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愛原様のたわごと(20年4月12日)






愛原「前回に続き、今回もカネの話。今回は【札束を無限に刷り続けるとどうなるか?】というオチの見えてる話を、あえてテーマとして取り上げてみたい。」

逆沢「前回も、一行で終わる話を延々とやったけど、今回はオチの分かりきってる話をわざわざやるってか。暇ね~。」

愛原「札束を無限に刷っても大丈夫と言わんばかりの危険思想の持ち主が、ここ最近特に目立ち始めているみたいだからな。政治家やテレビのコメンテーターまでが、そういう流れの発言を恥ずかしげもなく、し出すようになると、さすがに笑えないという事で、あえて取り上げてみることにした。」

鼎「私が実感している範囲では、【無限に刷っても大丈夫】なんて極論はさすがに皆無で、【インフレしない限りは大丈夫】とか、【緊急事態だから、ある程度はやむを得ない】とか、【財政再建より景気回復が大事】みたいな主張しかないような気もするけど。」

愛原「もっともらしい理屈をつけても、結論としては【今よりもっとアクセルをより強く吹かせ】という主張でしかない訳だから、同じ事だ。今まで事故を起こしたことがないからという理由だけで、アクセルをどんどん吹かせていけば、いずれ事故るのは当たり前の話なのに。」

鼎「元々のスピードが遅めなら、もっとスピードを上げろという主張も理解可能だけど、既に誰よりもスピードを上げている状態でさらにスピードを上げるのは、さすがに危険だよね。」

愛原「その通り。借金が少ない人が借金を重ねるのと、既に借金まみれの人間がさらに借金するのとでは意味が違う。返済をちゃんとしている人間が返済計画も織り込んだ上で借金するのと、返済計画も立てられないレベルの人間がさらに返済のめどの立たない借金を重ねるのもな。」

逆沢「既に時速100キロで走行してる状態にも関わらず、それでも平気だから、次は120キロ。それでも大丈夫だったから次は140キロ。それでも事故らず済んだから、次は160キロみたいなのを永遠に続けてたら、そりゃあいずれ事故るのは避けられないわ。」

鼎「まぁそれでも、車の運転なら、危険を感じた段階で、再び減速する事も容易だけど・・・。たとえば時速160キロに挑戦して、さすがに恐怖を感じたならば、そこで減速に転じても構わない訳だから。」

愛原「刷りすぎた札束の回収に関しては、そうはいかないからな。ちょっとヤバい空気に変わったからといって、だから急いで回収って訳にはいかない。誰だって自分のお金を一方的に取り上げられたら、絶対に怒るだろうから。」

鼎「札束の回収というよりは、新貨幣への交換で対処する感じになるよね。いわゆる、デノミというか。」

逆沢「ま、今の日本に限って言えば、借金しまくって、日銀に札束も大量に刷らせている割りには、インフレ傾向も、円安傾向も出てないみたいだから、そういう心配はなさそうだけど。これからさらに追加で札束を刷り続けたら、どうなるかまではともかくとして。」

愛原「お前ら、【今のところは大丈夫】と思ってるなら、かなりヤバいぞ。」

逆沢「なんで? 今後の事は分からないけど、今のところは少なくとも貨幣の価値に関しては、大して悪影響も出てなさそうだし。」

愛原「お前なぁ。日本人の平均年収だけ、異常におかしい事にもしかして気づいてないのか?」

逆沢「ん? 平均年収って。何十年もずっと横ばいじゃん。大して給料が増えてないのは残念だけど、露骨に減ってるという程では無さそうだし。まぁ非正規の人を中心にして、若年層の年俸がかなり低そうなのとか、大学生の子どもに対する仕送り額も昔より減っているとか、そういう意味ではちょっとヤバいかなと思わなくも無いけど。」

愛原「そんな暢気なレベルじゃねえ!! 少なくとも外国人が出稼ぎ候補として日本を優先的に選択したくなるような相場では全く無くなってる程度には、日本人の所得水準はやばくなってるぞ。」

逆沢「え? 体感ではそこまで酷く落ち込んだ印象はないけど・・・。」

愛原「正確には、日本以外の多くの国の所得がどんどん伸びているのに、日本だけがずっと横ばい状態のまま。つまり他国に、追いつかれ、追い越されしまくられてる状態になっている。」

鼎「つまり日本以外の多くの国は、それなりに経済成長しているのに、日本だけが経済成長を止めている状態だよね。言われてみれば経済成長率も、他国はそれなりの水準を維持しているのに、日本だけほぼ0%に近いような状態だし。」

愛原「まぁ国民所得に関する統計は、年収、時給、最低賃金、労働生産性、職種別など、視点によってかなり順位が変わるので、特定の統計結果だけを見て一律に優劣を判断するのはナンセンスだが、少なくとも日本の賃金水準の伸び率だけが、異常に悪いのだけは一致している。」

逆沢「つまり日本で働くくらいなら、アメリカなりイギリスなりドイツなり、他の国で働いた方がずっと儲かると思えるような状態になっているって事か?」

鼎「そういえばsteamの統計で、利用者のパソコンの平均スペックを見てみたら、意外と高めでびっくりした事があるよ。世界全体の平均でいえば、私が思っていたより、ハイスペックのパソコンを使ってんだなと。」

愛原「というか日本語でゲームをプレイしている層が、全体の約1.30%しかいないからな。約70億人の世界人口の内、日本人が1.2億人存在する事。一応、G7の一角にある先進国であり、それなりにパソコンなどの普及率も高そうな経済大国というイメージからすると、あまりに少ない。世界の共通語である英語の37.5%、中国語の21.9%に大きく負けるのは当然としても、ドイツ語の3.7%、フランス語の2.95%、韓国語の1.7%らと比べても、大幅に見劣りするというか。」

逆沢「ドイツ語やフランス語の使用者自体の人口では、日本語の使用者数とほぼ互角らしいだから、そう考えると結構大差をつけられた感じがするわね。というか、韓国に1.3倍も差をつけられてるのも意外すぎるんだけど。」

愛原「たかがゲーム。されどゲーム。PCゲームで遊ぶには、まずそれなりのスペックのパソコンを持ってないとお話にならない。そしてゲームを遊ぶ時間。ゲームを買う予算も必要だ。つまりPCゲームで遊ぶだけの金銭的余裕・時間的余裕が、欧米・中韓・ロシアなどと比べて、日本人は著しく少ない。もちろん日本にはPCゲーム以外の娯楽の選択肢が充実しているからという分析もできなくはないけどな。」

逆沢「充実・・・してるのかねー? 他の先進国と比べて明らかに高シェアの娯楽産業といえそうなのは、パチンコや競艇などのギャンブルか、風俗産業くらいだと思うけど。テレビや映画や遊園地、飲食・スポーツなどの娯楽で、大して優位性があるとも思えないし。携帯ゲームは、PCゲームの廉価版みたいな扱いで、とても経済的な優位性を語れるシロモノではないし。強いて言えば漫画くらいか? 日本で優位性を感じさせるまともな娯楽は。けど少年漫画雑誌の売り上げも急低下の一方だしねー。」

