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愛原様のたわごと(19年11月10日)




愛原「前回は、追い込まれた悪人のダメージ・コントロール策について触れたが、今回は対象を無力なモブの一般人に置き換えてみたいと思う。」

鼎「無力なモブの一般人という事は、大した能力も、目立った個性もない、ごく普通の一般人という事でいいのかな? もちろん前回、取り上げた悪人のようなのでもなく。」

愛原「うん。悪人キャラなら、悪事を行った報いでピンチになるケースが多いが、モブの一般人はそうではない。多くの場合は、単純に巻き込まれてピンチになる。あるいは自らの実力や洞察力不足で、期待外れのことが起きた結果、ピンチになる。」

逆沢「モブの大衆に関していえば、ピンチになるとすぐに冷静さを失って、パニックになったり、自暴自棄になったりするのが、定番のような気もするけどねー。」

愛原「まぁ、それはピンチな状況の中でも、最終局面だな。特にモブの一般人の場合は、どうしても役回り的に無力という事もあり、逃げ惑うか、ヤケクソになるか、現実逃避するか、いずれにしろ大抵の場合は、知性的・建設的な対応は望めない。何度も言うが、これは役回り的にも仕方ない。」

逆沢「まぁ無力だからこそのモブともいえるだろうしね。有力・有能なモブも中にはいるだろうけど、そういうのはあくまでシナリオの大勢に影響を与えない少数派であるか、サブストーリーを彩る名脇役ポジションであって、純然なモブではないだろうし。」

愛原「そういう訳で、生きるか死ぬかみたいな状況にまで追い詰められたら、モブの場合はほぼ詰み(生死与奪は運命次第で、当人の努力や抵抗はほぼ無意味)となる。よってモブの立場で生き残り戦略を検討するなら、生きるか死ぬかみたいな、淵まで追い込まれた局面ではなく、【なんとなく、ちょっとヤバいかも】みたいな段階で、早めに決断する必要がある。」

逆沢「曖昧すぎて、よく分からん。もうちょっと具体的に言っておくれ。」

愛原「たとえば目の前に強力なモンスターが現れてから、どうすべきかを考えても、モブの場合は既に手遅れだ。無力なモブでは強力なモンスターに対抗する術が無いからな。逆にいえば、戦闘力であれ、知略や交渉術であれ、モンスターを倒せたり退けられるだけのノウハウがあるなら、既にソイツは無力なモブではないだろうし。」

鼎「つまり無力なモブの立場なら、モンスターが現れてからどうすべきを考えるのではなく、そもそもモンスターと遭遇しない方法を考えないと駄目だという事だよね。」

愛原「スケールを大きくすれば、大国に侵略されてから対策を練るのではなく、大国に侵略されない方法を模索する感じ。スケールを小さくすれば、株やFXなどのトレードで散々負けたり、含み損がどうしようもなく膨れあがってから今後どうすべきを考えるのではなく、トレードを始める前から色んなパターンを事前にシミュレートしておき、少し含み損が出た時点でそのシミュレートに従い潔く損切りを検討するみたいな感じだな。」

鼎「前回のテーマに則していえば、ピンチになってからダメージ・コントロールするなんて悠長な事を考えるのではなく、ピンチに陥るよりずっと早い段階でリスク・マネジメントをしないと駄目という事かな?」

愛原「無力なモブがダメージ・コントロールを企んだところで、軽減できるダメージなんかわずかだからな。盾で受けとめた所で、盾ごと粉砕されてしまうようなもの。スケールを大きくすれば、一国の政治家でも軍人でもないのに、大国の侵略に対して有効な迎撃戦略を思いついても、誰にもそのアイデアを採用されないようなもの。スケールを小さくすれば、それなりの相場観も、もしくは相場を操作できる程の財力も権力もないくせに、かたくなに相場が好転する事を信じてお祈りトレードを続けているようなもの。」

鼎「どのスケールでも、完全にお祈りするしかないような状態だよね。自分の力では、敵の攻撃を防ぐことも、大国の侵攻を止める事も、相場を好転させることも全然できない。だから状況の好転をただ祈るしかない状態という点では全部同じというか。」

逆沢「本当に巻き込まれるだけというか、運命に翻弄されるだけの哀れな身分ね。祈るしかないって。」

愛原「ダメージをコントロールしたくても、モブの立場でできる範囲は限られているからな。だからモブの場合はダメージをコントロールするのではなく、そもそもリスク自体をしっかりマネジメントしていかなくてはならない。ピンチになった時点で、後は実質、祈るしかないのがモブだから。」

逆沢「要するに、もっと早い段階から、石橋を叩いて渡れという事か?」

愛原「少しだけ違う。そう単純な話でもない。たとえばモブの多くは、元々現状維持を好む。その結果、状況が悪化してても、それを放置して、さらに状況を致命的に悪化させやすいくらいだ。本人は石橋を叩いているつもりかも知れないが、実は対策を採った場合に生じるリスクを怖れて、結局何もしないみたいな感じになる訳だな。そして案の定というか、何もしないという選択肢を採った結果、より状況が悪化して、いずれ手遅れになるみたいな。」

鼎「なんか手術に失敗するリスクを怖れて手術を拒否したら、案の定、病気がさらに悪化したみたいな展開だよね。」

愛原「前回のテーマのキーワードはダメージ・コントロールだったが、今回のテーマのキーワードとして俺は【プロスペクト理論】というものを提唱させてもらおうと思う。」

逆沢「プロスペクト理論、って、なんだそりゃ?」

鼎「私、知ってるよ。というかトレーダーと言われる人なら、知らない方がおかしいレベルの基本用語だよね。」

愛原「詳しい内容が知りたければ検索かけてもらうのが一番早いのだが、とりあえず要点だけを絞ればこんな感じ。【無条件で70万円もらうか、70%の確率で100万円もらえるが、30%の確率で何ももらえないかを選ぶなら、多くの人は無条件で70万円をもらう方を選ぶ。】【無条件で70万円払わされるか、70%の確率で100万円払わされるが、30%の確率で一切払わずに済むかを選ぶなら、多くの人は70%の確率で100万円払わされるが、30%の確率で一切払わずに済む方を選ぶ。】

