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愛原様のたわごと(18年4月15日)







愛原「前回、人は簡単に自らのあやまちを認めないという話をしてみたわけだが。」

逆沢「あやまちどころか、嘘と知りながら平気で嘘をつき通し、それが嘘であるとバレても、さらに嘘に嘘を重ねたりしてでも、絶対に自らの非を認めようとしない人種もいるという話だったわね。」

鼎「そういう人は、利にさとい反面、良心の呵責という概念を持たないという話もしたかな? 利にさといから、あやまちを認めた方が得という状況(たとえば情状酌量による罪の軽減を狙うなど)になれば簡単に主張をひっくり返す可能性もあるけど、逆を言えばあやまちを認めると状況が悪化するような場面では絶対にそれを認める事はない。良心の呵責もないから、それで罪の無い人が苦しめられようが、多くの人をいつまでも混乱させて時間も空費させようが、それで心を痛めることも無いと。」

逆沢「こういうクズ人間を裁くには、どうすればいいのかねー? 必殺仕事人みたいな正義のヒーローが、天誅加えてくれるのを期待するしかないのかねー?」

愛原「ただ単に天誅を加えても、第三者からみたら単なる暴行(もしくは殺傷)事件にしかならんぞ。詐欺師が、実は詐欺師だったという事実が暴露された後に制裁されたなら、それは天誅になり得るが、その人が悪党かただの善良な市民かも明らかにならないまま暴力を加えた所で、世間はただの暴行事件としか受けとめん。」

逆沢「あぁ、そうか。どんな悪徳政治家を正義の暴力で懲らしめたとしても、そいつが悪徳政治家である証拠を先に出しておかないと、ただ単に一政治家が何者かに理不尽に襲われた事件にしかならないわけね。」

鼎「そうなると、その悪徳政治家さんに対して、世間はむしろ同情してしまうかも知れないよね。何の罪も無い人が突然に誰かに襲われたようにしか、世間は受けとめないだろうから。」

逆沢「そう考えると、必殺仕事人って、もしかして単なるテロリストとしてしか、世間に認めてもらえない可能性もあるって事か?」

愛原「真相を知っている人間からすれば正当な天誅であったとしても、事情を知らない第三者からみればただのテロ行為にしか映らない可能性はあるわな。そう考えると、怨み屋本舗シリーズなんかは、比較的うまく処理をしている部類かも知れん。」

鼎「怨み屋本舗シリーズも、有料で一種の天誅(?)を加える主人公が活躍する漫画作品だけど、悪人が裁かれる際に、その悪人の悪事が世間にさらされるシーンがそこそこあるよね。」

愛原「悪玉が世間を巻き込まないパターンの場合は、当事者間だけでこっそりケリがつけられる場合も多いが、悪玉が罪の無い人を罪人としておとしめようとしたり、世間に対して嘘をついていた場合(いかにも善人を装っていたり、証拠不十分を盾にシラを切り通そうとしていた場合など)は、罪をなすりつけられた人がえん罪であるのが証明されたり、嘘がばれたりして、真犯人の悪事が世間に暴露されるオチになる傾向が強そうではあるな。」

逆沢「その悪党が善玉を装っていた場合は、まずその仮面をはいだ後にお仕置きするってパターンって事か?」

愛原「そいつの悪事を世間にさらす事自体が、既に制裁の一部ともいえるけどな。仮面を付けた悪党に関しては、ただ単に叩きのめしても、同情が集まるだけで制裁の効果が出ないから、先に仮面をはがすという処理自体は、俺は至って真っ当だと思う。」

逆沢「銀英伝に登場するトリューニヒトのようなタイプの悪党に対しては、ただ単に撃ち殺しても、トリューニヒトが善玉政治家であると信じている人からすれば、名誉の殉職か不幸な事故(?)死にしか映らない可能性も高そうだしね。確かに先にそいつの悪事を公にするという作業もあった方がスッキリしやすいと思うわ。」

愛原「そいつが誰の目で見ても明らかな悪党なら、正義の味方としても、有無を言わせず叩きのめしてやるだけで、すぐに解決なんだけどな。」

鼎「実際のところ、そんな分かりやすい悪党キャラというのは、少ないよね。善玉とまではいかなくとも、平凡な一市民を装っていたり、悪事の決定的証拠を残さない程度には狡猾だったり。」