鼎「本当に【されどゲーム】というか、steamの統計結果と、現在の日本の国力は案外比例しているような気もするよ。たとえばコロナの問題を受けて、学校閉鎖が他国でも行われたけど、中国とかはインターネットを利用した在宅でのオンライン授業が割と普通になってるようでもあるし。日本では、在宅でのオンライン授業など一部の私立を除いてまず実行不可能だよね。あきらかにITの普及率自体に差があるというか。」

逆沢「つまり日本がIT先進国かと言われたら、そんな事は全然無くて、実は中国・韓国と比べても大幅に後れを取っていると。コロナの感染者の検査数でも日本は異常に少ないと言われてたけど、もしかして日本の国力自体が、そこまで落ち込んでいるのが現状ってか。」

愛原「落ち込んでいるのではなく、横ばいを続けて成長を止めてしまった結果、成長を止めない他国勢に抜かれまくったという方が正しいだろうな。かつて同格だったライバルははるか先まで進んでしまい、かつて格下だったライバルにも追いつき追い越されしまくっている。にも関わらず、その現実を知らないのか、認められないのか、未だに安心しきって余裕かまして昼寝を続けているウサギのような日本人も多そうだけど。」

鼎「そういえばビッグマック指数でも、日本は意外と低い値だよね。」

逆沢「ビッグマック指数って?」

愛原「マクドナルドのビッグマックの値段を基準にした、各国の相場の指標。これでその国の経済水準を、かなり大ざっぱだが把握する事ができる。」

鼎「マクドナルドも、マクドナルドのビッグマックも、大抵の国に存在するけど、その値段の差を調べたら、結構差があったりするんだよ。原材料費自体は大差なくとも、人件費とか流通コストとか、そういうのは各国の経済水準に比例して割と差が付くから。」

愛原「厳密には、消費税率の差とか、原材料の入手難易度の差とか、各国のマクドナルド本部の経営戦略の差で、一定の誤差というか、考慮すべき部分はあるのだが、それでも少なくとも先進国間ではそれなりに参考にできる値になったりする。」

逆沢「えーと確か、日本ではビッグマック一個は390円だったっけか? 他国ではどんな具合なんだ?」

愛原「日本円換算で、アメリカでは約620円。ユーロ圏なら500円。イギリスやオーストラリアやニュージーランドで約480円。韓国やタイなら約420円。中国やベトナムで約330円。インド・メキシコ・エジプトあたりで約280円。」

逆沢「うへぇー。日本は韓国やタイよりも安いのかよ。ていうか中国やベトナムが、すぐ後ろに迫ってるじゃねえか。中国人やベトナム人にとって、日本は身近な稼げる出稼ぎ国ではなかったのかよ。このままじゃ、中国人やベトナム人が日本に出稼ぎに来なくなるのも時間の問題というか、逆に日本人が、韓国などに出稼ぎに行ってもおかしくない状態じゃねえか。」

鼎「タイに旅行して、日本人の舌に合うような料理を頼むと、実は結構なお金を取られたりするよ。少なくとも日本国内の飲食店を利用した方がずっと安いと思える程度には。」

逆沢「うーん。今の日本って、もしかして経済大国でも何でもない、ただの中堅国家? 労働生産性あたりでは、既に先進国中最低ランクとは聞いた事があるけど・・・。」

愛原「個人的には、経済大国とか、技術大国と名乗るには、かなり厳しい状態に追い込まれつつあると感じざるを得ないな。表向きの貨幣流通量だけでいえば、米ドル・ユーロに次ぎ、世界第3位。世界全体の約1割が円だったりするが。」

逆沢「ああ、そういや今回のテーマは、札束の量についての話だったわね。すっかり忘れてたわ。てか、さっきの年収とかビッグマックの話は、何の関係があるんだ?」

愛原「関係大アリだぞ。というか、たくさん札束を刷っても、なぜかハイパーインフレにも円安にもならない理由が、ここにあると言っても良いくらいには。」

逆沢「どう関係あるんだ?」

愛原「たとえば、日銀が札束を大量に刷って、日本円の流通量を無理矢理2倍にしたとしよう。すると通常の場合は、仮に元の為替相場が1ドル108円なら、1ドル216円に。元の年収が400万円なら、年収800万円に。元のビッグマックの値段が390円なら、780円になってもおかしくないわけだ。この部分に関しては、細かい理由は説明不要だな。」

逆沢「その理屈も分からねえ程、馬鹿じゃね~。流通する札束の量が2倍になったら、為替も給料もパンの値段も全部2倍になる。ジンバブエみたいに札束を刷りまくって、札束の量が10倍になったら、為替も給料もパンの値段も10倍になって当然というか。」

鼎「でも今の日本は、そうなっていないよね。とすると刷った札束は、どこに消えちゃったのかな?」

愛原「日本人の所得が全然増えていない代わりに、日本人以外の所得が大きく増えている。ここまで言ったら、さすがに分かるだろ?」

逆沢「もしかして、刷った札束の分のお金は、ほぼぜーんぶ外国に流出してるって事かぁぁぁっっ!!!」

愛原「厳密には、そんな単純な図式では決して無いのだが、【わらしべ長者】的というか、【風が吹けば桶屋が儲かる】的な少し長い経過を経て、最終的に富が海外に流出しているのは間違いないと思われる。少なくとも日銀の刷った札束が日本人の懐にまるっと入っていれば、その分だけ日本人の懐は温かくなり、年収はその分だけ増え、その代わり物価も相応分だけ上がり、(国際的な競争力が変わらなければ)為替相場も両国間の貨幣流通量の変化に比例した分だけ変化するはずだからな。」

逆沢「つまり日銀が札束を2%以上増やせば、理論的には国民所得も2%以上増えて、もうとっくに日銀が目標にしていたインフレ率2%も達成できてたはずって事ね。」

鼎「でも実際には、刷ったお金は、日本人の懐には入らず、日本人以外の懐にまるっと流れてしまった。だから海外の人達の給料やパンの値段だけが上がっただけで終わってしまったって感じかな?」

逆沢「な、なんでそんなおかしな事になってしまったのだ??」

愛原「分からん。というか原因はおそらく単一では無い。しかし個別には、色々思い当たる節があるのではないか?」

逆沢「うーん。日銀などが刷った札束を元手に株に大量投資したのはいいものの、結局は海外投資家を儲けさせただけって批判は割と聞くけど、そういう事なのかねー?」

鼎「東芝や郵政の西室さんが、海外企業の買収で失敗して巨額の負債を背負ったなんて話もあったけど、そういうのが積み重なって、日本の富が流出したという線もあるのかなぁ?」

