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愛原様のたわごと(20年6月21日)




愛原「やっとプロ野球が開幕してくれて、正直うれしいわ。」

逆沢「無観客試合だけどね。」

愛原「観客の応援がないのは寂しいが、無いよりはずっとマシ。というかここまで開幕が遅れた事自体が、非常に残念でならない。ついでいうと高校野球もインターハイも無くなった事が。」

逆沢「どうしてもコロナが怖いなら、無観客でやればいいのにねー。大相撲とかにしてもしかり。」

鼎「どうしてもコロナが怖いからこそ、中止や延期という判断をしたような気もするけど。」

逆沢「ウチのたわごとコーナー的な視点で言えば、コロナが心配では無くて、空気や同調圧力といった、周りの人の視線が怖いから中止や延長を決めたという表現になるんだろうけどねー。事なかれ主義の産物というか、責任を取りたがらない日本人特有の性質故か。知らんけど。」

鼎「まぁ、スポーツ興行自体は人気商売だから、世論を敵に回してまで強行開催するのは得策で無いという判断はありかなとは思うけど。」

愛原「けど学校の部活まで、なんでもかんでも中止というのはな。普段の授業ができるなら、部活や試合も、同様にできるだろうに。まぁ俺に言わせたら、授業再開にしても、遅きに失したという感想しか無いが。普段のインフルエンザと同様に、状況に応じて個別に学級閉鎖や学校閉鎖をすればいいだけの話で。」

逆沢「まぁ、ここ最近のたわごとコーナーでしつこく取り上げられた話でもあるけど、あくまで理屈じゃ無くて空気だからねー。だから通常国会が閉幕する週にピッタリ合わせて、遠方への移動に関する自粛要請も解除した途端に、新幹線などもあふれかえる有様だし。」

鼎「自粛解除をしないと、せっかく国会が閉幕しても、東京にいる国会議員のセンセイが都内から出られず、地元選挙区に帰れなくなってしまうから、国会閉幕のタイミングに合わせて移動自粛も解除したらしいよね。だから東京都内の感染者数の推移が大して改善してなくとも、色々理由つけて東京アラートも出さない形で、小池都知事と合意したみたいな。」

愛原「後者に関しては、都知事選があるからという見方もできるけどな。選挙活動を進める上でも、特に小池都知事がその業績をアピールする上でも、東京アラートは邪魔だから。」

逆沢「完全に政治家の都合って奴ね。にもかかわらず、それを真面目に信じて、過剰な自粛をしたかと思えば、いきなり元の生活に戻ろうとしたり、日本人は素直すぎるというか。まぁ素直すぎるから、政治家やテレビコメンテーターの詭弁を信じて受け容れてしまうのかも知れないけど。」

鼎「私達はここのコーナーで、自分の頭で考える事の重要性を訴えてきたけど、世間の人にとっては、空気を読むことの重要性の方がはるかに勝ったって事かな? いくら自分の頭で物事を考えても、その結果、世間の空気に逆らって世間を敵に回すのは、あまりにリスクが大きい。だからこういう時は、そうでなくともピリピリしている世間の人を刺激しないように、とにかく空気を読む方が重要みたいな。」

逆沢「悪い意味で、自分の保身だけしか考えてない人だらけって事かもね。仮に自分の上司が不正を働いて組織に損害を与えている事を知っても、それを諫止しようとも告発しようともしない。むしろ忖度したり、見て見ぬふりをするみたいな感じで。」

愛原「そういうのは、素直とも、従順とも言わないな。ただ単に臆病で無責任なだけだ。高校野球を早々と中止した人達も、学校の再開をここまで遅らせた人達も、何かあった際に自分が責任を取る覚悟が無いだけ。無責任なだけ。騒ぎを大きくしたくないだけ。面倒事を回避したいだけ。イジメを見て見ぬ振りするダメ教師らと、本質的になんら変わりは無い。事なかれ主義。問題を解決するのではなく、問題自体を無かった事にしたがる人達というか。」

逆沢「ま、それがか弱い大衆の処世術といえなくもないけどね。自分で自分の身を守ることができない。だから集団の中に溶け込んで、寄り添うしか無い。集団の空気をできるだけ読んで、流されて、出る杭になって打たれないようにしなければならない。【何が正しいか?】では無くて、【どう行動すれば、矢面に立たずに済むか?】こそが重要というか。だからみんなが右を向いたら、自分も右を向く。みんなが特定の誰かに石を投げたら、自分も一緒になってそいつに石を投げつける。なぜ右を向くべきなのか? なぜみんなはそいつに石を投げつけるのか? それは本当に正しいことなのか? そんな事は考えない。ましてそれを止めようとも思わない。そんな事をして、自分が次に石を投げつけられても困るから。みたいな感じね。」

愛原「ただ日本人の、か弱い大衆の処世術は、かなり異質な気もするけどな。少なくとも欧米や中国などとは、全く異なるというか。」

逆沢「どう違うんだ?」

愛原「たとえば、日本人の特徴としてよく言われるものの一つに、【自己主張しない】というものがある。学校の授業で、あるいは自治会の会合で、あるいは職場の会議で、【分かる人は手を挙げて】とか、【分からない事や、質問のある人は挙手して下さい】とか言われても、なかなか手を挙げようとしない。分かっていても手を挙げない。逆に分かっていなくても手を挙げない。聞きたいことがあっても手を挙げない。これらは多くの諸外国の学生、社会人と比べても、かなり特殊な事例ともいえる。」

鼎「多くの外国では、自己アピールが重要とされるよね。プレゼンテーションというか、自分を売り込むことが重要とされるというか。だから【分かる人は手を挙げて】と言われたならば、分かっている人は当然のように手を挙げる。自分は理解できている側の人間だという事を積極的にアピールする。」