逆沢「確率学的にみて期待値を出すと、どちらも全く同じ内容なのに、判断が分かれているのが面白いわね。得する局面なら、確実に得する方を選ぶ。しかし逆に損する局面なら、より損が拡大する可能性があっても、損を回避できる可能性の方に賭けたがるって事か? 人の心理的に。」

鼎「期待値が同じなら、金額や確率を変えても全く同じ傾向らしいよ。たとえば【無条件で500万円もらえるか、丁半バクチで丁が出れば1000万円ゲットだけど半なら何ももらえない】というパターンで実験しても、やはり多くの人は、丁半バクチはせずに確実に500万円をもらえる方を選ぶらしいし。でもこれが支払う側の選択になれば、今度は丁半バクチに挑んでも支払いを回避できる可能性に賭けたがるらしいというか。」

愛原「トレーダーの世界の人間なら、プロスペクト理論は、大抵、当たり前のように知っている。知らないと大損こくからだ。いわゆるコツコツドカンに陥ってしまうからな。」

逆沢「コツコツドカンって、なんやねん?」

愛原「トレードをやって、ほんの少しでも含み益が出ると、相場が反転してせっかくの含み益を失うのを怖れるあまりに、さらに含み益を出せる可能性を放棄して、とりあえずすぐに利益を確定してしまう。その結果、コツって感じで、小さな利益だけが積み上がる。これを繰り返せば確かにコツコツって感じで、勝率だけは高くなるのだが、勝率の高さの割に額面としての利益はほとんど上がらない。そして逆に含み損が出ると、今度は相場が反転して含み損が解消される可能性に賭けてしまい、容易に損切りができない。その結果、損がどんどん拡大してしまい、どうしようもない状態に陥ってしまう。そしてやがてドカンと大損を食らう。」

鼎「だからトレーダーの世界では、典型的な利小損大の負けパターンとして、認識されてたりするよ。」

逆沢「なる程。プロスペクト理論に従うと、少しでも含み益が出ると、相場が反転して利益がゼロ(もしくはマイナス)になる危険を怖れて、我慢ができずにすぐに利益は確定してしまう。だから利益は出ても利益幅はわずかしかない。一方、含み損が出ると、損を確定させるのではなく、損だけは回避したいという心理が働いて、(運が良ければ相場が反転してくれて損がチャラになるけど)いずれ運が悪いタイミングで、致命的な損失を被るという訳ね。」

愛原「だから多少なりとも才能のあるトレーダーなら、小まめな損切りは絶対に怠らない。致命的な損失を出してからでは、再起不能になりかねないからな。」

逆沢「けどそれは、損失が広がったタイミングで諦めてしまうからじゃね? 損失がどれだけ広がっても、絶対に損切せずに、何年でも何十年でも相場の好転を待ち続けるのも、私は一つの戦術だと思うけど。」

愛原「それはネット上のトレーダー用語で言うところのアホールドというものだな。アホみたいにホールドし続けるからアホールド。」

鼎「けどアホールドは、常に成功するものではないよ。株の世界なら、会社が倒産するなり、上場廃止されたら、その時点でホールドしたくても無理矢理処分されて強制決済だし。FXの世界でも、(レバレッジ次第では)ロスカット食らって強制退場だし。」

愛原「あとアホールドは、機会損失の問題もあるからな。たとえばバブル景気の頃、日経平均株価が4万円近くもあったが、その時点で日本株をしこたま買い込んでアホールドし続けたら、どういう事になるか? あれから30年近く経つが、まだ当時の半値近いし、損切りを確定したくないなら、まだ何年(場合によっては何十年)も塩漬けする羽目になるぞ。そして塩漬けにしてるって事は、その資金を他の投資・投機に回せないという事。つまり何かのきっかけで確実に上がる株なり通貨を見抜いても、それを回す資金が不足する。さっさと損切していれば、浮いた自己資金をそちらに再投資して挽回できたのにな。」

逆沢「損切する事で浮いた種銭を、別の投資なり投機なりに回して、そちらで利益を出す事で損失を取り戻すというのは、確かに一つのアイデアだけど、それで勝てる保証はないんじゃないの? 下手すると再投資した先でも損失が出て、さらに損失が膨らむケースもあると思うけど。」

愛原「そんな発想をするのなら、始めからトレーダー稼業自体に首を突っ込まない方がいい。利益を出したいからこそトレーダーやってるはずで、だったら普通は、負けは負けで認めてさっさと種銭も回収して、その種銭を勝算の高い別の投資なり投機につぎ込むのが、本来のあり方だからな。極論をいえば、既に年利1%の利益が出てても、別に年利2%の利益が出そうな投資先が別にあるなら、現在年利1%の利益を産んでる投資先との関係を一部解消してでも、その資金を2%の利益が出そうな投資先に再投資するのが、トレーダーの発想なくらいだ(どの程度解消すべきかは、リスクの程度。余剰資金の量。分散投資に対する考え方などにより変わる)。再投資した結果、さらに損失が拡大するのが怖いから、現在大赤字の塩漬け案件をそのままにするという発想をするなら、既に思想的にトレーダー向きじゃないと言わざるを得ない。まぁこれに懲りて当分本格的にトレーダー稼業に首を突っ込まないという覚悟があるなら、塩漬けできる限りは、何十年でも気が済むまで好きに塩漬けしてればいいとも思うが。」

鼎「ただ残念な事に、そういう莫大な含み損を抱えた状態で塩漬けなままのトレーダーは、結構いたりするんだよ。」

愛原「昔、ファイナンス・スタジアムというサイトがあった頃なら、絶望的なレベルの含み損を抱えて身動き取れなくなったトレーダーの屍が多数確認できたんだけどな。」

逆沢「プロスペクト理論を学んでなお、そんなに屍が出るものなのか?」

愛原「理論上は知ってるつもりでも、実践できるかは別問題だからな。たとえばFXなら8割以上は、最終的に損失抱えて退場させられる羽目になる。特に種銭が50万円未満なら、9割近くが負け組だろうな。」

