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愛原様のたわごと(21年3月14日)






愛原「前回に続き、今回も労務管理に関する話をしたい。」


逆沢「今年は、なんかそれ系のネタが多いけど、気のせいか?」

愛原「今年の1月に、名君・名宰相の話をさせてもらったが、そういう人達が突然現れて世の中を良くしてくれるのを期待しているだけで、社会や経済が上手く回るほど、世の中は甘くないみたいだからな。伸びる国家、伸びる社会、衰退する国家、衰退する社会の中身をもう少し突き詰めてみたいと思ったのだ。」

逆沢「ゲームの世界なら、高いパラメータの者がたくさん居て、そういう人を上に立ててしっかりと動いてもらえれば、それだけで問題解決なんだけどねー。」

鼎「でもそういうゲーム的な世の中だと、掘っても掘っても使える人材が全く現れない土地では、もうどうしようも無くなるよね。もう、その土地を捨てて、新天地に活路を見いだすしか、好転させる要素がないわけだから。」

逆沢「つまり昨今の日本をゲーム的に表現すれば、失われた30年というのは、日本という土地自体が、掘っても掘ってもクソみたいな人材しか30年間以上、沸いてこない土地だったから、そもそも最初から詰んでいたという話になる訳ね。」

鼎「逆に台湾などは、小国でもオードリー・タンみたいな人が掘ったらすぐに沸いてくる土地だから、それなりになんとかなると。」

愛原「昨今の日本をゲーム的に表現するなら、まさにそれで正解かも知れないが、そういう他力本願的で救いのないオチで終わらせたくないので、今年はそれにあがく方針を採っている。つまり【掘っても掘ってもクソみたいな人材しか出てこない】のではなく、【そもそも掘ってすらいない】か、【せっかく掘っても、それをちゃんと使いこなせていない】【育成できていない】。そういう方向だな。」

鼎「私もその路線で正解だと思うよ。仮に日本にオードリー・タンみたいな人が在野に埋もれてても、今の日本では彼を発掘する事もできないし、発掘できても、そういう人を直ちにIT大臣に抜擢して全権持たせるような人事も不可能だと思うから。」

逆沢「前回もそういうオチだったわね。能力の衰えた老害とそれに媚びるイエスマンとか、保身しか考えない権力者とそのアホボンとか、そういう連中がいつまでも権力の座に居座って、人材のまともな入れ替えができないから、国家も企業も、衰退する一方の状態になってしまってるというか。」

鼎「そういえば、アホボンなのかどうかは知らないけど、小泉進次郞さんがレジ袋の有料化に続いて、スプーンやフォークの有料化を推し進めることにしたらしいけど・・・。」

愛原「個人的には、そもそも箸もスプーンも家にあるのを使うので不要派だし、紙コップや弁当箱や水筒と同列に、一商品として箸もスプーンも扱えばいいとも思うので、どちらかといえば賛成ではあるけどな。ていうか、いちいちレジで【箸は必要か?】とか聞かれるのが、個人的にウザい。まぁ【レジ袋が必要か?】とか、楽天ポイントだのポイントカードだの、毎回聞かれる方がずっとウザいけど。」

逆沢「分かる。一昔と比べて、レジでのやりとり作業が何倍も増えて、正直ウザくなったと感じるわ。店員さんが悪いわけじゃないし、むしろ気の毒にも思えるけど、作業の効率化という意味では妨げにしかなってないと思うし。そういう意味では、レジ袋の有料化に関しては、悪手だった気もするわね。」

愛原「経済活動はスピードが命というのが、今のお上の連中には全く理解できてないんだろうな。という訳で今回のテーマは、職人。」

逆沢「スピードと職人に、なんの関連性が、あるねん?」

愛原「おいおい。お前こそ何か勘違いしてないか? 職人の出来を決めるのは、ずばりスピードだぞ。ぶっちゃけ、誰よりも早く作業を仕上げる能力を持つ者こそが、最高級の職人といっても過言ではないくらいだ。」

逆沢「でも一般的には、凄腕の職人というのは、凡人には困難な難易度の作業を行う者の事を指す場合が多いんじゃないの? ファンタジーで言えば、最強の武具を作れる鍛冶職人さんとか。昭和の名工と言われる人達も、凡百の職人ではまず作れないような、超精密な部品なりを作れる人を指す場合が多いようだし。」

愛原「それはあくまで、ごく一握りの特殊な世界の話。99%の職人にとっては、全く無関係な領域。厳密に言えば、職人というよりも、芸術家といった方が正確かも知れないくらいだ。大体、身も蓋もない言い方をするならば、時間と費用さえ無限であるならば、一人前以上に値するほとんどの職人は、いわゆる最高級の仕事をする事は可能だぞ。」

鼎「それは言えるよね。時間さえ掛ければ、それなりに良い物を作れるのは当たり前。決められた納期内で、水準以上の品質の物を仕上げられるかどうか?が、職人にとってむしろ重要なんだとも。」

逆沢「そういえば漫画業界でも、そんな話は聞いた事があるわ。本当なら時間をいくらでも掛けて、少しでも高品質の作品を世に出したい。しかし納期があるから、それができないんだとも。」

鼎「けど納期って、すごく大事だよね。決められた納期までにちゃんと商品を納めないと、周りに大きな迷惑をかける事になるし。自分自身の信用もおとしめて、場合によっては二度と仕事が回ってこなくなるリスクすらあるし。」

愛原「クリスマスケーキをクリスマスまでに届けられなかったらどうなるか? それと同じだな。職人として少しでも品質にこだわりたいのは分かるが、だからといって納期を守れなかったら、大変なことになる。納期を一日でも超過しようものなら、その時点でいかに高品質であろうとも、商品価値としてはゼロになる場合すら、現実には十分にあり得るからな。」

鼎「だから職人に必要なのは、品質以上に、まず納期を遵守できる能力と言われる事も多いよね。」

愛原「もちろん品質は高いに越した事はない。しかし品質というのは、求められた水準を満たしていればそれでいい訳で、それ以上にこだわる必要は全く無いのだ。500円でラーメン作りを請け負ったならば、たまたますごくおいしい1000円以上の価値があるラーメンができあがっても、それを理由に客に1000円を要求し直す事はできないのだから。」

鼎「この辺は、芸術家寄りの職人さんにつきまとうジレンマでもあるよね。オーダーメイドの家具の作成を20万円で請け負った結果、たまたま100万円以上の価値がある家具に仕上がったとしても、客に100万円を要求できないのと同じだから。」

愛原「そもそも要求された品質以上の水準に何の意味も無いケースもあるしな。たとえばネジは、決められた公差内の長さや太さなどの寸法に収まっていれば、それで十分だ。それ以上に精密な0.1ミリ、0.01ミリ、0.001ミリといった細かい数字は追い求める必要も無いし、仮に職人の腕や偶然の結果、その数字が実現できたとしても、別に客も喜ばない。ましてその精度に見合う代金を取れるわけもない。」

逆沢「仮にプラマイ0.001ミリの公差の長さに収まってるネジとやらが市販されていたとしても、99%の客は通常のネジと同じ代金しか払わないだろうからねー。どんな腕の良い職人が時間と手間を掛けても、そんな精度への挑戦は、全く意味が無い労苦でしかないというか。」

鼎「大抵の製品に関しては、要求された水準を上回っていれば問題ないというか、厳密にされるとかえって困る事もあるよね。2.01トンの荷物を載せたら不具合を起こす2トントラックとか、2.81トンの荷物をつり上げようとすると故障する2.8トンクレーンとか、不自由きわまりないし。」