愛原「そういう小ずるい悪党を、ただ単純に暴力で叩きのめしたところで、むしろ正義の味方の方が暴行犯として扱われる危険性すらあるわな。」

逆沢「少なくとも、善玉政治家とか善玉教祖を装っている悪玉キャラを、ただ単に暴力で叩きのめしても、そいつを善玉と信じている支持者や信徒の恨みを買うだけだろうというのは分かるわ。」

鼎「だからこそ正義の味方は、ただ悪を制裁するだけでなく、できるだけ悪の証拠も押さえておきたいという事になるのかな?」

愛原「というか、そうしてもらわないと、独りよがりの正義を振りかざしているテロリストとしか、第三者からみれば認知のしようがないからな。ドラマや漫画やゲームの世界なら、受け手(視聴者・読者・プレイヤーなど)は大体メタ視点だから、そいつが実は悪党と完全に認知できており、一見、問題も無いのだが。」

逆沢「読者や視聴者の視点で言えば、そいつが実は悪党という事も含めて、全てを知っているから、悪玉が制裁されてもスカッとしかしないんだけどねー。でも確かに冷静に第三者視点でみれば、そいつが実は悪党だったという証拠もセットで出してもらわないと、世間の通りは悪いかもね。」

鼎「【王様に化けている悪いモンスターを正義のヒーローがやっつける】というお話もあるけど、これも実際は一工夫が必要だよね。王様が実は悪いモンスターだったという証拠(できれば衆人環視の場で、何らかの方法であばきたい。)もないまま、その王様のふりをしているモンスターを殺してしまうと、下手すると、王様殺しとして疑われる可能性もあるだろうから。」

逆沢「幸いというか、大抵の作品の場合は、王様(のふりをしているモンスター)を殺すと、元のモンスターの姿に戻ったり、あるいは正義の味方に殺される前に自発的にモンスターの姿に戻る(=戦闘向きの姿に戻る)かなどしてくれるパターンも多いけどね。」

愛原「けど、それ以前に、王様(のふりをしたモンスター)を攻撃できる位置まで近づくのも、冷静に考えたら困難だよな。その王様(のふりをしたモンスター)があからさまに怪しいと誰もが感じているならともかく、そうでなければ、衛兵達のいる場で王様(のふりをしたモンスター)に何かしようとすれば、その時点で捕まってもおかしくないし。とかいって寝室などにこっそり忍び込んでも、そこで殺してしまったら、今度は目撃者不在で、王様が実はモンスターであったと立証するのが大変そうだ。」

逆沢「仮にそのモンスターが真の姿を現したとしても、その場合は、モンスターの死体がそこに転がってるだけで、結局、王様はどうなったのか、第三者には分からないままだろうしねー。モンスターが王様に化けていたと主張したところで、どれだけの人に信じてもらえるかも分からないだろうし。」

鼎「現代物なら、防犯カメラとか隠しカメラに事件の一部始終が映っているみたいなオチにする事で、証拠固めもしやすいと思うけど・・・。」

愛原「怨み屋本舗シリーズのオチでも、比較的多いパターンだな。悪玉キャラが自らの悪行についてベラベラしゃべってるシーンを隠しカメラで撮影して、ネットに流すみたいな。」

逆沢「安っぽいオチだけど、まぁ一番効果的かな? 」

鼎「けど相手が一般人ならともかく、教祖とか政治家相手だと、それでも効果は微妙かも。どれだけ証拠をそろえても【こんなのは証拠とは言えない】とばかりに絶対に信じない人もいるだろうし。」

愛原「公文書の内容すら信じたがらない連中もいるらしいからな。公文書ですら信じられないなら、個人メモやタイムカードによる残業時間なんか全然信用に値しないんだろうし、過労死訴訟は経営者サイドが【適切だった】と主張する限りは、残業時間を確実に証明できる証拠ナシとして全敗ものだな。大抵の刑事事件も、容疑者が否認したらほぼ全てお蔵入りになるだろう。」