逆沢「まぁ、多くの外国では、【売り込みができない=死】という局面も珍しくないからね。自分が物売りならば、他の物売りよりも先駆けて客になりそうな人間に近づいて、商売しなくてはならない。誰よりも先にカバンを奪って、チップをもらうくらいの厚かましさが必要になるというか。商人にしろ、乞食にしろ、泥棒にしろ、ライバルに先駆けて動かないといけないのは同じ。黙っていたら、相手が勝手に近づいてきて、お金を置いてくれるなんて滅多にあり得ないから。」

鼎「だから就職活動などしても、【自分がいかに使える人材であるか?】【有能な人材であるか?】をアピールしたがるそうだよね。他人以上に自分を売り込まないと、自分を雇ってもらえないから。」

愛原「まぁ、そんな感じ。もちろん彼らも、遠慮や謙遜をしない訳では無いが、それらも自身が他人とうまく協調できる事をアピールする手段の一つであって、それ以上のものではない。黙っていても相手が自分のことを高く評価してくれるだろうみたいな甘っちょろい事は、さすがに考えない。椅子取りゲームで生き残るには、誰よりも先に椅子に向かって走らねばならないくらいの事は分かっているのだ。」

逆沢「そこいくと、確かに日本人は違うかもね。日本人は出る杭を打ちたがる。だから椅子取りゲームが始まっても、みんなが一斉に椅子に向かって全力疾走するとは限らない。うかつに自分一人だけ椅子に向かって走り出すと、他のみんなにボコられて、一番最初にゲームから脱落させられる可能性すらあるから。」

鼎「日本人は、悪い意味で仲間意識というか、集団との協調意識が強すぎるよね。だから集団の枠から外れる者は、優秀すぎても、劣等すぎても排除されてしまうというか。」

愛原「そこいくと、多くの外国人は、そこまで他人に関心が無い他人の足を引っ張る時間があれば、自分を磨く方を優先する。」

逆沢「他人が集団の許可も無く椅子に向かって走り出したら、そいつの足をみんなで引っ張るのが日本人。けど彼らなら、椅子に向かって走る他人の足を引っ張る時間があるなら、自分が空いてる椅子に座る事を優先するって感じね。」

愛原「そう。だから【分かる人は手を挙げて】と言われたならば、他人が手を挙げようが挙げまいが関係ない。自分が分かっているなら手を挙げる。他人の動向よりも、まず自分なのだ。」

鼎「でも日本人は、自分が分かっているかどうかよりも、周りの人間の反応を優先して考える。目立ちすぎて、出る杭を打たれても困るから。」

逆沢「【他人なんかどうでもいい。自分が前に出ないと生き残れない】と考えやすい海外勢と、【他人に嫌われたら生き残れない】と考える日本人の差という事かもね~。いかにも島国日本。狭い日本という感じで。」

鼎「逃げようと思えば、知り合いが誰一人いないようなはるか遠くにまで逃げられそうな広大な大陸の人達と、逃げたくても逃げられない、顔見知りに囲まれた狭い島国の日本人の差ともいえるのかな?」

愛原「これは商人の態度にも、はっきりと現れているそうだ。日本のお店の店員は、外国から見て、比較的親切で誠実で丁寧な接客ともいわれるが、これは主に顔見知りの常連客をターゲットにしているから。一方、外国では一見客相手の商売を前提にしている。だからボッタくれる上客と判断すれば、徹底的にボッたくる。それで嫌われようが、どうせ相手は一見客だからだ。」

鼎「でも一見客相手の商売を得意としているからこそ、アマゾンなどの商売が大成功したともいえるよね。どうやったら、今まで会ったこともないような他人相手に、うまく商売できるかを良く知っている。プレゼンテーションの重要性がよく分かっている。相手が一見客という前提だからこそ、情に頼らないリピーター客のつなぎ止め方も知っている。みたいな。」

愛原「そう。一見客相手前提だからこそ、価格などの分かりやすいアピール手段で、一気に客を引き寄せる手段にも長けている。面倒な客はすぐに切り捨ててても構わないと思ってるから、接客やアフターフォローなどには必ずしも重点を置かない。非常に効率的な商売を行う。」

逆沢「日本人の商売は、そういう意味では、殿様商売なのかもね。古くからの常連客に依存している状態というか。昔からの付き合いだからという理由で、少しくらい高くても買ってくれるような客に依存している状態。でも最近は、ドライな日本人も増えてきて、丁寧で愛想のいい接客だけでは、客を引き留めにくくなっているというか。一見客のハートを一気に引き寄せる価格や品質や利便性でアピールしてくる海外勢に圧されている気は、しなくもないわね。」

鼎「横並びが大好きな日本人の気質では、人より前に出てアピールしてくる海外勢との戦いは、今後、さらに厳しくなっていくかも知れないよね。」

逆沢「実際、研究関連では、かなり厳しくなってる感じもするしね。本当に優秀な研究者や技術者は、それに見合う報酬を求めて、どんどん海外に出て行ってしまうというか。優秀な者も、そうでない者もできるだけ横並びにしたがる日本式経営では、優秀な人材を引き留めるのはかなり難しくなりつつあるというか。」

愛原「ITの事が全然分からない人間がIT担当大臣になるような国だからな。能力や適正は全然関係ない。周囲との和だの、日頃の人間関係だの、権力との距離だの、訳の分からない組織の論理、派閥の論理がとにかく優先される。よく言えば民主的なのかも知れないが、その結果、訳の分からない者が話し合い(?)の結果、椅子取りゲームの勝者になるのが、日本の特徴といえなくもない。」