逆沢「種銭が少ないほど、勝率が下がるのか?」

愛原「そりゃあ当然。少ない種銭で手間(時給)に見合う期待値の収益を上げようとすると、どうしても高レバレッジになるからな。真面目にFXで生き残りたいなら、最低でも1000万円の種銭は欲しい。専業トレーダー(≒無職?)なら3000万円以上。FXで年利10%以上の利益をほぼ毎年出せれば上位3%以下の達人レベルだとも思うが、そんな達人でも自己資金3000万円でも年収300万円がせいぜいと思えば計算上、どうしてもそんな感じになる。怪しい宣伝サイトでは【10万円からはじめて億稼ぎました】みたいな宣伝も見かけるが、そんなレバレッジで挑み続けたら、9連勝しても10戦目で1敗しただけで破綻しかねない。理屈ではなく、算数・数学の問題だ。」

逆沢「株やFXの世界だと、上がるか下がるかの丁半バクチ状態の上、含み損状態の時は損切りを先延ばしにもできるから、含み益が出るまでアホールドし続けたら絶対無敗と思えたのに、それでも退場者が相次ぐのは、そういうカラクリがあったって事か?」

愛原「バブル景気の時に日本株をアホールドした当時の投資家達なら、あれから30年近く経った今でも、日経平均株価が3万円以上だった頃の日本株を未だに大切に持ってると思うぞ。そんな思考で。」

鼎「トレーダーと言われてる人なら、理屈上はプロスペクト理論を知っていても、結局、その罠にはまってしまうあたり、損失の確定だけは避けたい人間の業みたいなものを感じさせるよね。」

愛原「さて、長々と本題と関係ないような話をしたように感じられるかも知れないが、このプロスペクト理論。別にトレーダーでなくとも、非常に重要な概念だったりする。特に今回のテーマを語る上では、な。」

逆沢「トレーダーなら、リスク・マネジメントする上で、絶対必要な概念だと理解できたけど、一般人にどういう関係があるんだ?」

愛原「たとえば昭和初期の日本を想像してみよう。当時の日本が、なぜアメリカとの戦争に打って出たのか? あるいはインパール作戦などの無謀な作戦にも突き進んでいったのか? これはプロスペクト理論で、実は全て説明できてしまう。」

鼎「【このままでは日本は駄目になる】って危機的な状況で、それを解決できる可能性がある方法が提示されれば、人の心理として、ついそれにしがみついてしまうという事だよね。」

逆沢「つまり【このまま手をこまねいていると100%の確率で日本は負けてしまう】という選択肢の他に【この作戦で連合国陣営に痛撃を与えられれば、この危機を一気に巻き返す事ができる】という選択肢があるなら、確率がどれだけ低くとも、危機を脱する可能性がある方に賭けたがるというプロスペクト理論上の心理が働いてしまったって事か?」

鼎「この心理は、追い詰められた人には特に強く作用するよね。だから重病で苦しむ大切な家族がいれば、怪しい祈祷師に頼むことも厭わないだろうし。資金繰りが苦しい会社を経営してれば、トイチのヤミ金融から金を借りる事も厭わないだろうし。可愛い子供をいい大学やいい会社に就職させたいと焦燥感に駆られながら思ったならば、適当な政治家なりにすぐに献金して口利きを頼んでもおかしくないし。」

逆沢「それにチャレンジする事で、危機を脱せる可能性があるなら、人は軽い気持ちでそれに挑んでしまう。特に危機の規模が大きければ大きいほど、分が悪い賭けだと思っても、それでもあえて挑戦してしまうってか。」

愛原「挑戦して、案の定というか、より状況が悪化しても、それでも人は方針を容易に撤回できない。より状況が悪化するほど、プロスペクト理論による拘束はより強まるからだ。50万円の損失で済む頃ならそれを素直に受け入れる事ができても、500万円の損失を受け入れるのはより容易ではない。5000万円なら尚更だ。人によっては、犯罪に手を出しても、5000万円の借金をチャラにしようと企んでもおかしくない。」

鼎「実際に、FXで多額の損失を出した人が、会社のカネを着服したり、人を殺したりするニュースも割と多いよね。」

愛原「軍事分野でも同じ事。負けが込めば込むほど、その負けを挽回したいという心理が強まって、より残酷で無謀な作戦を提案するようになっていく。」

逆沢「それがインパール作戦だの、特攻隊だのといった、悲惨極まりない作戦につながっていく訳ね。損害が大きくなればなる程、それを挽回するためにより確率の厳しいバクチにも挑まざるを得なくなるプロスペクト理論のルールに従って。」

鼎「後世に生きる私達からすると、そんな無謀な作戦に挑むくらいなら、無謀な抗戦を諦めて、ソフト・ランディングの方向で検討してくれたら良かったのにと思うけど。」

愛原「トレード用語ていえば、損切りの難しさだな。ギャンブル中毒者も、損が膨れあがるほどに、損を取り戻したいとか、諦めたらやられ損のままだけど、諦めない限りはいつか挽回できるみたいな心理になって止められない側面があるらしいが、人間は、とにかく自分の意思で損を確定させるのが苦手だ。たとえば我々が先の大戦末期の要人として転生して、インパール作戦なり、特攻隊計画なり、沖縄戦計画なりで助言できる立場だったとしても、実際にこれを止めるのはかなりしんどいと思うぞ。(現代兵器やその図面等を転生時に持ち込めれば話は別だが)」

逆沢「悲惨な未来を知ってる私達なら、何とか全力で説得して、後世に悪名を残すレベルの愚行くらいは阻止したいんだけどねー。」

愛原「多分無理。なぜなら彼らを翻意させる代案がないから。たとえばインパール作戦なり、特攻隊計画なりを中止したからと言って、それでアメリカ軍に勝てるか?と問われたら、まず不可能だろう。」

逆沢「というか、ミッドウェー海戦で大敗北した時点で、日本の敗戦はどうやっても不可避だろ? 後はどれだけ損失・損害を抑えられるかだけの問題で。」

鼎「後世の歴史に生きる私達からすると、インパール作戦に代わる代案とか、そういうレベルの話じゃなくて、無駄な損害の拡大を抑えるためにも、純粋に愚かな作戦は止めてというだけの話なんだけど・・・。けど当時の作戦本部の人達の思考としては、プロスペクト理論に染まってしまってるから、より戦争を有利に運べる可能性のある代案がない限りは、それを覆す発想はそもそもないと言う事かなぁ?」