逆沢「人間は、不都合な真実を認めたがらない生き物というからねー。」

鼎「自分がついた明らかな嘘ですら、最後まで嘘である事を認めたがらない人もいるくらいだから、自分が真実と信じたがっている事が誤りである可能性なんか、さらに輪をかけて認めたがらないと思うよ。」

愛原「正義の味方が苦労して、悪玉が悪玉であるという証拠をそろえても、ねつ造だ、陰謀だ、印象操作だ、フェイクニュースだと騒いで、それでも信じたがらない人がいるとすれば、正義の味方としてはこれ以上、手の打ちようがないな。」

逆沢「もっとも正義の味方が出す証拠がまともかどうかという疑惑もあるけどね。この世には、正義の味方気取りの人も結構いるから。」

鼎「スマイリーキクチさんの事件じゃないけど、思い込みで人を制裁する人も結構いそうだよね。」

逆沢「そうそう。厄介な事に、そいつの頭の中では、制裁対象が悪であるという証拠でそろってたりするんだわ。」

鼎「私は、まず攻撃したいという結論があって、それを正当化する為に適当な大義名分をつけてるだけにしか思えないけど。ほら、イジメとか被害者叩きとかもそうでしょ? あるいは大量破壊兵器を保有している疑いでイラクを攻めたあの件とか。今のシリア攻撃も似たタイプかも知れないけど。ともかく重箱の隅をつつくように制裁する理由を必死で探し出して、それを暴力や迫害といった攻撃の根拠にするみたいな。普通に暴力や迫害をしたら自分が悪党になってしまうけど、大義名分さえあれば、それは制裁や天誅として自己正当化できるから。」

愛原「そこまでいくと、正義の味方気取りどころか、普通にゲス悪党にしか見えないのだが。冒頭に取り上げた、善玉のふりをした悪玉と変わらないというか。」

逆沢「そうなると、どっちが悪玉なのかね〜? どっちも悪玉なのかも知れないけど。」

愛原「ま、いわゆる正義の味方は、通常のよくある善人とは明らかに違うわな。一般的な善人キャラというのは、困っている人や苦しんでいる人を助けたりするような人助けキャラ。ボランティア活動に精を出したりとかも、そう。別に誰を傷つける訳でもない。普通のいい人。それに対して、よくある正義の味方は、基本的に制裁者。草抜きしたり、雪下ろししたり、ゴミ拾いするのが使命ではなく、あくまで悪玉とされるキャラを叩きのめすのが使命という絶対的な違いがある。」

逆沢「災害救助とか美化活動とかではなく、警察業務と司法業務に特化してるとも言えるのかな?」

鼎「ぶっちゃけ暴力機関だよね。警察業務も司法業務も、一歩間違えれば、支配者に都合の悪い人間を不当に制裁する装置になり得るものだし。」

愛原「そうだな。そういう意味では、正義の味方は、一応善玉キャラの位置づけではあるが、実際はかなり危ないラインにいる存在ともいえる。草抜きしたり雪下ろしするような、シンプルな善人キャラと異なり、独りよがりの正義に陥ると、その瞬間に【善玉のふりをした悪玉】に変質しかねない危険なタイプといえる。」

逆沢「警察や司法が腐敗すると、どれだけ恐ろしい世の中になるか? そう考えると分かりやすいかも知れないわね。」

鼎「広島県警の8500万円盗難事件なんかも、身内の犯行が強く疑われる中、捜査の進捗状況すら全く公にされないままフェードアウトしかねない状況だし、ガソリン代で大問題になった政治資金流用問題も安倍総理や菅官房長官の名前が出てきた途端に完全にフェードアウトしてしまったし、伊豆半島沖の米軍イージス艦衝突事件やモリカケにしても、政治の介入があるのか、政界や官界から未だたった一人の逮捕者も出ない状況が続いているし、この国の正義の執行機関も相当腐敗してるのかなと感じる時があるよ。」

愛原「悪党が、正義の名の元に自分にとって都合の悪い奴を制裁しようとする世の中など、一種のホラーでしかないよな。」

逆沢「ただ、だからといって悪党がこの世から無くならない以上、誰かが制裁するしか無いのよねー。警察署や刑務所を無くす訳にもいかないし。悪党を野放しにしておく訳にもいかないから。」