逆沢「民主的というよりは、良くても衆愚。悪ければ専権のような気もするけどねー。空気を操作できる誰かの都合で、椅子取りゲームの勝者も敗者も一方的に決められてしまう状態というか。椅子取りゲームに勝ち残るために、どれだけ真面目に努力しても全く意味は無い。健全な競争で勝者と敗者が決まるのではなく、談合で勝者と敗者が決められてしまう状態というか。京都産業大学がどれ分厚い資料を提出して真面目に認可を受けようとしても、偉い人のコネがなければ加計学園には絶対に勝てないようなものというか。あるいは良心的な価格で入札に参加しようと思っても、実際には入札すら行われず、政権の覚えめでたい企業が勝手に随意契約で契約してしまい、そんなずるい企業による丸投げも横行しているようなものというか。」

鼎「そうでなくとも、虎視眈々と誰かの足を引っ張る機会を狙っているような人も多そうな気もするし。ネットとか見てても、匿名を盾に、常に誰かをおとしめるような活動を繰り返すような人も割といるよね。」

逆沢「自分を磨いて生き残るのではなく、長いものに巻かれたり誰かを蹴落として生き残ろうとしてんのかねー? そういうのが好きな人にとっては、日本的なシステムは天国かもね。」

愛原「実際、日本の公務員の人事システムも、そういう減点方式が主流らしいからな。優れたアイデアを出すなど、功績を挙げたからといって、それが大きなプラス査定の要件にはなりにくい。一方、戒告処分などのマイナス要件は、致命的な減点評価になりやすい。だから日本の公務員は、リスクを取りたがらない。不祥事が起きたなら、解決するよりも、もみ消すのを優先するのもそのせい。不祥事を解決するというプラスよりも、不祥事を表面化させてしまったというマイナスの方が大きいから。何かに挑戦して失敗するくらいなら、何もしない方がマシ。失敗して持ち点を減らすくらいなら、何も挑戦しない、上司にも逆らわない事で減点要素を限りなく抑えるのが、公務員として生き残る秘訣になってしまってるというか。」

逆沢「だからイジメはもみ消す。被害届も受け取らない。この学校ではイジメが多発しているとか、この区域では事件が多いとなるとマイナス査定されてしまうから。まして被害届を多く受け取った結果、未解決事件の割合が増えようものなら、目も当てられない。そういう日本的な減点評価方式が災いしてるってのはあるかもね。ある意味、ディストピア。都合の悪い部分を隠すことで、うわべだけ美しく糊塗しているだけの状態というか。」

鼎「日本では、隙あらば、人の足を引っ張ろうとしている人が多いのも厄介だよね。せっかく問題を解決しようと頑張っても、【アイツはいい子ちゃんを気取ってる】とか【もみ消したら済んでたのに、無駄に騒いで問題を表面化させやがった】とか、とにかく出る杭を打ちたがるから。」

愛原「良い意味でアピールして目立つことが生き残りにつながりやすい海外勢と、出る杭にならず、誰からもマークされずステルスできる事が生き残れる条件となりやすい日本の文化の差を色々感じさせるな。」

鼎「海外では、あまりに自己主張が乏しいと、警戒される要因にもなりやすいよね。【アイツは何を考えているか、分からない不気味な奴】扱いされやすいというか。だから旅人や移住者がやってくると、とりあえず住人達は、その人の人となりを知りたいとばかりに、ホームパーティーみたいなものにも誘いたがる。そこでお互いに腹を割って歓談でもできれば最良だけど、逆に愛想悪く断ったりすると、何かあった際に真っ先に疑われる要因にもなりやすいというか。」

逆沢「そこいくと日本のムラは、移住者がやってきても、とりあえず警戒するだけで、歓待まではしないわね。ムラで何か良くないことがあれば、その人のせいにする為に、あえて距離を置いてる部分もありそうというか。」

愛原「海外のムラと、日本のムラは、少しニュアンスが異なる。海外のムラは、ムラの人間を基本的に他人と認識している。一方、日本のムラは仲間と認識している。こう書くとなんとなく日本のムラの方がアットホームで素晴らしい印象を受けるかも知れないが、実際はそう単純でも無くて、日本のムラは仲間意識が強い分、みんなに合わせないと、仲間とみなされず、村八分に遭う危険性が高い。祭りに参加しないだけでも、風当たりが強くなる事もある。一方、海外のムラは、都会のアパートの住人同士の関係のようなもので、あくまで他人。迷惑行為さえしなければ、それなりに無難に交流できる。そして両者の差は、組織内でトラブルが発生した時に、最も如実に表れると思っていい。」

逆沢「組織内でトラブルというと、たとえば?」

愛原「たとえば人狼ゲーム的な展開。たとえば、ムラの中で犯人捜しが行われたとする。そういう時に誰が真っ先に疑われるか? 誰が真っ先に吊されるか? 海外の多くのムラなら、自己主張が弱い者。よく分からない者に矛先が向くだろう。」

鼎「黙って成り行きを見守っていると、かえって疑われてしまうという事かな?」

愛原「ムラの他の者は、自分がシロだと積極的にアピールしてるのに、自分だけ黙っていたら、間違いなく疑われるだろうな。少なくともアメリカなどでは。暴漢なり警察なりに銃を突きつけられたら、真っ先に両手を上げて無害を積極的にアピールするくらいで無いと、いきなり撃たれる危険すらある。日本人の中には、ナメられたらかえってヤバくなるとばかりに、暴漢にからまれても勇敢に強がって、ファイティングポーズを取ったり、警察に訴えるぞと威嚇するような人間も少なからずいるように思われるが、欧米でそんな真似をしたら、危険視されて即座に撃たれてもおかしくないだろう。」

