というオチの事もあるわね。」

愛原「そう。失われた超技術を出す事で、今までの話の流れをいきなりちゃぶ台返ししちゃう事すら、可能になるからな。特に優勢劣勢を簡単に入れ替える事ができるから、シナリオを作る側にとって極めて都合がいい。」

鼎「何の力も無い考古学者が、突然世界全体を恐怖に陥れる破壊者として君臨する事すら可能なくらいの、超展開すら可能だよね。」

愛原「失われた超技術に関しては、主人公が入手するパターンと、敵が入手するパターンがあるが、個人的には敵が入手した方が使いやすいような気もする。SRPGや国盗りゲーム的な視点だと、ラスト一都市に追い詰められた敵が、正攻法で主人公相手に大逆転するのは常識的に困難だけど、超技術さえ解放してしまえば、その困難が簡単に可能になるからな。」

鼎「主人公が超技術を入手する場合は、圧倒的な兵器という形ではなく、超技術に関する情報とか断片の方が多いかも。たとえば敵が持つ超技術の弱点に関する情報を手に入れたりとか。あるいは敵の超技術そのものを完全に無力化まではいかなくても、互角に戦える程度には持ち込める断片だけが手に入ったりとか。」

逆沢「敵対陣営が、古代文明の超兵器の大部分を手に入れたのに対し、主人公陣営は、古代文明に関する知識を保有するロリ娘型ロボットとかを入手したりするわけね。で、その娘型ロボットと協力し合いながら、敵に立ち向かっていくと。」

愛原「パワーバランスを取る上で、一番都合がいいからな。あと小出しにネタバレさせていく上でも都合がいいし。」

逆沢「ネタバレといえば、RPGやファンタジー小説なので古代文明ネタが使用されやすい理由も、いきなりネタバレしちゃったけど、ちょっとまずかったか?」

鼎「これでたわごとが終わったら、多分過去最短だよね。」

愛原「過去最短に挑戦するのも面白いかも知れんが、こんな面白いテーマをここで終わらせるのはもったいない。もう少し真面目に掘り下げてみるとしよう。たとえばその超先進技術なり古代文明は、なぜ失われてしまったか?など。」

鼎「リアルに考えたら、ちょっと不思議な現象だよね。そんなにスゴい技術なら、失われていくなんて展開にはまずならないだろうし。」

逆沢「超文明が滅びた理由で一番多く登場するのは、多分、世界大戦で文明も技術も丸ごと失われてしまったというものだろうけどね。あるいは世界大戦なり何らかの大災厄が起きて、それを契機に当時の神々なり為政者なりが、自発的にその技術を封印してしまったとか。」

鼎「うーん。私的には、イマイチしっくりこない理由付けだけど・・・。」

逆沢「まぁ真面目に考えれば、どうしてもそうなっちゃうわね。リアルの人間社会で、超技術が封印された例なんて、多分ないだろうから。」

鼎「火薬とか、銃とか、核兵器とか、人類をさらに大きな危険にさらしかねない新技術が幾度も登場したけど、それでも人類は、決してその技術を封印しようとはしなかったよね。」

逆沢「核兵器みたいな、他国に漏れてはならないような第一級軍事機密に相当するような技術ですら、実際には短期間に世界中に流出しちゃってる有様だしね。ドイツ生まれのアインシュタインがその原型となる理論を最初に世に出して、それを元にドイツと敵対関係にあるアメリカが核兵器をいち早く完成させる。そしてそれから間もなく、ソ連のような東側諸国から、フランスや中国のような大戦時に支配されていた側の国までがあっさり核兵器を保有するようになり、今ではインドやパキスタンや北朝鮮のような国までが、当たり前のように核兵器を持つ有様。ロスト・テクノロジーどころか、軍事機密だだ漏れとしか、形容しようがないというか。」

愛原「もっともこういった危険な新技術の拡散に関して、憂いを抱く者が無かった訳ではないけどな。たとえばダイナマイトを発明したノーベルは、後にノーベル財団を設立し、ノーベル賞という概念を世界に出している。自分が大量破壊兵器となりえる新技術を世に出した事に対する心の負い目が、ノーベル平和賞を始めとするそういった方向に向かわせる心境にさせたんだろうな。」

逆沢「そんな事を言ったら、最初にナイフを発明した人も、最初に自動車を発明した人も、みんな負い目を感じてしかるべきなんじゃないの? 私は道具は道具でしか無くて、それが文明の利器になるか、罪深い凶器と化すかは、使う人間次第のような気がしなくもないけど。」