愛原「けど、それに関しては、今は結構ヤバい感じになってるぞ。高度成長期の頃と違って技術力が上がってるから、3トン以上の荷物もへっちゃらな2.8トンクレーンとかが昔よりも減った。昔なら2.8トン以上つり上げられたら文句はないという事で、余裕を持たせて実際よりかなり重い荷物もつり上げ可能なクレーンもそれなりにあったが、今は技術力が上がった分、2.8トンつり上げるのに必要な工賃や材料費がより精密に計算可能になったから、経費をケチる為に2.8トンギリギリつり上げられるだけの強度分の材料費しかかけなくなった。また安全対策の名目で、仕様以上の負荷をかけると、強制的にロックがかかる仕様の製品もあったりしてな。」

鼎「けど、そういうギリギリでやってるから、ちょっとした作業ミスが発生すると、すぐに不合格品になっちゃうんだよね。元々仕様ギリギリの重さにしか耐えられない材料分しか使ってないから、工事段階でミスして、本来の数値よりも深く削りすぎるなどして、少しでも寸法を割り込むと、否応なく不合格品にせざるを得ないというか。昔なら3トンの重さにも耐えられる素材を使うから、少々の加工ミスがあっても仕様の2.8トンには十分収まるのに、今は2.8トンギリギリの素材しか使わないから、少しの加工ミスが直ちに製品として命取りになっちゃうというか。」

愛原「不合格品にしてくれるなら問題ないが、実際にはしれっと合格品扱いにして出荷してしまうケースも多々あるからな。」

逆沢「つまり2.8トンギリギリまでならつり上げられるはずのクレーンが、実際には2.8トン未満までしかつり上げられないようになってるにも関わらず、その点には一切触れずに出荷してしまったりする事もあり得ると。」

鼎「以前、新幹線の部品の強度不足でニュースになってた事もあったけど、そういうのも多分、そういう思想の延長だよね。元々、要求された仕様ギリギリで商売してるから、工事ミスで本来の強度を保てない状態になってしまっても、知らんぶりして出荷するしかないみたいな。もしも始めから強度なり、数量なり、納期なりに余裕を持っていれば、工事段階で少々のアクシデントがあっても、何とか仕様内に収まるはずなのに。」

愛原「ケチるといえば、本当に必要な分しか作らない傾向も深刻だよな。100個必要なら、本当に100個しか作らない。だからエラーで一個だけ不良品になった時に、融通が利かない。その一個だけの為に、新たに一から造り直す時間と予算がない場合、知らんぷりして合格品の99個の中に1個の不良品を混ぜて一緒に出荷するしかなくなったりするからな。」

逆沢「最近は、在庫を持ちたがらない企業も増える一方だからねー。だから何かあった際に、やたら時間も予算も手間もかかるというか。」

愛原「ちなみに時間も、予算も、手間も、本質的に同一線上にあるものだったりする。仮にライバル社よりも、2倍早く製品を出荷できるなら、単純に2倍は経済活動において有利にもなるからな。」

鼎「2倍早く生産できるという事は、同じ時間をかけたら2倍多く生産できるという事だよね。とすると売り上げも単純に2倍になるし。」

愛原「人件費も、大抵の場合は、大幅に圧縮できる。ライバル社が2日かけて仕上げる仕事なら、当然ながら人件費も2日分必要になるが、自社がそれを1日で完了できるなら、人件費も1日分で済ませられるからな。ライバル社より2倍以上の人件費を払っているなら、話も多少違ってくるが、そうでなければ人件費面でも、より早く作業を完了できる職人を雇った方がずっと恩恵は大きくなる。」

逆沢「というか、客の立場からすると、納期は少しでも早い方がいいからねー。一方のお店の方が2倍早いとなったら、余程品質や代金に差が無い限りは、やっぱり仕事が早い方に発注をかけるだろうし。ラーメンでも、電車でも、なんでも早い方がみんな嬉しいだろうから。」

鼎「まさしくタイム・イズ・マネーだよね。早いというだけで、ライバルより常に有利にいられる。早く商品を届けられる。早く目的地に運んでくれる。早いというだけで客は優先的に選んでくれる。そして早く仕事を完了できるという事は、回転率も高くなる分、時間あたりの生産量もその分、多くなる。時間あたりの生産量が増えれば、それだけ分、時間あたりの売り上げも商機もさらに拡大できる。逆に仕事がヨソより遅ければ、客には逃げられやすくなるし、作業あたりの人件費も余分に払わないといけなくなるし、時間あたりの生産量も減ってしまうし、いいことは全くない、すごく不利で悲惨な状態に陥ってしまうというか。」

愛原「そういう事。上の方で漫画家の納期の話が出てたが、漫画家という職業も、典型的なタイム・イズ・マネーだからな。筆が早ければ、それだけたくさんの作品を同時連載可能になるし。仕事が早い漫画家には、出版社もより安心して仕事を発注しやすくなるし。」

逆沢「納期を破るような遅筆の漫画家が致命的なのは、そういう事情もあるという事ね。少なくとも供給過剰な漫画家業界では、よーっぽどの人気漫画家でもない限りは、まず優先的に仕事を持ち込んでもらえなくなるという意味で。」

愛原「漫画家側から営業をかけてもいいが、納期すら守れない漫画家に継続的な仕事を任せるのは、やはり出版社にとってハイリスクになるからな。正直、納期にルーズな漫画家は、同人を中心に活動した方がいいと思う。」

鼎「こうしてみると、品質へのこだわりはあればある程、いいかもしれないけど、最低水準さえ満たせば別に必須ではない。けどスピードへのこだわりは、常に必須という事になりそうだよね。」

愛原「似たような品質、似たような値段なら、客は常にスピードが早い方を選ぶからな。スピードに関しては、あるに越した事は無いなんてぬるいものではない。ライバルよりも遅いというだけで、しばしば致命傷になる。ライバルよりスピードが遅くても単価を下げれば客は付くだろうという理論はもっともだが、ライバルより時間をかけて、しかも単価は低い状態というのも、商売としては最低な部類だと思うし。もちろん品質へのこだわりでスピードの遅さを補う手もあるが、客はそもそもそこまで品質を求めてないケースも多いからな。」

逆沢「というか、時間をかけて品質を高めるなんてのは、ほとんどの場合は、幻想だと思うわ。ライバルより仕事が遅い職人は、仕事が早い職人より未熟なだけのケースの方が、圧倒的に多そうな気もするし。仮に仕事が早い職人が、仕事が遅い職人と同じくらい丁寧に時間をかけたら、結局、元々仕事が早かった職人の方が、より高い品質の仕事をしそうというか。」

愛原「学校のテストなんかもそうだな。全ての問題を早く解き終えた学生は、余った時間を添削などに割けるから、凡ミスを見つけたりして、得点をさらに積み上げられる事ができるし。時間ギリギリまでかけないと全ての問題を解けない学生が、素早く問題を解ける学生より、高得点を稼げるなんてのは、ほとんど幻想に近いからな。」

鼎「仕事が早い職人は、余った時間で、さらに品質に磨きを掛けたり、自己研鑽の時間に回したりできるから、結局、どうやっても仕事が遅い職人がそれを上回る成果を出せる事はないケースは、残念ながら多そうだよね。」

愛原「時間さえかければ、誰でもそれなりの成果は出せる。そうではなく、限られた時間でどれだけの成果を出せるか?が、むしろ職人としては重要になるというのが、改めて理解できる思いだな。」

逆沢「そう考えると、今の日本は、職人の扱いがおかしくなってるのもあるのかねー?」

愛原「日本は、元々ドワーフの国だから、職人をないがしろにするようなのは、あってはならないのにな。」

鼎「日本は高度成長期の際に、加工貿易経済で世界を驚かせた事もあったけど、それより昔から、ずーっと職人による生産技術で進歩してきた歴史の国だよね。中国から輸入した漢字や建築技術を独自にアレンジして使いこなし、中世においては南蛮から仕入れた鉄砲をあっという間に国産化して軍事大国化し、近代でも欧州列強の先進技術を素早く吸収したり、繊維などの生産技術を駆使して大国化への道を歩みだし、アメリカとの戦争でも、ゼロ戦を中核とした航空戦力で大国を相手に世界の想像を裏切る善戦をし、後の加工貿易経済につながっていく訳だから。」