鼎「円満な話し合いだけで改心してくれたらいいのに、とも思うけど。」

逆沢「良心の呵責を持たない人間に改心を望んでも無駄だって、前回でも散々言ったじゃん。」

愛原「どこまで追い詰められても、最後まであやまちを認めない人間というのは案外いるからな。それは信仰心がそうさせる事もあるだろうし、誰かに対する忠誠心や忖度の意思がそうさせる事もあるだろうし、単なる意地の事も、地位や名声の失墜を怖れての事も、誰かに脅されて仕方なくというケースから、私利私欲のために手段を選ばない根っからの悪党というケースまであるだろう。あやまちを認めない動機となる部分に関しては、同情の余地があるものからそうでないものまで様々だろうが、この際、動機はどうでもよくて、重要なのは決して説得や改心に応じない人種というのは間違いなく存在するという事実だけだ。」

逆沢「それが悪と呼んで当然のものなら、誰かが制裁・抑制すべきみたいな話にはどうしてもなってしまうわね。そこで悪事が行われていると知っていながら、放置しておくわけにもいかないから。」

鼎「そう考えると、警察にしても、あるいは正義の味方と言われる人全般にも言えるかもしれないけど、彼らは正義というよりは、むしろ必要悪に近い存在かも知れないよね。まぁ警察にも、迷子の保護とか、人助け的な機能が含まれてなくはないけど。」

愛原「制裁やら天誅やら言うと、いかにも正当な行いにも聞こえるが、所詮、暴力の延長線でしかないし、しかも腐敗すれば自身が悪そのものに堕ちてしまう懸念も含めれば、むしろ正義よりは悪に近いかも知れないな。但し、よりタチの悪い悪を倒す上には必要だから、必要悪みたいな感じで。」

鼎「毒をもって毒を制すって感じだよね。」

愛原「そうだな。毒なのかもしれんな。取り扱いを間違えると、まさしく自身が人を傷つけ、社会を混乱に陥れる危険な毒。制裁を本目的とする正義の味方の本質は、人助けを本質とする通常の善玉キャラのような薬とは、本質的に異なるのだろう。まぁ薬も、取り扱いを間違えると毒になるのは一緒なんだけど。」

鼎「薬も取り扱いを間違えたら毒になるのはその通りだけど、それでも始めから毒なのとはやはり区分する必要があると思うよ。薬は扱い方次第で毒になるけど、殺虫剤のような毒物は、始めから攻撃が目的で、元々薬として使用する前提自体がないから。」

逆沢「正義の味方に代表される制裁屋は、あくまで殺虫剤の延長のようなものでしかないってか。もちろん殺虫剤も、適切に使えば人間社会に役立つはずのものなんだけど。」

愛原「ただ、それでも毒は毒。向ける相手を変えるだけで、簡単に人や社会に危害を加えられるシロモノという自覚くらいは必要だろう。」

鼎「少なくとも、勝手な思い込みだけで誰かを制裁しようとしてはいけないよね。」

愛原「100%の確証がある正当な制裁行為であったとしても、過程をないがしろにすると、正反対の結果に至る事もある。王様殺しの大悪人扱いにされたり、善良な政治家を殺したテロリスト扱いにされたりとか。」

逆沢「善玉を気取ってたり、固定信者を抱えてるような奴らを制裁するのは、そういう意味でも厄介ね。そいつが悪党であるという証拠を、可能な限り事前にかき集めておかないと、こちらが悪党扱いされかねないし。」

愛原「どれだけ丁寧に証拠をそろえても、狂信徒タイプはこちらの主張に耳を貸さないだろうから、そういう連中に逆恨みされる覚悟も必要になるだろうしな。いっその事、誰かに嫌われる事を前提として、義賊系というか、アンチヒーローに徹するのも選択肢かも知れん。もっともアンチヒーローをこじらせると、晩年の毛沢東やポルポトに陥る懸念も残るけど。」

鼎「【誰かに嫌われても自分の信じる正義を貫く】とか、【これは必要な犠牲だ】とか言い出して、周りの反応も気にせずに制裁ばかりするようになると、ずるずると歪んでいきそうで怖いよね。」