鼎「確か日本国内でも約40年前に、【勘違い騎士道事件】というのがあったよね。泥酔状態の女性を介護しようとした男性を、女性を襲おうとする男性と勘違いした騎士道心あふれるイギリス人が、それを制止しようとして間に割って入った。一方、泥酔状態の女性を介護しようとしてた男性も、突然現れたそのイギリス人のことを不審者と勘違いしたのか、身を守ろうとしてか、ファイティングポーズのような防御態勢をそのイギリス人の前で取ってしまった為、イギリス人の回し蹴りを受けて8日後に死亡したという事件が。」

愛原「欧米人は、殺ると決めたら、いきなり殺ってくる。先に殺らないと、自分が殺られるという考えが根幹にあるからだ。だからそんな人間に殺られたくないなら、先に両手を上げるなりして無害をアピールするか、さもなくばこの時のイギリス人のように先制攻撃を加えるなり、何らかの方法で脅威を排除するくらいでなければならない。ファイティングポーズを取ってもいいが、それをするなら、相手が自分の威嚇行為を見て引き下がると判断できる場合か、それによって自らの守りを大きく高められる場合のみ。」

逆沢「なんか山の中で猛獣と出会ってしまった場合の対処法みたいねー。できるだけ背中を見せず、それでいて敵意もみせず、ゆっくりと後退していくのが、正しい猛獣からの逃げ方みたいな。逆に猛獣に向かって石を投げたり、下手な威嚇をしようものなら、猛獣を刺激して怒らせるだけで、逆に危険というか。」

鼎「約30年前にアメリカで起きた日本人留学生殺人事件も、日米の文化の違いを感じさせられたよね。暴漢と勘違いされて銃を向けられた日本人留学生は、そこでゆっくりと後退すれば良かったかも知れないけど、逆に誤解を解こうとしてか、ゆっくりと前に歩いてしまった為、撃たれてしまったというか。」

愛原「海外において、敵と判断されたら困る状態の時は、できるだけ無害を積極的にアピールするのが正しい。自分は悪くないから弁解の必要も無いとか、話せば分かると思い込んでいると、とんでもない悲劇に巻き込まれる危険性が高くなる。日本人にとっての威嚇は大抵虚勢(ブラフ)だが、彼らにとっての威嚇は警告なので、威嚇(警告)を無視すると、本当に攻撃される。シロならシロと、無害なら無害と積極的にアピールしないと、ヤバいのだ。」

鼎「だからか、アメリカなんかはすごい訴訟社会でもあるよね。」

愛原「自分が疑われたら、優秀な弁護士を雇ってでも、徹底的にシロをアピールしないと、巨額の賠償をさせられかねないのがアメリカだからな。自分は本当にシロだから、きっと分かってくれるはずなんて甘っちょろい幻想は通用しない。シロならシロと、ちゃんとアピールできないと死ぬ。」

鼎「けど日本で、人狼ゲーム的な状況が起きたなら、迂闊な目立ち行為は、逆に自殺行為だよね。」

逆沢「【悪いな。このボートは、3人乗りなんだ。全員は乗れない】と発言すると、じゃあ【そう発言したお前が、一番最初にボートから降りろ】と言われかねないのが、日本だろうしねー。だから誰も、ボートの定員を口にすら出しにくい。そして無駄に時間だけ過ぎていくみたいな。」

鼎「言い出しっぺが不利になる所が日本にはあるよね。」

逆沢「一番最初にシロである事をちゃんと主張しても、【いちいち弁解するところが逆に怪しい】と言われかねないのが、日本だからねー。よくよく考えたら非論理的だけど。」

愛原「日本人は、足の引っ張り合いが好きというか、誰かを陥れるのが好きみたいなところもあるからな。だから【自分がシロである証明】よりも、【アイツがクロである証明】をおそらく好みやすい。だから誰かが最初に何か発言や提案をするだけでも、【そんな発言、そんな提案、そんな弁解をするお前が怪しい】という謎論法で、犯人に仕立てられていく流れになりやすいというのは、あるかも知れない。痴漢えん罪なんかが代表的だが、一度犯人扱いされると、何を弁解してもまともに聞き入れられず、周りの者は色んな理由で【アイツがクロである理由】を執拗に重ねてきて、たたみかけてくる。誰が真犯人かどうかに実は興味はなく、犯人とされる人間が捕まったらとりあえず安心できるという側面もあるかも知れない。」

逆沢「ひどいな。でも自白偏重の日本の司法をみてると、確かにそんな感じがしなくも無いわ。国民も、犯人が捕まったと聞くだけで、誰が真犯人か?という疑いも持たずに、一件落着にしたがる傾向はありそうだし。」

鼎「つまり日本で人狼ゲーム的な展開が起きたら、【私はシロである】という主張ではなく、【お前がクロに違いない】みたいな主張こそが、信任を得やすいという事かな? そしてそれを警戒して、誰もができるだけ目立たずにいたいと考える。目立つと、難癖つけられて、真っ先に犯人扱い・攻撃対象にされるから。」

逆沢「【自分はシロだから犯人扱いしないでください】と主張して身を守るのではなく、【アイツはクロに違いない】と主張して身を守るという発想に、言葉にできない心の闇を感じるわ。猛獣や暴漢を前にして、両手を挙げて無害をアピールするのではなく、自分以外の人間をつきだして、そいつを暴漢や猛獣の前に差し出す事で、身を守る的な醜悪さを感じるというか。」