逆沢「日本政府が、ODAなどの名目で海外に多額のカネをプレゼントしたとか、売れない債券をたくさん買ってあげたとか、そういうのも要因の一つではあるのかねー?」

鼎「自発的にといえば、海外資産を買う行為全般にも当てはまるよね。たとえば日本人が日本円を売って、海外の不動産なり、国債なり、外国株なりを買えば、それも流出要因にはなるだろうし。海外旅行なども同じ事だよね。」

愛原「北朝鮮が、観光サービスなり、労働力なり、武器なりを売る代わりに、外貨を獲得しようとするのと逆の構図だな。もっとも安倍政権になって、インバウンド強化とか、武器輸出三原則を改めたりとか、北朝鮮の後追いのような外貨獲得策に本腰を入れ始めたみたいだけど。」

鼎「日本が北朝鮮の経済政策をまねて後追いする時代が来るとは思わなかったけど、けど仕方ないかな。自国資産の流出が止まらないなら、何らかの方法で外貨を獲得して補わないとまずいだろうから。」

逆沢「日本から資産の流出が止まらないのは、これは仕方ないと思うわ。元々伸びが悪い日本株に投資するよりも、米国株のような外国の有価証券に投資した方が有利そうだし。まして安倍政権以降は、日銀がクジラとして参入までして日本の株価を操作しだしたから、実体経済と株価が連動しなくなって、投資リスクまで高まってしまってるし。預金にしても超低金利すぎて日本の銀行に預け続けるメリットが少ない事に気づいた人から順に、流出が続いてそうだから。企業にしても外国に工場を移したり、海外から原材料や商品を買った方がずっと得と考えている層が増える一方だし。」

愛原「でも逆を言えば、企業や個人がそうする事で、かつ日銀がそれを容認して通貨発行量を抑制する事で、日本円の価値は長く保たれてきたといえる。少なくとも安倍政権の代になるまでは。」

逆沢「ん? そうなのか?」

愛原「【札束を大量に刷るとハイパーインフレを引き起こす】という話はよく聞くだろうが、これは経済学用語でいうと貨幣数量説というものであり、フィッシャーの交換方程式では、M×V=P×Tという公式で導かれる。Mはマネーサプライ。要するに、市場で流通している貨幣の量な。Vは貨幣の流通速度。Pは物価。為替相場とか、そういうもの。Tは実質GDP。取引量とか、モノの価値といわれるもの。そしてPとTの積算が名目GDPと呼ばれるものになる。」

逆沢「ごめん。ちょっと何言ってるのか、分からない。」

愛原「つまり日銀が大量に札束を刷って市場にばらまくと、Mの値がその分増える。ばらまいた結果、市場に流れる札束の量が2倍になると、Mの値も2倍になるわけだ。Mの値が2倍になると、P×Tの値も2倍にならないと等式が釣り合わない訳だが、モノの価値自体は変わらないので、必然と物価の方が動いていく。つまりMの値を2倍にすると、Pの値も2倍になる。要するに中央銀行がばらまく札束の数が2倍・3倍と増えていくと、物価も2倍・3倍と増えてしまうわけだ。」

鼎「けど日本経済は、少なくとも安倍政権の代になるまでは、そうなってないよね。バブルが崩壊しようが、リーマンショックが襲おうが。他国の通貨の価値は暴落しても、なぜか日本円の価値だけは落ちない。むしろ【有事の円買い】と言われるイベントが発生して、世界経済が悪化するほど円高が進むというか。」

愛原「アメリカを含む大抵の国は、不景気になると大規模な金融緩和を実行して、札束を大量に刷りだすからな。その結果、日本以外の国の札束の価値がどんどん下落していく。相対的に日本円の価値が上がる。円高になる。もちろん日本政府も、他国の流れに沿って、似たような金融政策をやる選択もなくはなかったが、結果として日本は、その流れに積極的には乗らなかった。あるいは乗れなかった。」

逆沢「なんで?」

愛原「なんでと言われると、推測の部分も入らざるを得ないが、一つは好景気時に金融引き締めを行う余裕がなかった事。金融の緩和と引き締めはポンプの関係だから、不景気の時に緩和したら、その分は好景気の時に引き締めないとならないのだけど、日本はそうしなかったから、下げしろがそもそも無かったというのが一つ。」

逆沢「よく分からないけど、日本は不景気の時に借金して好景気の時に返済するというサイクルが機能しないから、不景気だからと言って安易な金融緩和策に飛びつけなかったって事かな? コロナ不況といわれる今も、他国に比べて財政支出の規模で出遅れてる感があるし。」

愛原「アメリカを含む大抵の国は、不景気の時に一時的に経済力を減らしても、トータルではそれなりの経済成長率を維持できているから、一時的に財政支出をしてもちゃんと回収できるんだ。たとえば30年前のダウ平均は3000ドルほどだが、今は24000ドル程度で約8倍になっている。一方の日経平均株価は、30年前の時点。要するにバブル崩壊直後くらいだが、当時で約20000円。その後イラク戦争が勃発した2003年に約8000円まで下がり、バブル崩壊以後、最低値を更新。その後巻き返し2007年には18000円台まで高騰するが、2009年のリーマンショックでまた8000円割れの大暴落。要するに、20年間まるで成長していない。まさしく失われた20年状態だった訳だ。アメリカに限らず、多くの国では20年の間に3倍・5倍・10倍と経済成長しているのに、日本だけバブルが崩壊した直後の水準すら、全く超えられない。好景気の時に借金を返すとか、金融を引き締めるという手が使えない訳だ。ただ、その代わり、バブル崩壊までに蓄えた資産だけは、たっぷり国内に残っている。つまり日本にとって失われた20年というのは、【稼ぎはすごく悪くなったが、貯金だけはたんまり残っている】状態だった。こういう経済状態の時、円高の方が得か、円安の方が得か? 考えてみたら分かるわな?」

逆沢「絶対、円高の方がいいわね。海外の商品を、安く買いたたけるわけだから。その方が、有り余った貯金をできるだけ減らさずにも済むし。」

鼎「貯金をたくさんもってる人にとっては、円安は地獄だよね。過去にどれだけ頑張って稼いでも、ハイパーインフレで紙くず同然になってしまったら、何のために長年頑張って働いてお金を貯めてきたか、全然分からなくなるし。」

逆沢「つまり円高の方が日本にとって都合がいいから、無闇に貨幣発行量を伸ばさすに今まで(少なくとも安倍政権までは)抑えてきたともいえる訳ね。」

愛原「というか経済学的には、貨幣発行量と経済成長率は、比例関係がベストでもあるからな。せっかく経済成長してるのに、貨幣の発行量を抑えたままにしておくと、酷いデフレになるから。上の方程式でいえば、経済成長して実質GDP・・・つまりTの値が増えると、等式のバランスを取る為に、各国の中央銀行はMの値を増やす。つまり札束を大量に刷る事でバランスを取る。でないとPの値が小さくなって、つまり酷いデフレになってしまうから。ただ金融緩和自体は、不景気の時にした方が都合がいいから、Mの値を増やしたい時期(不況時)と、Tの値が増える時期(好況時)には、若干のタイムラグが出たりもするが。」