逆沢「そう言われると、確かに日本人はドワーフタイプね。中世のイタリアや、現代の米英のように金融を牛耳る錬金術師タイプではないし、誰にも真似できない神秘的な技術や発明特許で突っ走るエルフタイプでもない。武力や軍事力にものを言わす戦士タイプでもないし、宣教師を派遣して思想侵略を図るような僧侶タイプでもない。元々は誰かが持ち込んだ技術を独自に改良・加工してそれを売りさばく事で発展してきた、典型的なドワーフ国家なのよね~。」

鼎「でも今の日本人は、職人を明らかに軽んじているよね。社会的地位においても、経済的地位においても、大衆が積極的に望んで就く職では無くなってしまってるというか。」

愛原「ものづくりを忘れたドワーフなんて、ちっちゃなオジサン・オバサンでしかないのにな。」

逆沢「まぁ20世紀末の頃から、ロボット化によって職人の仕事はこれからどんどん減っていくと言われ続けてきたから、それで職人のなり手が減ったのかも知れないけどね~。」

愛原「ロボット化やIT化がどれだけ進もうと、それらを作ったり、操作する人がそれだけ増えるだけだから、職人の需要がそう簡単に減る訳ないんだけどな。昔ながらの土方がIT土方に替わっただけで、職人の需要自体は変わらない。」

逆沢「けど技術力を武器に職人国家として発展してきたのは、今となっては過去の話。今ではIT後進国と、揶揄されているくらいだからね~。この前のみずほ銀行のトラブルにしろ、半年以上放置されたCOCOAにしろ。」

鼎「私は、IT専門家の技術力が下がっているというよりは、彼らを監督・指導する立場の人達の質の低下が酷いと思うのだけど。たとえばみずほ銀行のトラブルにしても、COCOAのトラブルにしても、問題が発覚してからの復旧自体は早かったし。つまりトラブルに対処できるだけの技術力が無い訳では無く、単純にトラブルを未然に防止したり、速やかに察知する能力が無い。だから半年以上も、不具合が放置されるみたいな、おかしな例も起こってしまったわけだし。」

愛原「官僚の能力低下も著しいんだろうな。ほんの数日前にも、デジタル関連法案で誤字などの誤りが45カ所もあったと報道され、さらに正誤表にも3カ所ミスがあって、正誤表の正誤表が作られるような恥ずかしい事態だったらしいからな。」

鼎「去年の3月に、大阪メトロ英語版公式ページにて、堺筋線の事を【Sakai muscle】と表記した事で爆笑ニュースになった事があったけど、あれと同じような公務員の劣化が全国的に顕在化し出しただけの気がするよ。公務員のお仕事も、ある意味では職人技の側面があると思うけど。公的なお仕事なのに校正作業すらまともにできない所に、彼らの著しい質の低下を感じざるを得ないというか。」

逆沢「公務員も、低賃金の非正規の比率がかなり高くなってると言われてるけど、それのせいなのかね~?」

愛原「正規・非正規の問題ではなく、単純に人手不足なんだろうな。人手不足だから、校正作業にまで労力が回らない。問題が起こってもそれの確認や対策にまで労力が回らないという事なんだろう。もっとも人手不足の原因を突き詰めれば、最終的に労働効率と人件費の問題に行き着いてしまうのだけども。」

逆沢「人件費が安いから、必要な数の労働者を集められない。それなりの質の労働者を確保・育成できない。労働者の質も数も足りないから、効率的な労働ができない。ミスばかり増える。そんな感じか?」

鼎「けど一般論として、公務員というのは、主に高学歴の人が多いはずだし、とすると素質としては、彼らの質がそんな低いようには思えないけど。」

逆沢「前回のテーマで散々取り上げたけど、権力者に媚びないと出世できないシステムというか、仕事がちゃんとできてもそれが出世に結びつかないシステムが、やっぱり災いしてるのかね~?」

愛原「それももちろんあるが、無駄な業務に時間を割かれすぎてるんだろうな。以前、元官僚とかいうのが、テレビで【ハンコを押してもらう為に上司を捕まえるのが大変】とか、【上司に難色を示されないように、できるだけ上司の機嫌が良いタイミングを見計らって訪れるように気を配っていた】みたいな苦労話をしてたが、そもそも上司を捕まえる為に探し回ったり、上司の機嫌の良いタイミングを見計らうという作業自体が、時間の無駄の極みだからな。」

鼎「民間企業でも、それに似た無駄な業務というのは多いよね。ダブルチェックの名の元に、上司のハンコをもらう作業自体が無駄の極みというか。その上司がちゃんと自分の目で見て確認した上でハンコを押すなら、ダブルチェックの意味もあるけど、そうでないなら、ただの余分な作業でしかないわけだから。」

愛原「そういえば、会社に納入されたとある機材に、電源スイッチがまともに入らないという分かりやすすぎる初期不良があったが、にもかかわらず、検査合格証みたいなものが同梱してあって失笑した事があったわ。そのメーカーは運送業者のせいだろとか弁明してたが、どう見ても外傷性ショックによる破損ではなく、機材内部に設置してあるはずのとある部品の調整不足でしかないにも関わらず。」

逆沢「検査合格証の発行のために時間がかかりすぎたから、とりあえず電源スイッチを入れてみるという試運転すら結局行えなかったって事かね~? よく分からないけど。」

鼎「実際に検査していないにも関わらず、検査合格証だけが同梱されていたとするなら、何のための合格証か、全く意味が分からないよね。」

愛原「ただ、こういうのは、割と耳にするからな。実際には測ってもいないのに、なぜか測定後の寸法や仕様が最初から印刷された証明書だけが最初から用意されていたり。上司が自分でチェックした訳でも無いのに、チェックした事になっていたり。二重三重の安全対策をしてる事になってるのに、誰も実際にはそんな安全対策を実行していなかったり。」

鼎「小林化工の不祥事などは、特にその典型だよね。本来ならするはずの複数チェックが全く実行されてなかった訳だから。」

逆沢「まぁ、それ以前に、原発の作業員がバケツで濃縮ウランを流し込んだりする国だからね~。表向きの作業を、現場の作業員がまともにしてる保証が全然ないのが、今の日本というか。」

愛原「というか、表向きの作業工程自体が、どう見てもまともじゃないわな。その作業工程を真面目にこなそうとすれば、どうやっても時間が足りない。人員が足りない。(それだけの人員や残業代を補填するだけの)予算が足りない。そんなケースが多すぎる。」

鼎「上司による名ばかりダブルチェックが横行するのも、多分そのせいだよね。いちいち真面目に検査活動に従事する時間が、そもそもその上司にない。あるいはUSBを知らないIT大臣じゃないけど、そもそも検査の仕方すら知らない肩書きだけの上司だから、ダブルチェック自体ができない。みたいな感じで。」

逆沢「耐震偽造事件の時などに特に思ったけど、行政によるチェック作業も、その典型と思ったわ。ルール上は、役所がちゃんとルール通りの建築が行われているか、チェックすることになってるけど、実際には担当の公務員の数が絶対的に足りないので、結局は業者を信じて機械的にOKを出すだけの機関に成り下がっている状態というか。」

