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愛原様のたわごと(19年7月21日)






愛原「今回も、前回に続いてまくら抜きでいきなり本題。テーマ名は【パニックホラーものの主人公】。」

逆沢「よりによって今週に限って時事ネタの突っ込みもなく、おもいっきり平常運転って、お前の思考パターンが全然分からんわ。」

愛原「気にするな。さて今回のテーマであるパニックホラーというジャンルについてだが。」

鼎「パニックという名前がついている通り、混沌とした非日常を舞台にした作品なのは間違いないよね。いかにも人があわてふためくような。」

逆沢「ホラーものと聞くと、幽霊とか妖怪とかが登場するような作風を思い出すけど、そういうイメージで間違いないのか?」

愛原「幽霊や妖怪を含む、とにかく平穏な日常を破壊する何者かが突然現れ、人々を恐慌状態に陥れていく作品ものをパニックホラーものという。細かいポイントを何点かあげると、まず大前提としてあるのは、平穏な日常が元来の舞台となっている点だ。」

鼎「現代の日本自体が、典型的な平和状態という事もあって、現代日本が舞台(or現代日本出身の人達が物語の中心)になってる作品もかなり多い印象だよね。中世ファンタジーとか、戦乱の世とか、そういうのではなく。」

逆沢「とすると主人公自体も、特に大したスキルのない一般人だったりするのか?」

愛原「例外もないとは言わんが、まぁ多くの場合、主人公もモブの一般人と大差ないスキルでのスタートとなる。怪しい魔法や超能力を使えるでもなく、ハッキングやピッキングといった盗賊系スキルの達人というわけでもなく。まぁケンカ慣れしてるとか、凡人と比べて高い戦闘能力や運動神経やスタミナをもってるくらいは、珍しくないが。」

鼎「どちらかというと、武に秀でてる主人公の方が多いけど、知に秀でてるパターンもあるよ。特定の分野の専門知識があって、その知識自体が武器になるケースとか。」

愛原「ただこれも作品によりけりで、本当にただの一般人と大差ない場合もある。」

逆沢「大抵の作品の主人公は、それなりに強かったり有能なのに、このジャンルの主人公は、そこまで超人的ではないという事か?」

愛原「最終的に超人じみていくパターンもあるが、初期状態では基本的に凡人に毛が生えたレベル。というかそうでないと、平穏な社会の住人としてふさわしくないからな。」

鼎「けどそんな平穏な日常が突然ぶち壊される事から物語は、始まるんだよ。」

愛原「平穏な日常が壊される原因は、多岐にわたる。だが、あえて大きく分けると、主人公が旅行や出張など遠征中に事件に巻き込まれるパターンか、もしくは普段過ごしている街や職場・学校などで、大きな異変が発生するパターンに分けられる。」

鼎「前者だと、舞台は無人島(離島)とか、豪華客船とか、山奥とか、秘密の施設(館・研究施設etc)とか、そんな感じが多そうだよね。」

逆沢「つまり隔離された空間で、サバイバルゲームをやるようなノリになるってか。」

愛原「そう。隔離空間から脱出できれば、基本的には勝利になりやすい。あるいは外部からの救援が来るまで、持ちこたえることができたなら。」

逆沢「普段、過ごしている街や学校が物語の舞台の場合は、どうなんだ? 別に隔離空間でもないし、その気になれば、どこまででも逃げ切れそうな気がするんだけど。あるいは、近所の警察とかに駆け込むとかも可能だし。」

愛原「まず主人公を脅かしている敵が、オープン状態かサイレント状態かで、物語の進み方が異なっている。オープン状態というのは、敵は誰が見ても分かる状態ということ。敵がゾンビとかモンスターとかだったら、一目見ただけで敵と分かる状態だから、オープン状態といえる。逆にサイレント状態は、敵が正体不明な場合。」

鼎「オープン状態だったら、警察や自衛隊のような組織が機能している限りは、彼らにある程度は護ってもらえるけど、サイレント状態だと、警察などがほとんど機能せず、主人公達が自力で身を守らなければならないケースが中心になりやすいよね。」

愛原「後者のサイレント状態の場合は、主人公達は、見えない敵におびえ、警戒もしながら、それでもなんとか日常を過ごし続けるような形になる。敵は善良な一般市民なり、主人公パーティーの一員なりを装っている場合も多いが、もちろん例外も多い。」

鼎「大抵のパニックホラーものは、不幸な犠牲者を殺すようなパターンばかりなんだけど、ごくまれに犠牲者を精神崩壊状態に追い込んだり、洗脳したり、不幸にするだけで、殺さない作品もあるよ。あるいは殺しても、自殺や事故死を装うか、もしくは死体自体を残さないようにして、できるだけ警察や公権力を介入させないようなタイプとか。」

逆沢「無関係な第三者にしてみれば、ニュースにもならない小さな事件の繰り返しでしかなかったり、あるいは物証が乏しく事件性を立証しにくくて、警察もほとんど動けないし、誰かに積極的に助けを求められる状態でもないってか。厄介な敵ねー。」

愛原「まぁ幸か不幸か、サイレント状態の敵と相対するパニックホラーものは、かなり少数派だけどな。というか、人によってはパニックホラーといえば、オープンな敵に襲われるもののみを指すという認識の人も多いだろう。」

鼎「特に多いのは、感染系とモンスター系だよね。感染系なら、謎の病原菌に感染した人間が凶暴化して、突然人を襲うようになるようなパターンが鉄板。感染ものだから、凶暴化した人間に噛まれたりすると、その被害者も狂暴化して、どんどん増殖していくみたいな。」

愛原「モンスター系は、もっと単純だ。巨大化もしくは狂暴化した動植物なり、未知の危険な生物なりが突然現れて、人を襲う。」

逆沢「感染系にしろ、モンスター系にしろ、いかにも漫画的展開ねー。」

愛原「うん。ただパニックホラーものの場合は、平穏な日常が大前提としてあるから、人々は当然、そんな敵の突然の出現に戸惑う。」

逆沢「そして反応が遅れたものが、真っ先に犠牲者になってしまうという訳ね。」

愛原「まさにそう。周りの者は、何が起きたか、何が何やら、全く分からない。しかしかなりヤバい状態である事だけは気付く。そして人々はたちまちパニック状態になる。」

逆沢「ああ、なる程。だからパニックホラーというジャンル名なのね。」

愛原「パニックホラーものは、中世ファンタジーや戦乱ものと違い、基本的に人々は無防備な状態からスタートする。もちろん主人公もその一人だ。」

逆沢「そんな状態の主人公が、いかにして生き残るかが、物語の醍醐味ということね。」

愛原「正解。」

鼎「けどパニックホラーものは、あくまでバトルものと別物という大前提こそが大事だよね。中にはバトルものと区別がつかないような作品もあるけど。」

愛原「物語によっては、主人公が謎の超能力なり、特殊な戦闘能力を身につけて、強大な敵とガンガン戦っていくようなパターンもそこそこあるけど、これは俺的にパニックホラーものではないと考える。特殊能力を身につけた主人公が、怪人なりモンスターなりとガンガン戦う作品は、よくあるバトルものの中味と同一でしかないからな。」