鼎「けどそんな醜悪な人達だらけのムラなら、なおのこと、みんなに蹴り出されないように、普段から空気を読みまくっても納得かも。」

愛原「コロナ騒動の際に、欧米では、罰則を伴う厳しい規制網が敷かれもする一方で、日本では自粛という穏便な要請でもみんなが従ったと、美談に語られる事もあるが、これもかなり偏った見方のような気もする。日本人は、とにかく他人の目線を気にしたがるし、同時に出る杭を打ちたがる。特に、みんなの空気に従わない者は、普段から誰かを蹴り落としたいと考える連中から見て、格好の攻撃対象になる。故に、自粛警察などという海外で滅多に聞かないような特殊な人達も出現する。テレビのワイドショーやネットでもボロクソに叩かれる。村八分などといった形で社会全体が空気を読まない者に厳刑を与えてしまうから、結果的に公的な罰則が必要ないというだけだ。逆に欧米などでは、そこまで他人に関心が無いから、自粛警察みたいなのは発生しにくい。また他人の目線も気にしないから、自粛なんてものに従う気にもなりにくい。故に他人の動きを強制的に束縛するには、罰則が必要になるという事情が出て来る。」

逆沢「海外は、公権力だけが大衆を縛るけど、日本は自警団気取りが勝手に大衆を縛るから、公権力がそこまで強権を発動しなくてもいいというだけの事ってか? まぁそれはそれで怖いんだけど。」

愛原「海外では自分のことは自分で守らないとならないが、その代わり、無関係の他人が積極的にこちらの足を引っ張ってくる事もないので、自分の意思表示がしやすいという事情もある。故に海外では、当たり前のようにデモが起きる。社会に不満があるなら、それをデモという形でしっかりとプレゼンテーションしないと、自分の意思が埋没しかねないという危機感があるからだ。そしてそれに対して、無関係な他人が足を引っ張ることもない。デモに参加したからといって、それで日常生活に差し障るようなペナルティーはほとんどない。」

鼎「だからか、アメリカなどでは、自分は共和党支持とか、民主党支持とか、隠さずにしっかりとアピールしている一般市民も多いよね。それで近所づきあいや、会社での付き合いがギクシャクする事も無いというか。」

逆沢「お互いに他人は他人と割り切れてるって事ね。たとえば共和党支持者が民主党を非難はしても、同じ職場の民主党支持者といがみ合ったりはしない。適度の距離感でつきあえる。そんな感じだから、お互いに【自分は○○党の支持者です】と明かしても、大きな問題にもならないと。」

愛原「日本は違うよね。一般人が下手に政党色を出すと、それだけで攻撃の対象になったり。だから政党関係者でもない限りは、無党派を気取ってる方が無難というか。うかつにデモとかに参加して、特定思想の持ち主ですとアピールするだけでも、職場での立場が悪くなりそうな空気もあるし。」

逆沢「無党派層を気取れるならまだマシだわ。職場によっては社長などから圧力がかかって、【会社として○○さんをしっかりバックアップする事に決めたから、社員一同そのつもりでいるように】と号令がかかって、特定候補の選挙活動を手伝わされたりする事も、あり得るみたいだし。」

鼎「会社ぐるみでそういう圧力はほとんど無くなってる気もするけど・・・。どちらかというと自治会レベルの方が深刻かも。連合自治会とかが特定の市会議員候補者を公然とバックアップして、票集めの手伝いをさせられるケースも地方ではザラというか。」

愛原「他人は他人と割り切れる海外と、みんなとの同調を強要し、出る杭を打ちたがる日本との差を色々感じさせるな。」

逆沢「よく西洋人は合理的とか、日本人は空気に流されやすいとか言うけど、正確には、日本では合理性より空気への迎合を優先しないと、逆に身が危ういというのが真相なのかもね。」

鼎「良い風習は受け継いでいければいいけど、悪い風習はどんどん排除していかないと、駄目だよね。社会として、ますますじり貧になってしまうだろうから。」

愛原「日本という国は【お上】という言葉があるように、上を尊びすぎるが故に、自分の頭で考えるよりも、上の意向を忖度し、迎合し、全体に染まる事をよしとする傾向が強すぎるように思う。もちろんその【お上】が善良・有能なら、素晴らしい指導者と、それに従う従順な臣民という理想の関係になるのだろうが、逆にお上が腐敗してると、かなりヤバいことになりやすいからな。」

逆沢「海外なら、都合の悪い為政者は引きずり下ろせって発想になるんだろうけどねー。だからデモも起こるし、政権交代や易姓革命みたいなのも、当たり前に起こるし。」

鼎「日本は、権力者同士で権力争いをするだけで、大衆の手で新政権を打ち立てた歴史がほとんどないよね。」

愛原「その差もあるかも知れんな。海外勢は、お上を倒す方法を知っている。またお上が勝手に自分達の生活を良くしてくれる保証なんてどこにもない事も知っている。自分の身は自分で守らないと駄目な事も知っている。志を同じくできる仲間とは結束して、デモだろうが反乱だろうが起こせるが、そうでない人間との適切な距離の置き方も知っている。仕事上の付き合いとして益はあるが、政治的に交わっても益がないなら、ビジネスパートナーとして限定して仲良くつきあう事もできる。」

鼎「日本人は、その点でまだ不器用なところがあるよね。仕事上、すごく有能で頼りになると分かっていても、イデオロギーが対立してるだけで、無駄に人間関係をギクシャクさせてしまったりとか。」

逆沢「【この人、すごく面白いゲーム造ってるなぁ】とか【面白い、漫画描いてるなぁ】と感じたら、素直に尊敬して感謝できればお互いに幸せなのにね。少なくとも支持政党が違うからとか、イデオロギーで対立しているからみたいな理由で、その人の作品まで貶めるような真似だけはしたくないわ。それとこれは別の話だから。」