鼎「けど、そんな形式だけのダブルチェックなら、始めからやらない方がマシだよね。業者の責任だけで建築が行われたなら、何かあれば業者のせいで終わりなんだけど、行政が認可してしまったら、業者は当然、行政の認可を盾に建設を無理矢理にでも進めてしまうだろうし。会社の確認作業なんかでも、特定の担当者の責任が明らかなら、お前のせいだで終わりなのに、下手にダブルチェック体制になってしまってると、もう誰の責任か分からなくなっちゃうし。」

愛原「去年の6月に宝塚市でボウガン事件が発生したのを受けて、兵庫県がボウガンを取得する際に県への届け出を義務化するという通称ボウガン条例を施行させたが、正直アホかと思ったわ。仮に知事の発案なら、この爺さんボケたなと思えるレベルの。お前は、刃物で誰かを殺傷する事件が起こる度に、刃物を取得する際に届け出を義務化するのか? ボウガンで人を殺傷させる事件が年に何度起こると思っているのか? その届け出をする事で、どれだけの抑止効果が発生すると思っているのか? こんな特異な事件の為に、いちいち県職員と県民の仕事を増やすのはやめろと。」

逆沢「建築関連の部署でも、人員不足で名ばかりチェックしかできてないのに、ボウガン条例を施行したからといって、どうせ名ばかり管理になるのは目に見えてるのにね~。ていうかそんな所に回す労力があるなら、児童虐待の監視なり、違法建築の監視なり、警察不祥事の監視なり、腐った県議会の浄化なり、そっちにもっと労力を回せよと。」

鼎「リソースが余ってるならともかく、慢性的な労働力不足で、いつ恥ずかしいミスが露見してもおかしくないというか、学校でも警察でも不祥事をもみ消すことで体裁をかろうじて繕っている状態なのに、これ以上、余計な仕事を増やす余裕はとてもないよね。」

逆沢「民間の立場から見ても、役所の認可を得たり、資格の取得や維持に時間を割かれてしまった結果、本来すべき作業が省かれて不祥事につながったりしようものなら、本末転倒もいいところだわ。本来なら、しなくてもいい作業に時間を割かれた結果、しなくてはいけない作業を省かざるを得なくなるなんて、アホの極みでしかないし。」

鼎「そういう二者択一を迫られた時は、しなくてもいい作業を省いて、しなくてはいけない作業に専念して欲しいのにね。たとえば私なんかからしたら、検査合格証も、上司のダブルチェックのハンコもいらないから、ちゃんと検査だけして欲しいというか。それで初期不良が見つかったら、不良品のままお客様に送って、相手に迷惑をかけたり、二度手間にならずにも済んだわけだから。」

愛原「実際に検査することよりも、厳重に検査したふりをするのを優先あたり、【仕事をすることより、仕事をしてるふり】を優先したがる今時の日本人の体質を感じざるを得ないな。ボウガン条例なんか、行政が仕事をしてるふりを演出する典型例でしかないというか。」

逆沢「小泉環境大臣のセクシー発言も、レジ袋規制も、スプーン規制も、実際の環境への影響や費用対効果を考えると、仕事をしてるふりを演出する為のパフォーマンス感がどうしてもぬぐえないわ。」

鼎「アベノミクスもアベノマスクも、そんな感じだったよね。経済を実際に良くするのではなく、株価をつり上げるなどして経済を良く見せかける。とにかく自分のリーダーシップで迅速に動くふりをする事で、頑張ってます感だけを強くアピールするみたいな。黙って成果を出すのではなく、中身はゼロでも、成果を出してます、頑張ってます感を出す方がはるかに重要視されているというか。」

愛原「そういう糊塗作業ばかり繰り返してると、その内、大本営発表のような嘘まみれ状態にしか至らないんだけどな。どれだけ連戦連勝のふりをしても、それで実際の戦況が好転する訳でも無いのに。むしろ戦果が出てると勘違いした分、対策が遅れるだけ害悪ですからあるというか。」

逆沢「まぁ、上司の居ないところで黙々と仕事をするよりも、上司の目に見えるところで【いかにも頑張ってます】オーラを出して、精一杯仕事をしてるふりをする方が、上司の覚えが良くなって出世しやすいからかね~。時間内にさっさと仕事を片付けて帰宅するのではなく、朝早く出社して夜遅くまで残業する事で仕事してます感を出す方が良い的な感覚というか。」

愛原「中身のないダブルチェックもそうだが、中身のない安全対策にも、イライラさせられる事が多い。たとえて言えば、一流のシェフに計量カップでの計量を強制するレベルのな。」

逆沢「シロート同然の労働者に作業させる分には、いちいち計量カップで分量を測らせて料理させるくらいの慎重さがあってもいいと思うけど、ある程度以上のレベルの職人にとっては、ただの時間の無駄でしかないわね。」

愛原「その無駄な作業を強制する例が、意外と多いのだ。取引相手の会社の人が年に数度使えば上等の高圧ガスの交換が1年毎になってて、費用と資源の無駄だと怒ってた。かなり昔の頃に、十年以上も劣悪な環境で放置していたガス容器が爆発する事故があって、それで行政が1年ごとの交換を指導するようになったらしいけど。その容器が爆発したのは、劣悪な環境で何十年も放置してしまったが故の不幸な事故でしかないのに、そんな極端な例を理由に毎年、入れ替えとかアホ過ぎるだろうとも。」

逆沢「なんか時速45キロで走ってた車が事故した例が日本国内で見つかったからという理由で、無理矢理40キロ以内の走行速度を強制するくらい、極端な安全対策ね。ボウガン条例が可愛く見えるくらいの。」

鼎「私は、安全対策をタテマエにした、ガス供給業者に対する典型的な利権でしかないような気がするよ。毎年交換を義務づければ、ガス供給業者にしてみれば、一年に一回しか使わないような取引先に対しても、毎年安定的な収入源になるだろうから。」

逆沢「小泉進次郞は、むしろそういう貴重なエネルギー資源の無駄遣いにこそ、メス入れろと思ったわ。レジ袋とか、スプーンとか、そんなセコいところではなく、産業ゴミのそういう無駄な消費から、まずは手を付けろっていうか。すぐに捨てなくていいものを、行政の力で無理矢理捨てさせられるような無駄の強制こそやめさせろというか。」

愛原「テレビに強制的に付けさせられるB-CASカードなんかもそうだが、利権の為に余分にリソースを消費させる行為自体、行政は直ちにやめさせるべきだよな。元々しなくても良かった作業を増やして、さらに労働的負担と経済的負担を強いるというのは、政策として多いに間違ってるとしか言いようが無いからな。」

逆沢「私はNHKの強制徴収も即刻やめて欲しいけどね。携帯料金の値下げとか、そんなのはどうでもいいから、こっちを先にやれよというレベルで。」

愛原「菅総理の携帯電話業界への圧力は、格安スマホ業界のシェアを奪って大手企業の寡占を進めさせるだけの愚策で、応援する方向性が逆だわな。NTTの違法接待が功を奏したという事かも知れないけど。NHKは論外。有料にするなら、観たい者だけがカネを払って観れるシステムにすべき。国民に等しく提供されるべき公共財と位置づけるなら、全額税金で運営すべきで、人頭税的な別途一律徴収自体が間違っている。徴収リソース自体も無駄。」

鼎「私は、利権がらみのリソースの無駄遣いという点では、学校の制服とか教科書とか、特にそう感じたかも。そもそも世界では学校の制服という概念のない国も多いけど、特に問題はなさそうだし。各家庭の経済環境がファッションに現れないからという理由で賛同する人もいるらしいけど、それなら貧しい家庭でも困らないように、もっと安価な体操着的なものにすればいいと思うし。そもそもごく限られた指定店でしか販売できない制度も、自由競争に反してて訳分からないし。教科書やその他の備品も、他国では学校からの貸与とか支給になってて、必ずしも買う必要が無い所も多いよね。ついでに言うと、毎日それらの本を必ず持ち帰る必要も無い。だから分厚い本で埋まった重たいカバンを毎日背負う必要もない。日本は、子供の頃から、無駄な努力をみんなに強いすぎてると思うよ。」