鼎「パニックホラーものとして物語は始まってるけど、物語を進めていく内に、主人公がどんどん特殊能力を身につけて強くなってしまう作品は、残念ながら多いよね。普通なら感染してモンスターになってしまうけど、特殊な偶然が重なって、自分の意識を保ちながら、より強い戦闘能力の習得にだけは成功するとか。あるいは始めから特殊体質の持ち主だったとか。」

愛原「それはそれで作品としては面白いとも思うが、ただ、そういうのは、パニックホラーどころか、ホラーですらない。ホラーというのは、正面から戦ってもまず勝ち目がない相手からどう逃げるか、どう生き延びるか、どう精神を保つかこそが、作品のキモな訳だから。」

逆沢「まぁ幽霊や妖怪を正面から倒せるようなら、それはよくあるファンタジーのバトルものでしか、ないからねー♪ 明らかにホラージャンルからは、逸脱してしまってるというか。」

鼎「むしろクトゥルー神話とかの方が、ジャンルとしては近いよね。絶対に勝ち目のない相手から、いかにして逃げ切るか、生き残るか、正気を保つかこそが勝利条件という意味では。」

愛原「パニックホラーものでも、もちろん局地戦での勝利は当たり前にあるし、その繰り返しの結果、最終的に敵を斃せる事は、あってもいい。しかし正面から戦ってそのまま勝ち続けるようなのは、さすがにまずい。」

逆沢「じゃあ、どのような勝ち方ならOKなんだ?」

愛原「一つは、時間切れを狙うような戦い方。一定時間粘れば、敵は自動的に死んでしまうみたいな。感染系などで使いやすいパターンだな。モンスター系でも、うまく飢えさせることができれば、アリだろう。次に敵の弱点を突くというやり方。感染系なら、抗体の開発を成功させれば勝利とか。モンスター系なら、物語次第で弱点の設定くらいは容易だろう。」

鼎「【敵の襲撃から逃げ切れれば勝利】というパターンは、パニックホラーものとしては基本だろうけど、できればもっとハッピーエンドで終わりたいという意図からか、こういうエンドパターンは、割と多そうな気もするよね。」

愛原「というか、街を舞台にしたような作品の場合だと、これしか事実上、勝利条件はないからな。主人公達がどれだけ街の外に逃げようが、ただそれだけだと、いずれ日本中、あるいは世界中に被害が拡散していくだけだから。」

逆沢「ああ、誰かが倒さない限り、永遠に敵が増え続けるようなパターンだと、倒す以外に物語の解決方法はないからねー。逃げ切れば勝利という条件は、残念ながらハッピーじゃないって事ね。」

愛原「まぁ、作品によっては、米軍がどでかい爆弾を落として、街ごと焼き払って終了みたいな乱暴なハッピーエンドもありえなくはないけどな。」

逆沢「うへえ・・・。時間以内に街から脱出しないと、敵モンスターごと、まとめて米軍に焼き払われて終了ってか。その場合なら、時間内の脱出が勝利条件というのも分かるけど・・・分かりたくねえ!」

鼎「ただ街を舞台にしたパニックホラーものの場合は、その街自体が隔離封鎖されているケースが大半だから、街からの脱出自体が極めて困難になってる事も多いよね。」

逆沢「街から出られなくなっているのか?」

愛原「パニックホラーものの場合、そういう作品も割と多い。大抵は、日本政府の指示で街自体が隔離封鎖されたりする。街の外に被害が拡大しないようにな。」

逆沢「おいおい。街の中の住民は、見捨てるって事か?」

愛原「うん。ズバリ見捨てられる。これにより擬似的だが、閉鎖空間内でのサバイバルゲームの舞台が整えられるからな。まぁ物語上の都合だな。」

鼎「主人公達は、街の外には出られない。街の中に閉じ込められた住民達は、その中で敵と戦い、あるいは敵から逃げ延びなければならないみたいな状態になるんだよね。」

愛原「そういえば、別に人がモンスター化する訳でもない、とある伝染病を舞台にした漫画でも、政府の指示で村を隔離する展開は、普通にあったな。リアルでも口蹄疫だったか、あの時もそうだが、政府が特定地域に病原菌なり災厄を封じ込める為に、あえて隔離政策を取る事自体は、別に非現実的ではないとは思うけどな。」

鼎「ただパニックホラーものによっては、日本全国、もしくは全世界で、災厄が同時発生という大規模なものもあるよね。」

愛原「これはこれで物語上の都合だな。主人公達から逃げ場を奪う一つの方法だ。」

逆沢「大阪に逃げようが、九州に逃げようが、どこに逃げても無駄って状態なら、土地勘のある場所で生き延びようとした方が、まだ生存率も上がりそうだしね。」

愛原「さて、パニックホラーものの作品が面白くなるか否かは、主人公達の行動と選択にあると言って良い。突然発生したパニック状態の中、どうやって生き延びるか?という感じだな。」

鼎「多くの人が、バタバタ死んでいく中、生き残るには、かなりの運と実力と根性が必要だよね。」

逆沢「バトルものの主人公のように強ければ問題無いけど、パニックホラーというジャンルにこだわるなら、敵に見劣りする力を補う為に、それなりの知恵も必要かもね。」

愛原「ある程度は、信頼できる仲間も欲しいよな。」

鼎「けど作品によっては、信頼できないひどい仲間だらけの状態から始まるのもあるよね。」

愛原「まぁその方が、実はパニックホラーものとしては、面白くなりやすいんだけどな。いつ裏切ってもおかしくないような信頼できない仲間だらけの方が。」

鼎「主人公自身は、仲間のために真剣に頑張るんだけど、それをよく思わないメンバーとかもいて、主人公を陥れようと画策したりもするんだよね。」

逆沢「やっぱりこの手の作品の主人公って、基本的に仲間思いのいい奴ばかりなのか?」

愛原「いい奴で無いと、人を引きつけられないからな。作品内の登場人物の心もそうだが、作品の外にいる読者やプレイヤーの心も含めて。但し、もちろん例外もそれなりにはいる。」