愛原「プロスペクト理論でいえば、仮にインパール作戦なり特攻隊計画を中止したからと言って、それはより確実な敗戦に向かうだけ。しかし万が一にでも、インパール作戦を大成功に導くなり、特攻隊でアメリカ軍が激しく恐怖してくれるなりして、何らかの大きな譲歩が引き出せそうなら、それは彼らにとって極めて魅力的な選択肢になり得るからな。」

逆沢「結果的には、どの作戦も上手くいかず、一切の譲歩の余地のない無条件降伏までさせられたわけだから、彼らの淡い期待は全部裏切られるんだけどねー。」

鼎「それでも当時の日本の人達は、1%でも状況が好転する可能性に賭けたんだよね。たとえ99%の確率で裏目に出るというか、より大きな被害を出すだけと分かっていても。プロスペクト理論に従って。」

愛原「より大きな被害を出す可能性については、多分ちゃんと理解してなかったと思うぞ。人間は、都合の悪い部分については過小評価したがる生き物だからな。たとえばトイチのヤミ金融からカネを借りたら、どういう羽目になるかを正しく計算できるような人間なら、はじめからそんなヤミ金には手を出さないだろう。祈祷師にお祈りしてもらったからといって、プラセボ効果以上の効能がない事が分かってる人が、それに何百万円もつぎ込むこともないだろう。それと同じ。」

逆沢「というか戦争の悲惨さを本気で理解してなかったからこそ、当時の日本人も軽い気持ちで戦争に突っ走ったんだろうしね。賭けのリスクを過小評価してしまったというか。」

愛原「宝くじを買うときに、1億円当たった場合を妄想する人は多くいても、それを何十年も続けたらどれだけのお金をドブに捨てる事になるのかを深刻に計算する人はほとんどいないからな。感覚として確率で理解しているつもりでも、実際には都合の悪い部分から目を背けて、都合のいい展開ばかり妄想するのが人間の性だ。」

逆沢「なる程。都合のいい展開しか考えないから、胡散臭い祈祷師に何百万円も貢いでお願いする事にも、なんら疑問を感じなくて済むという事か?」

愛原「8割が負けて撤退するといわれるFXにのめり込む人が相次ぐのも、自分はその中でも勝ち残る側のはずという根拠のない自信がそういう気持ちにさせているのだろう。宝くじやパチンコなどにしても同じ。彼らには確率論は通じない。自分は勝ち残れる側の人間と、心のどこかで信じてしまっているから。」

鼎「そこまでいくと、プロスペクト理論を越えて悲惨な状況だよね。プロスペクト理論では、賭けに挑んでも挑まなくても、期待値自体はどっちも同じで有利不利はないんだけど。怪しい祈祷師にお願いしたり、無謀な軍事作戦に打って出たり、無茶なトレードに挑んだりするのは、期待値レート自体もすごく不利なのに、それでも上手くいく可能性をちらつかせられただけで、挑戦する気持ちにさせられてしまってる訳だから。」

逆沢「FXの損失を取り戻すだけのために、会社のカネを横領したり、人を殺す人間も、心理的に追い詰められてしまって感覚が麻痺したせいかも知れないわね。インパール作戦や大和特攻に賛同した人達も、もしかしたら人の死にすら鈍感になれるレベルで、精神的に麻痺した状態だったのかも。」

愛原「並の人間がFXで含み損を抱えたりすると、それだけでかなりのストレスになったりする。眠れなくなったり、仕事に集中できなくなったり、胃に穴が空くような状況になったり。そんな人間だからこそ、助かる方法があれば、理屈うんぬんをすっ飛ばして、それに挑まざるを得ないという事かも知れない。」

鼎「潔く、損切りできる人なら、そんな事にいつまでも悩まなくても済むのに・・・。」

愛原「潔く損切できるような発想の人が当時の日本軍に多くいたら、無謀な作戦が行われる事もなかったと思う。敗戦は不可避と早い段階で受けとめ、無条件降伏も含めた手段で、何とか速やかに降伏する道も模索した事だろう。が、しかしそれは自分から潔く負けを認める事でもあり、戦争責任者は当然大きな罪を背負う事になる。そして当時の責任者には、その責任を背負う器量が、彼らには無かったのだろう。【全ての責任は私達にある】程度には思っても、実際に責任を取る気はさらさらないというか。損切りを決断するには、かぶらなければならない損害が大きすぎたという事かも知れない。」

逆沢「今、損切したら50万円の借金という状況なら速やかにそれを受け入れられても、今、損切したら、借金100億円。払えなければ腎臓・目玉等のドナー摘出&シベリアで死ぬまで強制労働&ゲイ相手に性奉仕とか言われたら、絶対に損切せず、どんなに分が悪くても挽回の可能性に挑むようなものか。そう考えたら、当時の大日本帝国の要人らにとって、挽回の可能性が残されている限りは、どんな無謀な作戦でも挑む方がマシって思考になっちゃうのかもね。」

鼎「損切できないレベルまで追い詰められるって、すごく悲惨って事かな? だからトレードの世界でも、絶対に損切りだけはせずに何十年でも塩漬けしたがるトレーダーが出てもおかしくないというか・・・。」

愛原「特に我々モブの場合は、そんなレベルまで追い詰められたら、まず自力で大逆転なんて不可能だからな。大人しく敗北を認めて一旦引き下がるか、敗北を確定させるのが嫌なら、状況の好転を願って祈るしか無くなる。代案とか、そういうのを考えて延命していると、ますます被害が広がる。そうなるくらいなら、さっさと失敗は認めて、急いで方針転換した方がずっと傷が浅く済むのだがな・・・。」