逆沢「えーと。アメリカなんかはTとMの値を、ポンプの上げ下げをするように交互に上げていく事で、経済成長させてきたって感じになる訳か? けど日本は経済成長がずっと止まってるから、TもMもほぼ横ばい?」

愛原「横ばいでは無い。世界中の通貨発行量が増えてるのに、日本だけ円を刷らないままだと、さすがに円高が酷くなりすぎて、デフレで窒息するから、他国とほぼ同程度には刷っている。だから為替相場自体も、長期でみればほぼ横ばいだろ? 有事の円買いと言っても、有事が終わればちゃんと円は売られて、長い目で見ればほぼドル円110円前後で安定している。世界経済が悪化した時に少し円が強くなり、その代わり世界経済が良くなるとその分、円が弱くなる感じかな。」

逆沢「うーんと、つまり経済成長が止まっていても、為替相場・・・つまりPの値だけは動かしたくないから、他国が札束を刷った量に合わせて、日銀もある程度は昔から札束は刷ってはいたと。」

鼎「けどM(通貨流通量)の値は他国に合わせて増やしているのに、T(経済成長)は止まったまま。Pも、ハイパーインフレとデフレのどちらも避けたいから動かせないとしたら、等式を成立させるには、もうVしか動かせないよね。」

愛原「TとVの関係は、鶏と卵のような関係で、どちらが原因でどちらが結果とは言えないが、結果的にドツボにはまった感はあるかも知れないな。ただそれでも、高度成長期なり経済大国と言われた時期に貯め込んだ資産を、できるだけ長く保とうとした意図は間違っていないと思う。ハイパーインフレに振れてせっかく貯め込んだ資産が紙くず化しないようにしながら、かつ酷いデフレにならない絶妙の為替相場を、何十年も維持し続けてきた訳だから。白川総裁までの歴代日銀総裁は、そういう意味ではよく頑張ったともいえるだろう。」

鼎「普通の国は、経済的に落ちぶれたり、不安要素が顕在化すると、目に見えて為替相場もだだ下がりして、海外から欲しい原材料も商品も手に入らなくなって、結局、借金を増やすか、札束を大量に刷って当座をしのぐ羽目に陥りがちだよね。けどその結果、さらに財政悪化や為替相場の下落を招く悪循環にはまるケースも多いのだけど、日本は全然経済成長していないにも関わらず、そういう悲惨なサイクルを長年避け続けたという意味では、すごくうまくしのぎ続けたと言えなくもないよね。」

愛原「大抵の国は、不安要素があるとすぐに為替が急降下したりするからな。」

鼎「イギリスも、ブレグジットが話題になる前は、1ポンド190円以上つけてた時もあったのに、例の住民投票でEU離脱が決まってからは、リーマンショックの頃の相場をずっと低空飛行してる状態だよね。コロナ関係なく。」

逆沢「けどそんな難しい綱渡りをこなしていた日本円の流れが、アベノミクスで激変しちゃったという事か?」

愛原「三本の矢の発想自体は、悪くなかったんだがな。異次元緩和という名の麻薬を黒田総裁が打ち込んで痛み止めが効いている内に、安倍政権が成長戦略という名の大手術を施し経済を立て直すという構想自体は理にかなっており、それを支持した人を直ちに非難する理由も無い。2年で目標を達成するというプランも、痛み止めや手術による副作用や、上手くいかなかった際に損切りする量を考えると、まぁ妥当の範疇だろう。当時の黒田総裁は【兵力の逐次投入はしない】とも言っていたしな。」

鼎「けど当時の人にとっての予想外がいっぱいあったよね。一番の誤算は、安倍政権がいつまで経っても成長戦略を実行しなかった点というか。」

愛原「もしかしたら実行したかも知れないけど、効果がなかっただけ。あるいは効果が見えなかっただけの可能性もあるけどな。ただ2年経っても成果が無いなら、すぐに損切りしないといけないのに、逆に戦力の逐次投入をやり始めたのは、まずかった。黒田バスーカーも弾切れになって、【必要に応じて躊躇無く】やら【景気は緩やかに回復】といった呪文を壊れたスピーカーのように吐くだけの狼少年になってしまったというか。安倍も安倍で、アベノミクスが始まって何年も過ぎてから、突然【カジノが成長戦略の目玉】とか、今思いつきました的にぶち上げただけだし。」

逆沢「モリカケや桜を見る会のふざけた対応も大概だったけど、こっちのおふざけの方が、日本経済にとってははるかに悪質だったかもね。手術は行われず、結局大量の麻薬が打ち込まれただけ。しかもその麻薬も、いつまで経ってもやめようとせず、逆に麻薬中毒から抜け出せなくなって、摂取量も増えるばっかりとか。」

鼎「けど日銀が、札束を大量に刷ってETFを買いまくったなら、それが原因でハイパーインフレが起きたりはしないのかな? 今のところはその傾向は無いようだけど。」

愛原「上の方程式でいうMの値は、刷った札束の量では無く、市場で流通している札束の量だ。また流通していても、ほとんど回転しないなら、Vの値が限りなく0に近づくので、結果的には、為替相場にも、GDPにも全く影響を与えない。日銀のETFの場合、一方的に買い込むだけでほとんど売らないから、その分のVの値はほぼ0に等しい。日銀が札束を刷って株につぎ込んだ影響を言うなら、相場では無く、むしろ日本人全体が持つ資産への影響の方が大きい。」

逆沢「どういう事だ?」

愛原「たとえば極論だが、日本人全体でA社の株式50%分計100株分を、日本政府もA社の株式残り50%分計100株円分を持っていたとする。そこでA社が新たに株式を100株円分刷って、それを全部国庫に寄贈したとする。すると通常の場合は、株式の価値が3分の2に下がるのは分かるわな?」

鼎「国民の持つ株の価値が3分の2に減ってしまうという事だよね。保有する資産価値も3分の2になるというか。一方、政府の持つ株の価値も、1株あたりでは3分の2に減るけど、株の保有量自体は2倍になってるから、資産としては3分の4にアップすると。」

愛原「札束も同じ。日銀が札束を大量に刷って市場に流す程、国民が持つ札束の価値も、資産自体も相対的に下がっていく。まぁインフレ税もどきだな。」

鼎「M(通貨流通量)だけを増やしても、P(相場)がその分動くだけという論理だよね。札束をたくさん刷ったところで本質的なモノの価値(T)は動かないから、Pが動くしか無いと。」

逆沢「つまり日銀がETFを買い込む為に札束を刷ればする程、日本国民が持っている円の価値は確実に下落していると。」

愛原「米国株が下落すれば日本株も連動して下落するように、日銀などのクジラを除けば、日本株の多くは外国人投資家が保有している。つまり日銀は日本株を、主に外国人投資家から買っている図式になる。日本銀行は、日本株を外国人投資家から所得するのと引き替えに、対価として日本円を外国人投資家に差し出している。」