逆沢「例外というと。」

愛原「一つはダークヒーロー系。悪漢タイプ。素行や人付き合いは悪いが腕は立つから、それなりに人を引きつけるというパターン。但しこのパターンは、バトルものに寄りやすいという物語上の欠点もある。次に無関心エリート系。パニックホラーものには、なぜか平凡で平穏で平和な世の中に退屈しているような主人公もたまにいる。そういうタイプだからか怠惰な振る舞いを好んだりもするが、非日常的な危機の到来に合わせて、徐々に自らの才覚を露わにしていくようになる。やればできる子タイプ。」

鼎「けど王道は、やっぱり熱血タイプか、ツンデレタイプだよね。人懐こいか、人付き合いが悪いかの差はあっても、ここぞの場面では仲間思いみたいな。少なくとも安易に人を切り捨てるような選択は取りたがらないというか。」

愛原「パニックホラーものの場合は、肥満デブに代表される鈍足で足手まとい系の仲間キャラもいれば、そういう足手まとい系をすぐに切り捨てようとする現実的判断を売りものにした冷血キャラもいたりするが、こういう時に足手まとい系を無闇に切り捨てようとする主人公は、ほとんど見た事は無いな。」

逆沢「そんな血も涙もない主人公とか、見たくないわ。」

鼎「そして足手まとい系キャラの人は、最初の内は何度もパーティーの足を引っ張り続けたりもするんだけど、ここぞの場面でいい働きもしてくれるんだよね。あとパーティー内で意見が割れた時に、主人公にとって貴重な支援票にもなったりする事もある。主人公に敵対的な不良系キャラにすごまれて、恩を仇で返す場合もあるけど。」

愛原「傾向として男性の足手まとい系キャラは、大体物語の中盤までに退場する事が多いけどな。仲間の盾になる等のカッコいい見せ場を作った上で。恩を仇で返してそれでも平然としてるようなゲス系足手まといなら、誰よりも悲惨な途中退場ルートが待っている。一方、女性の足手まといキャラの場合は、最序盤でいきなり退場するパターンから、しれっと終盤まで生き残るパターンから、厄介な敵となるパターンまでレパートリーが豊富で飽きさせない。」

逆沢「肥満系や不細工系や年増の女性は、一番早く退場しそうな気がするのは気のせいか?」

愛原「・・・多分、気のせいではないだろうな。別にパニックホラーものに限らないが、不細工系の女性に対する作品内の扱いは、同じ不細工系の男性に対する扱いよりも、下手するとかなり悪い。そもそも登場しないか、登場しても見せ場も無いままモブとして退場させられる可能性がどうしても高そうだ。」

鼎「主人公に敵対的な態度を取り続ける仲間キャラも、反省や改心の意思を見せない場合は、どこかで途中退場する運命にあるよね。」

愛原「そういう酷い敵対的キャラが最後まで仲間の一員として生き残ると、なんとなく作中のすわりが悪いからな。物語の最後に生き残るキャラは、それなりに健全な仲間意識を共有できる間柄でありたいというのもあるだろう。ただ個人的には、信用できない仲間がパーティー内に少なからずいる状態の方が、緊張感もあって面白くはあるのだが。シナリオを考える作者様は大変だけど。」

鼎「パニックホラーものの面白さは、身勝手な人間が引き起こすドラマ自体にもあるよね。」

愛原「身勝手な人間は、ピンチになると、我が身可愛さに、平気で仲間を盾にする。人を騙す。物を奪う。脅して言いなりにしようともする。元々の悪人ではなく、平穏な日常なら平凡な小市民だった人間が、突然、もしくは徐々に、そういう卑劣な行為をするようになる訳だ。」

鼎「モンスターのような敵よりも、実はそういう身勝手な人間の方が、余程タチが悪いというケースも多いよね。身勝手な振る舞いをした結果、敵を呼び寄せるような結果を招いてしまったり。味方の逃げ道を塞いでしまうような真似をしてしまったり。」

愛原「ここがバトルものとの最大の差とも言えなくもない。パニックホラーものにとって、最大の敵はモンスターでも病原菌でもなく、実は人間が引き起こすパニック自身。」

鼎「せっかくの逃走(or救援)ルートが、渋滞状況にある無数の自家用車と、それらが引き起こした交通事故によって完全にふさがれていて使い物にならないなんてのは、定番中の定番だよね。」

逆沢「けどそれはパニックホラーでは無くて、普通に東日本大震災でもあった光景だろ?」

愛原「パニックホラーは、リアルを大前提にした作品だからな。もしもこういう災厄が起こったら、リアルな人間なら、こういう振る舞いをするだろうみたいな妄想で成り立っていると言って良い。だからそれはそれで正解なのだ。正常化バイアスを働かせすぎて、目の前に突然現れたモンスターに対して無防備のままでいたあげく、無抵抗に惨殺されても、それはそれでリアリティー。背後に猛烈な火柱が立ったのを見て、急いで反対方向に全力疾走するのもリアリティー。その際に見知らぬ誰かを容赦なく突き飛ばすのも、また一つのリアリティー。そして突き飛ばされた誰かをあえて救いに向かうのも、またリアリティーだ。パニックホラーものの醍醐味は、良い人も悪い人も、熱血な人も冷徹な人も、臆病な人も無謀な人も、みんなまぜこぜになって、それぞれが真剣に生き延びようとする点にある。」

鼎「精神的に追い詰められて視野狭窄になってるのか、生き延びる事ではなく、主人公に復讐する事とか、訳の分からない事に執念を燃やすようなキャラクターもたまに登場するけど。」

愛原「精神が摩耗する事によって、通常ならあり得ないような行為をしてしまう人間が続出するのも、パニックホラーの醍醐味の一つだな。強盗も強姦も人殺しも当たり前みたいなキャラも普通に現れたりする。東日本大震災レベルの災厄なら、【しばらく我慢すれば、公的機関なりが助けてくれる(=無法な振る舞いをすれば、後で公的機関に裁かれる)】という大前提が生きてるから、無法な振る舞いをする被災者などもでにくいが、その大前提が崩れてしまったり、無法な振る舞いもしないと生き残れないような状況であれば、そんなのんきな判断も困難になってくるからな。」