鼎「ただ、取り扱いが難しい道具とか、武器として転用される怖れのある道具に関しては、法律でも厳しく使用を制限されている場合が多いよね。前者は、危険物取り扱い系の資格とか、自動車免許を始めとする免許とか、何らかの認可が必要になるのが一般的だし、、後者なら銃刀法などで制限されるのが一般的というか。」

愛原「原子力発電所のように、国家がどれだけ細心の注意を払っても、取り扱い困難なものもあるしな。」

逆沢「原発事故は、アメリカ、ソ連、日本といった技術立国でも、起こしてる程だしねー。」

鼎「どれだけ警察が厳しく取り締まりをしても、自動車事故自体が決して無くならないように、人間が人間である限り、ヒューマンエラーは絶対に無くならない気もするよ。」

逆沢「故意に不幸をまき散らす連中も、絶対に無くならないしね。日本でも拳銃の密輸などは常に行われる印象だし、アメリカのように拳銃の所持を公認してるような国すらあるし。地雷兵器や核兵器といった人を不幸にする以外の目的が存在しないような兵器ですら、一部の反社会性覇道国家が抵抗するせいで、なかなか廃絶の方向にならないし。」

鼎「罪無き弱き民衆がどれだけ犠牲になっても、それだと地雷兵器や核兵器が廃絶できない程だと、どれだけ危険な技術であっても、それを封印する流れに向かわせるのは、やはり難しいのかなぁ。」

逆沢「ファンタジー世界では、過去の大戦での惨禍を二度と引き起こさない為に、優れた技術や文化を封印する流れというのは割とあるようだけど、現実世界でそういった例はまず無さそうな気がするわ。」

愛原「過去の技術を廃絶なり封印する流れが出来上がるとすれば、それは代替技術が見つかった時くらいしか無さそうだよな。」

逆沢「あー、フロンガスとか、アスベストとか、そういったものは、代替できる技術なり製品があるからこそ、廃絶の流れに持っていく事ができたとも言えるってか。」

鼎「でもその流れでいくなら、仮に地雷兵器や核兵器が廃絶される世の中にするならば、地雷兵器や核兵器以上に戦争効率の良い兵器。つまり自軍の犠牲をさらに減らしつつ、かつ敵軍の犠牲をさらに多く強いられるような兵器が開発される必要があるって事かな? 」

逆沢「もっとぶっちゃけていえば、現状の地雷兵器や核兵器以上に、さらに簡単に大量殺戮を行える兵器が開発されない限りは、今の地雷兵器や核兵器の廃絶は難しいって事か? なんか不幸の拡大再生産って感じがしなくもないけど。」

愛原「ドラえもんに登場する地球破壊爆弾みたいなものが開発されたら、さすがに核兵器なども陳腐化するかもな。もっともその場合は、人類自体が本気で滅亡と背中合わせになるだろうけど。」

逆沢「今でも十分、人類滅亡と背中合わせだろ? アメリカとロシアが本気で核戦争を始めたら、どちらも地上全域を死の灰で覆えるだけの核弾頭数を保有している訳だから。」

鼎「人類全体を滅亡可能な程の武器を作っても、それでもまだ廃絶の流れにならないなんて、どう考えても絶対におかしいよ。」

愛原「人類が一度保有した新技術を、人類自身の手によって放棄するなんてのは、実際には不可能なのかも知れないな。それよりさらに優れた代替技術が見つからない限りは。」

逆沢「つまり言い方を変えれば、新技術の方が旧技術よりもデメリットが大きければ、新技術が封印なり廃絶されてもおかしくないって事か?」

愛原「理論上はそうなるな。短期的な便利さと、長期的な脅威を比較して、どうみても短期的な便利さ以上に長期的な脅威の方が上回れば、その技術が封印なり廃棄なりされる可能性は十分にある。だが、目の前の利益の為に資源となる動物をとことん狩り尽くしたり、土壌や川の水を汚染し尽くしたり、山を平らになるまで削り、森の木を根こそぎ切り倒し、地球温暖化を漫然と放置するような、近視眼的な思考の持ち主も人間には少なからずいるからな。」

鼎「新技術が普及したせいで、旧技術が失われるデメリットもあるよね。」

逆沢「靴が普及すれば、草履編みの技術は必要なくなるし、今時の服が普及すれば、着物の着付け技術も不必要になるようなものね。」

鼎「去年の熊本地震で熊本城の石垣が大きな損傷を受けたけど、当時の石垣を忠実に再現する技術が失われてしまったせいで、熊本城の復興もかなり難しくなってるという話も聞いた事があるよ。」