鼎「よく政治がらみの発言をする人で、代案・代案という人がいるけど、その発想自体が地獄行きという事かな?」

愛原「インパール作戦に代わる代案といっても、モブの人間にそんなアイデアはない。とりあえず止めるしかない。それと同じ。下手なトレーダーが、代案として別のトレードに挑んでも、さらに被害を拡大させるだけ。それと同じ。勝てないパチンコ中毒者が、代案として勝てるパチンコ台を探し歩いても、あちこちの台でさらに金を失うだけ。それと同じ。ロクでもない政権が自国を傾かせているのなら、代案どうこうではなく、まずその政権を引きずり下ろさないといけない。代案・代案なんて言ってると、良い代案が見つかるまで、永久にロクでもない政権が居座ることになってしまう。そして代案とやらがマトモな保証もない。同様に、クソみたいな軍事作戦が行われようとしてるなら、やはりまず阻止するしかない。代案どうこう言ってると、結局代案もなく、そのクソみたいな作戦が強行されるか、もしくはもっとクソな作戦が代案として実行されるだけになりかねないからな。」

逆沢「勝算の薄い代案に挑戦するくらいなら、大人しく損切れって事か?」

愛原「無力なモブなら、それしかない。なぜなら彼らには、世の中を変える力が無いからだ。彼らに、国家の軍事作戦を変更させる力は無い。強力なモンスターを倒す力も無い。ヤバいと思っても、それを実力で覆す力は無い。覆す力が無いなら、これ以上、無闇に被害を拡大させない方法を選ぶしかない。相場の世界で早めの損切りが推奨されるのも、99.9%以上のトレーダーに相場を操る能力なんてないから。どんな一流のトレーダーであっても、彼らにあるのは相場をできるだけ正しく予測する能力であって、相場を操る能力ではない。だから予測を裏切る形で相場が逆行したなら、潔く損切するしかない。一流のトレーダーなら、元々の相場を予測する能力の高さを活かして、挽回も十分に可能だし。逆を言えば、予測に反した結果になってるにも関わらず、損切りもせずにお祈りする奴は、運命を天に任すだけのダメトレーダーの典型だ。」

鼎「けどそんな一流のトレーダーになれる人はごく少数で、大半の人はダメトレーダー側なんだよね。」

愛原「自分がモブであるなら、一流になるのは諦めた方がいい。どんな分野でも、一流になるには特殊な才能が必要だからだ。トレーダーなら相場の流れを予測する才能。軍人なら軍をまとめたり、優れた作戦を考案したり、敵の動きを予測できる人、みたいな感じで。しかし二流ならモブでも狙える。二流は、才は一流に劣るとも、誤ったバイアスに流されることなく行動できる者だ。三流は、誤ったバイアスにも囚われる者だな。」

鼎「つまり二流も三流も、才が無い故に大した成果も出せなかったり、間違える事があるのも仕方ないけど、その前後でどうするかで差が付くという事かな?」

逆沢「無謀な賭けに打って出たり、あるいは状況の好転を無根拠に信じて何もしなかったり、そういう傷口を広げる対応を取った結果、さらに状況を泥沼にするのが三流。二流なら、ある程度の損害を自ら認めても、最悪の事態だけは避けるみたいな感じかな?」

鼎「一流の人みたいに活躍はしないけど、三流の人みたいに自滅もしないみたいな感じかな? 地味だけどとりあえず生き残る、的な。同じモブでも、やられ役の人もいれば、住民Aとしてでも、最後までちゃんと生き残っている人も多いよね。」

愛原「ただ、生き残れる確率自体は、状況と天運にもよるがな。FXみたいなものをやり出したら、大きな損害を避けて、10年も生き残ればそれだけで立派なものだし。そういうヤバいものに手を出さず、不幸なイベントにも巻き込まれず、それなりの環境に恵まれたならば、生き残る事自体は、大した難易度でも無くなるだろう。」

鼎「不幸なイベントに巻き込まれた時にはじめて、その人の才覚や力量が試されるのかも知れないね。普通以上にみえても三流以下か。凡庸以下にみえても実は二流以上か。」

愛原「プロスペクト理論や正常化バイアスに、学の有無などは全く関係ないからな。一流の政治家、一流の軍人、一流の商人といわれる人でも、困難な状況に直面した途端にメッキが剥がれて、信じられないようなアホな真似を繰り返す例も珍しくない。平時における才覚と、非常時における才覚は全然別物だから。」

鼎「大日本帝国が、あのような悲惨な結末を迎えたのは、困難な状況において、ただ空気と欲望に流されるだけの三流の人達が多くを占めてしまったのが原因ともいえそうだよね。平時には一流であったかも知れないけど、非常時には全く適応できないタイプの。」

愛原「ちなみにプロスペクト理論には、平時の傾向から量る機能もあるんだけどな。」

鼎「あ、そっか。今までは含み損を抱えた時のような嫌な場面での傾向を中心に触れてたけど、逆に含み益を抱えた時の傾向についても、実は触れられていたよね。」

逆沢「えーと、確か。含み損を抱えてると、人はその損を帳消しにする為のバクチにも前向きになりやすいけど、含み益の場合は、逆にバクチはせずに、小額でもできるだけ堅実に利益を拾おうとする傾向があるって奴ね。」

鼎「つまり平時において堅実そうに見える人は、別に堅実なんじゃなくて、プロスペクト理論に流されているだけの臆病者という事かな? 相場が反転して儲けを失うくらいなら、わずかの利益でも良しとする。現状に大きな不満がないなら、【改革でリスクを背負うくらいなら、今まで通りで構わないから、余計な真似はするな】と考える。みたいな感じで。」

愛原「こういう人間は、世の中に不穏な空気が流れていても、自分の身に火の粉が降りかからない限りは、積極的に対策を打とうとしない。特にその対策を打った際の副作用なりリスクが大きい程、それに後ろ向きになって、現状維持を優先しやすい。」

逆沢「将来に不安があっても、現状に大きな不満が無ければ、なるべく変えない方を選ぶ。変える事で逆に状況が悪化する可能性があるなら、下手に変えない方が無難と考えるって感じか?」