鼎「つまり日本国民・日本政府(&日銀)・外国勢の3者の資産の流れでいうと、こういう感じかな? 日本国民は日銀が円を刷った分だけ、実質的な資産が減少。日銀などは、札束を大量に刷ったけど、それ自体は既に手元に無く、代わりに日本株が大量に手元にある状態。そして外国勢が、新たに刷られた分の日本円を保有している状態と。」

愛原「しかし外国人が円をそのまま持ち続けても仕方ないから、基本的には米ドルなり、ユーロなり、他の金融資産なりに換金されている。換金された円は、以後、どこぞの倉庫に眠っているか、電子資産として数字だけの存在になってしまい、基本的には二度と市場に流通しない。市場に流通しない貨幣は、存在しないのと同じ(もしくは流動性ゼロでV=0)だから、MVの値は変わらない。だから為替にもGDPにも影響を与えない。変わったのは、日本人が持つ資産が目減りしたのと、外国人の資産がその分増えただけだ。」

鼎「為替相場は動かないのに、日本人だけが相対的に貧しくなってるというのは、そういう事なんだよね。単に資産が海外に流出しているだけというか。」

愛原「まぁ日本人が過去に稼いだお金をちびちび流出させている傾向自体は、バブル崩壊直後から変わらないが、安倍政権以降はそれを国(or日銀)が代行・加速してやってるって事だな。そして安倍政権以前は、日本国民が外国人に売って手に入れた商品は日本国民のものになっていたが、今は国(or日銀)が保有する日本株を増やしているだけで、日本国民自体の懐には何も入らず、国民は貧しくなる一方だ。」

鼎「インフレ税という言葉があるけど、実際にはインフレが起きて無くとも、日銀が札束を刷るだけでインフレ税っぽいとしての効果は出てしまうという事だよね。」

愛原「日本国内だけでいえば、インフレは起きてないかも知れない。しかし世界規模では経済成長率に応じたインフレはちゃんと起きている。マグロにしろグラボにしろ、昔より確実に入手は困難になっているし、今のままなら今後もその傾向はますます加速するだろう。」

鼎「このままだと海外からの輸入品も、まともに手に入らなくなる可能性が高いという事かな? 魚や機械の部品が欲しくても、より金持ちになった海外勢に先に買い占められて、なかなか買えない。人材を確保したくても、優秀な人材はより高い給料を支払える海外に流れて、さらに人材不足も加速するみたいな感じで。日本人に売るよりも、欧米人や韓国人に売った方が高く買ってくれる。日本で働くよりも、欧米や韓国で働いた方が稼げるみたいになったなら。」

逆沢「だったらなおのこと、日銀がETFを買い込み続ける意味が分からねー。連中は、何がしたくて買い込んでんだ?」

鼎「私は、日経平均株価を高く見せることで、アベノミクスが成功しているように装うためだけだと思うけど。」

逆沢「ただの党利党略・私利私欲じゃねえか。国民生活のことなど、まるで考えてねー。本当は成長戦略などもまるで無かったけど、株価を操作して経済成長を演出する為だけに、国民の財産を目減りさせただけってか。」

愛原「政府は打ち出の小槌なんか持ってないからな。株を買うにも財源がいる。とりあえず札束を刷る事でインフレ税もどきの財を国民から巻き上げて、それを財源に株を買って株価を上げて、国民に景気回復を実感させたという所だろう。」

鼎「札束を刷るだけなら、紙代とインク代だけで無限に刷れそうだけど、実際にはインフレ税もどきの費用が別にかかっていて、国民はその分、ちゃんと徴収されているという事だよね。ヘリコプターマネーといわれるものも、天からお金が沸いているのではなく、私達の財布からこっそりお札を抜き取られていて、それが空から降ってきてるだけというか。」

愛原「どこぞの政治家が、休業補償をしない政府に対してケチくさいとか言ったそうだが、その財源は結局国民だからな。今の国民からインフレ税として巻き上げるのか、復興税みたいな感じで未来の国民から巻き上げるのかは分からないが、国民から巻き上げたお金を、別の国民(運が良ければ自分も含む)の誰かに配るだけでしか無い。それでメリットがあるのは、元々税金を払ってない者か、今後も払う予定のない者だけ。ろくな政治をしない安倍や麻生に向かって【安倍家や麻生家の私財を投入しないお前らはケチくさい】と主張するなら少しは話も通るが、国民のカネが別の国民に流れるだけなのに、ケチくさいも何も無いだろうくらいは思う。」

逆沢「当面の問題として、もう一つ不安があるんだけど、結局、日銀が買い込んだETFは最終的にどうすんだ? 今もさらにスピードを上げて買い取りキャンペーン中みたいだけど。」

鼎「ここまで来たら、もう暴落が怖くて売りたくても売れないよね。半永久的にホールドし続けるしかないというか。」

愛原「せっかく上場した株を特定の大株主にずっとホールドされ続けようものなら、非上場企業と大差なくなるな。いずれ、かつての国鉄やNTTに似たような体質の準国営企業だらけになっていくのかも知れん。」

鼎「事実上の国営企業である日本郵政やジャパンディスプレイは、典型的な上場ゴールで、上場した当時から株価も下がる一方だけど、国営企業はやっぱり経営的には問題が起こりやすいのかな? だとすると日銀の買い占めのせいで、日本の有力な大企業がみんな日本郵政やジャパンディスプレイや旧国鉄みたいな感じに変わっていくのはすごく怖い気もするんだけど。」

逆沢「仮にそんな事になったら、日本株も危ないという話になって、日本株の投げ売りがいずれ加速するかも知れないわね。それを補うために日銀がさらに買い増して、ほぼ完全な国営企業の出来上がりと。」

愛原「そうなる前に、2年の公約が達成できなかった時点で、早めに損切って欲しかったのだが。でも、こうなったら手遅れだな。少なくとも俺が仮に日銀総裁に今就任したとしても、とても怖くて売却できん。いや買い取り中止すら決断できないかも知れん。売った途端、もしくは買い取り中止の判断が市場に漏れるだけでも、日本株全体で大暴落が起きかねないし、そうなったら村上ファンドを数倍凶悪にしたような海外のハイエナファンドが、焼け野原となった日本企業の株を買いあさって、主要な日系企業の大半が海外資本の傘下に組み込まれてしまうだろうからな。」

逆沢「進むも地獄、戻るも地獄。まさにインパール作戦状態ね。」

愛原「とりあえず買い入れを進めれば進める程、後戻りしにくくなるが、それ以上に買い入れ上限に達するまでの時間が短くなるデメリットの方が大きすぎるから、無謀な買い入れを加速する一方の黒田総裁を、一日でも早く辞めさせるべきなのは間違いない。その上で、無難に売却して正常化できるような人に次期日銀総裁になってもらいたい。俺には絶対務まらないけど、日本中探せば、誰かしらそういう手腕の持ち主も見つかるだろうと期待したい。」