愛原「中世城郭の築城技術も、典型的なロスト・テクノロジーの一つになりつつあるようだな。まぁ中世の築城技術に、現代での実用面での価値はほとんどないから、そのテクノロジーが失われるのは仕方ない面もあるだろうけど、やはり寂しさはぬぐい得ないよな。」

逆沢「石垣部分の図面も保管されてるのは、確か姫路城くらいだったっけか?」

愛原「俺が知ってるのは、確かそれくらいだったと思う。姫路城に関しては、昭和の時も平成でも、何度でもこまめに手入れし続ける事で、かなりの部分で当時の状況を保っているが、他の城は、多分、熊本地震のようなものが来たらヤバい。拙速にやろうものなら、仮に修復したところで、大坂城や名古屋城のように、街のシンボルにはなり得ても、当時の城とは全く別物の何かに変容してしまう危険がかなり高いと思われる。」

鼎「ファンタジーの世界とは違った意味でもいいなら、ロスト・テクノロジーとか、その一歩手前になっているテクノロジー自体は色々ありそうだよね。」

愛原「ファンタジー世界でよく登場するようなハイ・テクノロジーのロストは現実ではほとんど見られないが、ロー・テクノロジーのロストなら、別に珍しくないからな。最近は特にその流れが早くて、20年前の製品の部品などは、ほとんど入手不能になっているケースも多い。」

逆沢「昔のテレビとかなら、スキルさえあれば少々の故障なら自力で直せる人も結構いたらしいけど、今は基盤化が進めすぎて、個人での修理は不可能であったり、メーカーですら、基盤ごと取り替える以外に直しようがないケースが増えてるらしいわね。」

鼎「昔の機械なら、一部の部品の交換だけで直せたのに、今では基盤全体を入れ替えるしか直しようがないケースも増えて、修理代金などと比較すると、実質買い換える方がマシなケースも急増しているらしいよね。」

愛原「ハイ・テクノロジーになるほど、そういう問題点はどうしても出てくるからな。これはゲームのプログラムなんかでも同じ。複雑なプログラムを組めば組むほど、バグが出た際に、そのバグの原因を特定するのが難しくなり、またバグ自体の除去も難しくなりやすい。」

逆沢「昔の技術の方が簡単に直したりもしやすいんだけど、そのテクノロジーが簡単に失われていくというのも、なんかすごく残念というか、問題な気がしてならないわ。」

鼎「ハイ・テクノロジーとされたものは、たとえどれだけリスクが大きくとも、その廃絶は容易じゃないけど、ロー・テクノロジーと見なされたものは、逆にすごいスピードで陳腐化されやすいという事かなぁ。」

愛原「より正確には、需要の問題だろうな。たとえばライターが普及する事でマッチの需要が落ちれば、マッチに関するテクノロジーは徐々に失われる。ここでいうテクノロジーというのは、何もマッチ自体の生産技術だけでなく、マッチの使い方という基本的なものも含む。」

逆沢「鉛筆削りなんかについても言えそうね。昔の人は、肥後守みたいな簡易ナイフで器用に鉛筆を削ったりもしてたんだけど、今、そういうのを出来る人がどれだけいるだろうか? あるいはミシンの使い方とか、雑巾の作り方とかに関してもそうだけど。」

愛原「マッチが使われなくなればマッチの使い方も忘れ去られる。鉛筆も使われなければ、鉛筆の削り方も忘れ去られる。着物も着る事が無くなれば、着物の着付け方も分からなくなる。ロスト・テクノロジーというのは、その延長なのかも知れない。」

鼎「逆に、核兵器や地雷兵器などが一向に廃絶されないのは、それを必要としている人がいるという事の裏返しなのかな? アメリカで銃規制などが行われない理由も含めて。」

愛原「そうかもな。但し、覚醒剤が無くならないからといって、それが社会全体として必要だからとは限らないように、それを必要としている層が、そもそもまともかどうかという問題は残るけどな。」

逆沢「ただ必要としている人は、何が何でもそれを入手しようとする。覚醒剤を入手したがる人は、違法であろうが、入手困難であろうが、あらゆる手段を使っても入手したがるように。そして核兵器なども例外ではなくて、欲しい勢力があれば、その勢力は、どんな非合法手段や非人道手段を使ってでも、絶対に入手しようとするという事ね。」