愛原「日本人は、ムラの中で無駄に争うからな。ムラの中で主導権を握る為に。だからムラの中で、みんな(多数派)と異なる要素がある者を見つけたら、それを理由にその人を攻撃しようとする。マウントしようとする。他人を他人と割り切って、適切な距離を取るのではなく、ムラの中でさえ、少数の敵と多数の味方に分けたがる。そして少数の敵側に分けられると悲惨だから、多くの者は、多数派に媚びる。多数派への同調圧力が強くなる。そういう文化もあると思う。」

逆沢「ムラの中で無駄に争うから、自分達を脅かす、権力者や、外敵と戦う所まで、思考が回らないというのもあるのかねー。」

鼎「昔、五人組制度というのがあったそうだけど、ムラの人同士で相互監視させて矛先を互いに向け合わせることで、権力に矛先が向かわないようにする意図もあったかも知れないよね。」

逆沢「ムラの人同士で監視し合い、マウントさせあい、つぶしあいをさせる事で、権力者は村人が反乱を起こさせないようにしたと。そう考えると、日本人が空気を読みたがるというのは、なにも絆が強いからとか、仲間意識が強いからではない。むしろ相互監視しあってるから、という方が正しいのかもね。お互いに相手が隙を見せる機会を伺っているというか。」

愛原「まぁ、絆という言葉自体、本来は【束縛】。他人を縛るという意味合いしかないからな。支え合いや助け合いという意味で使われだしたのは、意外と最近の話らしいし。お互いを縛りあって監視し合うというのが、本来の絆だとすれば、腑に落ちる部分もありそうだ。」

逆沢「縛りから抜けようとして、出た杭は打つ。それこそが絆の正体ってか。だとすると、あまりロクなものでないかも知れないわね。」

鼎「そういう田舎特有の絆というか、結びつきを嫌った人が、しがらみのない生き方をしたくて都会にどんどん出て来るようになったという点を考えると、日本国内でも、実は内心で空気による束縛を嫌っている人は増えつつあるのかも知れないね。」

愛原「ただ空気による束縛というか、ムラの掟から解放されるという事は、ムラに守ってもらえない事も意味するからな。またムラから攻撃される可能性もある。自粛警察みたいな自警団による抜け忍狩りの対象になるというか。今の日本は、ムラの掟に従わない者を攻撃・マウントしたい人達と、ムラの掟から解放されて自分の意思で自由に生きたいと考える人達が、複雑に混じり合ったような状態かも知れない。」

逆沢「ムラの掟からは解放されたいけど、ムラから攻撃を受けたくはない。そういう中途半端な人が一番多そうな気もするわ。あるいはムラの掟の是非には関心無いけど、誰かをマウントしたいから、とりあえずムラの中に潜伏して、ムラの中で孤立している奴を見つけては、そいつを魔女呼ばわりして、魔女狩りに精を出しているような輩とか。」

愛原「前者は、ただのか弱き村人だけど、後者はまさしく人狼ゲームの人狼そのものだな。善良な村人のふりをして、孤立した住民、弱き住民を次々と狩っていく。あるいは住民会議で吊していくように持っていく。」

逆沢「まぁ差別主義者という名の人狼自体は、日本にもアメリカにも、世界中にいるけど。」

愛原「まぁムラの中に潜む人狼を見つけ、退治しようとする動き自体は正しい。但し、その手法だな。発言力のある者が【アイツはクロに違いない】と言ったら、空気で従わないといけないムラの方がいいか。一人一人が自分がシロである事を論理的にアピールし、また論理的に矛盾を指摘して人狼をあぶり出せるようなムラの方がいいか。」

鼎「ゲームとしては、絶対的に後者の方がいいよね。前者だと、そもそもゲームにならないし。【特定の権力者がコイツがクロと決定したなら、他の者はそれに従わねばならない。その結果、クロ扱いされた者が自動的に次に吊される。もしもその決定に従わない者がいれば、さらに優先的にその者がクロとして吊される。】みたいなゲームルールだと、そもそもゲームにならないから。」

逆沢「仮にその権力者自身が人狼だったら、絶対に村人陣営は勝てないというゲームとしての致命的欠陥もあるしね。」

愛原「でも今の日本は、まさにそういう状態だからな。政府か、マスコミか、差別主義者のような人狼かは分からないが、とにかく空気を作る者がいる。そしてその空気が、パチンコ屋を吊せと言ったなら、パチンコ屋はどうやっても吊される。また、そんな空気に逆らった者が出たならば、その者が非国民という名の次の犠牲者として吊される。」

鼎「空気みたいな得体の知れないものではなくて、もっとちゃんとした理由で、それぞれの者がそれぞれの意思で人狼探しができてこそ、人狼ゲームは健全に成り立つと思うけど。」

愛原「というか、それでようやく人狼陣営と、対等の条件になるだけだからな。それでも人狼の数次第では、村人陣営はかなり厳しくなる。」

鼎「人狼ゲームの勝利条件は、【人狼の全滅(村人陣営の勝利)】か、【村人の数が人狼の半分以下になる(人狼陣営の勝利)】事だから、人狼がかなり少数で、ようやくゲームバランスとして対等というアンバランスなんだよね。」

愛原「味方のふりして、人を追い落とすような獅子身中の虫は、少数でも集団にとって十分な脅威になり得るという証左だな。まぁ集団のため、みんなの為、といったもっともらしい大義名分を掲げながら、実は集団の中にいる目障りな者(ライバル)を追い落とすことしか考えない排除主義者が厄介なのは、洋の東西を問わないと思われる。」