逆沢「東芝で失敗した西室を日本郵政のトップに抜擢したり、黒田東彦みたいなのを日銀総裁に任命したり、稲田朋美や加藤勝信みたいなのを要職に抜擢するような、人を見る目のなさに定評のある安倍晋三みたいなのが後継人事に関わるのだけは、やめて欲しいけどね。」

鼎「上手く出口戦略を構築できる人が後継になってくれたらいいけど、そんな都合のいい人が現れなかったら、もう日本国自体が事実上の共産主義化して国営企業を束ねていくしかないのかなとも思ったり。実際、大株主の国に忖度しまくってるような大会社もたくさんありそうだし。それらの影響を大きく受けるマスコミも含めて。」

逆沢「日本国民に貯め込んだETFをヘリコプターマネーしろや、と思うのは、私だけか♪ 今まで散々、国民の資産を目減りさせてきたんだから、そろそろ返せやって事で。」

愛原「ヘリコプターマネーをしたら、インフレ税もどきとか、そういうレベルではなくて、ガチでハイパーインフレの恐怖と背中合わせになるけどな。外国人に円をばらまいてもすぐに他の資産に変換するからMやVの値は増えないが、日本国民にばらまいたら、そのカネは日本国内でずっと回転・滞留し続け、Mの値は高確率でふくれあがるから。ばらまいたカネの大半がタンス預金なり老後資金に回って長く死蔵させてくれるようなら、Vの値が0付近に抑えられるから、それらが一気に切り崩される日が来るまでは、大した影響はないだろうけど。」

逆沢「ちっ。結局、どうやっても札束を刷ってばらまけば、問題解決にはならないってか?」

愛原「札束自体には、実は古新聞以上の資産価値はないからな。米や魚の方が、余程資産価値自体はある。札束の価値を支えているのは、それを差し出す事で物品やサービスを手に入れられるという信用であり、逆を言えば、無闇に札束を刷るような、信用を損なうような真似をすると目に見えて下がる。日本円自体は、(少なくともアベノミクス前までは)有事の円買いをされる程度には高い信用があったが、これは容易にインフレしない安心感があったからというのもも大きいだろう。【インフレする=持っているだけで資産価値が下がる】という事で、金融緩和がされがちな不況時に多くの通貨は人気薄になるが、日本は好不況関係なしに、インフレしにくいという安心感があったから。【インフレさせると日本国民の資産が大きく目減りするからできるだけ避けたい】+【経済成長すればする程、貨幣の流通量も伸ばさざるを得ないが、日本の場合はほとんど経済が成長しない】という理由で。」

逆沢「後者はすごく不名誉だな。日本は落ちぶれる一方だから、逆に安心と言われてるみたいで。」

愛原「借金返済のめどを早くつけて将来への投資にお金を回せる状態に急いで持っていくか、まともな成長戦略を急ぎ進める事でGDPを改善していくか。どっちにしろTにあたる部分を増やしていかないと駄目だな。Tが増えないのに札束だけ刷っても、海外勢を肥え太らせるだけで終わるか、スタグフレーションを招くか。いずれにしろ刷った札束の分だけ、国民の資産が目減りするだけで終わる。払う税金もないような人や、今後払う予定はない(≓年金などもらう方が大きい)人なら、刷った札束をばらまいてもらった方が都合がいいだろうけど、それでは【働いたら負け】というか、税金を払ってもアホらしいだけになって、ますます国全体、社会全体の経済力が落ち込みかねない。」

鼎「自己責任論が好きな人はよく、【老後の生活資金が足りないのは、若いときにしっかり貯蓄してなかったのが悪い】みたいな言い方をするけど、政府が大量に札束を刷って老後資金を紙くずにしてしまったら、若い頃に一生懸命頑張っていくら稼いでも、全部無駄になっちゃうよね。それこそ働く意味がなくなっちゃうというか。」

逆沢「給料が入る度に、株なりゴールドなり米ドルなり、自国通貨以外の資産に変換しておくしか資産防衛策がなくなるってか。」

愛原「けどゴールドや米ドルなどは、いざという時、すぐに国内で交換できないリスクもあるからな。戦時中の富裕層は、スタグフレーションが深刻な日本円が危ない事を察知して株などに余剰資金を変換してたらしいが、アベノミクス開始以降の日本政府は、その株にすら手を入れて実勢価格以上に高騰させて、庶民の逃げ道を塞いでしまってるから、ある意味、当時よりタチが悪いかも知れない。」

逆沢「ちなみにハイパーインフレとスタグフレーションは、どう違うんだ?」

愛原「鶏と卵の関係でしかない。最終的には同じ所に行き着くので混同してもらっても大差ないが、スタグフレーションは物不足が(orを)引き起こすインフレを指す。たとえばとあるパン屋が一個100円でパンを売ってて、庶民もそのパン屋のパンを食べる事で腹を満たし、生活を健全に営んでいたとする。ところが財政不足にあえぐ政府は、あるとき、大量の紙幣を刷って、そのお金で兵士なり役人なりの給料を払うようになった。こうなったら貨幣価値が下がってパンの値段が上がる事までは、今まで説明したから分かるよな?」

鼎「パンの値段が120円、150円といった具合でどんどん高くなっちゃうんだよね。でないとパン屋さんも生活できなくなっちゃうから。」

愛原「そう。庶民は給料は上がらないのに、どんどん高騰するパンを買わなければならなくなって、どんどん苦しくなっていく。しかし実はパン屋も苦しくなっていく。こんなヤバい経済状態では、仕入れや生産が順調にいくはずもなく、徐々にパンの生産量も落ち込んでいく。すると足りなくなったパンを巡って、国民間でパンの奪い合いが起きるんだ。」

鼎「奪い合いと言っても、民間人では公務員には絶対に勝てないよね。民間人は価値が減る一方の貨幣しか払えず、でも公務員は無限に刷られた札束がバックにあるんだから。確か戦時中の日本もそんな感じだったんじゃないかな? 政府や軍部が大量に刷った札束を振りかざして、食料を一方的に買い占めて、それを兵士や民間人に配給する体制になってしまってたというか。」

逆沢「つまりハイパーインフレは物不足を招き、物不足になると政府や公務員が全ての物資を独占し、庶民はお上からの好意による配給で生き延びるしかなくなるってか。」

鼎「政府が札束をたくさん刷るという事は、強制的に税金を大量に徴収するとのと変わらないって事だよね。ハイパーインフレが起きてるのは、税率が限りなく100%に近づいている状態。インフレが起きて無くとも、札束を刷るだけで、実際にはインフレ税的な税金を大量に取られている状態というか。」

