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愛原様のたわごと(21年4月11日)






愛原「今回のテーマは【予備戦力】。」

逆沢「今回は前回までと毛色が違うテーマか?」

愛原「いや。今回も前回までの流れそのままだぞ。衰退する組織、衰退する社会にありがちなものを、さらに別の角度から検証したいという事で。」

鼎「けど戦力に関する話で言えば、【戦力の逐次投入】というのは、兵法の忌む所としてすごく有名だよね。そう考えると、予備戦力なんて置かず、全戦力を集中投下した方が有効なケースの方が多そうな気もするんだけど。」

愛原「まぁ、一般論としてその認識は間違ってない。戦力を小出しにしたあげく敗北を重ねるのは、愚か以外の何者でもないからな。但し、それは、勝利に必要十分な戦力を投入しようと思えばできるのに、それを惜しんだり。もしくは必要な戦力の見積もり自体を誤り続けて、勝利に必要な戦力に満たない戦力を小出しにしたあげく敗北を重ねたり。もしくは勝算もないままとりあえず問題を先送りし続けているような場合の話だが。」

鼎「勝利に必要な戦力自体が整えられない場合は、全滅を避ける為に、戦力を無闇に結集させない方がむしろ肝心になってくる事もあるよね。」

愛原「2016年の3月6日に陣形というテーマで取り上げた事もあるが、戦力の集中が逆に仇になる事もあるからな。投資の世界みたいな、勝算が見えにくい戦いの場合は、戦力は集中させるよりも、分散させた方がむしろ有利に働く事も多い。」

逆沢「たとえ勝率99%でも、負けたら全額没収のギャンブルを続けたら、いずれは全額没収される時が来るようなものね。猪突猛進しかできない勇士は、万の兵を全滅させる程に強くとも、ただ1回の敗北がそのまま死につながりやすいのと同じようなものというか。」

鼎「勝つ戦いではなく、負けない戦いというか、退場させられない戦いというか、継戦能力を重視すればする程、戦力をなるだけ温存しておいた方が安心できる事はあるよね。」

逆沢「まぁ、その弱腰な思考が、戦力の逐次投入につながるケースも多いから、実際にはケース・バイ・ケースだと思うけど。」

愛原「兵法を語る上で、ケース・バイ・ケースなんて便利な言葉は、あまり多用しない方がいいと思うぞ。臨機応変とか、高度の柔軟性という言葉と、実質同じだからな。」

鼎「要するに行き当たりばったり。その場になってから、その場で考える。というのと同じだよね。」

愛原「投入する戦力は、ケース・バイ・ケースでも、臨機応変でもなく、目的と状況を正確に理解した上で、前もって決めるべきものだ。敵を殲滅するのが目的なら、敵の殲滅に必要な戦力。追い返すのが目的なら、追い返すのに必要な戦力。足止めなり時間稼ぎなりしたいのなら、それに必要な戦力。目的達成の為に必要な戦力を集められないのなら、そんな戦はそもそも仕掛けてはいけない。というか達成可能かつそれによって恩恵が得られる場面にこそ、限りあるリソース、限りある資源、限りある戦力は投入されなければならない。裏を返せば、ちゃんとした目的意識も持たないまま、適当に行動するから、戦力の逐次投入なんて、おかしな事が起こる。」

鼎「今の日本のコロナ対策も、戦力の逐次投入が裏目に出てると批判されがちだけど、よくよく考えたら目的がすごく曖昧だよね。感染を抑えるというけど、不毛なモグラ叩きにしかなってないというか。感染者の把握手段も、統計の統一性も、抑え込みの手段も、工程表もまるでない状況というか。」

逆沢「多分、勝利への道筋を描けないまま、対処療法的にゲリラ兵が現れる度にそちらに兵を割くだけの状況に陥ってるのかもね。あるいは不毛な威力偵察だけに終始している状態というか。」

鼎「今の日本の政治家は、観測気球上げて反応を見ながらパッシブに判断するのが好きみたいだけど、まさにその発想の延長だよね。」

逆沢「典型的な行き当たりばったりね。とりあえず威力偵察がてらに一定数の兵力を送り込んで、相手の反応を見る。適当に一戦してみて、戦況が良ければそのまま敵が敗走するまで追い詰める。戦況が硬直しているようなら、とりあえず戦線を維持して、時には戦力の逐次投入を繰り返しながら、状況の変化を見る。想定外に厳しい戦況なら、まず最初に責任を取らずに済むような言い訳を考えた上で、撤退のタイミングを計るみたいな感じで。」

鼎「でも投資の世界でも、そんな発想の人が割といるよね。はじめはスキャルピングで秒単位、分単位で小刻みに利益確定を続けてたのに、思ったのと逆の方向に相場が動いた時点で、デイトレードに戦略変更する。でもそれでも相場が好転しないと、今度はスイングトレードに切り替える。みたいな感じで。で、損失ばかりが膨れあがっていくみたいな。」

愛原「スキャルピング向きのレバレッジと、スイングトレード向きのレバレッジがそもそも全然違うのに、スキャルピングのレバレッジのまま、スイングに切り替えたら、負けたときの損失額が絶望的になってしまうんだけどな。というか、戦況がヤバくなる度に、臨機応変だの、高度の柔軟性だのの名目で、戦闘方針を切り替える事自体が間違っているとしか言いようがない。短期決戦と決めたなら、勝っても負けても、短期で決着をつけないとならない。短期決戦と決めたのに、短期ではらちが明かないから長期戦に切り替えるなんて事をやったら、あっという間に兵糧不足になってしまうようなものだ。」