鼎「けどそんな極限状況の中、主人公の精神力はさすがだよね。最後まで己と良識を見失わないというか。」

愛原「主人公とモブの凡人の差は、武力でも知力でもなく、一番に精神力なんだろうな。どれだけ追い詰められても、絶対に精神を病まない。仮に病んでもすぐに立ち直れる。次にスタミナ。判断力。運の良さなど。カリスマ性も多くの場合は高そうだ。」

鼎「生き残るには、知力や武力よりも、そういった要素の方が重要になってくるという事かな?」

愛原「俺がパニックホラーのサバイバルゲームを作るなら、運の良さ精神力といったパラメータは、絶対に作るかな? たとえば運が悪いと、同能力の持ち主だらけのパーティーなら、最も優先的に襲われやすい。みたいな。」

逆沢「誰が狙われるとか、ランダムじゃ駄目なのか?」

愛原「ランダムだとどこかで優先的に狙われて、ゲームオーバーになる可能性が高い。元々の戦闘力が高ければ十分に敵を返り討ちにできるバトルものと違い、狙われた時点でかなりヤバいシステムであれば、優先的に狙われないようにできる工夫自体が必要だ。他の仲間より体力や足の速さを高めにしておく事で、狙われにくくはできるだろうけど、飛び道具などで奇襲をかけてくる敵には、配置は元より、最終的には運が一番モノを言うからな。」

鼎「そういえば、高スペックの人が最序盤の犠牲者になる作品も、意外とあるよね。たとえば山の達人が最初の犠牲者になってしまったせいで、適切な山道を選べなくなって、パーティー自体がいきなりピンチに陥ったりみたいな。」

愛原「飛行機のパイロットを最初に殺す事で、飛行機自体を操縦不能にしてしまうようなものだな。これはパーティーをパニックホラーの舞台に誘い込む為に必要な手口でもあるが、ゲーム的にいえば、高スペックだけど、運の良さのみ最低レベルだったせいで、最初の犠牲者になってしまったという感じだろう。逆に主人公は、運の良さが非常に高い為、奇襲攻撃で狙われる確率が低く、仲間を助けるために盾になってダメージを受けたりしても、致命傷だけは避けられるみたいな感じになるんだろうな。」

逆沢「なる程。運の良さをランダムにしてしまうと、最初に死んで欲しいキャラが死なずに済んだり、キーパーソンがさっさと死んでしまって物語が成立しないから、一応、パラメータ化しておく必要があるって事ね。」

愛原「知力や武力の高いキャラは、もちろんたくさんいるに越した事は無い。知力関係なら、特に医療系。物作り系。盗賊スキル系は重宝する。未開拓な環境なら調理系。ハイテクが役立ちそうな環境ならハッキング技術を含めた電子機器操作系のスキルの持ち主がいればなお良いだろう。武力系も銃器が手に入る状況なら、銃の達人あたりがいると重宝する。俊敏な斥候系も、イメージ以上に役に立つ。鈍足肥満型も、重い物を持ち上げる等の局面では、それなりに居てくれて良かったと思える事もあるだろう(不健康なオタクデブは、見た目ほどパワーが無いので不可。むしろオタク知識で役に立つ事を期待したい)。格闘系もバトルものに近い傾向なら、十分に役立つが、素行不良だとトラブルメーカーになりやすい欠点がある。」

鼎「素行不良な肉体派は、仲間から武器や食糧を強奪したり、威嚇してパーティー内のメンバーを支配したがる傾向があるから、諸刃の剣だよね。【俺の言うことを聞かないと殺すぞ】的な感じで、パーティーをかき回し始めると、色々ヤバイというか。敵と戦うために武力を行使するのではなく、仲間を言いなりにしたり、脅して盾換わりにするようなタイプだと、最悪というか。」

逆沢「知力系も、自分の利益の為なら、平気で人を騙したり陥れるような策士タイプは、すごく危険な気がするわ。」

愛原「主人公の多くは、そんな素行不良な仲間でも、なかなか切り捨てられないだろうから、扱いに困るだろうな。どこかで更生してくれればいいが、さもないとトラブルメーカーとして面倒な存在になるだろう。まぁ身勝手な性格が災いして、中盤辺りでパーティーの誰かに暗殺されるか、自分だけ助かろうと別行動を選んだあたりで、敵に殺されるあたりが鉄板だろうが。」

鼎「身勝手な人は、ピンチになる度に誰かを突き飛ばしたり、他人に罪をなすりつけたりする事で、(誰かを常に犠牲にする事で)ある程度までは生き残れるけど、余程善人を装える演技派とかでもない限り、周囲からのヘイトを買う一方だから、物語の終盤まで生き残りにくいよね。他人を犠牲にする事で生き残るタイプだから、犠牲になってくれる仲間が減る程、自然と生き残りにくくもなるし、とかいって大本のパーティーから離脱してしまうと、自分一人(もしくは少数の仲間だけ)で生き残る力が無いから、結局力尽きてしまうというか。」

愛原「主人公が生き残りやすいのは、天性の精神力や運の良さもあるが、仲間を極力減らさない姿勢が効いているというのもあるだろうな。」

逆沢「なんだかんだいっても、頭数は重要だからねー。交替で夜の見張りをするにしても、敵の襲撃を受けた際に、自分が真っ先に狙われる確率を減らしたり、あるいは返り討ちにできる確率を高める上でも。貴重なスキル持ちも、頭数がいるに越した話はないし。」

鼎「仲間を平気で見捨てるような人だらけのパーティーだと、信頼関係が必要なミッションは困難だけど、普段から助け合えるような信頼関係ができていれば、背中を預けて共に戦う的なミッションも躊躇なく行えるし、チームとしての効率が全然違うよね。誰かとタッグを組むとしたら、やはりこの人なら自分を決して闇討ちしたり、脅迫したりしないと思える人を選びたいし。」

愛原「仲間を見捨てれば助かるという局面でも、あえて助けに向かうのは、非常に勇気がいる行為だ。その行為により、さらにチーム全体を危険にさらす事もあるので、そういう主人公的振る舞いが常に正しいとは言わない。が、さすがに自分の保身の為に仲間を突き飛ばしたり、まだ遅れてやってくる仲間を見捨てて先に扉を閉めてしまうような振る舞いをするのは、さすがに主人公らしくないし、人望を損なうリスクもあるだろう。」

逆沢「ま、そんな振る舞いがそこらじゅうで発生してる状況なら、自分一人がそんな振る舞いに加わっても、いちいち誰も気に留めないだろうし、緊急避難としてアリかも知れないけどね。」