逆沢「制裁屋がそんなセリフを吐き出すようになったら、【正義の名の元に悪を為す】悪党に変貌する前兆ととらえてもいいかもね。」

愛原「そもそも善玉キャラの原点は、誰かを制裁する事ではなくて、困ったり、苦しんでいる誰かを救う事にある。たとえば草むしりや雪下ろしは、誰一人制裁する訳でもないが、それでも普通に善行だろう。制裁も、その原点は救済でなくてはならない。カツアゲしてるヤンキーを制裁する事で、カツアゲの被害者を救済するというなら話は分かる。公金を私物化する悪徳政治家を制裁する事で、公金が無駄に浪費されにくくなり、それだけ支援を必要とする人がよりたくさん救われるとか、その額だけ税負担を軽減できるというなら、これも意味は分かる。しかし、無関係の人に電凸したり、被害者叩きしたりみたいな、それによって誰が救われるのか分からない制裁行為に関しては、全く共感できない。(俺にとっての)理想の社会を作る為にみたいな動機で、反対する政敵を排除するとかになると、もう完全に悪側の人間そのものだろう。」

鼎「大抵の人は、自分の事をそれなりに正しい側と思い込んでるから、正しいはずの自分の意見に反対する人を、悪玉認定して懲らしめてやろうとなりがちだけど、これこそが典型的な悪玉思考だよね。」

逆沢「要するに、自分に都合の悪い人間を痛めつけて悦に入りたいってだけだからね。どうみても悪玉確定ですってタイプというか。」

愛原「あと正義の味方は、悪を制裁する力を持っていても、それは必要最小限の行使に限られてると思うぞ。それこそ殺虫剤の扱い方と同じで。」

鼎「たった一匹の蚊を落とす為に、部屋中を殺虫剤まみれのベタベタにする人はいないよね。そんな事したら、部屋中を毒まみれにするようなものだし。」

愛原「正義の味方は、必要な時だけ、必要な分だけ力を行使し、用が済めば颯爽と去ってゆく。決して力を誇示して、支配や監視の道具にしたりはしない。」

逆沢「というか警察や軍が、国民の支配の為にうごめきだしたら、普通にヤバい国だと思うわ。公安が幅をきかせ出したり、連中が憲兵ヅラし始めたら、もうアウトというか。」

愛原「正義の味方は、支配や監視を目的とした武力の誇示までは、まずしないからな。必要なときに必要な分だけ、力を行使して、用が済めばすぐ退散。だから絵になる。逆に正義の味方が、社会正義のためとか、治安維持の為とか言って、武力を誇示して、大衆を常時監視し出したら、まともな人間は、それなりに窮屈さや恐怖感を感じると思うぞ。」

逆沢「正義の押し売りヤメロ!!くらいは思うかもね。」

鼎「制裁行為を必要悪とか【毒をもって毒を制す】行為と自覚しているなら、その力の行使は常に必要最低限であるはずだよね。常時、威圧するように制裁する力を見せつけているとするなら、それは常時、毒をまき散らしているのと同じだから。」

逆沢「常時、毒をまき散らしている状態とか・・・。それもう巨悪以外の何者でもないだろ?」

愛原「という訳で今回は【正義の味方という名の制裁者】のお話。制裁者の本質は、あくまで誰かを痛めつける事(あるいは痛めつける事で従わせる)であり、余程慎重に運用しないと、制裁者自身がむしろ悪の中の悪に堕ちる危険な毒物でしかないこと。そして世の中には、善玉のふりをした悪玉や、自分の事を善玉と勘違いしている悪玉も相当数おり、彼らもまたしばしば正義の味方のふりをして、制裁という名の残虐行為を行うということ。それでも正義の味方自体は、本物のワルを野放しにしない為の必要悪として、一定の社会的役割を現状有していること。などについて簡単に触れてみたぞ。」