逆沢「短期決戦には短期決戦向きの準備があるし、長期戦には長期戦向きの準備がある。そういうのを無視して、その場その場で戦略方針を変えるのは愚策という事ね。」

愛原「目的は何か? 目的を達成するのに、どんな手段を採るべきか? その際に必要な準備は? それだけが重要だ。それが正しく理解できているのなら、戦力の逐次投入なんておかしな振る舞い自体、する必要が無い。目標達成に必要な戦力がちゃんと計算できているなら、逐次投入するまでもなく、最初の一戦で既に目標は達成できているはずだし。逆に計算の甘さや、想定外の事情によって目標が達成できそうにないなら、それを踏まえて速やかに事態の収拾を図るだけのこと。上手く行かなかったからといって、その場のノリでいちから考えて戦略方針を変更するのではなく、事前に決めていたルールに従って敗戦処理をする。それこそが大事だ。」

鼎「相場の世界で言えば、想定よりいくら逆行したら損切りするとか、いつまでに決着をつけるとか、そういうのを事前に決めておくようなものだよね。相場が逆行してから、さぁどうしよう? もう少し粘るか? 方針を変えるか? とか後になって考えるのではなく。」

逆沢「暗殺者が、暗殺に失敗したからといって、これからどうしようと悩んでたら、すぐに捕縛されて拷問されるだけだろうからねー。そうじゃなく、暗殺に失敗した場合も想定して、脱出ルートもあらかじめ確保しておく。また脱出も困難な場合に備えて、交渉の材料を事前に用意するなり、捕まるより先になるだけ苦しまずに速やかに自害できる工夫もしておく。みたいな発想が大事というか。」

愛原「そういう事。上手くいった場合だけでなく、上手くいかなかった場合も含めて、いろいろあらかじめ想定して準備しておく。今の日本の政治家は【仮定の質問には答えられない】みたいなフレーズを多用するが、こういうのは【私は行き当たりばったりの対応しか出来ません。仮定の場面になった場合は、その時に改めて高度の柔軟性をもって考えます】と言ってるのと同じ。論外。上手くいかなかった場合、想定通りにいかなかった場合にどうするか? そういう質問に答えられないような人間は、決して人の上に立たせたり、戦略・戦術・方針を策定する任務に就かせてはならない。」

鼎「ところで目的に応じて、必要な戦力を用意するという発想なら、必ずしも戦力は常に多ければ多いほど、いいものではないという発想になるのかな?」

愛原「狭い戦場に多くの兵を詰め込んだら、味方の兵が邪魔になって前進も後退も困難になるようなもの。必要以上に多くの兵を動員すると、兵糧や恩賞(報酬)などもたくさん必要になり、財源を大きく圧迫するようなもの。数だけ集めても、その結果、全体の質が下がったら、全然意味がないようなもの。多ければ多いほどいいというのは、大間違いだ。」

逆沢「会社とかもそうね。無駄に多くの従業員やお店を抱えてると、不景気になった途端に、それ自体が経営圧迫要因にしかならないから。」

鼎「とすると、今回のテーマである予備戦力みたいなものも、実はあまり必要ないのかな? 必要なときに必要な数だけそろえられれば良いという意味では。」

愛原「あいにく今回のテーマは、必要戦力ではなく、予備戦力だ。つまり存在としては、予備役の兵士や予備費のようなものにやや近い。」

鼎「つまり、それが必要になる状況は基本的に想定されないけど、非常時にはそれも含めて運用・動員可能なものって認識でいいのかな?」

愛原「まぁ、そんな感じだな。但し、何をもって非常時というのか? そういう意味では非常時のハードル自体は必ずしも高くない。たとえば、仕事が忙しくなったら外注に仕事を出す程度の認識でも構わない。この場合、外注先という存在自体が、予備戦力になるわけだ。」

逆沢「仕事が忙しくなった場合に限って外注に出すという事は、基本的には外注に出さずに、社内で仕事をこなした方が利益率が大きいという事なんだろうけど。それでも仕事を断るよりは、外注に出した方がマシという程度には利益がある状況って感じかな?」

愛原「一度、仕事を断ると、信用を失ったり、後で後悔する事も多いからな。業界によっては、同業で仕事の回し合いみたいなのをする事もあるぞ。在庫切れの商品を受注した場合に同業他社から回してもらったり、仕事が忙しすぎたり、納期がバッティングした際に同業他社に外注に出したり。同業他社というのは基本的にライバルではあるが、必ずしも打ち倒すべき宿敵ではない。時には予備戦力にすら、なり得るものだ。」

鼎「最近、半導体工場の火災とかが相次いでるけど、同業他社に代行生産してもらう事で、業界全体への悪影響をできるだけ抑えているという話も聞くよね。普段は同業他社はライバルなんだけど、こういうアクシデントが起きた際には頼りになるんだなとも思ったよ。」

愛原「自由競争社会のメリットの隠れた一つだな。特定の企業なり行政なりにシェアを独占されてしまうと、その独占してる組織にアクシデントがあると、にっちもさっちもいかなくなるからな。競争できるライバルがいる事で、お互いに競い合う事で更なる発展が見込めるというのが自由競争の表向きのメリットだが、彼らの存在自体が有事のバックアップにもなるという裏のメリットも忘れてはならない。」

鼎「一番の企業さえあれば、二番目以降の企業はいらないという考えをする人もいそうだけど、その一番の企業にアクシデントがあったり、一番の企業が腐敗して劣化した場合を考えたら、その一番の企業に追いつけ追い越せな二番目以降の企業の存在は同様に不可欠という事だよね。」