逆沢「しなくてもいい努力を強要してしまった結果、しなくてはいけない作業がどんどんできなくなっている。それが事故だらけ、不祥事だらけの今の日本につながってる可能性もあると。」

愛原「しなくてはいけない作業自体は、世界的に増える一方だからな。夜は灯りをつける余力も乏しいから、寝るしか無かった江戸時代までとは違うんだ。中世までのように、川や井戸から水をくみ上げて自分の家まで運ぶ必要が無くなって、その分、我々の仕事が楽になったかと言われたら、決してそうではない。ある部分では、確かに楽になってるが、その代わり、別の忙しさが増えている。なぜなら人々は、無限にスピードを追い求める生き物だから。中世までなら、歩きでの移動が当たり前でも、車が発明されれば車に、電車が発明されれば電車に、飛行機が発明されれば飛行機に、人々は依存していくようになっていく。また、そうでなくては生活もできない。なぜなら自分は中世までの暮らしで十分と思っていても、歩きにこだわり続けていては、通勤も輸送すらままならない。通勤や輸送すら困難なら、お金も稼げなくなって、結局、飢え死にするしかなくなるからだ。」

逆沢「自分はインターネットなんかいらないと思っても、今はネットにつながないと、情報交換ですら困難というか、少なくともライバルとの競争に明らかに不利に働く世の中だからねー。色んな手続きも、ネット抜きではどんどん不自由になっていく一方だし。」

鼎「みんながより便利な生活、よりスピードのある生活を望み続ける限り、自分だけがそのレールから外れる訳にはいかないって事だよね。」

愛原「一生遊んで暮らせるだけのカネがあるならともかく、そうでなければ時代に応じたスピード感は持ち続ける必要がある。特に経済の世界では、相手よりスピードに劣る仕事しかできないだけで、仕事を受注できるチャンスが大きく減ってしまうからな。」

逆沢「今の日本の凋落が酷いのは、しなくてもいい仕事にリソースを割かれて、スピード感のある仕事ができないのが原因でもあると。」

愛原「より正確に言うと、しなくてもいい仕事のせいで時間が奪われてるのに、納期だけは守らないといけないから、その結果、手抜きが横行してる状態だな。校正不足のまま誤字だらけの公文書出したり、ネットの自動翻訳そのままにサカイ・マッスルで訳したり、検査もしないまま検査合格証を出したり、半年も反応しないアプリの不具合を放置したり、本来のワクチンの接種回数を満たせる注射器も用意できなかったり、津波が来たらすぐに流されるような低い場所に予備電源置いて原発をポンさせたり、濃縮ウランをバケツで運ばざるを得ない程の作業手抜きしたり、先進国とは思えないような、恥ずかしく杜撰な振る舞いばかりするようになったんだろうな。」

鼎「少子高齢化で労働人口の低下が見込まれるから、なおのこと、無駄な仕事は削って、本当に必要な仕事へのリソースを確保する必要があるのだけけど。」

愛原「昔は、シロート数人分の仕事ができるプロフェッショナルな職人がたくさんいて、だからこそ高度成長期が実現できたという側面もあったんだけどな。今でも、指先で触れるだけで0.01単位の薄さを測定できたり、叩いた音を聞くだけで異常箇所を発見できたりする職人はそれなりにいるが、いかんせん数が減っている。そしてそういう一流の職人に対しても、シロートにやらせるような手順を強制してるから、ますます作業スピードが落ちるばかりになっている。少し触れるだけで厚さや重さが測定できる職人すらすれば、いちいち測定器で計量させる事自体が時間の無駄なんだが、そういう事を無理矢理強制してだな。場合によっては、法律で。」

鼎「叩いた音ですぐに異常箇所が見つけられる職人からすれば、にもかかわらず異常箇所の特定の為に手順を強制するのは、机の一番上の引き出しの中にハンコがあるのが分かっているのに、マニュアルでとにかく一番下の引き出しから開けて順番に確認するように迫るのと同じくらい理不尽だよね。それこそプロの料理人に計量カップの使用を強要するくらいのレベルで。」

愛原「けど安全対策の名目で、そういう無駄な作業を強要する例も増える一方だからな。確かにシロートに対しては、計量カップを用いて料理を作らせるくらいの慎重さがあってもいいが、それをみんなに当てはめるなと思う。一番足の遅い者に合わせてみんなが走っていては、スピード競争には絶対勝てないのだから。」

逆沢「シロートからみたら、叩いただけで安全危険を判断するような職人はすごく不安だけど、それができる一流の職人からすると、そこがスピード競争に勝てる秘訣そのものだから、安易に縛ってはいけないという事ね。」

愛原「他の職人が何時間も掛けて問題点を発見するのを、その職人はハンマー片手に数分で発見し終えてしまうとするなら、それだけで作業速度は数十倍だからな。凡人の10倍以上の早さで仕事ができるプロの手足を縛るような真似は、決してしてはいけない。凡人から見れば手抜きで仕事をしてるように見えても、それは職人芸であって、手抜きでは決してないのだから。」

逆沢「もしかして、上の方で何度か指摘されてる、濃縮ウランをバケツで運ぶような行為も、それが一流のプロ職人による行為なら、容認できる可能性もあるのかな?」

愛原「俺はその業界の人でないし、その手の専門地域もないから、容認できるかどうかは分からんが、シロートがすれば危険に見えても、熟練したプロが扱う分には実際にはそれ程でないなら、いたずらに外部の人が非難すべきではないかも知れんな。安全対策の名の元にプロの職人の足を縛り続けたら、とび職の人も、サーカスの団員も、スポーツの選手も誰一人としていなくなってしまう。」

鼎「そういえば図面通りの製品を作らない一流の職人さんも割といたりするらしいけど、これも別に手抜きではなく、色々考えがあるらしいよね。」

愛原「図面が妥当な内容なら職人側でわざわざ仕様を変える必要はないけど、いい加減な図面というのは割と多いからな。たとえば安全対策なのか、とにかくゼロの桁さえ増やせば良いと勘違いしてるのか、やたら実現困難(or実現不能)な細かい仕様を平気で要求してきたり。この場合、相手によっては、速攻で加工不能だから無理と断るか、法外な値段をふっかけざるを得なくなる。だが話が通じる常連さん相手の場合は、事前に打ち合わせて常識的な条件と費用で加工を請け負う形になる。また一方の部品の難易度が高い場合は、難易度の高い部品を先に作って、難易度の低い部品は、難易度の高い部品が仕上がった寸法に合わせて辻褄を合わせる事もある。シロートの職人なら、馬鹿正直に図面通りに部品を作ろうとして悪戦苦闘する羽目になったり、頭ごなしに無理と断って商機を逃さざるを得ない仕事も、一流の職人は、図面を見ただけで要点が分かるから、加工しやすいように独自にアレンジしたり、そういう逆提案もできるんだ。だからライバルよりも、安く、しかも早く、製品を仕上げる事もできる。それは手抜きではなく、熟練した職人ならではの知恵だ。」

逆沢「必ずしも図面通りに作るのではなく、こっちの方が安く済むとか、こっちの方が早く出来るとか、こっちの方がリスクが小さいとか、こっちの方からお客さんにとって使いやすいだろうとか、職人側から色んな提案もできるってのは強みね。製品に対する深い知識があるからこその芸当なんだろうけど。」