逆沢「税金をたくさん取られても、高福祉高負担ならいいんだけどねー。けどアベノミクスの場合は、刷った札束を次々海外勢に投げ売りしてる状態だからタチが悪いと。」

原「刷った札束を国民にばらまいたら、国内の貨幣流通量がじゃぶじゃぶ増えてインフレが一気に進行するからな。ばらまいた直後だけはみんなウキウキになれるが、その後物価は上昇し、人々の生活はかえって苦しくなる。将来に備えてしっかり貯め込んでいた人ほど、馬鹿を見る展開にもなりやすい。けど海外にばらまいてしまう分には、国内の貨幣流通量はほぼ増えずに済む。インフレも避けられる。それで株でも買えば、日経平均株価も上昇し、表向きの好景気も演出しやすい。実際には国内資産を海外に横流ししているだけだから、その分だけ国民の資産が大きく目減りしてる点では同じ事だけど、とりあえず目に見えにくい分、錯覚はさせやすい。」

逆沢「政府はデフレや円高を悪と決めつけて、インフレや円安を善とする風潮だけど、なんかヤバい気もしてきたわ。」

愛原「本来ならデフレよりインフレの方がいいんだけどな。経済成長率に比例した分だけ貨幣を多く発行する事で相場を保ち、より経済成長を健全に促すというのは極めて道理にかなっている。ただ日本だけは経済成長が何十年も止まってるから、そのまま他国の真似をできないというだけの話で。故にバブル崩壊後の20年は、過去に大量に貯め込んだ資産ができるだけ流出しないような守りの政策がメインだった。裕福な老人が倹約に努めて老後の資産をできるだけ長く守ろうとするような感じだな。」

逆沢「けど安倍は、その老人が貯め込んでいる資産に手を突っ込んで、株価伸張を演出することで支持率を上げて長期政権を実現する事を思いついた。過去の日本人が頑張って貯めた資産は大量に海外に流出したけど、国民生活の犠牲と引き替えに、安倍政権への人気は高まったみたいな。もうマスコミも官僚も司法も警察も、安倍政権に忖度する事しかできなくなったと。」

鼎「なんか安倍さんって、毛沢東さんみたいだよね。やってる経済政策はメチャクチャだけど、それでも国民はその経済政策で生活が良くなりそうな実感を感じていて、熱狂的な支持層にも支えられていて、周りの人達もその権勢を恐れて忖度せざるを得ない状況というか。」

愛原「せめて成長戦略がまともなものだったら・・・。あるいは成長戦略が2年以内に成功しなかった時点で、アベノミクス大失敗を公言して潔く損切りできてたら・・・。そう思わなくも無いな。日銀は戦力の逐次投入を繰り返すし、公明党も【アベノミクスは道半ば】とかほざいてその継続を支持するし、自民党もいつまで経っても安倍おろしを始めず、自浄能力が全く働かない。昔の自民党なら、副総理なり幹事長なり、党内の実力者が反旗を翻して当然のタイミングなんだが。」

鼎「国民的には、どう自己防衛すればいいのかな?」

愛原「インフレ対策だけなら、とりあえず株なり外貨なり不動産なりゴールドなりに、いくらか資産を移しておくのが手堅いが、時勢が難しいな。日銀が株をどう処分するか、あるいは処分しないのかも読めないのも厄介だ。国民をそういう部分で迷わせず、安心して仕事をしてもらい、将来の安心を約束するのが政府の役割なのに、逆に不安要素を増やしてるからなぁ。将来、真面目に働いた人ほど馬鹿を見る世の中になるのかどうかも含めて予測不能であり、申し訳ないが俺には適切なアドバイスはできない。強いて言えば、安倍と黒田のクビを直ちに落として、これ以上の不安要素の拡大だけは阻止しろよとしか。その後、さらに悪くなるかマシになるかは保証外だが。」

鼎「アメリカに無謀な戦争をしかけて劣勢を強いられた後の日本のような状況だよね。日本の軍部はまるで信用できないし、インパール作戦なり大和特攻なりカミカゼ特攻隊なり、トンデモ作戦ばかり実行に移すような彼らに任せ続けてたら破滅するしかないのは分かってるけど、じゃあ仮に大日本帝国をクーデターなり庶民の反乱なりで滅ぼしても、その後の未来は全く想像できないような情勢というか。」

愛原「とりあえず、トンデモ作戦をやめさせるのが優先だな。不明な未来を案じても仕方ないが、放っておいたらまずいと断定できる未来だけは、先んじて潰しておかないといけない。不明瞭な未来の不幸を案じて、確実な未来の不幸を容認するのは愚か者の所行だ。政府は打ち出の小槌を持っていて、無限にお金が沸いてくるなんて主張は、永久機関がこの世に存在して無限にエネルギーが沸いてくると言うのと同じくらいのトンデモ理論なんだから、そんなものに乗ってはいけない。」

鼎「正確には、札束自体はほぼ無限に生み出せるかも知れないけど、刷れば刷る程、お金としての価値は失われていくという感じだよね。最終的にはただの紙切れになってしまうというか。」

愛原「【年金制度は絶対に破綻しない】とか、【政府の財政は絶対に破綻しない】といってるのと同レベルの詭弁だな。そりゃあ年金支給開始年齢を90歳以降にするとか、年金支給額を一ヶ月千円とかにすれば、年金制度としてはほぼ永久に破綻しないかも知れないが、そういうのは実質的に破綻と変わらないのと同じ。年金制度としては安心かも知れないが、人々の生活は全く安心じゃ無くなる。札束も同じで、刷れば刷る程、国民が若い頃から稼いだ資産の価値は失われ、安心からはほど遠くなっていく。今、日本国内でも、ベーシックインカムだの、一律支給だのいう声があるが、元々資産ゼロの人ならともかく、有事に備えていた程ほど馬鹿をみる側面がある事くらいは覚えておいた方がいい。政府の機能は、あくまで再分配であり、たくさん儲けた人など、主に金銭的に余裕ある人々から納められた税収を財源に、社会の維持に必要な部分、足りない部分、理不尽な理由で困窮させられている人達にお金を再分配する事にこそ存在価値があり、一律支給はその目的に反する。一律支給してよい場面があるとすれば、ふるい分けの事務手続きをした結果、一律支給よりさらに高くついたり支給が大きく遅滞する懸念が強く、それでも直ちに支給しなければ必要不可欠な部分の維持に甚大な支障を来たす場合のみくらいだ。」

鼎「阪神大震災の時に、義援金のほとんどが公務員の事務手続き費(人件費)に消えてしまった自治体も出たらしいけど、事務手続き費や輸送費などに経費の大半が消えてしまうような少額支給なら、初めからやらない方がいいよね。アベノマスクもそんな懸念されてるようだけど。」

愛原「アベノマスクの経費は、約466億円。約5000万世帯に配るらしいから、一世帯あたり932円。但しこれの財源は赤字国債だし、どうせ何度も借り換えしての自転車操業になるだろうから、仮に35年ローンで金利5%相当とみなすなら、最終的な支払い額は1975円くらいになるな。金利が10%なら2433円。20%なら6350円になるが、35年後の日本の金利や物価やインフレ率なんて想像しようが無いから、この辺の数字に意味は無いかも知れない。但しその2枚の布マスクと引き替えに、約2000円以上の税が追加で巻き上げられるという認識はしておいた方がいいだろう。地方に住む我々に、何日後、あるいは何ヶ月後に届けられるのかは知らんけど。」