鼎「典型的な、ゆでガエルの発想だよね。」

愛原「真っ当なトレーダーなら、絶対にしない発想でもあるけどな。なぜならどんな一流のトレーダーにも負けはつきもの。そして負けはどうしてもドカンと大きくなりやすいから、勝てるときにしっかり大きく勝っておかないと、負けた時に一気にトータルマイナスに陥りかねないからだ。大きく勝てるチャンス自体も、実はそう多くないから、そういう時に小さく勝つ事しかできないと、負けた時にコツコツ積み重ねた成果を、一気にチャラにされかねないからな。」

鼎「勝負師の発想だよね。勝てそうなときに、積極的に賭けに挑むのは。」

逆沢「でも三流の人間は、勝てそうなときに石橋を叩き過ぎてリスクを取らず、追い詰められたときに初めて勝算のないバクチに挑んじゃうと。賭けに挑むタイミングが正反対って事ね。」

愛原「一流のトレーダーは、【休むも相場】という格言を守ってるから、勝算が怪しかったり、展開が読めない時は、絶対にエントリーしない。展開がある程度予測できて勝てそうな時だけ、勇気をもってエントリーする。しかしプロスペクト理論のままに流される人は、普段は堅実に生きる事をモットーにしながら、追い詰められると、勝算関係なく一か八かに賭けようとする。勝算が高いかどうかで勝負するか否かを決めるのではなく、勝たないとまずくなった時に勝算に関係なく勝負を挑むタイプ。絶対に軍人になったらいけないタイプだ。」

逆沢「勝てそうな時に攻め込む勇気もないのに、ヤバくなった時になって初めて、劣勢を挽回するために勝算関係なく決戦を挑むような人間は、絶対に軍事に携わったらいけないと思うわ。」

愛原「別にそんな侵略者的な思考をする必要は無いが・・・。ただピンチになってから慌てて守りを固めるのではなく、余裕のある時に守りを固めるという発想は、すごく大事だ。平時には、屋根から落ちたら困るからという理由で屋根の修理をずっと避けながら、台風が近づいてから慌てて屋根を直し始めるというのは、さすがに愚かだからな。」

鼎「冒険は、追い詰められたときにやむなくするものではなく、余裕のあるときに行なうものって事だよね。」

愛原「投資や投機も、余裕資金の範囲で行なうものであって、決して追い詰められた人間が起死回生を狙って挑むものでは無いからな。というか、そんな心理状況でやったら、勝てるものも勝てなくなる。」

鼎「そう考えると、戦前の日本もひどかったけど、今の日本も大して変わってないよね。まだ日本経済に余裕があった時に、少子化対策とか、財政再建とか、東京一極集中対策とか、何もやってこなかったから、今になって追い詰められたような状況になってから、そのツケを無理矢理払わされようとしてる傾向もあるし。」

逆沢「余裕のあるときに、もっと色んな政権を時間をかけて試していればと、思わなくも無いわね。」

愛原「政治改革もそうだが、少子化対策にしろ、研究投資にしろ、財政健全化にしろ、そういうものは短期で成果が出るものでは無いからな。追い詰められたからではなく、余裕のある段階で、じっくり腰を据えて投資していく種類のものだ。もちろん研究投資や政治改革を始めとして、こういうのは全てバクチ的性格があり、投資したから必ず成果が出るものではないが、だからといって投資を怠ると必ずそのツケは払わされる。」

逆沢「それでも今がピンチで無ければ、すぐに結果が見えないバクチ的投資を避けたがるのが、人間の心理って事か? 今さえ良ければそれでいい。すぐに結果がでる訳ではないし、まして良い結果が出るとも限らない研究投資や、少子化対策、財政再建、政治改革みたいなものの為に、限られた資源を消費したり、ましてリスクを背負う気にもならないと。」

鼎「取り組んだからといって良い結果が出るとは限らないけど、だからといって取り組まなければ確実に悪い結果が出るものに対してまで放置するのは、私はどうかなと思うけど・・・。」

愛原「だな。まぁリスクを背負っても投資すべきだったものに投資しなかった過去自体は変えられないし、そんな事を愚痴ってもしょうが無いが、アベノミクスという名のインパール作戦だけは、すぐにでも中止して欲しいのだが。代案とか、そんなレベルで語るのではなく、取り返しが付かなくなる前に勇気ある撤退というか。本来なら2年で成果を出して即撤退の公約だったのに、何年経っても成果が出ずに、結果的に戦力の逐次投入を繰り返して、出口戦略が描けないレベルになっている。少なくともこれ以上、現状のままダラダラいくと、引き上げた際の日本株の大暴落が避けられなくなって、二度と引き上げられなくなるぞ。もちろん今、引き上げても、それなりの規模の暴落は避けられないが、損切りは少しでも早いほうがいい。今なら安倍や黒田の首を差し出せば、数年もすれば傷も癒えるはず。大日本帝国の政治家や軍人達は、自分達の首を国民に差し出す覚悟も無かったから、最後まで失政を認めるという損切りも出来ず、あそこまで悲惨な末路になったが、当時の二の舞は絶対に避けてもらいたい。」

逆沢「それも、お祈りなんだけどねー。私達には、安倍総理に失政を認めさせて方針転換させるだけの力もないから。」

愛原「力なきモブはつらいなぁ〜。」

鼎「力なき庶民でも、みんなで力を合わせると何とかなるというのが、大衆漫画のお約束だと思ったけど。」

愛原「何度でも言うが、モブに単独で世の中を変える力は無い。自己責任という言葉もあるが、自分一人でできる事は限られるし、ましてモブなら尚更だ。だからみんなで力を合わせて対抗するというのは、当然というか、弱き者にとって唯一の対抗戦略となる。だからまともな民主国家では、力無きモブの対抗手段として、デモとか労働争議権みたいなものがある。表現の自由や言論の自由などもある。勇気ある人達の呼びかけに応じて、みんなが呼応しする事で、モブなりに対抗していく図式だな。但し、残念ながらモブはモブであるが故に、どうしてもプロスペクト理論に流されやすい。愚民政策のパンとサーカスじゃないが、将来の危機が分かりきっていても、現状で大きな危険がない(と感じた)なら、賢明な人がいかに笛を吹いても、なかなか踊ろうとしない。社長が明らかにヤバイ会社に社運を賭けた投資をしようとしても、社長を怒らせるリスクを取って諫めるよりは、見て見ぬふりをしてしまいやすい。場合によっては、社長に諫言する勇気と知性ある人を攻撃して、社長の歓心を買おうと図る奴すら出るだろう。」