鼎「お店の店員とかでも、状況に応じて色んな提案をできたり、知恵を出せる人は、やっぱり熟練技を感じさせるよね。」

逆沢「職人も商人も、相手がシロートである事につけ込んで、知恵出してるふりして、ババつかませてくる連中もいるから、そこは気をつけないと危険だけどね。悪徳リフォーム業者とか、悪徳買い取り屋とか、悪徳金貸しとか、色々いるから。」

愛原「所在不明な流し(訪問販売)系は、シロートがうかつに相手にしない方が賢明だろうな。まぁそういう例外もいるが、ある程度の年季と、安定したリピーター客と、地域に根ざした店舗を持つ店の職人や商人なら、比較的リスクは低いと思うが。」

鼎「今の世の中は、仕事が出来るふり、仕事をしてるふりが得意なだけの詐欺師みたいなのも多いけど、本当に仕事ができる職人さんは、やっぱり大事にしたいよね。」

愛原「ダブルチェックだのトリプルチェックだのが必要と言われてる作業の数割は、相手がシロートとか、怠惰とか邪悪というのが大前提になってるからな。シロートのやってる事などアテにできないから、ダブルチェックで監視するというのなら、まぁ話は分かる。しかし最初にチェックしてるのが信頼できる熟練の職人なら、ダブルチェックが必要になる局面など、そう多くないだろうし、それが実現できればそれだけで、リソースの節減にも貢献できるからな。」

逆沢「私からすれば、シロート二人によるダブルチェックよりは、熟練のプロによる単独チェックの方が余程、信頼できるわ。まして実際にはチェックもしないのに、ハンコだけ押してチェックしたふりだけしてる連中なんて論外というか。」

鼎「ただ、そういう熟練の職人さんは、付け焼き刃では養成できないよね。それなりの経験と環境が必要というか。」

逆沢「そういう意味では、年功序列も意味があったのかねー?」

愛原「俺は、あまり関係ないと思うけどな。たとえば【A班長の元に配属された職人はすぐに即戦力になる】となれば、A班長の人材育成能力は高く評価されて当然だし、成果給で十分報いられるだろう。まぁ職人の世界では、【部下に仕事を教えると、やがて部下に仕事を奪われかねないから】という理由で仕事を教えたがらない者も確かにいるのはいるのだが、そういうのは、人材の入れ替えが激しかったり、部下がすぐに独立していくような業界・組織の話。より詳しく言えば、人材を使い捨てにしていく体質の組織の話。人材の功績に報いる気のない組織の話だ。功績に報いる気がないから、部下の教育という功績に対して、報酬を払わないし、だから部下を育成してやろうという気自体が起こらない。また部下の方も、自分が一流になる事で報酬が増えるならそのまま残りたくもなるけど、自分が一流になっても三流の頃と給料据え置きなら、そりゃあ出て行きたくなって当然という話になるからな。」

逆沢「アイドル業界なんかで、売れた途端に独立を企むアイドルに事務所側が激怒というニュースはたまに聞くけど、育成費がかかってるのだから、一流に育っても給料据え置きは当然という事務所側の論理は間違いという事か?」

愛原「プロ野球業界でも、活躍したらすぐに給料が上がるのは当然の話。穀潰しの二軍時代が長かったから、一流になっても給料を据え置きにして構わないという論理にはならない。育成費はただの経費で、労働者の報酬から差し引いていいものではない。それは、会社の制服代も備品代もテキスト代も研修施設利用料も、全て労働者の自腹で払わせるようなブラック企業の論理でしかない。」

鼎「つまり年功によって自動的に昇給と言うよりは、一流に育てた、あるいは一流に育った事によって昇給なりボーナスで報いるシステムが大事と言う事だよね。」

愛原「公務員の組織などでは、今でもそれなりに年功序列が生きているけども、労働成果に関わらず自動昇給では、そりゃあ人材の質も落ちる一方だわと思わなくもない。まともに働かなくともトラブルさえ起こさなければ、身分保障がされて、しかも一定の昇給が見込めるなら、リスクなんて誰も取らなくなるからな。」

逆沢「そう考えると、派遣労働者を一流の職人にするのは、かなり難易度が高そうね。仮に一流の職人に育っても、正社員を差し置いて大幅な昇給や昇進は見込めないし、だったら頑張って一流になってやろうという動機付けも起こりにくい。また一流に育ったならば、安い派遣労働者のままで雇われ続ける動機もなくなるから、一人親方なり、他社への転職をどうしても考えやすくなる。また雇う側も、一流に成長する意欲に乏しく、また一流に成長した途端に辞める可能性が高い派遣労働者に育成リソースは割けないから、彼らを使い捨て以上に扱う気も無い。お互いにそんな感じだから、どうしてもシロートから毛が生えたレベル以上にはなりにくいのよね。」

鼎「そんな派遣労働者の比率が高くなる一方の日本って、実はかなり危険じゃないのかな? 彼らの比率が高まった分だけ、一流の職人の比率が低くなる一方だから。」

愛原「そうなると、一流の職人自身の職務遂行能力も、どうしても下がらざるを得ないわな。どんな一流の職人でも、一人でできる仕事の分量には限りがある。納期内で完結できない程の仕事を押し付けられたら、さすがにどこかで手抜きをせざるを得なくなるからな。」

逆沢「で、不具合アプリをそのまま公開するようなミスをしてしまうようになる訳ね。」

愛原「人間は誰でもミスをする。それは一流の職人でも例外ではない。しかし一流であるが故に、凡ミス程度は、気づき次第、すぐに問題点を把握し、速やかに訂正する事もできる。しかし一流の職人ですら間に合わないレベルの厳しい納期に迫られたらどうなるか? 凡ミスがあるかどうかを、確認チェックする時間も取れないようになる。凡ミスに気付いても、それを修正する時間も取れないようになる。」

鼎「みずほ銀行やCOCOAの不具合は、多分そんな感じだよね。動作チェックをすればすぐに気付けるし、気づき次第すぐに修正できたレベルだったのに、動作確認をする余裕も与えられなかった結果の不祥事みたいだし。」

逆沢「なんかいかにも、ギリギリのラインで仕事してる感じね~。本当に予算ギリギリ、納期ギリギリで仕事してる感じ。だからたった一箇所でもミスがあれば、それを直す時間も無い。そのまま押し切るしかない。あるいはミスがあるかどうかを動作確認する時間も無い。そんな感じで。」

鼎「なんか零細ゲームメーカーみたいだよね。バグがあるのを分かっていても、それを修正する納期も予算もないから、そのままマスターアップして、販売するしかない。で、発売日に早速修正パッチを出したりして。」

愛原「発売日に修正パッチが出せるくらいなら、まだマシだけどな。メーカー側がバグに事前に気付けてていた可能性も高いし、不具合解消の為の努力の結果も示しているから。COCOAなんかも、担当した役人なり業者なりが、公開後にでもいいから、できるだけ早い時期に動作チェックを行っていれば修正に半年もかかる事はなかっただろうけど、この仕事に関わった役人も業者も、誰一人として半年間それをしてなかったとすれば、あまりに酷い。」

逆沢「一番むごいのは、半年も放置するという大ポカをしておきながら、誰も責任を取ろうとしない体質の方だけどね。カビだらけのアベノマスクの時もそうだけど、誰も責任を取らない体質があまりにも酷すぎるというか。欧米や中韓などの各国と比べて大幅に進捗が遅いワクチンの遅れに関しても、このままだと誰も責任取りそうに無くて、不安だわ。誰も責任を取らなくて済む体質が続くという事は、これからも似たような不祥事が起き続けるという事でもあるから。」

鼎「みずほ銀行のトップの人も、あれだけの不祥事を起こしながら会長に昇格する栄転が待ってるそうだし、総務省接待で問題になってるNTTのトップも、東北新社の社長さんみたいに辞任する意思を未だ見せていないし。政界の人だけでなく、経済界の人も、大手のトップになればなるほど、責任を取らない腐った体質の人ばかりと思うと、すごく悲しくなるよね。」