逆沢「景気の上では適度のインフレは良い事らしいけど、借金返済に追われている国の視点では、インフレなんかノーサンキューって感じね。収入が増えないまま、1000円弱の借金が6000円以上までふくれあがるような世の中になったら、国民の多くが借金苦で死亡するわ。」

愛原「固定金利であるか、借金返済の為の借金を新たにしないで済むなら、インフレは大歓迎なんだけどな(但しインフレ相応に収入も増えるのが条件になるが)。借用書の方が紙切れに近づいていくから。まぁ、どっちに転んでも、簡単にはうまい話にはならないのは同じだが。」

鼎「財源も無いなら、札束を刷ればいいとか、借金すればいいなんてのは、どっちにしろ邪道でしか無いという事だよね。そのお金は天から沸いて出たものではなく、国民から広く吸い上げられたもの(or将来吸い上げられるもの)でしかないから。インフレによって死亡するか、借金で死亡するか、その両方で死亡するか。いずれにしろハッピーエンドにはつながらないだろうから。」

愛原「エネルギーが無限に沸いてくる永久機関が存在しないように、お金も無限に沸いてくる道理は無いからな。冒頭に触れた通り、結論が見えてる話を今回は長々とやってみたぞ。」

逆沢「安易なバラマキは、ただの人気取り政策でしかないという事ね。国民の資産を財源に人気取りしてるという点では、アベノミクスと同レベルと。」

愛原「仮にバラマキによる景気V時回復を目指すなら、戦力の逐次投入ではなく、実効性のある戦力をここぞのタイミングで一気にたたき込まないとならない。有効な分野への設備投資などに回れば上々だが、貯蓄や借金返済や赤字必至なハコモノ公共工事や食費のような生活必需品やらの消費に回るようなら論外だろう。重要なのは投入した分は確実に回収できること。アメリカなんかは不景気時にばらまくが、後で経済を何倍にも膨らませた上で回収できるから問題ない。日本もそうでなくてはならない。それができないなら、初めからばらまいてはいけない。これだけ語れば、もう十分かな?」

鼎「お金の話は真面目に語ったら、重い本何十冊分にもなりかねないけど、そんな話をしても一度に記憶できないから、とりあえずはもう十分だと思うよ。」

逆沢「私もおなかいっぱいだわ。結論が最初から見えてる話だけに、目新しさもないし、もう十分すぎるというか。」

愛原「悪いな。【足りなければ年金支給開始年齢を無限に引き上げるから、永久に年金制度は破綻しません】的な論理で、バラマキを正当化する奴とか、【今が大事】とかいって、まともな返済計画もないままお金を借りようとする奴とか、困った奴がここ最近急増してるので、つい言わざるを得なくなってしまった。」

逆沢「私達は何かあるとすぐに政権を批判したがるけど、もしかしたら本当に批判すべきなのは、政府におかしな経済政策を迫る連中なのかも知れないわね。」

愛原「そうだな。その辺については、また次回以降に改めて取り上げてみよう。」

逆沢「げっ。このシリーズ。まだ、やるのか? もう勘弁して欲しいんだけど。」

愛原「仕方ない。次回のネタは、その頃の時事に合わせてみることにしよう。願わくは政府が、これ以上おかしな経済政策を継続しない事を期待して。」







過去のたわごと 
      3月29日 借金取りの恐怖
2020年 3月15日 禅譲 3月1日 秩序志向のプレイヤーと混沌志向のプレイヤー
2月16日 (こまめな)人事異動(のススメ) 2月2日 忠誠度という名のゲームパラメータ
1月19日 恨み 1月5日 鞍替え
 2019年 12月22日 景気 12月8日 承認欲求に囚われないために
11月24日 黒幕としてのスポンサー 11月10日 プロスペクト理論とモブの生き残り戦略
10月27日 追い込まれた悪人キャラのダメージ・コントロール戦略 10月13日  いじめっ子キャラの特徴
9月29日 命令に背くNPC 9月15日 平等・公平を維持するためのコスト
9月1日 能力値とスキル 8月18日 地位を与えられた者(中間管理職)
8月4日 パニックホラーもののリーダー 7月21日 パニックホラーものの主人公
7月7日 許される人と許されない人 6月23日 愚民政策
6月9日 壊された人への対応 5月26日 新時代の脅威
5月12日 (攻撃の)大義名分 4月28日 前回の反省とキャスティングの話
4月14日 汚染された情報の拡散 3月31日 理想の選挙制度
3月17日 黙示 3月3日 あの世の世界
2月17日 うまくいかなかった革命後をどうするか? 2月3日 策略としての挑発
1月19日 腐敗した司法(正義の裁きの担い手)  1月5日 強きを挫き弱きを助くVS弱きを挫き強きを助く
 2018年 12月23日 悪の根源≒マウントしたいという欲望 12月9日 Steamのゲーム
11月25日 成り上がったダメ人間 11月11日 自分を強化する技VS敵を弱体化する技
10月28日 限界への挑戦 10月14日 「弱者=守られるべき善人」でない場合
9月30日 脅しによる支配 9月17日 信用できない情報だらけの社会の場合
9月2日 太鼓持ち 8月19日 連続攻撃
8月5日 信用スコアに支配された社会 7月22日 内通者
7月8日 人件費コスト管理ゲーム 6月24日 忠義者キャラ
6月10日 欠陥つき有能キャラの処遇 5月27日 邪悪な独裁者に支配された組織のメンバーの挙動
5月13日 邪悪な独裁者が健全な組織を乗っ取る方法 4月29日 論破
4月15日 正義の味方という名の制裁者 4月1日 平気で嘘をつける人たち 
3月18日 公正世界仮説 3月4日 被害者叩き 
2月18日 政治力 2月4日 統率力 
1月21日 優秀すぎるライバルが現れたとき  1月7日 素性を表す記号としての肩書き
2017年 12月24日 フリゲの雑談  12月10日 賤民階級
11月26日 個性づけとしてのパラメータ 11月12日 宿敵宣言
10月29日 大同団結 10月15日 品質について
10月1日 華麗な策略、汚い策略。その違い 9月17日 平等主義と反平等主義
9月3日 ファン型オタクとマニア型オタクの違い 8月20日 ツイッターの利点と問題点 
8月6日 大抜擢された人材 7月23日 誇りと傲慢
7月9日 傲慢とマウンティング 6月25日 権威を利用するナイトども
6月11日 悪事プレイ(のススメ) 5月28日 異界人(宇宙人)の干渉
5月14日 集団の思考ルーチン 4月30日 人間っぽさ=非効率的な思考ルーチン
4月16日 名声欲 4月2日 無言の圧力と忖度
3月20日 ロスト・ハイ・テクノロジー 3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神~命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方~捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤~エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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