愛原「民主主義と選挙制度も、同様の考え方でできている。どうせ政権を担当しているのは与党なんだし、与党が過半数を握っている以上、(造反でも起こらない限り)野党の抵抗など無意味で最終的には与党の強行採決でやりたい放題なんだから、【野党の存在自体必要ない。野党の国会質問の時間も無駄だし、野党に給料を払うのも無駄】という考えの持ち主もいるようだが、そもそも野党は与党が民意を失った際のバックアップなんだから、それをないがしろにして良いはずがないのだ。」

鼎「まともな民主主義国では、野党は与党の足を引っ張るだけの政権批判勢力ではなく、与党のバックアップとしての機能を兼ね備えているよね。だからこそ国民は政権を選ぶ事ができるし、政権交代も普通に起こるというか。」

愛原「先進民主国家では、【長期政権は必ず腐敗する】という大前提があるから、大統領などには任期が定められていて、どんな善良なトップでも、任期になったら強制的に退任させられるというか、強制的に政権交代させられるシステムすらあるからな。」

逆沢「発展途上国にありがちな独裁国家では、独裁者(個人とは限らない。一族の場合もあれば、軍部などの組織の場合もある)が何十年も政権に居座って国家の私物化をやってる例も珍しくないけど、ああいうのを見せつけられると、長期政権は本当に害が多いと思わせられるわ。あまりに独裁が酷すぎて、支配者の悪口すら憚られるから、表向きは国民の大半が独裁者万歳を掲げてはいるけど。」

鼎「そういう国がまずいのは、バックアップになれるような野党的存在が皆無だから、アラブの春みたいな革命劇が起こっても、結局、その新政権の政権担当能力が足りずに、国民から見放されたり、あるいは旧勢力がクーデターなどで巻き返しちゃう事だよね。」

愛原「農民一揆の軍が領主を倒しても、じゃあ彼らに政権担当能力があるか? みたいな話だな。ジンバブエの悲劇も、似たようなものといえるかも知れない。」

鼎「ジンバブエは、元々はアフリカの中でも有数の豊かな国だったけど、それはかつて黒人を奴隷としてこき使ってた白人の知識層が政権のみならず経済も牛耳っていたからだよね。でも当然ながら、当時のジンバブエの豊かさは、黒人の犠牲を前提に成り立っていたものだから、黒人層の恩恵はかなり限定されているというか、彼らの不満は募るばかり。そんな中、隣国の南アフリカで英雄マンデラが打倒アパルトヘイトというか、黒人政権を成功させたのもあって、ジンバブエでも同様の革命が起こり、ようやく黒人政権がジンバブエでも誕生した。けれどジンバブエの場合は、英雄マンデラのような偉大な指導者に恵まれなかった事もあってか、白人の知識層が去ったジンバブエは大混乱に陥り、ハイパーインフレなどにも見舞われ、ついに自前で貨幣発行もできない状況にも追い込まれたというか。今は中国の支援を受けて、人民元をメインの基軸通貨とする事で立て直しつつあるようだけど。」

逆沢「まー、白人の知識層と敵対した成り行き上、欧米諸国側の国家がジンバブエを積極的にサポートする事は考えにくいし、そうなると中国頼りになるのは分からなくもないけどね。」

愛原「政権担当能力のある確かな野党が存在しない、存在を許されない国家の場合、ウンコ味のカレーとカレー味のウンコの比較じゃないが、相当に悲惨な二者択一を迫られる事になりやすい。腐敗していく一方の独裁政権に渋々でも従い続けるか、もしくはその後の混乱を織り込み済みで革命に挑戦するか?」

逆沢「なるほど。先進的な民主国家で、トップの任期を強制的に制限してるのは、ちゃんと理由があるって事か? どんな立派なトップでも、老いや腐敗は避けられない。そして長期政権はバックアップとなるべき野党勢力を例外なく弱体化させようとするし、また長く政権を担当しないままでいる事で自然に政権担当能力(ノウハウや人脈)を失うので、その結果、バックアップが機能不全を起こす危険も増す。だからそうなる前に強制的に政権交代させていくと。」

鼎「家でも、空き家のまま長く放置し続けていると、やがて住めない家になっていくというけど、それと同じだよね。家を家として保ちたいなら、定期的に手入れしていく必要があるように。野党の政権担当能力を保持したいなら、定期的に与党を経験させておく必要がある。そうでないと、いざ与党になった時に、必要なノウハウも人脈もみんな失われていて、全くの役立たずになる危険性が高まるから。」

愛原「機械でも、何年も回さないと錆だらけになって、いざという時に使い物にならない可能性が高まるようなものだな。一番優秀なものだけを使い倒したい気持ちは分かるが、どんな人、どんな物でも寿命はあるし、いざという時に備えるという意味で、予備戦力のようなものは常に必要になる。そういう発想は必要だ。」

鼎「スポーツの世界でも、不動のエースばかりに頼ると、その不動のエースの力が衰えたり、故障したときに困る事が多いよね。だから余裕のある時に主力選手の休養を兼ねて、控えの選手と交替して試したり、次世代の育成にも取り組んだり、そういうバックアップ体制は怠らないのが普通というか。」

愛原「スポーツの世界でも、自分と役割のかぶる選手は競争すべきライバルであるが、チームにとっては貴重な予備戦力だし、そいつがいるから休養もできたりするからな。選手層が薄いチームほど、主力選手が酷使されて、あげく故障したりするのも珍しくないし。」