愛原「困難な業務を遂行できる一流の職人達に高い報酬を保証してこそ経済は発展するのに、逆にあり得ないレベルの大ポカをやってのけるような組織の無能なトップが高い報酬を得て地位にしがみついて、さらに責任も取らないようでは、そりゃあ社会として衰退に向かってもやむを得ないんだろうなとは思う。」

逆沢「非正規労働者層という格差固定システムも、中世までの奴隷制度と同じような、労働意欲を削ぐ働きを加速させてるだけだしねー。そりゃあ奴隷制度を復活させた方が、人件費は抑えられるかも知れないけど。」

愛原「奴隷階級に対する人権が軽く、かつ奴隷が余りまくってるような社会なら、奴隷制度も(人道的には最低だが少なくとも権力者にとっては)経済システムとして、それなりにアリなんだけどな。使えない奴隷、反抗的な奴隷は、見せしめもかねてどんどんぶっ殺していく。それを見た奴隷は、自分がぶっ殺されないように必死で従順に働くようになる。安く使いつぶせる便利な労働者層が簡単にできあがる。彼らの多くは学もない為、一流の職人のような仕事はできないが、数の暴力でそれも解決できる。一人の一流の職人に100万円払って100のネジを作らせるよりも、10人の奴隷に一人あたり5万円払って100のネジを作らせた方が、ずっとコスト的にも割安になる感じで。」

鼎「なんか20世紀末ごろに、日本企業が中国や東南アジアにどんどん工場を移転させて、現地の人達を安月給で働かせていた頃のやり方みたいだね。国内の一流の職人に頼るよりも、人件費の安い国でたくさんの労働者を安月給で働かせた方がずっとコスパが良い的な。」

愛原「但し、奴隷経済は、奴隷として安月給で働いてくれる人が大量にいてくれないと、そもそも成り立たない。中国人が日本に爆買いにやってくるような世の中では、もうその手は通じない。」

逆沢「でも日本の大企業は、そこで奴隷経済システムを諦めたわけではなく、今度は中国人の代わりに日本人を奴隷として使役する方針にチェンジしたと。」

鼎「けど日本は少子高齢化だし、そうでなくても中国や東南アジアの大人口に匹敵するような数の労働者は、とても確保できないよね。」

愛原「だから労働者一人当たりに割り振らないといけない仕事の量が、かなり増えている。少なくとも今の経済システムのままだと、(慢性的な労働者不足なので)失業率は低く抑えられるが、労働量の多さに見合う賃金は払えない。なぜなら納期を守ろうとすると、最低限の品質も満たせないような労働成果しか上げられなくなってしまっているから。」

鼎「労働成果を上げようと思うと、それなりの労働者の数と質が必要になるよね。」

愛原「数が足りないなら、質で補うしかない。しかしその質自体が担保できない。しなくてもいい仕事に忙殺されたり。ゴマスリだの、仕事をしてるふりに労力を割かざるを得なくなったり。そもそも真面目に教育をする気も無い経営者や管理職ばかりだったり。一流の職人にふさわしい報酬を払わなくなってしまってるから。」

逆沢「過去最高益みたいな利益を上げてる企業すら、ロクに人件費を上げないのが今の日本だからねー。まぁその過去最高益とやらは、人件費をケチった事で実現できたものだからだろうけど。」

愛原「タコが自分の足を切り売りして実現した過去最高益なんて、何の意味もないわな。」

鼎「外国では、そもそも賃金をケチったら、労働者も相応にしか働かなくなるか、すぐにヨソに転職してしまうから、仕事ぶりに応じた報酬は払わないと危険だよね。こんな記事もあるくらいだし。」

愛原「日本でも本来は、そうあるべきなんだけどな。最低賃金で雇うなら、最低の働きしかしてもらえなくて当然という意識をもってしかるべきというか。ある意味、労働者自身が経営者を甘やかせている面もある。同一労働でも、同一賃金でなくていいなら、誰だって安い方を雇うし。最低賃金でこき使っても、昇給させても、どっちみち働きぶりに変化がない(元々もてる力を100%発揮して労働貢献してる為、昇給してもらったからといって、さらに働きぶりを強化する余力自体がない)なら、わさわざ昇給させる意味も無くなるからな。そりゃ、そんな労働力の安売り競争ばかりしてれば、人件費だけはデフレの一方になるわ。」

逆沢「今の日本にとって昇給というのは、ただヨソに引き抜かれないようにつなぎ止めるだけのものでしかないって感じか? だから辞められても代わりはいくらでもいる状態なら、半永久的に昇給させる必要も無い労働環境というか。」

愛原「代わりはいくらでもいる状態という事は、容易に代替が効かない一流の職人をそもそも必要としていない状態でもあるのだが、そんな代わりが容易に効くシロート同然の使い捨ての人材だけで、国際的なスピード競争にどうやって勝つつもりでいるのか? 俺は非常に疑問に思えてならない。」

鼎「一流の職人に頼らないなら、一流の錬金術師なり、一流のエルフなりに率いてもらうか。さもなければ圧倒的な物量で押しつぶすくらいしか、競争に勝つ術はないと思うんだけど。」

逆沢「物量作戦は無理ね。そもそも中国や東南アジアと比べても、移民の多い欧米と比べても、労働者の物量を武器にした人海戦術・大量生産で勝てるとはとても思えないわ。」

鼎「だったら錬金術師の力を借りて金利で食べていくか、エルフの力を借りて、画期的な発明や特許で、リードしていくしかないと思うけど。」

逆沢「コロナのワクチンすら自国で開発できない程に落ちぶれた今の日本に、エルフは演じられないだろ? 他国とのワクチン争奪戦で後れを取ってる上、注射器もそろえられない日本が錬金術師を気取っても、逆にカモられそうだし。どっちも無理無理カタツムリ。」

鼎「ものづくりを忘れたドワーフは、もうただのおチビちゃんでしかないのかな? 日本政府は、観光産業とやらに活路を見いだしたいようだけど。」

愛原「ドワーフとしての矜持が残っているなら、今一度職人としての原点に立ち返るべきだろうな。一流の職人は、仕事が早い。なぜ早いか? 取捨選択が上手いからだ。一番上の引き出しに目的のモノがあると分かってるなら、迷わずその引き出しだけを開けて、時間を短縮する。また一番上の引き出し以外には戻さないようにして、探す時間を短縮する。シロートからみたら散らかってるように見えても、置いてある場所には意味があって、必要なモノがすぐに手に取れるようになっている。また問題が起これば、どうやったらすぐに問題の場所を見つけ出せるか、その方法も知っている。困難な局面に接しても、打開策も持っている。それでいて費用対効果が悪いようなら、潔く退く決断もできる。複雑な機材に頼らなくとも、すぐに測定や検査もできる。何カ所も測りまわなくとも、必要な場所だけ測って製品の安全を保証する事ができる。時間や素材に余裕を持たせる事で、トラブルに対応する余地も広く取れる。また早く仕事を終えられるから、その分、余裕をもって確認作業や校正作業もできるから、凡ミスも防ぎやすくなる。」

鼎「特に今の日本は、利権とか、上司への忖度とか、しなくてもいい仕事へのリソースが足を引っ張ってる傾向が明白だから、無駄な仕事はしないという原点にも立ち返った方が良さそうだよね。」