逆沢「ああ、見て見ぬふりとか、忖度という奴ね。権力に逆らうというリスクを取るくらいなら、面従して日々の生活を危機にさらさない道を選ぶと。そう考えると、日本人の行動は、まさしくプロスペクト理論通りと言えるかもね。給料とか、豊かではなくとも一応は保証された生活という名の利益を失うリスクを取るくらいなら、不正を見逃しても確実に現状の小さな利益を保全できる道を選ぶ、と。」

鼎「で、国や企業の経営者がヤバい道に進もうとしても放置して、案の定、ひどい結果になったら、その時、初めて慌てる感じかな? まぁお祈りするだけとか、誰かのせいにするとか、現実逃避する人もいるだろうけど。」

逆沢「現実逃避♪」

愛原「まぁ明らかにヤバい賭けに打って出るのも、お祈り状態になるのも、要するに現実逃避だからな。都合の悪い部分から目を背けてしまうから、分の悪い賭けにも挑戦できてしまう。いずれ勝手に情勢が好転するだろうと、都合のいい妄想ばかり考えてしまうから、無為に時を過ごして、ますます追い詰められてしまう。彼らの多くは、自分の事を現実主義者だの堅実主義だの思い込んでいるが、まだ余裕のある時にリスクを取らず備えもしないのは堅実ではなくただの臆病・怠惰・狭義の保身だし、追い詰められたときに都合のいい妄想に逃げるのも、本来の現実主義とは真逆の所業だ。」

鼎「そう考えると、世の中の状態が悪くなってるときに、都合のいい情報ばかり広めようとする世論が広がったら、極めて危険って事だよね。プロスペクト理論的に、どうしても人はそこに飛びつきたがるから。」

愛原「現在の日本も、世界的な地位が大きく下落している最中にもかかわらず、逆に日本スゴイ!的な報道が数年前から急に勢いを増して非常に危ないと感じる。戦前から戦中の日本も、実は日本スゴイ!が大ブームで、そこで膨れあがったあり得ないレベルの過大評価が、アメリカにも負けない的な好戦的な世論にも発展した訳だが。」

鼎「戦前の日本人もあり得ないレベルで自国を過大評価してたけど、戦中の日本人も、敗戦が濃厚になる程、逆に嘘まみれの大本営発表を信じて、偽りの戦勝提灯行列とかも催したりして、深刻な空気だったらしいよね。無理矢理、盛り上げている感が満載というか。」

逆沢「まぁ、力無きモブの人達は、自力でピンチを突破する力が無いから、都合のいい妄想に逃げてでも、精神を安定させるしかないのかも知れないけどね。」

鼎「漫画の世界でも、妄想に逃げて、不幸な現実を直視しようとしないキャラとか、たまにいるけど、それは漫画的展開ではなく、リアルでも普通に起こりえるって事かな? 追い込まれるほど、世の中をご都合的、もしくは自分たちの力を過大評価して何とかなると信じたがったり。不都合な真実から目を背けたがったり。」

愛原「損切できない人達の心理そのものだな。損切してしまうと損が確定してしまうが、それは損をしたという現実を認めてしまうという事。含み損である内はどこまで含み損が膨らんでも仮の数字であり、希望が残るからな。不幸な現実を認めてしまう事が苦手な人にとって、不幸の現実から目を背けて現実逃避したり、わずかな可能性にすがるというのは、絶望しなくて済む魅力的な選択肢なのだろう。」

鼎「こうして考えると、投資や投機などにも全く興味を持たずに堅実に生きてそうな人程、実はプロスペクト理論に囚われた三流の人達の可能性もありそうだよね。」

愛原「まとまった余剰資金もないのに、投資や投機に打って出るようなのも、間違いなく三流だけどな。地道に真面目に働いた方が、どう考えても稼ぎの期待値が高くなるのに、虎の子の持ち金を危険な賭けに投じる時点で、算数ができないと言わざるを得ない。しかし将来の不安が間違いなくあるのを知りながら、今の所は何とかなっているからと言って、現状の変革を拒むようなのも、同様に三流だ。リスクは、追い詰められてから取るものではなく、まだ余裕のある時に取るべきものなのに。」

逆沢「ま、自己資金が1000万円ある時にそれを増やそうとせず、自己資金が10万しかない時になってから慌てて増やそうとするのは、どう考えても不効率なのは分かるわ。追い詰められてからで無いと動けないのが、三流の証と言われたらそれまでだけど。」

鼎「病気が重篤化してからそれを治せる名医を探すのではなく、軽い病気の時に手を打つか、病気になりにくい習慣こそ優先させるべきだよね。」

愛原「漫画的には、大ピンチに陥ってから活躍してこそヒーローというか、事件が起きるまでに未然に防いでしまうと話が盛り上がらなくなってしまうが、99%の人間は、ヒーロー側ではなくモブ側だからな。大ピンチになってからの華麗な起死回生みたいな事を狙っても、大抵は手遅れになる。物語的には退屈でも、ピンチになる前の時点で、しっかりと手を打つ必要がある。モブにとっての【石橋を叩いて渡る】というのは、平時にリスクを怖れて石橋を渡らない事ではなく、平時に緊急性が薄いと思っても、勇気をもって石橋を叩きながら渡っていくこと。ピンチになってから初めて、ロクに確認もせずに都合のいい妄想をして祈りながら、目の前の橋を全力で駆け抜ける事ではない。」

鼎「三流の人達が、平時にリスクを取らない中、リスクを冒しても前に進める人間こそが、二流以上になれるという事かな? 本当の堅実というのは【平時の臆病・非常時の無謀】ではなく、平時にこそ冒険者でいられる者というか。そして非常時には、潔く損切できるくらいには、逆にあきらめ症でもちょうどいいというか。」