鼎「野球のピッチャーとか、特にそんな部分があるよね。控えの投手がしっかりしてたら、勝ち投手の権利を持ったまま、安心して降板して後を託す事ができる。しかしそうでないと、自分ができるだけ多く投げないといけなくなるし、そうなると疲労も増すし、そうなると途中で打ち込まれる危険も増すし。誰にとっても不幸というか。」

逆沢「ただ競争相手をライバルと認識している立場からすれば、競争相手を排除して、独占的・安定的な立場を築きたいという心理もあるのよね。特に権力・財力を争うような立場の人程、その認識が強くなると言うか。」

愛原「だから、経済の世界では独占禁止法なんてものが存在するし、政治の世界でも多選制限などがあるのだ。競争させられてる当事者自身は、隙あらばライバルを蹴り落として独占的地位を確立したいとしか考えない以上、それをさせない仕組みが社会として不可欠になるからな。」

鼎「ただ、ここ十数年の日本の与党政権は、どうみても競争原理をないがしろにしてる気がしてならないんだけど・・・。独占禁止法をないがしろしてまで、企業合併をやたら推進したがる有様だし。複数企業の戦力を一箇所に集めてジャパンディスプレイみたいな発想とかもそうだし。中小企業を整理縮小したがって、大企業優遇の姿勢もあからさまだし。エルピーダメモリとか、東電とか、日産とか、大手ばかり公的支援したがる体質もそうだし。大手テレビ局に至っては、外資規制に引っかかろうが絶対に電波を止めない。新規参入も新陳代謝もさせない。どれだけ腐敗しても、絶対に潰さない潰させないという意思が明白だし。ベンチャー支援も欧米や中国と比べて貧弱だから、ITなど一部の業界を除いて、昭和の時代からの大企業が変わらないシェアを保持してる有様だし。」

逆沢「大艦巨砲主義ってやつかね~? ベンチャーとか小さな所を大きく育てる意思はなく、元々大きな所をさらに大きく育てた方がいいというか。だから複数のメガバンクを集めてみずほ銀行爆誕とか。ジャパンディスプレイもそうだけど、とにかく合体させてでっかくしたら強いに決まってるみたいな考えというか。そんなだから、そのでっかい所が潰れそうになると、公的資金をできるだけ注入してでも、できるだけ潰さないようにする。中小企業もできるだけ減らせと言う考えだから、ベンチャー支援なとどいう中小企業をさらに増やしかねない政策を推進したいとも思わない。東京一極集中とかも、そういう強い所に戦力集中という意味では当然の政策なのかもね~?」

愛原「競争原理が働かないデメリットの方が、俺には大きすぎるようにしか感じないんだけどな。それに大企業といったところで、大きいのは箱だけで、実際には実務は中小企業に丸投げという例も珍しくはないし。」

逆沢「今、はやりの中抜きって奴ね。官僚の天下りが経営している特殊法人とか、政権と癒着した大企業がとりあえず仕事を受注はしてるけど、そこが何かするわけではなく、中抜きだけして他企業に仕事は丸投げって奴。COCOAとか、完全にそんな感じみたいだし。だから不具合が起こっても、元請けに近いほど、誰も気づけない。どこに責任の所在があるかも分からないというか。東京電力とかが7次下請けとか、8次下請けとか、もう末端がどうなってるのか分からなくなる程、複雑な業務委託体制にしてるのも、末端にやらせている違法な業務に気付かないふりしたり、背任まがいの工作をしたりできるといった理由なのかと、勘ぐってしまうわ。」

愛原「電通やパソナといった大企業であれ、実体のないペーパーカンパニーであれ、ただ中抜きするだけの業者は、責任の所在も不透明にし、生産効率も下げるだけでしかないから、害悪以外の何者でも無いと思うけどな。もっともアマゾンや楽天のような企業を、プラットホームを貸すだけの中抜き業者だからという理由で否定するのも違うと思うが。」

鼎「アマゾンや楽天のような会社は、問屋のようなものだと思うよ。そこが間に入るから、逆に上手くいく的な。本屋の業界とかも、出版社と本屋の間に問屋があるからこそうまく回るような所があるし。星の数ほどありそうな出版社と街の本屋が直接取引しなくてはならなくなったら、出版社も各本屋も、お互いに取引先が増えすぎて事務作業も膨大になってそちらの負担が半端じゃなくなるようなものだから。」

愛原「ちゃんと束ねてまとめて、適切に紹介したり、細かく割り振ったり管理できる中間業者なら、存在価値は十分なんだけどな。世間で批判されがちな丸投げ業者とは、その点で全然違うというか。」

鼎「なんでもかんでも、大企業化すればいいというものでもないよね。たとえばトヨタなどの自動車産業は、無数の中小企業に支えられてるけど、なぜトヨタが自前でネジを作らないのか?自前でタイヤを作らないのか? 自前の運送トラックを走らせないのか?というのも、当然理由がある事だし。」

逆沢「そういえば、トヨタに限らず、イオンにしても、神戸製鋼にしても、そういう会社名を冠した大型トラックが走ってるのは、見た事無いわね。イオンのお店に商品を届けるのは、大抵はどこかの運送屋かメーカーのトラックだし。トヨタや神戸製鋼の工場の敷地に入っていくのも、大抵はやはり運送屋名義のトラックか、下請け企業名義のトラックばかりだし。彼らの資本力があれば、自前でトラックや運転手を調達する事も容易なはずなのに。」

愛原「理想で言えば、トヨタが、トヨタの工場内でネジもタイヤも全部作れば、ネジ屋やタイヤ屋に余分にカネを払わずに済むし、トラックと運転手も自前で調達すれば、運送屋に払うコストも抑制できるだろうにな。しかし、彼らはそれをしない。なぜか?」