愛原「うん。核兵器のような第一級の軍事機密ですら、実際にはだだ漏れな訳だから、技術の隠匿なんてのは、ほとんど不可能といってもいいかも知れない。もちろん保有する資金量などによって、実際に入手できる質量は変わるだろうけども。たとえばアメリカのように圧倒的な資金量を持つ国なら、本気になれば他国勢の持つどんな技術も、遅かれ早かれ入手してしまうと思われる。」

鼎「Civilizationシリーズの技術の扱いも、大体そんな感じだよね。どんな先進技術も、やがては他国に広まってしまう。だからもしも他国に先駆けて何らかの先進技術を開発する事ができたなら、その先進技術をいつまでも秘匿し続けるのでは無くて、適当な時期までに取引材料にした方がマシというか。」

愛原「Civilizationシリーズの場合、先進技術は、取引材料そのものだからな。自国がXという先進技術を開発したならば、それを交換材料にして、A国からはaという技術を要求し、B国からはbという技術を要求し、C国からはcという技術を要求する。それが全て成功すれば、A国はaとXという技術を保有し、B国はbとXという技術を保有し、C国はcとXという技術を保有する中、自国はXとaとbとcの4つもの技術を保有し、圧倒的に優位に立てる。またD国に対しては、Xという技術の提供と引き替えに同盟を結んだりもできる。」

逆沢「先進技術は、秘匿するのではなく、ばらまいてこそ意味があるって事ね。」

愛原「秘匿し続けた所で、A国やB国やC国が、永久にXという技術を獲得できないなんて事はないからな。いずれは他国もXという技術を自力で開発するし、仮にA国がXという技術を開発して、それを取引材料としてバラマキ始めたならば、大国にのし上がるのはA国の方だ。それどころか、A国はaとbとcとXという技術を保有し、B国はbとXという技術を保有し、C国はcとXという技術を保有する中、自国はXという技術だけという悲惨な状況に陥る可能性もある。さらにXという技術と引き替えにA国と同盟を結んだD国が、技術後進国に転落したこちらに攻め込んでくる可能性もある。」

鼎「Civilizationシリーズの場合、技術を秘匿したがる国は、気がついたら技術後進国に転落している事が多いよね。」

愛原「技術なんてものは、他勢力にばらまかれるくらいなら、先にばらまいた方がずっとマシだからな。全体に広まる前の技術なら当然ながら、高く売れる。既に広まった後の技術なら、安くしか売れないか、場合によってはそもそも売る事も出来ない。」

逆沢「そういえば、東芝が半導体事業を売却しようとしてるけど、その際にアメリカが【中国や韓国に高く売るくらいならアメリカに安く売れ】と言ってきたり、日本政府が【中国などに技術が流出したら困るから、税金出しても東芝を助けよう】みたいな事を画策してるらしいけど。」

愛原「東芝は白物家電事業を既に中国企業に売却したりもしてるし、半導体事業の切り売りも何ヶ月前からずっと話題になってるのに、今頃になって何を言ってんだ?という感じだな。時系列的にみると、東芝がアメリカの原発事業の清算(要するに倒産)模索を発表した直後に、急に出てるから、原発事業を清算されたら困るアメリカ政府が密かに日本政府に何らかの圧力をかけて、それに日本政府が応じたという所なんだろう。」

鼎「東芝の半導体事業自体は資産価値はあっても、技術としては世界的に特段上という訳でもないだろうし、あくまでシャープの液晶事業と同類だよね。」

愛原「まともな企業が事業に参画すれば、それなりに利益は見込めるだろう。しかし世界に秘匿すべき、替えの効かないスーパーテクノロジーという程ではない(技術そのものより、既に設備済みである部分を評価されていると思われる)。つまり仮にアメリカ企業に事業譲渡したとしても、遅かれ早かれその設備やテクノロジーは世界中に拡散するし、アメリカ企業自体がカネ儲けの為に積極的に設備や技術を世界中にばらまくかも知れない。その程度のものだ。しかもその価値は、アメリカ企業が仮に安く買い取れれば、適正価格でさらに転売する事で利益が多く出るだろう程度だろうと思われる。東芝側(というかより正確に言えば、債権者である主要取引銀行)が適正価格以上にこだわるなら、シャープにとっての台湾企業のように、アメリカよりは台湾なり韓国なり中国なりに売った方が、多分マシ。というかだからこそ東芝は、家電事業も中国企業に売却したのだろうし。」

鼎「Civilizationシリーズに登場する日本は、鎖国のイメージが強いのか、技術流出に消極的な挙動をする事が多いけど、現実の日本人も、自国の技術を過大評価してるのか、技術流出を過度に怖れる傾向がありそうだよね。」