愛原「というか、冒険者はそれなりに失敗の場数もこなしてるから、失敗したからと言って、錯乱したり、現実逃避したりする事も無く、潔く失敗を認めてスパッと諦める。その代わり、立ち直りも早いぞ。含み損を抱えたまま何十年も寝かすくらいなら、さっさと損切して回収した種銭を元手に、次の勝負の準備にかかる。駐留し続けていても何の益のない戦場に何年も兵を留めておくのではなく、そんな戦場はさっさと放棄して、次の有事に備えて兵をしっかり休ませるか、もしくは必要な戦場にその兵を回してこそ、まともな戦略判断というものだ。」

逆沢「そこまでの判断ができれば、二流でもなく一流の域の気もするけどね。」

愛原「モブは一流になれないからこそモブだが、せめて二流を目指したい。そしてその鍵として、プロスペクト理論がある事を今回、あえてもう一度改めて紹介しておく。これはトレード用語として知られているが、人生の至る局面にも使えるものだ。世の中には、代案・代案という奴がいるが、トレードの世界で代案なんて概念は存在しない。あるのは、エントリーするか、しないかだけ。ドル円の買いにエントリーしないからといって、代案として他の通貨でエントリーしなければならないなんてルールはないし。勝算が薄ければ、どれだけ追い詰められても絶対に勝負を挑まない。逆に余裕があって勝算もあれば、その時こそ勇気をもって挑戦する。それでも予想が外れたなら、勇気をもって素早く撤退する。才能が無いと思ったら、さっさと足を洗う。余裕もないのに挑戦する奴はただのアホ。世の中には余裕が無くなってから挑戦する奴も多いが、それは台風が近づいてから屋根を修理するような輩と同じ。勇気を出すタイミングを間違いまくっている。」

鼎「お祈りも危険という話だよね。モブの人達は、どうしても力が無いから、上手くいかないとお祈りに頼っちゃうけど。」

愛原「現実逃避するのではなく、不都合な真実を受け入れてこそ、前に進める事は多い。というか現実逃避している内は、おそらく前にも進めない。相場にはトレンドという要素もあるが、世の中が一進一退のレンジ状態でなく、明らかに【この国の経済的地位って、下げトレンドそのものじゃん】みたいな逆トレンドの状況でお祈りを続けると、いずれどえらい目に遭う。最低でも下げトレンドを発生させている元凶を急ぎ損切して、可能ならすぐに次の手を打たないといけない。三流の人達がピンチと気付いて慌て始めてからではなく、三流の人達がまだ余裕かましている段階の内に。三流の人が余裕をかましていても、二流以上の人が【津波が来るぞ!このままだと危険だぞ!】と笛を吹いてるなら、そういう勇気を出して声を上げてる人と協力して、守りたい人、守りたいものを、少しでも多く守らねばならない。」

鼎「津波が目前に迫ってから慌てるような人達と一緒になって慌てても、もっと不幸になるだけだから、そういう時はたとえ上司に怒られるリスクを犯しても、少しでも自分にとって最善の手を取りたいよね。」

愛原「無力なモブに、ピンチになってから華麗に情勢を立て直せるスキルなんかない。しかしモブだからといって三流に甘んじる必要もない。プロスペクト理論でコツコツドカンしない、二流を目指したいものだな。」









過去のたわごと 
 2019年 10月27日 追い込まれた悪人キャラのダメージ・コントロール戦略 10月13日  いじめっ子キャラの特徴
9月29日 命令に背くNPC 9月15日 平等・公平を維持するためのコスト
9月1日 能力値とスキル 8月18日 地位を与えられた者(中間管理職)
8月4日 パニックホラーもののリーダー 7月21日 パニックホラーものの主人公
7月7日 許される人と許されない人 6月23日 愚民政策
6月9日 壊された人への対応 5月26日 新時代の脅威
5月12日 (攻撃の)大義名分 4月28日 前回の反省とキャスティングの話
4月14日 汚染された情報の拡散 3月31日 理想の選挙制度
3月17日 黙示 3月3日 あの世の世界
2月17日 うまくいかなかった革命後をどうするか? 2月3日 策略としての挑発
1月19日 腐敗した司法(正義の裁きの担い手)  1月5日 強きを挫き弱きを助くVS弱きを挫き強きを助く
 2018年 12月23日 悪の根源≒マウントしたいという欲望 12月9日 Steamのゲーム
11月25日 成り上がったダメ人間 11月11日 自分を強化する技VS敵を弱体化する技
10月28日 限界への挑戦 10月14日 「弱者=守られるべき善人」でない場合
9月30日 脅しによる支配 9月17日 信用できない情報だらけの社会の場合
9月2日 太鼓持ち 8月19日 連続攻撃
8月5日 信用スコアに支配された社会 7月22日 内通者
7月8日 人件費コスト管理ゲーム 6月24日 忠義者キャラ
6月10日 欠陥つき有能キャラの処遇 5月27日 邪悪な独裁者に支配された組織のメンバーの挙動
5月13日 邪悪な独裁者が健全な組織を乗っ取る方法 4月29日 論破
4月15日 正義の味方という名の制裁者 4月1日 平気で嘘をつける人たち 
3月18日 公正世界仮説 3月4日 被害者叩き 
2月18日 政治力 2月4日 統率力 
1月21日 優秀すぎるライバルが現れたとき  1月7日 素性を表す記号としての肩書き
2017年 12月24日 フリゲの雑談  12月10日 賤民階級
11月26日 個性づけとしてのパラメータ 11月12日 宿敵宣言
10月29日 大同団結 10月15日 品質について
10月1日 華麗な策略、汚い策略。その違い 9月17日 平等主義と反平等主義
9月3日 ファン型オタクとマニア型オタクの違い 8月20日 ツイッターの利点と問題点 
8月6日 大抜擢された人材 7月23日 誇りと傲慢
7月9日 傲慢とマウンティング 6月25日 権威を利用するナイトども
6月11日 悪事プレイ(のススメ) 5月28日 異界人(宇宙人)の干渉
5月14日 集団の思考ルーチン 4月30日 人間っぽさ=非効率的な思考ルーチン
4月16日 名声欲 4月2日 無言の圧力と忖度
3月20日 ロスト・ハイ・テクノロジー 3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神〜命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方〜捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤〜エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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