鼎「イオンとかも、トップバリューのプライベートブランドをたくさん作って販売してるけど、実際はイオンが外注してそれを作らせているだけだよね。イオンが自前のトップバリュー商品向けの生産工場を大量に持っている訳では無くて。」

逆沢「その方が、リスクが小さいからかね~? 外注なら売れなければ、速攻で生産を打ち切ることもできる。生産量の調整もしやすいということで。」

愛原「多分、そんな感じだろうな。まぁ東京電力じゃないが、ヨゴレ仕事をさせやすいという事情もあるだろうけど。トヨタとかイオンとか書かれたトラックが、時間待ちの違法駐車をそこらじゅうでしてたら直ちに社会問題になるだろうけど、下請け名義、あるいは運送屋名義のトラックなら、そこまで目立たないし、問題化しても警察の厄介になるのは、そのトラックに書かれた企業になるからな。」

逆沢「うーん。そこは日本社会の闇としか言いようが無いわね~。」

愛原「まぁ、闇の部分は置くにしても、リスク分散の視点自体はもっておいて損はない。効率化を求めれば、どうしても戦力の集中を図りたくなるが、戦力を集中させればさせるほど、その戦力を損ったり、だぶらせるような有事が発生した時にダメージが大きくなるからな。」

鼎「というか、今の日本の場合は、予備戦力を置く余裕がないくらい、戦力自体が乏しくなってるような気もするけど。」

逆沢「だから戦力を集中させる方向に特化しつつあるってか? もしかして。」

愛原「だとしたら、典型的な玉砕戦法だな。少なくともまともではない。貧乏人が有り金全部突っ込んでギャンブルやるのが、どれだけ危険で愚かかくらい、言わなくても分かるだろ? 貧乏だからこそ一発逆転に賭けたいという気持ちは分からなくもないが、それはただの危険な博打。少なくとも戦略的思考ではない。」

逆沢「まぁ、馬鹿貴族の元に戦力を集中させるヤケクソをやるくらいなら、馬鹿貴族を排除した上で、立て直した方が余程まともだと思うわ。戦力自体が乏しいというよりは、バックアップ不在状態が長く続いたせいで、戦力が適切に運用できないのが主原因な気がするし。まぁ戦力が適切に運用されない状態が続いた結果、相次ぐ敗戦で戦力自体も大きくすり減らした感はあるけど。」

鼎「今の腐敗しきったメインに、これ以上組織を任せてはおけない。しかしバックアップ自体が不在。こういう時はどうすればいいのかな? 変えたら大混乱は必至。でも、変えなければより腐敗が進行する一方という袋小路状態を脱するには。」

愛原「こうなると、それなりの犠牲は覚悟せざるを得ないな。一見、革命の成功例とみられる明治維新にしても、実際は戊辰戦争や西南戦争もあり、数々の要人暗殺もありで、長年にわたって大量の血が流れ続けたわけで。ただ犠牲を少なくする方法自体はある。アファーマティブ・アクションみたいな方法とか。」

逆沢「舌かみそうな単語だな。アファ? とにかく、なんだそれは?」

愛原「元々は、貴族だけが高等教育を受けているような社会で、平民を一定割合、強制的に修学・就業させる特別措置を指す。つまり高等教育を受けていないが故に、本来なら入試試験に合格できない平民達を、一定数強制的に合格扱いにする措置のようなものだな。試験の成績順に合格にすれば、平民は100人中5人合格すれば上出来な環境であっても、【最低でも合格者の30%は平民とすること】という特別措置をほどこすことで、平民の学習機会を増やすような感じだな。つまり本来なら、テストで70点以上取れば合格とするところを、貴族は80点以上取れないと不合格。平民は50点以上であれば合格とする事で、バランスを取るわけだ。そんな訳で日本では、積極的格差是正措置とか、肯定的差別と訳される事が多い。」

逆沢「なんか前に問題にされた東京医科大学の不正入試事件を思い出すな。あのときは、三浪以上の受験生と、女子の受験生に対して、一律減点処理を施すことで、二浪以下の男子学生をこっそり優遇した事で大問題になってたけど。」

愛原「あれは、こっそり得点操作をやってた時点で、そもそもアウトだわな。今後、同じような真似をする学校があったら、その学校のトップを年単位の懲役刑にしていいくらいのレベルの。まぁ、あらかじめ【三浪以上の受験生と、女子の受験生に対しては、○○点減点処理した上で合否を判定します】と公言していれば、少しはマシだったかも知れない。無論、女子や三浪以上の学生を優先的に排除する事に妥当性があればの話だが。」

鼎「是非はあると思うけど、元々女性しか雇う気がないのに、男女雇用機会均等法のタテマエを守る為に表向きだけ性別不問で募集かけたりするのは、私も嫌かな? 絶対採用される見込みのない人に期待だけ持たせて、余計な労力を使わせるだけになるから。雇われる側の人にとっても、雇う側の人にとっても、そういうのは無駄な労力でしかないから。」

愛原「仮に男女の雇用機会を本気で均等にしたいのなら、従業員の比率の部分で監視する方がいいわな。【従業員の男女数は、比率において必ず40~60%以内か、もしくは事業所単位で10名以内の差に保つ事。でないと罰則】みたいな感じで。募集段階だけで性別不問にしても、雇われる見込みのない人に期待感だけ持たせたり、雇う気のない人間の面接に時間を割く羽目になるだけで、はっきりいって時間と手間の無駄だから。」