愛原「一般のサラリーマンやスポーツ選手ですら、うかつに新人に技術を教えたら、新人に仕事を奪われるかも知れないと考えて、容易に技術を教えようとしたがらないらしいからな。その象徴が【技術は盗んで覚えるものだ】とかいう伝統というか。」

逆沢「逆を言えば、いくら技術を隠そうとしても、遅かれ早かれ、その技術は盗んで覚えられてしまうって事だけどね。」

愛原「それを必要とする。それだけの需要がある技術ならば、隠そうとしても隠しきれるものではない。核兵器の技術ですらそうなんだから、VXガスの製造技術がどこに漏れてもおかしくはないし、ヤバいクスリの開発や流通を阻止するのも困難だろう。テクノロジーというのは、偉い人が【危ないので使うのを止めましょう】と説こうが、【人のモノマネをやめましょう】と諭そうが、そう簡単には止められない。」

逆沢「逆に偉い人がどれだけ旗を振って、伝統文化を守りましょうとか言って推奨しても、需要が無ければ廃れるのを阻止できない。本当に需要で決まる存在って事ね。」

鼎「そういえば、とある近未来SFで、こんな話があったよ。結核か何か忘れたけど、その世界では、過去の細菌病は既に撲滅されていて、だからこそ撲滅されていたはずの細菌がばらまかれるや、その勢力は対策もできずに大ダメージを負ってしまう話。」

愛原「現実世界でも、十分にあり得る話だな。その細菌による病が問題視されていた頃なら、その病に備えたワクチンも多く常備されていただろうが、その病自体が発生しなくなれば、やがてそのワクチンも廃棄され、ワクチンを作るテクノロジーも失われておかしくない。で、そうなってから、その細菌をばらまかれたら、そりゃあ対応は困難を極めるだろう。」

逆沢「阪神大震災が起きた頃に、似たような話があったわ。明石海峡大橋などが開通して、フェリーの運行業者などが次々撤退していったけど、もしも橋が通行不能になったら、その時になって、急に船や船員を用意しようとしても間に合わないし、どうしようという話なんだけど。」

愛原「橋が出来れば、船は必要なくなる。しかし橋が使えなくなったらどうするか? ロー・テクノロジーだからといって安易にロストさせると、いざという時に後悔するかも知れない。」

鼎「ファンタジーの世界では、ロスト・ハイ・テクノロジーが登場する作品も多いけど、現実としてはむしろ、ロスト・ロー・テクノロジーに目を向けた方がいいかも知れないね。ハイテクノロジーの機械や製品は修理も大変だけど、ローテクなら、有事のような時にこそ、柔軟な対応もできそうだし。」

逆沢「電子書籍とか、電子文書とか、場所も取らなくて便利ではあるけど、停電するだけでアウトだし。有事には、紙と鉛筆の方が余程役に立つという事もあるだろうしね。」

愛原「現実世界では、ハイ・テクノロジーが封印される事はほとんどないけど、ハイ・テクノロジーであるが故のデメリット部分を直視できたファンタジー世界の住民の方が、ある意味、余程、賢い人達なのかも知れないな。」

鼎「ハイ・テクノロジーは便利なものには違いないけど、【便利な社会は、犯罪者にとっても便利な社会】で、悪用されたときのダメージも大きいから、そういう対策は忘れないようにしたいよね。それができないのなら、ファンタジー世界のように、ロスト・ハイ・テクノロジーにすべきという事になるだろうから。」

逆沢「たくさんの情報を簡単に一括管理できるって事は、たくさんの情報を簡単に一括して盗まれるということ。たくさんの人をまとめて殺す事ができるって事は、敵の手、もしくは自らのヒューマンエラーでまとめて殺される可能性もあるって事。ハイ・テクノロジーは、まさに諸刃の剣なのよね。」

愛原「ファンタジー世界で、太古の時代にハイ・テクノロジーが封印された理由の多くは、ハイ・テクノロジーを悪用される可能性を怖れたか、ヒューマンエラーなどによりハイ・テクノロジーが暴走する可能性を怖れたか、大体そんなケースが占めがちだが、現実世界の住民である我々にとっても、無視して良い考え方でもないんだろうな。」

鼎「技術や学問は、人々の生活を豊かにしてきたものだし、それを保守的な思考で制限したくはないけど、だからこそ傲慢にならず、謙虚に受けとめたいよね。」

















過去のたわごと 
2017年     3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神〜命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方〜捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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