鼎「人狼ゲームでは、ムラの人間(村人のふりして混じっている人狼も含む)同士で話し合って、人狼と思われる人を一人ずつ処刑する昼のターンと、人狼が村人を一人ずつ殺していく夜のターンがあるよね。昼のターンでは、村人も人狼も、自分が人狼と思われて処刑されない事が最重要。特に村人陣営にとっては、この昼のターンでちゃんと人狼を人狼と見抜いて、人狼を処刑する事がほぼ唯一の勝利条件になるから、一番重要なターンになるというか。」

逆沢「そういう意味では、欧米式の空気に流されない合理的システムが圧倒的に有利ね。自分さえ処刑されなければいいという理由で、村人に化けた人狼が作った空気に流されようものなら、罪のない村人ばかりが、どんどん処刑されてしまう危険性が高まるから。」

愛原「もちろん人狼は人狼で、自分が人狼とばれて処刑されたら困るから、様々な嘘をつくけどな。【アイツがクロ(人狼)に違いない】といって、村人をクロ扱いするくらいは平気でやるだろう。」

逆沢「他人をやたらクロ呼ばわりする奴は、一番怪しいってか。」

鼎「けど論理的に人狼を人狼と見抜ける人もいるよね。まぁ人狼ゲームでは、占い師(ゲームによって預言者などの名称が使われることも多い)という、村人か人狼かの正体を見破れる特別な能力を持った村人も、デフォルトで入ってたりするけど。」

愛原「そう。だから人狼は、占い師を見つけ次第、できるだけ早く殺そうとしたがる。占い師は、自分が人狼である事に気づいている可能性が高いからだ。また人狼が占い師を自称する事も多い。(故に占い師に自分の正体を暴かれた人狼は、【自分こそが本物の占い師だ】と自称して、反撃・攪乱してくるケースも多い。人狼が複数の場合、バレてない方の人狼が占い師を名乗って、第三者の立場から攪乱してくる事もある。)故に占い師(自称も含む)である事を迂闊にカミングアウトすると、逆に人狼に優先して命が狙われる可能性も高くなる。」

逆沢「【目撃者は殺せ】じゃないけど、人狼を人狼と正しく見抜いても、見抜いてしまったことがバレると、逆に人狼に殺されるか、犯人扱いされて真っ先に吊される危険性も高まるってか。」

鼎「とすると日本人が、占い師役を務めた場合、せっかく人狼を人狼と見抜いても、黙ってみて見ぬ振りをしそうな可能性が高そうだよね。人狼に危険視されて次の夜のターンに殺されるリスクも高まるし、人狼が占い師を自称したと勘違いされて、昼のターンに吊されるリスクも高まるから。」

愛原「そういうセコい真似をすると、自分の命は長持ちするかも知れないが、その分、人狼も長く生き延びて、結果的に村人陣営をより追い詰めるだけの危険性も高まるんだけどな。人狼陣営は、夜のターンに1人ずつ村人を減らしていける(ルールにより夜の襲撃に失敗する事もあるが)以上、人狼ゲームは、長引けば長引くほど、村人陣営がどんどん不利になっていく構造になってるから。」

逆沢「自分の保身のために、役人・教員・警官・下っ端サラリーマン達が不正を見て見ぬふりを続けた結果、人狼のような日本人が跳梁跋扈しすぎて、ここまで腐敗してしまった日本の今をなぞっているみたいで、少し心が痛いわ。」

愛原「人狼ゲームの場合、人狼を人狼と見抜いたら、リスクを恐れず、その昼のターンの内に確実に人狼を吊すのが、王道戦略となる。吊るし損なうと、次の夜のターンに自分が殺されるか、最悪の場合、自分が人狼扱いを受けて吊される危険も高まるからな。」

逆沢「でも日本人の場合は、自分が人狼と勘違いされるリスクとか、夜のターンに自分が次に狙われるリスクを恐れて、人狼を人狼と周りに告発する勇気を持てないケースも多そうと。告発が裏目に出て、出る杭を打たれたら最悪だから。」

鼎「日本という国は、そういう意味ではすごく人狼陣営に都合よくできてそうだよね。自分の身を守るためなら、平気で仲間を売るくらいの事もやってのけそうだから。」

逆沢「悪い意味での絆の本領発揮だな。助け合うふりをして、実は仲間が隙を見せる機会を常に伺っている。そして仲間が隙を見せたら、それをネタに陥れる事しか考えてない。村人同士が勝手につぶしあいをやってくれるから、人狼としてはこんな楽勝な展開はないというか。」

鼎「他人に無関心な海外の方が、他人の視線を常に気にしなければならない日本よりも、実は安全だったという事かな?」

愛原「単純にどっちが安全とは言えないだろうが、【敵でもない相手の足を引っ張り合う為に、いちいち時間を浪費するくらいなら、自分の能力を高めた方がマシ】という思考だけでいえば、当てはまるかもな。彼らにとって、他人と意見が異なるのは当たり前であり、意見が異なる相手というだけで、いちいち敵認定していたら、邪魔くさくてしょうがないというのはあるだろう。こちらに危害を加えてきそうと感じたならば、その時はじめて、威嚇するか、先制攻撃で一気に叩きのめすか、逆に徹底的に無害をアピールして赦しを乞うなりするが、そうでなければいちいち他人に深く関わらない。彼らが敵認定する基準は、あくまで直接的な害意であって、思想が異なるだけで即敵にはならないからな。」

鼎「けど日本人の場合は、仲間意識が強すぎる分、同調圧力も強くて、少しでも違う部分があると、すぐに潜在的な敵とみなす空気もありそうだよね。」

愛原「その仲間意識とやらが助け合いに直結するならいいが、実際には仲間がやられていても、平気で見て見ぬふりをするからな。彼らにとっての仲間意識や絆は、助け合うものではなく、仲間でないと判断されたら吊されるから、仲間のふりをしているだけといった程度のものでしかない。だから仲間が襲われていても、助けようとして返り血を浴びる可能性があるなら、平気で見て見ぬふりもする。仮に仲間の誰かを吊さなければならない局面になったなら、そんな局面の打破を考えるのではなく、自分が真っ先に吊されないように、平気で仲間をクロ扱いして売りもする。」