逆沢「まぁ、なんでもかんでも男女の雇用比率を平等にしたらいいとは、思わないけどね。たとえば、海軍の潜水艦乗りは基本男子のみみたいだし。なぜなら女子トイレを作れるだけのスペースが潜水艦にないらしいから。」

愛原「それ以前に、女性を軍隊に混ぜると、レイプの危険が高まるからな。男のみの軍隊でも、過酷な環境になるとホモが増えて、同性レイプも珍しくなくなる有様なのに、男と女を戦場で混ぜたら、大変なことになるのは目に見えている。女性を軍隊に混ぜるなら、情報処理などの裏方に回すか、女性のみの部隊として編成するか、高い地位に就けて運用するか、森元総理いわく【女性と呼ぶにはあまりにも○○】な人達限定で男と混ぜるか、何らかの工夫がいるだろう。まぁ高い倫理観と、過酷な環境を割ける工夫があれば、何とかなるかも知れないが。」

逆沢「そういう時に役に立つのが、アファなんとかという奴ね。まさしく肯定的差別そのものというか。」

愛原「先進民主国にありがちな多選規制も、アファーマティブ・アクションそのものといえる。本来なら誰にでも平等に立候補できる権利があってしかるべきだが、多選は弊害が多いという事で、あえて彼らの立候補できる権利を制限しているわけだからな。」

鼎「日本も、そういう制度はもっと積極的に導入すべきだよね。日本は元総理といわれる人が何年も国会に居座って院政を敷いたりするから、余計に変われないというか、新陳代謝できないというか、時代の変化についていけず、世界から取り残される一方の気もするし。女性の国会議員比率もG20で最下位という惨状だし。」

愛原「国会議員の多選規制と女性比率の改善は、両立可能だけどな。当選回数○回以上の者は立候補禁止とすれば、その分、現職議員が減るから、女性議員候補者の空きができる。後は政党別に最低何%は女性とするみたいなルールを作成すればいい。」

逆沢「まぁ、そんな事を言うと、【ちゃんと政治をやってくれるなら、男でも女でも誰でもいい。でもちゃんとやってくれないようなら、誰であろうと論外だ】みたいな主張をする人もでるけどねー。」

愛原「それは最低限の犠牲として、割り切らないといけない。貴族しか高等教育を受けられない社会なら、高等教育を必要とする仕事ができるのは必然と貴族だけになってしまうからな。けれどそれじゃ、貴族が支配する世の中は未来永劫変わらない。貴族がどれだけ腐敗しても、貴族に仕事を任せるしか方法はない。そんな世の中になってしまう。それを無理矢理是正する為の制度が、アファーマティブ・アクションなんだから。」

鼎「平民に貴族のような仕事はできないと分かっていても、それでもあえて平民にも仕事を割り振る。そして平民に経験を積ませて、なんとか一人前に育てるという考えだよね。そしてそれを繰り返す事で、貴族に頼らなくとも平民だけでも仕事が回るような社会を実現していくというか。」

逆沢「スポーツの世界でも、余裕のある時にあえて経験不足の新人を試合に出させて経験を積ませるみたいな考えがあるけど、それと同じような感じね。」

愛原「看護士だろうが、大型トラックの運転手だろうが、職人だろうが政治家だろうが、最初は誰でも新人だ。ベテランほどはうまくやれない事も多いだろう。しかしベテランもいずれは老いる。引退していく。だから無理にでも新人に機会を与えていくことは重要になる。それと同じ。貴族しか仕事ができないから、貴族に任せ続けるのではなく、だったら平民にも経験に積ませて、貴族並みに仕事が出来るようにしっかり育てるというのが、アファーマティブ・アクションの本来の趣旨だ。」

鼎「ただそれを成功させるには、既存の権力者の協力が必要になるよね。たとえば貴族だけが持つ仕事スキルを平民が身につけるには、どうしても貴族の協力が必要になるというか。」

愛原「そこが最大の課題だな。明治維新の場合は、倒幕されてしまった事で無職になる危機にさらされた旧幕臣が少なからず明治新政府に再雇用された事で、旧幕臣が薩長に協力する体制ができあがったから、比較的革命が上手くいった部分もあるのだが。一方、ジンバブエなんかの場合は、白人の知識層が軒並み海外に逃亡してしまったせいで、国家を運営するノウハウが伝承されなかったのが災いした感がある。」

逆沢「つまり無理矢理にでも貴族が平民に席を譲って、新体制に協力させる事ができるかどうかが鍵って事か? なかなか難易度が高いわね~。貴族からすれば平民に仕事を教えれば教えるほど、将来的に自分達の既得権益というか、仕事が奪われるのは分かりきってる話だから。」

愛原「明治維新の時のように、【新体制に協力しないなら飢えて死ね。】くらいの強気で出られないとどうにもならないだろうな。まぁ、難易度は高い。だからそうなる前に対処しておくのが最善という話には、結局なってしまう。革命を起こさずとも済むようにな。」

鼎「そういえば、アファーマティブ・アクションといえば、東京都の都立高校が男女別定員制を採用したという話も聞くけど、これは意味があるのかな? 結果として、同じ得点を取っても、女子は不合格なのに男子は合格になるような例が割と見られるそうなんだけど。東京医科大学の例だけに限らず、女子の方が真面目に勉強する者が多いせいか、ガチでテストをすれば、どうしても女子の方が平均得点が高くなってしまうかららしいけど。」