愛原「全体の中の空気なモブ的存在として埋もれられる状況なら、確かに緊急避難としてアリだろう。できるだけ目立たず、こっそり誰かの足を引っかけたり、成り行きでたまたま突き飛ばしてしまったような振る舞いができる環境なら、誰にも気付かれないか、気付かれても群衆に紛れ込んでしまえば、もう誰が誰だか分からなくなってしまうだろうからな。但し舞台が学校のクラスとか、いわゆる顔見知りだらけの場合だと、空気に徹しきるのは難しいので、そこは考慮する必要はある。周囲に居る者は、お互いに赤の他人同士(かつ群衆に紛れ込める程度には大人数)という場合に有効な生き残り戦術と割り切った方がいいかも知れない。」

鼎「けどそれは自分がモブだと自覚できた場合の生き残り戦術だよね。あくまで。主人公的ポジションにはふさわしくないというか。」

愛原「自分がパーティーのエースなりリーダーなり参謀格として、それなりの発言力を維持したいなら、人望を損なう行いは危険だ。パニックホラーもので悪目立ちすると、みんなのヘイトを総かぶりする羽目になる。そうでなくとも【みんな、誰かのせいにしたい】と思い込みたがるような空気下だからな。下手に目立つくらいなら、ひたすら空気なモブに徹するのも一つの生き残り戦術ではある。但し、パーティーの首脳部が誤った判断をしたなら、かなり勇気ある決断が必要になるが。リアルでいうなら、大川小学校の悲劇のような感じだな。」

逆沢「今、そっちに移動したら極めて危険なのに、パーティーがよりによってそんな判断をしてしまったような場合な時ね。」

愛原「自分自身に発言力があるなら、説得力のある説明をする事でパーティー全体の判断を思い通りに覆す事は可能だろう。しかしそうでないなら、パーティーからの離脱も含めて、かなり勇気ある決断が必要になる。もっともそんな勇気ある決断ができるくらいなら、モブに徹しようなどとは思わないかも知れないが。」

逆沢「自分の意思で何も決められないような性格の持ち主か、精神力や判断力が衰えて自分の頭でそこまで考えられない状況にまで追い込まれているか、いずれにしろ精神力系パラメータが低いキャラなら、モブに徹するしかないんだろうけどね。みんなの判断が正しいと信じて、黙ってついていく以外の決断ができないタイプである以上は。」

鼎「残念だけど、そういうタイプは、典型的なやられ役だよね。運が悪いか、体力や精神力が弱い者から順に退場していく事で、場の緊迫感を盛り上げる存在でしかないというか。」

愛原「場の緊迫感を盛り上げてくれる存在というだけで、作品としては必要不可欠な存在なんだけどな。やられ役がいてこそのパニックホラーだから。」

逆沢「やられ役も、味方の足を引っ張る役も、味方を陥れるヒールも、みんなに役割があるってか。」

愛原「バトル物は戦いに主眼が行くが、パニックホラーものは、あくまで極限状況に追い込まれた人間の振るまい、人間ドラマ自体が主眼だからな。襲ってくるモンスターなり病原菌なりは、あくまで場を極限に追い込むための仕掛けだ。」

鼎「人間模様といえば、パニック状況を造り上げた真の黒幕も、また人間だったというケースも多いよね。政府が化学兵器なり生物兵器なりの実験として故意にそういう状況を造り上げたとか、あるいはそういう実験中のミスで、そういう極限状況が偶然発生してしまったとか。あるいは過去に理不尽にひどい仕打ちを受けた人間が、復讐のために行った計画がそれだったとか。」

愛原「戦後初期の名作であるゴジラにしても、放射能が産んだ災厄という設定だったが、自然破壊行為を繰り返す人類に対するしっぺ返しみたいなシナリオも割とあるわな。」

逆沢「つまりパニックホラーものの根底には、【人類にとって最大の敵は人類だった】みたいな思想があったりするのかねー? パニックを生み出すきっかけを作った者も人間。パニックを大きくしてるのも、自分さえ良ければ他人なんかどうでもいいと考えている人間。みたいな感じで。」

鼎「リアルの世界でも、殺された人間の死因は、大体人災のような気がするよ。天災や事故で不幸にも死んでしまった人より、戦争とか、殺人事件とか、鬱状態に追い込まれての自殺とか、そういう他人のせいで不幸にも命を失った人の方が、地震や津波で死んだとか、足を滑らせて崖から落ちて死んだとか、そういう天災や事故による死因よりもはるかに多そうというか。」

愛原「人は様々な動機で人を傷つける。それを分かりやすく見える形にしたのが、パニックホラーものともいえる。国益のためなら多少の犠牲は仕方ないと考える人が、パニックを創り出す。あるいは復讐者が復讐のためにパニックを創り出す。そして自分だけが生き残ればいいと考える者が、またパニックを大きくする。見捨てられたり、騙されたり、逃げ道を塞がれたりして、理不尽な仕打ちを受けた者が、また復讐の為に人を襲う。中には嫉妬とか、くだらない感情の為に、人の足を引っ張る奴も出る。どうせ死ぬならその前にたくさん楽しい事をしよう的な発想で、退廃的な素行に走り、多くの人を傷つけ犯し奪おうとする者も出る。その一方で、デマを信じて勘違い入った正義感を振りかざして、無関係な人を傷つける奴も出る。

逆沢「国益・私益・復讐・保身・嫉妬・欲望、そして正義・・・・、色んな動機で人が人を襲い、傷つけ、騙し、殺していく。そういうのをまとめて詰め込んだのがパニックホラーものってか。」

鼎「そんな殺伐とした状況の中で、少しでも犠牲を少なくして生き延びようとする主人公に引きつけられるのは、ある意味、当然かも知れないね。本当は誰だって、殺し合いとか奪い合いとかしたくはないだろうから。」

逆沢「世紀末な世の中がやって来て、ヒャッハーするような人達も、中にはいるだろうけどね。今までは法や警察がいたせいで我慢を強いられていた人達からすれば、前々から殺したいと思っていた人を殺せる状況というのは、それなりにおいしいだろうから。」

愛原「そんな要素も含めて様々な人間模様が詰め込まれているから、パニックホラーものは面白い。特に理不尽な差別やイジメなどで苦しんでいた人達からすれば、絶好の復讐のチャンスといえなくもないしな。」

逆沢「平穏な日常が続いている頃でも、平気で人を苦しめる奴はいるからねー。パニック後なら【生き残る為に仕方なく】という理由も分かるけど、平穏な頃にそんな理由は成り立たないのに、面白半分とか、歪んだ正義感とか、くだらない優越感を示すためだけの為にとか、会社の利益を少しでも増やすためとか、そんなしょうもない理由で、人から恨みを買うような真似をする奴が、あまりにも多すぎるというか。」