鼎「あくまで条件を満たした上での必要悪であって、もしも彼らが腐敗したなら、その時点で排除すべき絶対悪になるという意識も持ちたいよね。」

愛原「制裁も天誅も、本質としてはあくまで暴力であり、毒物であり、悪だからな。【正義のためなら何をやっても許される】と考える御仁もいるかも知れないが、そんな事を心に思った時点で、もう必要悪ですらなく、純然な悪そのものだ。」

逆沢「そこまで強い情熱をもって正義の為に働きたいなら、その辺で草むしりでもゴミ拾いでもしてろって、私なら言い返すわ。その方が余程、世のため人のためになるって。」

鼎「私は、制裁や天誅の根底にあるのは正義では無くて、裁かれない悪に対する怒りや恨みだと思うよ。必殺仕事人的な制裁屋に一定の人気や支持者があるのも、おそらく悪人がちゃんと裁かれないこの世の理不尽があるから、たとえ非合法でもちゃんと裁かれて欲しいという願いが込められているというか。」

逆沢「警察や司法機関までが腐敗するような世の中にはなって欲しくないわね。そうなると、人々は、必殺仕事人的な非合法手段による裁きに期待するしか無くなるから。」

愛原「その国の警察や司法がちゃんと機能しているか否かは、いかな権力者でも容赦なく取り締まることができるか? 権力者に都合の悪い側の人間を常時監視するような公安機関が幅を効かせていないかで大体分かる。警察が署内で起きた不祥事なり裏金疑惑について、後ろ向きな態度を取ったり、それに抗議する人に対して逆に取り締まりを強めるようならば、大衆が必殺仕事人的な者に強い期待を抱いても、それは仕方ないだろう。」

鼎「正義の味方が活躍する世界は、警察が役立たずだったり、政治が腐敗しているケースが大半だよね。」

愛原「政治や司法が健全で有能なら、非合法的な正義の味方に頼る必要も、彼らがヒーロー扱いされる理由もなくなるからな。もっとも政治や司法が腐敗すればする程、腐敗して絶対悪化した権力側は、正義の味方陣営を非合法組織とかテロリストと決めつけ、圧倒的な監視力と武力をもって弾圧にかかるだろうけど。」

逆沢「本来、毒物でしかない制裁力を常時振りかざしまき散らすような奴こそが、正義のふりをした絶対悪という事くらいは理解できたわ。」

鼎「権力とか、強い相手には見て見ぬ振りして、社会的弱者に対してだけ凶暴な制裁力を見せつけるような制裁者も、絶対悪側だよね。」

愛原「毒物をまき散らしたり、弱者をくじくような者が、正義のはずがない。必要悪ですらない。本当の正義の味方か、正義のふりをする悪玉か否かが見分けにくくなった場合は、本当に困ったり苦しんでいる社会的弱者を癒したり救うのが善玉という原点に立ち返りたいところだな。悪玉キャラも身勝手な大義名分を並べて自身の悪事を正当化して、自分達こそが正義の味方側というふりをするが、強権をもって社会的弱者を蹂躙したり、権力者や上級国民の権益を保守するような善玉がいるはずがないから。」















過去のたわごと 
2018年     4月1日 平気で嘘をつける人たち 
3月18日 公正世界仮説 3月4日 被害者叩き 
2月18日 政治力 2月4日 統率力 
1月21日 優秀すぎるライバルが現れたとき  1月7日 素性を表す記号としての肩書き
2017年 12月24日 フリゲの雑談  12月10日 賤民階級
11月26日 個性づけとしてのパラメータ 11月12日 宿敵宣言
10月29日 大同団結 10月15日 品質について
10月1日 華麗な策略、汚い策略。その違い 9月17日 平等主義と反平等主義
9月3日 ファン型オタクとマニア型オタクの違い 8月20日 ツイッターの利点と問題点 
8月6日 大抜擢された人材 7月23日 誇りと傲慢
7月9日 傲慢とマウンティング 6月25日 権威を利用するナイトども
6月11日 悪事プレイ(のススメ) 5月28日 異界人(宇宙人)の干渉
5月14日 集団の思考ルーチン 4月30日 人間っぽさ=非効率的な思考ルーチン
4月16日 名声欲 4月2日 無言の圧力と忖度
3月20日 ロスト・ハイ・テクノロジー 3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神〜命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方〜捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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