愛原「十分に国民教育が行き渡った環境で、真面目な平民の息子と馬鹿貴族のアホボンが競い合ったら、平民の息子達がアホボンを一方的に圧倒してしまったような感じだな。で、そのまま合否を判断すると、馬鹿貴族のグループが軒並み不合格になって集団から排除されかねないから、貴族グループと平民グループでグループを分けて、【それぞれ上位何名を合格とする】というルールに変えたようなものかも知れない。」

逆沢「元々貴族と平民で教育環境に著しいハンデがあって、それを是正する為に平民を優遇するというのなら話は分かるけど、平民の教育環境が改善されたせいで貴族の取り分が減ったから、今度は貴族を優遇するというのは、なんか違うと思うけど。貴族の方が平民と比べて経済的・環境的に不利な部分があるというのなら、そこは是正されるべきだと思うけど。元々圧倒的有利な身分のくせに、怠けていたら追い越されたから優遇しろってのは、さすがに違うというか。」

鼎「補助金の問題もそうだよね。初期資金が少なくて大変だけど、頑張るベンチャーを応援するというのなら話は分かるけど、腐敗して時代についていけなくなった大企業を救う為に公的資金をじゃぶじゃぶ投入するというのは、全く話が通らないというか。むしろそんなゾンビ企業には、どんどん席を譲ってもらわないといけないというか。」

愛原「それが正しい予備戦力の活用方法だよな。打てないバッターは、いくら昔は活躍していても、それを理由にレギュラーに留めていい理由にはならない。打てる若手にどんどん世代交代していかないとならない。また世代交代していけるような、バックアップ体制を保持し続けなければならない。何年も活躍できてないのに高年俸の選手をいつまでも優遇し続けて、今は低年俸だけど活躍できる見込みの高い若手を冷遇するようでは、先細りは目に見えているからな。」

逆沢「今の日本政府の方針みたいに、大艦巨砲主義的に、勝てないならどんどん合体して大きくしていけばいいというのは、全然違うってか。」

愛原「ゾンビ企業の図体を無駄に大きくしてもなぁ。むしろそんなものは速やかに解体して、優秀な若い企業の為に道を空けた方がいい。ゾンビ企業の中にも優秀な技術者や営業マンはいるだろうし、彼らが伸びる企業に再雇用されることで、より効率的に力を発揮してくれれば、それに越した話はないからな。」

逆沢「今の日本の場合は、それができてないから、優秀な開発者から、次々海外に流れる一方だけどね。」

愛原「もったいないな。優秀な旧幕臣の囲い込みに成功した明治新政府路線ではなく、優秀な白人知識層を海外に取り逃がしたジンバブエ路線まっしぐらだな。」

鼎「政治の世界でも、経済の世界でも、新しい世代を育てる体制が全然出来てないというか。古い世代の既得権益を守るために、若い世代を芽の段階で潰して将来の脅威を排除することばかりに熱心にしてたら、ついにここまで落ちこぼれてしまったという感じかな?」

愛原「対抗勢力を芽の内に潰す事で長期独立政権を維持するような後進独裁国家と、どれだけ英邁なリーダーでも任期が来れば強制的に退任させる事で若い血を入れ続ける先進民主国家。どっちを選ぶかという話だが、落ちぶれる側は大体前者だわな。分かりやすいくらいに。」

逆沢「つまり資源の有無、資産の有無、リソースの有無を、未来への投資を怠る理由にしてはいけないと。」

愛原「有り金が少ないからと言って、全額をギャンブルに注ぎ込んで負けたら破滅だからな。有り金が少ないならなおの事、その金は慎重に大切に運用しないといけないのと同じ。当面不必要なものは売って金に換える。採算性のあわない仕事はなるべく避ける。そうやってリソースを増やしていく。そういう発想が必要だ。まぁ家計レベルではなく、国家レベル、一定以上の企業レベルであれば、収入が少ないから足りないというよりは、無駄が多いから足りなくなるケースの方が多そうだけど。」

逆沢「ゾンビ企業の救済に回すカネが必要だから伸びるベンチャー企業に回すカネがないではなく、じゃあゾンビ企業の救済を止める事で、浮かしたカネを伸びるベンチャーにカネを回せ。貴族の既得権益を守るためにリソースを回すのではなく、そのリソースはむしろ貴族の特権を潰す方に回せって事ね。」

愛原「そう。カネがない、リソースがないのではなく、無駄な部分にカネやリソースが流れてるから、足りなくなっているといった方が正しい。技術者が足りないから落ちぶれているのではなく、技術者を飼い殺しているから落ちぶれているだけ。海外に引き抜かれる程度には、技術者はちゃんと余っていたりもする。」

逆沢「生産性が低いというのは、そういう事ね。ウサギ跳びをやらせるような、無駄な努力ばかりさせているから、過労死する程みんなが働いても、それが結果に反映されないと。」

愛原「官僚の天下り企業や、特定の大企業が丸投げの中抜きで大金ゲットできる程度には、カネもリソースも余っているからな。ただ、そういう部分にカネとリソースが割かれているから、末端にしわ寄せが行くだけで。」

鼎「教育費とか、研究費とか、予備費とか、積み立て費用とか、投資費用とか、そういうのは直ちに結果として形に表れるものではないから軽視されがちだけど、腐敗をさらに進めるような延命に回すくらいなら、こっちにもっとリソースを割きたいって事だよね。」

愛原「1番だけがいれば2番以降は必要ないなんてのは、誤った認識だ。1番を脅かすような2番目がいるからこそ、1番目の腐敗を抑えられる。それでも1番目が腐敗したなら、堕ちた元1番に変わって、2番目が新たな1番目として立て直しもできる。また1番目にアクシデントが起こった際に、バックアップも効く。1番目にほどよい休養を与える事もできる。大きなものが1つ有れば良いというのは、大きな間違い。むしろ大きすぎて潰せない(Too Big To Fail)リスクの方がでかくなる。」