逆沢「さらに普段から、誰かをマウントしたいとか、空気を支配したいという後ろ暗い者がいて、そういう人間が、少数派なり、隙を見せた人間なりをどんどん敵認定して吊そうとしてくるのが厄介なのよね。」

愛原「という訳で今回は、海外ではアピール、国内では出る杭となる得体の知れない概念について、ちょっと色々触れてみたぞ。」

逆沢「言いたい事は何となく伝わったけど、今回は特に、テーマ名を定めにくいふわっとした内容だったわね。」

愛原「空気という得体の知れないふわっとしたものを、今回は特にダイレクトに扱ったからな。内容もふわっとしたものになるのは仕方ない。どんな社会学者や心理学者でも、今回のテーマのようなのを学術的に綺麗に、論理的にまとめるのは困難な気もするしな。そういう斬っても斬れないようなふわったとした厄介な存在を、あえて斬ろうとした志を買ってくれたら嬉しいぞ。」

逆沢「確かに【たわごと】という前提でないと、まともに語れないような無茶なテーマを今回は扱った感じね。」

愛原「たわごとという前提を掲げていると、大抵の無責任な発言も平気でできそうな気もするからな。我ながら上手いコーナー名にしたもんだと思うわ。グフフ。」

逆沢「空気に安易に染まったり、事なかれ主義に安易に染まったり、安易に人を吊したり、安易に見て見ぬ振りしたりする奴の事を散々無責任と指摘しながら、実はお前が一番無責任な奴だというオチが判明したな♪」




















過去のたわごと 
 2020年 6月7日 間違いを改める方法  5月24日 コロナよりも、ゾンビよりも、米軍よりも恐ろしい集団の空気
5月10日 部隊長の決断 4月26日 集団ヒステリーと同調圧力 
4月12日 札束を無限に刷り続けるとどうなるか? 3月29日 借金取りの恐怖
3月15日 禅譲 3月1日 秩序志向のプレイヤーと混沌志向のプレイヤー
2月16日 (こまめな)人事異動(のススメ) 2月2日 忠誠度という名のゲームパラメータ
1月19日 恨み 1月5日 鞍替え
 2019年 12月22日 景気 12月8日 承認欲求に囚われないために
11月24日 黒幕としてのスポンサー 11月10日 プロスペクト理論とモブの生き残り戦略
10月27日 追い込まれた悪人キャラのダメージ・コントロール戦略 10月13日  いじめっ子キャラの特徴
9月29日 命令に背くNPC 9月15日 平等・公平を維持するためのコスト
9月1日 能力値とスキル 8月18日 地位を与えられた者(中間管理職)
8月4日 パニックホラーもののリーダー 7月21日 パニックホラーものの主人公
7月7日 許される人と許されない人 6月23日 愚民政策
6月9日 壊された人への対応 5月26日 新時代の脅威
5月12日 (攻撃の)大義名分 4月28日 前回の反省とキャスティングの話
4月14日 汚染された情報の拡散 3月31日 理想の選挙制度
3月17日 黙示 3月3日 あの世の世界
2月17日 うまくいかなかった革命後をどうするか? 2月3日 策略としての挑発
1月19日 腐敗した司法(正義の裁きの担い手)  1月5日 強きを挫き弱きを助くVS弱きを挫き強きを助く
 2018年 12月23日 悪の根源≒マウントしたいという欲望 12月9日 Steamのゲーム
11月25日 成り上がったダメ人間 11月11日 自分を強化する技VS敵を弱体化する技
10月28日 限界への挑戦 10月14日 「弱者=守られるべき善人」でない場合
9月30日 脅しによる支配 9月17日 信用できない情報だらけの社会の場合
9月2日 太鼓持ち 8月19日 連続攻撃
8月5日 信用スコアに支配された社会 7月22日 内通者
7月8日 人件費コスト管理ゲーム 6月24日 忠義者キャラ
6月10日 欠陥つき有能キャラの処遇 5月27日 邪悪な独裁者に支配された組織のメンバーの挙動
5月13日 邪悪な独裁者が健全な組織を乗っ取る方法 4月29日 論破
4月15日 正義の味方という名の制裁者 4月1日 平気で嘘をつける人たち 
3月18日 公正世界仮説 3月4日 被害者叩き 
2月18日 政治力 2月4日 統率力 
1月21日 優秀すぎるライバルが現れたとき  1月7日 素性を表す記号としての肩書き
2017年 12月24日 フリゲの雑談  12月10日 賤民階級
11月26日 個性づけとしてのパラメータ 11月12日 宿敵宣言
10月29日 大同団結 10月15日 品質について
10月1日 華麗な策略、汚い策略。その違い 9月17日 平等主義と反平等主義
9月3日 ファン型オタクとマニア型オタクの違い 8月20日 ツイッターの利点と問題点 
8月6日 大抜擢された人材 7月23日 誇りと傲慢
7月9日 傲慢とマウンティング 6月25日 権威を利用するナイトども
6月11日 悪事プレイ(のススメ) 5月28日 異界人(宇宙人)の干渉
5月14日 集団の思考ルーチン 4月30日 人間っぽさ=非効率的な思考ルーチン
4月16日 名声欲 4月2日 無言の圧力と忖度
3月20日 ロスト・ハイ・テクノロジー 3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神~命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方~捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤~エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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