鼎「パニックホラーなを作り出した原因を突き詰めていれば、平穏な時代に積み重ねられた恨みとか、自然破壊とか、軍拡競争とか、そういう展開も多そうだよね。要するに、人災そのものというか。」

逆沢「理屈上は、人同士でくだらないマウント合戦などもしなければ、戦争からイジメまでほとんどの不毛な争い自体が回避可能な気もするけどねー。」

愛原「だからか、パニックホラーものの主人公の多くは、何らかの事情や過去を引きずってもいない限り、無闇に人を憎まない。傷つけない。人間不信や憎しみ合いが、さらにパニックを大きくし、状況を悪化させる事を本能的によく理解しているというか、さすがと思う。」

鼎「最悪な状況を作ったり、拡大してるのは、人間不信や憎しみの感情というのが、パニックホラーものを見てるとよく分かるよね。真の敵は、得体の知れないモンスターや病原菌ではなく、あくまで邪心に染まった人間にあるというか。彼ら自身が、モンスターを産み出し、さらに活動を活発化させているというか。」

愛原「得体の知れないモンスターどもは、何の罪もない一般市民を容赦なく殺す。虐殺する。蹂躙する。傷つける。人々がモンスターどもを激しく憎むのは当然だし、よく分かる。しかし【そんなモンスターどもを生み出し、ここまで悲惨な状況にしたのは誰なんだ?】という視点も持ちたい。」

鼎「物語によって、自国の政府が黒幕という事もあれば、特定の一個人が黒幕という事もあるし、人類全体が犯した無茶な環境破壊が原因という事もあるだろうけど、そこを突き止めないと、本質的な解決にはつながらないという事だよね。目の前のモンスターをどれだけ派手に切り刻んでも、そんなのは貴重な時間と体力の無駄な消耗でしかないというか。」

愛原「パニックホラーはバトルものではないから、敵をたくさん殺す事が解決のキーにはならない。目の前の敵は、無限増殖するものであり、闇雲に戦ったところで、永遠に続くモグラ叩きにしかならない事を自覚しなければならない。そんな無駄な戦いは極力避けて、体力も戦力も温存して、相手の素性や解決の糸口をしっかり研究する。そういう流れでなくてはならない。」

鼎「犯罪者を逮捕して解決ではなくて、犯罪自体が起きにくい、不幸な人を産みにくい社会に変えていかなくてはならないようなノリだよね。」

愛原「そう。片っ端から逮捕していけばいいみたいなノリでは永久に解決しない。パニックホラーものでそれをやるという事は、無限増殖する敵と体力が尽きるまで永久に戦い続けたり、信頼できない味方は【殺られる前に殺れ】の精神でどんどん粛清していけばいいみたいなノリになり、気がついたら孤立無援のまま力尽きるだけで最悪だ。」

鼎「無辜の民を蹂躙して傷つけるモンスターに怒りが湧くのは理解できるけど、彼らに怒りをぶつけても仕方ないという事だよね。」

愛原「津波で親を殺されたからといって、海に怒りをぶつけても、仕方ないようなものだな。まぁ津波は天災だが、パニックホラーものは大体人災だから、そこをしっかり究明していく必要があるだろう。モンスターに罪がないとは言わんが、原因を突き止めてそこを解決しないと、別のモンスターがまたいつ現れてもおかしくない事くらいは理解しておきたい。」

鼎「パニックホラーものでは、身勝手な人間による愚かな所業も多く見かけるけど、彼らを責めて済む問題ばかりじゃないケースも多いよね。たとえば恐怖で体が硬化して動かないとか、逆に思わず悲鳴を出してしまうとか、精神的に摩耗して正常な判断が出来なくなるとか、そういうのは誰でもありそうだし。」

愛原「普段は善良で冷静ないい人だったのに、極限状況に追い詰められた結果、やたらキレやすくなったり、卑怯な振る舞いを平気でするようになったり、自暴自棄な行動を取るようになったりするケースは珍しくない。人は、酒を飲んだり、徹夜をするだけで、十分人間性が変化する生き物だし、極限状態なら尚更だろう。」

逆沢「私達庶民の多くは、極限状態を体験する機会が滅多に無いから、そういうリアリティーが理解できないかも知れないけどねー。」

愛原「月150時間以上の残業を毎月続けたり、炎天下で何十キロも走らされたり、あるいは何ヶ月も執拗なイジメ状態が続いてしかもクラスメイトの誰もが知らんぷりみたいな状況も続いたら、とりあえずそれが一つの極限状態だ。極限状態を体験したら、人の精神なんて簡単に壊れる事は否応なく理解できるぞ。」

逆沢「体験したくないわ。そんなもん。」

愛原「極限状態を知らない者が、極限状態でヤバい行動をする者を安易に非難した所で、何の説得力も無い。少なくとも極限状態下で苦しんでいる人にとって、何の慰めにもならない。むしろそういうお門違いの非難に対しては、憎悪しか湧かないだろう。」

逆沢「長時間残業の強要の結果、作業効率が落ちてるのに、仕事が遅いと罵倒したり、無理矢理炎天下に走らされてるだけなのに、ふらついて危ないと罵倒したり、激しくイジメで苦しんでいる状況の人に、お前が近づくと空気が悪くなるから近づくなとか、無関係な人間を巻き込むなとか、死ぬなら一人で死ねとか言って罵倒しようものなら、そりゃ殺意が湧いてもおかしくないと思うわ。」

鼎「精神が今にも崩壊しそうな人がいれば、崩壊しないように支えるのが大事というのが、すごくよく分かるよね。」

愛原「パニックホラーものでも、重要なポイントだな。パーティーにたくさんのメンバーを抱えていれば、精神に異常を来す仲間も少しずつ出てくるが、それはできるだけ抑制する必要がある。時には休息を与え、時には励まし合う。どんな医療の達人も銃の達人も、精神崩壊してラリってしまっては、使い物にならないどころか、危険なだけだからな。」

鼎「修羅場状況の職場とかだと、キレやすくなったメンバーが仲間に当たり散らすようになったりもするけど、ああいうのはキレやすくなった本人だけでなく、一緒にいるメンバー全員の精神を消耗させる原因になるから、特に管理に注意が必要だよね。」