逆沢「むしろ健全な競争が機能する状況を維持する方が肝心って事ね。それ自体が無数の予備戦力としても機能する訳だし。」

鼎「長期独裁政権も、Too Big To Failの典型だよね。潰したら大混乱は必至。だからそこまで大きくなる前に、対処しておかないと駄目というか。」

愛原「大きすぎる存在のバックアップを維持するのも大変だからな。という訳で今回は、どれだけ腐敗しても破壊不能な程の大きすぎるものを目指すか、大きくなりすぎて手が付けられなくなる前に小さなものをきちんと育てて次々新陳代謝できる方向こそ目指すか、という視点でも考えてみたぞ。」












過去のたわごと 
2021年     3月28日 不正の告発と隠蔽
3月14日 職人(ドワーフ)  2月28日 地位に見合う責任と報酬の話
2月14日 娯楽産業  1月31日 名君・名宰相
1月17日 選別(トリアージ) 1月3日 大きく育ちすぎた作品
 2020年 12月20日 つまらないラスボス戦 12月6日 予知の活用方法
11月22日 信じたい事しか信じない人たち  11月8日 老化の始まり(能力のピーク)
10月25日 敵の成長率 10月11日 属人性
9月27日 信用(信用創造) 9月13日 犯罪都市
8月30日 同行するヒロイン、同行しないヒロイン 8月16日 まとめ役としてのリーダー
8月2日 なろう系主人公とやれやれ系主人公 7月19日 安楽死
7月5日 イデオロギーの矛盾や対立を超えて幸福を実現する方法 6月21日 アピールする人、出る杭を打つ人
6月7日 間違いを改める方法  5月24日 コロナよりも、ゾンビよりも、米軍よりも恐ろしい集団の空気
5月10日 部隊長の決断 4月26日 集団ヒステリーと同調圧力 
4月12日 札束を無限に刷り続けるとどうなるか? 3月29日 借金取りの恐怖
3月15日 禅譲 3月1日 秩序志向のプレイヤーと混沌志向のプレイヤー
2月16日 (こまめな)人事異動(のススメ) 2月2日 忠誠度という名のゲームパラメータ
1月19日 恨み 1月5日 鞍替え
 2019年 12月22日 景気 12月8日 承認欲求に囚われないために
11月24日 黒幕としてのスポンサー 11月10日 プロスペクト理論とモブの生き残り戦略
10月27日 追い込まれた悪人キャラのダメージ・コントロール戦略 10月13日  いじめっ子キャラの特徴
9月29日 命令に背くNPC 9月15日 平等・公平を維持するためのコスト
9月1日 能力値とスキル 8月18日 地位を与えられた者(中間管理職)
8月4日 パニックホラーもののリーダー 7月21日 パニックホラーものの主人公
7月7日 許される人と許されない人 6月23日 愚民政策
6月9日 壊された人への対応 5月26日 新時代の脅威
5月12日 (攻撃の)大義名分 4月28日 前回の反省とキャスティングの話
4月14日 汚染された情報の拡散 3月31日 理想の選挙制度
3月17日 黙示 3月3日 あの世の世界
2月17日 うまくいかなかった革命後をどうするか? 2月3日 策略としての挑発
1月19日 腐敗した司法(正義の裁きの担い手)  1月5日 強きを挫き弱きを助くVS弱きを挫き強きを助く
 2018年 12月23日 悪の根源≒マウントしたいという欲望 12月9日 Steamのゲーム
11月25日 成り上がったダメ人間 11月11日 自分を強化する技VS敵を弱体化する技
10月28日 限界への挑戦 10月14日 「弱者=守られるべき善人」でない場合
9月30日 脅しによる支配 9月17日 信用できない情報だらけの社会の場合
9月2日 太鼓持ち 8月19日 連続攻撃
8月5日 信用スコアに支配された社会 7月22日 内通者
7月8日 人件費コスト管理ゲーム 6月24日 忠義者キャラ
6月10日 欠陥つき有能キャラの処遇 5月27日 邪悪な独裁者に支配された組織のメンバーの挙動
5月13日 邪悪な独裁者が健全な組織を乗っ取る方法 4月29日 論破
4月15日 正義の味方という名の制裁者 4月1日 平気で嘘をつける人たち 
3月18日 公正世界仮説 3月4日 被害者叩き 
2月18日 政治力 2月4日 統率力 
1月21日 優秀すぎるライバルが現れたとき  1月7日 素性を表す記号としての肩書き
2017年 12月24日 フリゲの雑談  12月10日 賤民階級
11月26日 個性づけとしてのパラメータ 11月12日 宿敵宣言
10月29日 大同団結 10月15日 品質について
10月1日 華麗な策略、汚い策略。その違い 9月17日 平等主義と反平等主義
9月3日 ファン型オタクとマニア型オタクの違い 8月20日 ツイッターの利点と問題点 
8月6日 大抜擢された人材 7月23日 誇りと傲慢
7月9日 傲慢とマウンティング 6月25日 権威を利用するナイトども
6月11日 悪事プレイ(のススメ) 5月28日 異界人(宇宙人)の干渉
5月14日 集団の思考ルーチン 4月30日 人間っぽさ=非効率的な思考ルーチン
4月16日 名声欲 4月2日 無言の圧力と忖度
3月20日 ロスト・ハイ・テクノロジー 3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神~命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方~捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤~エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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