逆沢「今の官僚らは忙しいという話も聞くけど、上司に忖度して機嫌とったり、森友学園や加計学園に業務外の便宜を図ったり、不祥事の隠蔽作業に携わったり、国会答弁で言い訳をする為の準備をしたり、飲み会は一切断らず総理の息子も接待したり、そんな無駄な仕事ばかりに時間を割かれたら、そりゃあ時間がいくらあっても足らんと思うわ。時間の空費が半端ないというか。大臣がドシロートだったりすると、読み仮名付きの紙手渡して、国会答弁のレクチャーや準備のために徹夜作業するハメになったりして。私からみたら資料だけ大臣に渡して、後は大臣と大臣秘書官で勝手に考えて答弁しろとかやってれば、もっと仕事も楽になるだろうに。それで頓珍漢な答弁して恥をかくような適正外の大臣なら、さっさと辞めてもらった方が国民のためにもなるし。」

愛原「利権の徹底的な排除も大前提だな。利権業者や利権政治家や利権政党は激しい抵抗をするだろうが、これは断行するしかない。時間の無駄であるのみならず、資源の無駄、カネの無駄の極みでもあるからな。コロナ関連でアレもコレも手に入らず、後れを取りまくってる貧しい現状を見せつけられて、これ以上のカネと資源の無駄遣いは容認できないと深刻に感じた。とりあえず政治献金や企業献金の即時廃止から。元々政党助成金制度自体が、企業献金の廃止と引き替えのものだったんだから、本来できないはずがないのだ。」

逆沢「少なくとも仕事をしてるふり、みたいな無駄にリソースを割くのは、いい加減やめて欲しいわ。そういうの、全然ドワーフらしくないから。上司の機嫌を取る為に太鼓持ちするのも。」

愛原「太平洋戦争の末路や、東京オリンピックのを巡る現状とか見てると、ドワーフの頑固さだけが悪い方向に出てるとも思うけど、職人に対するリスペクトを忘れた今の日本人は、魂の部分で既にドワーフで無くなったからな。ドワーフの強みだけ忘れて、ドワーフの弱点だけそのままというのでは、さすがにどうしようもない。ドワーフをやめるならやめるで、悪い部分もまとめてやめて欲しいし、代わりに錬金術師でもエルフでもなんでもチェンジしてくれれば、それはそれで救いもあるんだが。」

鼎「私はプロの矜持というのはすごくカッコいいと思うから、このままドワーフを辞めていくのではなく、ドワーフの魂を取り戻した方がいいと思うけど。」

愛原「矜持のあるドワーフは、何の義理も情もなく、最低賃金で自分の腕を安売りなんかしないけどな。一流の職人を一流たらしめるのは、やはり相応のリスペクト。報酬も尊敬も達成感も得られない仕事の為に、魂を込めて腕を振るうドワーフはいない。そこは忘れてはいけない。」

逆沢「職人としての誇りを取り戻す為に、とりあえず奴隷商人どもを駆逐する事から始めないと駄目か? ドワーフのハンマーは戦うためではなく、ものづくりの為にあるのだけどね~。」

愛原「今の日本は、ミャンマーじゃないから、武力は別にいらないだろ? まずは行動あるのみだ。行動するふりではなく、行動な。」

鼎「国のトップから下っ端の奴隷労働者まで、やってるふりをする事にすっかり慣れた世の中だけど、まずはふりをする事から改めて、奴隷ではなく人としての矜持を少しずつ取り戻せていければいいよね。」



















過去のたわごと 
2021年     2月28日 地位に見合う責任と報酬の話
2月14日 娯楽産業  1月31日 名君・名宰相
1月17日 選別(トリアージ) 1月3日 大きく育ちすぎた作品
 2020年 12月20日 つまらないラスボス戦 12月6日 予知の活用方法
11月22日 信じたい事しか信じない人たち  11月8日 老化の始まり(能力のピーク)
10月25日 敵の成長率 10月11日 属人性
9月27日 信用(信用創造) 9月13日 犯罪都市
8月30日 同行するヒロイン、同行しないヒロイン 8月16日 まとめ役としてのリーダー
8月2日 なろう系主人公とやれやれ系主人公 7月19日 安楽死
7月5日 イデオロギーの矛盾や対立を超えて幸福を実現する方法 6月21日 アピールする人、出る杭を打つ人
6月7日 間違いを改める方法  5月24日 コロナよりも、ゾンビよりも、米軍よりも恐ろしい集団の空気
5月10日 部隊長の決断 4月26日 集団ヒステリーと同調圧力 
4月12日 札束を無限に刷り続けるとどうなるか? 3月29日 借金取りの恐怖
3月15日 禅譲 3月1日 秩序志向のプレイヤーと混沌志向のプレイヤー
2月16日 (こまめな)人事異動(のススメ) 2月2日 忠誠度という名のゲームパラメータ
1月19日 恨み 1月5日 鞍替え
 2019年 12月22日 景気 12月8日 承認欲求に囚われないために
11月24日 黒幕としてのスポンサー 11月10日 プロスペクト理論とモブの生き残り戦略
10月27日 追い込まれた悪人キャラのダメージ・コントロール戦略 10月13日  いじめっ子キャラの特徴
9月29日 命令に背くNPC 9月15日 平等・公平を維持するためのコスト
9月1日 能力値とスキル 8月18日 地位を与えられた者(中間管理職)
8月4日 パニックホラーもののリーダー 7月21日 パニックホラーものの主人公
7月7日 許される人と許されない人 6月23日 愚民政策
6月9日 壊された人への対応 5月26日 新時代の脅威
5月12日 (攻撃の)大義名分 4月28日 前回の反省とキャスティングの話
4月14日 汚染された情報の拡散 3月31日 理想の選挙制度
3月17日 黙示 3月3日 あの世の世界
2月17日 うまくいかなかった革命後をどうするか? 2月3日 策略としての挑発
1月19日 腐敗した司法(正義の裁きの担い手)  1月5日 強きを挫き弱きを助くVS弱きを挫き強きを助く
 2018年 12月23日 悪の根源≒マウントしたいという欲望 12月9日 Steamのゲーム
11月25日 成り上がったダメ人間 11月11日 自分を強化する技VS敵を弱体化する技
10月28日 限界への挑戦 10月14日 「弱者=守られるべき善人」でない場合
9月30日 脅しによる支配 9月17日 信用できない情報だらけの社会の場合
9月2日 太鼓持ち 8月19日 連続攻撃
8月5日 信用スコアに支配された社会 7月22日 内通者
7月8日 人件費コスト管理ゲーム 6月24日 忠義者キャラ
6月10日 欠陥つき有能キャラの処遇 5月27日 邪悪な独裁者に支配された組織のメンバーの挙動
5月13日 邪悪な独裁者が健全な組織を乗っ取る方法 4月29日 論破
4月15日 正義の味方という名の制裁者 4月1日 平気で嘘をつける人たち 
3月18日 公正世界仮説 3月4日 被害者叩き 
2月18日 政治力 2月4日 統率力 
1月21日 優秀すぎるライバルが現れたとき  1月7日 素性を表す記号としての肩書き
2017年 12月24日 フリゲの雑談  12月10日 賤民階級
11月26日 個性づけとしてのパラメータ 11月12日 宿敵宣言
10月29日 大同団結 10月15日 品質について
10月1日 華麗な策略、汚い策略。その違い 9月17日 平等主義と反平等主義
9月3日 ファン型オタクとマニア型オタクの違い 8月20日 ツイッターの利点と問題点 
8月6日 大抜擢された人材 7月23日 誇りと傲慢
7月9日 傲慢とマウンティング 6月25日 権威を利用するナイトども
6月11日 悪事プレイ(のススメ) 5月28日 異界人(宇宙人)の干渉
5月14日 集団の思考ルーチン 4月30日 人間っぽさ=非効率的な思考ルーチン
4月16日 名声欲 4月2日 無言の圧力と忖度
3月20日 ロスト・ハイ・テクノロジー 3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神~命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方~捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤~エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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