逆沢「そういや、昔、本人に自覚のないキレ屋さんが一人いたわ。当人は普段は寡黙で沈着なタイプなんだけど、疲労が蓄積した状況になると、神経質でキレやすい性格になって、ちょっとした物音でも勘に障るようになったりとか。本人自身は、自分だけは常に冷静で集中力も保っているつもりだけど、実は物音に敏感になって常に聞き耳だけを立てているような状態になってて、少しでも話し声や物音がする度に【仕事に集中しろ】とか【注意力が散漫になってるぞ】とか【もっと落ち着いて行動できないのか】とかいちいち説教モードになるというか。メンバーの一人が、気合いを入れ直す為に激励の声を発しようものなら、【うるせえっ!みんな真面目にやってんのに遊んでんじゃねえ!】みたいに突然激高したり。」

鼎「本人は周りが注意力散漫になってる中、自分だけは集中を切らさず仕事に集中して、的確に指導してるつもりでもあるけど、実は口実を見つけては他人にイライラをぷつけてるだけの状態ね。多分、聞き耳を立てる方向に意識が集中して、肝心の仕事の手は止まってると思うわ。」

愛原「当人は自分だけはまだまだやれると思ってるかも知れないが、精神的に明らかに限界なので、休息させた方がいい。そいつ一人だけを休息させようとしても揉めるだろうし、そういう段階だと他のメンバーも程度の差はあっても、遅かれ早かれ限界が来るので、もう全員休息しないといけないタイミングだ。まぁ理想を言うなら修羅場な状況自体をやめるべきで、適度の休息と休憩も、常に挟んでおくべきなんだが。」

逆沢「今の日本は、一見平穏だけど、実は精神的に極限状態に追い込まれてたり、既に壊された状態の人が、相当数、社会の中に含まれているような気がするわ。その内の何人かが、いつ社会に牙をむいてもおかしくないというか。」

鼎「事件が起きてから、事件を起こした人を罰して問題解決みたいなやり方ではなく、その前段階に目を向けないといけないというのが、すごく分かるよね。」

愛原「日本中全体としては、今でも平穏な日常のままだ。しかしある閉鎖された空間の中で、局地的にパニックホラー級の大惨劇が起きる可能性はいくらでもある。学校のバス停だろうが、病院だろうが、繁華街の一角だろうが、どこにでも。」

逆沢「漫画の世界のパニックホラーものなら、コミック数巻分のそこそこ長編のパニック舞台劇がメインだから、時間をかけて逃げ切る余裕もあるけど、リアルのパニックホラーは、ほんの数分で全てが終わる事も珍しくないから、極限下で生き延びられる難易度は、もしかしたら漫画の世界よりもさらに低いかもね。バトルで返り討ちにするとか、そんな選択肢も選べない程に、さらに厳しく限定された条件も珍しくないから。」

鼎「最初の犠牲者がパイロットとか山の案内人みたいな感じで、子供を引率する大人が最初に襲われて後で子供ばかり狙われるみたいな事件もリアルであるから、まさしくリアルは既にファンタジーを越えてるよね。」

愛原「そんな社会で、犯人は許せないとか騒いでいても、そんなのは無限増殖するモンスターに怒りをぶつけてるようなもので、何の意味も無い。そんな事をしてる間に、次は自分が別の誰かに襲われてもおかしくない自覚こそ持ちたいところだ。」

鼎「それもパニックホラーものでお馴染みのシーンだよね。仲間を惨殺した目の前の敵に怒りを向けていた隙に、背後から現れた別の敵に自分自身がザックリ斬られるというのも。」

愛原「感染ゾンビものの場合、にっくきゾンビ自身も、元々は別のゾンビに襲われた哀れな被害者だったりもする。目の前のモンスターを単純に憎むのではなく、なぜそいつが凶悪なモンスターに変貌してしまったのか?という視点も大事にしたい。」

逆沢「極限下にあっては、そこまで頭を回す余裕はないけど、そうでない人なら、自分が狙われる順番になるまでに、そこまで早急に思考を回したい所ね。」

愛原「隔離空間でモンスターに襲われている人達をみて何を思うか? 米軍に頼んで隔離空間ごとまとめてドカンがいいのか? 自分達が住む場所が次に襲われる可能性は無いといえるのか? そもそもの原因は何なんだ? 我々はバトルものの主人公のように強くはない。むしろパニックホラーもののモブに近い。だからこそ他人事で済まさず、考えてみたい。自分自身がモンスターに襲われる可能性。そして自分自身がモンスターになってしまう可能性。さらに自分自身がモンスターを生み出す行為に加担していたり、それを見て見ぬしてる可能性。あるいはモンスターの凶行を、安全な対岸で眺めながら、それをネタに呑み仲間と楽しく酒の肴にしてる可能性など。」

鼎「人を最も殺してるのは人自身という気持ちを忘れたら駄目だよね。自分が殺されていない側であっても、無意識もしくは軽い気持ちで、別の誰かを追い詰めたり人間を壊してる側である可能性は十分ある訳だから。」

逆沢「自分自身がモンスターを生み育てている黒幕の一員であったり、またそういう方向に誘ってる政府の支持者でありながら、いざモンスターが暴れ出したら、被害者面してモンスターを責め立てるのは醜悪以外の何者でも無いわ。」

愛原「パニックホラーは、モンスターが暴れる事で物語が動き出すが、モンスター自身は実は平穏な時代の産物だ。表向きの平穏に隠れて、ごく普通の一般人の顔をしながら、軽い気持ちで人の人格を壊したり、モンスターを量産しまくってるクズどもが現実には少なからずいる。松本人志なんかは、モンスターは生まれつきのモンスターという認識かも知れんが、彼らこそがモンスターのブリーダーという認識こそ持つべきだろう。」

逆沢「昔、とある元いじめられっ子がそれから数十年後に社会で事件を起こしたとき、元いじめっ子側の人間が【やっぱりアイツはいじめられて当然のクズだった】みたいな感じで、自分の過去のイジメ行為を正当化してたことがあったけど、こういう人間は、自分がモンスターを生み出した張本人という自覚は、多分一生持たないんだろうなと思ったわ。ある意味、こういう人の方が無敵の人なんかな?とも。」

愛原「無敵の人というのは、本来失う物が無いが故にどんなリスクある行為にも手を染める事ができる人を指す。しかしこういう人間は、大体既に壊れてる。壊れてるが故に無敵ともいえる。しかし常に他人に責任転嫁する事で自己正当化できる人は、そもそも精神的に追い詰められる事自体が無いから、壊れる事自体もない。平常心のまま平然と他人に責任を押し付け、他人を傷つけ、他人を壊す事ができる。サイコパスが既に壊れている人を指すなら生まれついての壊れた人かも知れんが、そうでないならサイコパスであるが故に無敵な人ともいえるかもしれない。」

鼎「そういう人こそが、人の皮を被った本当の怪物なのかも。壊れた結果モンスター化してしまったのではなく、素のモンスター。別に精神的に追い詰められた訳でもないし、生活に困窮したわけでもないのに、猫を分解して楽しむように、人を壊して楽しめる人種というか。だから国益などの大義名分があれば一部の人を切り捨てて実験台にする事に何のためらいも無いし、自分は正しいと思ってるから、後ろめたさもなく平然と嘘もつけるし、みたいな感じで。しかも壊れたわけでは無く冷静な状況だから、捕まるような無思慮な振る舞いは避けられるし、欲望の制御もできる。故に騒ぎにならないレベルで自己を抑制しながら、ギリギリのラインで執拗に人をいじめ壊す事ができる。相手によって表情を使い分けて、親や先生の前では至って善良な子供を装う事もできるみたいな。壊されたいじめられっ子が、モンスター化して暴れたらすぐに警察行きになるのと違い、こちらはあくまで精神的には無傷。だから普通に社会人になって、普通に家庭を持って、普通に社会に貢献する事も出来る。壊されたが故に、他者とまともなコミュニケーションも出来なくなって、引きこもりになるような人とは、根本的に違うというか。」

逆沢「本当に怖いのは、壊されてモンスター化した人よりも、しらふで、あるいは無自覚に、かつ誰にも捕まらないようにサイレント状態で暗躍しながら、密かにモンスターを量産するような人の方ってか。」

鼎「社会全体で認識を改めていかないと駄目だよね。襲ったモンスターが悪い。モンスターに襲われた方が悪いのどちらでもなく、モンスターを生み出す者が悪いという認識に変えていかないと。でないとモンスターはモンスターを生み出す側の人間によって、今後も無限に増殖するだけだから。」

愛原「オープン状態のモンスターは、基本的に物量で押してくるだけで頭はあまり良くないケースが大半だから、米軍による大火力じゃないけど、こちらが犠牲を惜しまず、相手をはるかに上回る破壊力をぶつければ、一応は決着がつく事も多い。一方、サイレントな敵は、かなり厄介だ。しかしそこに諸悪の根源が鎮座しているならば、勇気を持ってそこに手を入れなければならない。モンスターがそこから次々量産されているのなら。」

鼎「環境破壊が原因なら経済界に働きかけて、政府の政策が引き金ならそんな政権は退陣させて、壊された人による怨恨が原因ならそんな不幸な人が量産されにくいような世の中に変えていく必要がありそうだよね。」

愛原「パニックホラーものでは、諦めない心が一番大事だ。諦めた者からどんどん退場させられていく。諦めず、正気を失わず、邪心に染まらず、そんな強靱な精神の持ち主こそが生き残る。別に極限状態でもなんでもないのに、面白半分に人を壊したりするような精神の者が生き残れるような世界ではない。」

逆沢「モンスターは面白半分に量産できるかも知れないけど、そんな人間がモンスター相手にサバイバルできると思ったら大間違い。卑怯戦法で仲間を切り捨てながら少しは保つかも知れないけど、いずれ悲惨な末路が待っている。そんな人間になってはいけないという事ね。」

愛原「もっとも大半のモブキャラは、卑怯人間に突き飛ばされてさっさと退場させられるような未来しかない。そこそこ生き延びても、スキル自体がないので、いずれもたない。そんな末路が嫌なら、モンスター自体を生まない世の中にするしかないからな。とりあえずは、すぐに近くに壊されそうな人がいたならば、彼が壊されないようにケアしてあげたい。そしてテレビやネットで弱者をさらに追い込むような発言をする者がいれば、それに対してノーの意思を持ちたい。それくらいならモブの我々にもできるからな。」










過去のたわごと 
 2019年 7月7日 許される人と許されない人 6月23日 愚民政策
6月9日 壊された人への対応 5月26日 新時代の脅威
5月12日 (攻撃の)大義名分 4月28日 前回の反省とキャスティングの話
4月14日 汚染された情報の拡散 3月31日 理想の選挙制度
3月17日 黙示 3月3日 あの世の世界
2月17日 うまくいかなかった革命後をどうするか? 2月3日 策略としての挑発
1月19日 腐敗した司法(正義の裁きの担い手)  1月5日 強きを挫き弱きを助くVS弱きを挫き強きを助く
 2018年 12月23日 悪の根源≒マウントしたいという欲望 12月9日 Steamのゲーム
11月25日 成り上がったダメ人間 11月11日 自分を強化する技VS敵を弱体化する技
10月28日 限界への挑戦 10月14日 「弱者=守られるべき善人」でない場合
9月30日 脅しによる支配 9月17日 信用できない情報だらけの社会の場合
9月2日 太鼓持ち 8月19日 連続攻撃
8月5日 信用スコアに支配された社会 7月22日 内通者
7月8日 人件費コスト管理ゲーム 6月24日 忠義者キャラ
6月10日 欠陥つき有能キャラの処遇 5月27日 邪悪な独裁者に支配された組織のメンバーの挙動
5月13日 邪悪な独裁者が健全な組織を乗っ取る方法 4月29日 論破
4月15日 正義の味方という名の制裁者 4月1日 平気で嘘をつける人たち 
3月18日 公正世界仮説 3月4日 被害者叩き 
2月18日 政治力 2月4日 統率力 
1月21日 優秀すぎるライバルが現れたとき  1月7日 素性を表す記号としての肩書き
2017年 12月24日 フリゲの雑談  12月10日 賤民階級
11月26日 個性づけとしてのパラメータ 11月12日 宿敵宣言
10月29日 大同団結 10月15日 品質について
10月1日 華麗な策略、汚い策略。その違い 9月17日 平等主義と反平等主義
9月3日 ファン型オタクとマニア型オタクの違い 8月20日 ツイッターの利点と問題点 
8月6日 大抜擢された人材 7月23日 誇りと傲慢
7月9日 傲慢とマウンティング 6月25日 権威を利用するナイトども
6月11日 悪事プレイ(のススメ) 5月28日 異界人(宇宙人)の干渉
5月14日 集団の思考ルーチン 4月30日 人間っぽさ=非効率的な思考ルーチン
4月16日 名声欲 4月2日 無言の圧力と忖度
3月20日 ロスト・ハイ・テクノロジー 3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神〜命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方〜捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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