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愛原様のたわごと(22年1月30日)







愛原「今回のテーマは【私刑】。話の流れとしては、前々回のたわごとの、ある意味スピンオフ的な感じになる。」

逆沢「ああ、私刑と書いてリンチと読むって奴か? 政治家と書いてヤクザと読むような感じで。」

愛原「まぁ、リンチも私刑も、意味自体は同じだけどな。どちらも私的制裁という意味合いで使われる点では変わりないから。」

鼎「でもリンチと聞くと、どうしても血なまぐさい暴行事件を思い浮かべてしまうよね。私としては【リンチ=ひどい暴力】みたいな感じで、条件反射的にイメージしてしまうというか。」

逆沢「まぁ、ヤンキーとか、ヤクザとか、反社会勢力側の人間が引き起こす暴行傷害事件みたいなのを、つい思い浮かべてしまうというのはあるわね。」

愛原「私的制裁の手段として、暴力は最も分かりやすいものでもあるからな。われらが正義のヒーローたちも、多くは暴力で悪を制裁しようとするからな。」

逆沢「それは仕方ないんじゃないの? 特撮ものであろうが、時代劇であろうが、剣と魔法のファンタジーであろうが、敵となる悪の勢力は、法で裁けるような相手ではないし。」

鼎「仮に法があっても、それで裁ける相手は限られるよね。外国の人に国内法はそもそも適用外だし。国内法や国際法が適用される相手でも、証拠不十分などで逃げ切られる可能性もあるし。証拠などがそろっていても、実力行使で制裁できる相手でない事も多いし。」

逆沢「そもそも法を執行する側の人間が、相手の権力や暴力を恐れて、見て見ぬふりをすることも珍しくないしね。」

鼎「前々回のテーマでいえば、単に面倒くさいからやらないというケースもありそうだよね。ライオンはウサギを狩るのにも全力を尽くすというけど、日本の警察は、万引き犯や当て逃げ犯相手に、全力で犯人捜しをすることは、ほぼないから。たとえ市内にくまなく防犯カメラがあったとしても、まず市内数百か所の防犯カメラを丁寧に時間をかけてチェックする事はあり得ないというか。」

逆沢「まぁ微罪だからいちいち捜査しないというならともかく、たとえ巨悪でも大物政治家が背後にいるから捜査しないみたいなのは、すごく困るけどね。」

愛原「幸いというか、多くの作品に登場する正義のヒーローは、まさにそういう公的機関による捜査や制裁が及ばない巨悪に対する私刑の執行人として機能する。公的機関がそういう巨悪もしっかり取り締まってくれるなら、正義のヒーローなんてものも不要になるが、残念ながらそうじゃないからな。」

鼎「悪の存在が武力的に強すぎて、警察や自警団程度では歯が立たないというケースもあれば、悪の存在が権力者と癒着していてそもそも自浄機能自体が働かなくなっているケースもあるだろうけど、いずれにしろそういう場合には、正義のヒーローによる私刑に頼るしかないという事かな?」

愛原「もっとも物語上の正義のヒーローの活躍に、異議を唱えるつもりは微塵もないけどな。彼らのやってる行為は、その世界においてまぎれもなく善行だから。私刑は悪みたいな固定観念じみた批判をする気は、俺は毛頭ないぞ。」

鼎「でも、世間一般的には私刑は悪扱いされる事の方が多いよね。リンチと訳されることが多いせいもあるかもしれないけど。」

愛原「混沌を愛する俺個人の私的な思いとしても、また正義のヒーローの活躍を素直に賞賛したい思いも含めて、私刑を絶対悪と認める気はさらさらないが、取り扱いがはなはだ難しいものではあるからな。いっそのこと、私刑は悪と定義づけた方が、世の中の平和を維持する上で手っ取り早いと思える程度には。」

鼎「私刑を容認すると、起こりえる問題点としては、たとえばどんなものがありそうかな?」

愛原「いっぱいあるが、まず第一としては、正義の妥当性だろうな。何をもって正義の行為と位置づけ、何をもって悪の所業と断じるか? たとえば数日前に電車内で高校生から喫煙を注意された男が逆ギレして、高校生に執拗な暴力を加えたという痛ましいニュースがあったが、加害者はこの逆ギレ行為に対して【正当防衛】と主張したそうだ。つまり加害者に男からみれば、正当防衛であり、つまりは正当性のある私刑行為でもあるような主張なわけだが、お前らはこれを聞いてどう思う?」

逆沢「うーん。これが正当防衛なり、私刑として容認されるなら、世の中なんでもアリって気にもなっちゃうわね。極端な話、【俺が正しい】と信じて行った行為は全て容認され、【俺がムカついた】相手に対して私刑を加えても、全然問題ないって事になっちゃうわけだから。」

愛原「そういう事。愛国無罪的な、極めて偏った危険な正義が行使される可能性を、まず考慮する必要がある。」

鼎「【愛国心はならず者の最後の拠り所】と言われるくらいだから、私は軽々しく愛国を叫んだり、そういう人に担ぎあげられがちな政治家や有識者は、自動的に危ない人と認識するようにしてるけど、そういう愛国者ほどじゃなくとも、自粛警察の人とか、色々ゆがんだ正義の人はいるよね。」

逆沢「相模原で障害者を大量殺人した人も、京都アニメーションに放火した人もそうだけど、彼らには彼らなりの正義があって、彼らなりに悪を裁いただけでもあるからね~。世の中全体に対する恨みにしても、極めて個人的な恨みであったとしても、彼らには彼らなりの正当性なり正義かあって、それを実行しただけに過ぎない点を考えると、そういう人達の正義を容認しかねない私刑には、どうしても後ろ向きにはならざるを得ないわね。」

鼎「正当防衛にしてもそうだけど、それが本当に正当なものといえるかを、ちゃんと検証できる仕組みは、絶対必要だよね。仮に私刑を容認するのなら。」

愛原「そういう事になるな。公的機関である警察などでも、ずさんな捜査の結果、誤認逮捕なり冤罪なりを生む事は珍しくないのだから、シロートならなおさらだ。そいつが本当に悪で、一方の自分に正義はあるか? それをよく確認する必要があるだろう。」

逆沢「少なくとも、訳の分からない電凸をするような奴に正義がないのは明らかね。何かの不祥事なり事件が起きるたびに、その人物の住居なり職場なりが特定されるまではさておくとしても、たまに無関係の人の家や職場に電凸するような誤爆もあるようだから。」

愛原「しかも誤爆と気づいても、折り菓子の一つももって詫びにもいかない奴ばかりみたいだからな。正義の心が暴走して電凸したというよりは、相手の弱みに付け込んだ、悪質なマウント行為でしかなかったんだろうな。」

鼎「別に誤爆じゃなくとも、電凸自体に意味がないとも思うけど。取材目的とかいうのなら、事情をよく知る関係者に取材するという意図で、彼らに接触する意味も分かるけど、それならそれで話の持ち掛け方もあるだろうし。でも彼らの多くは、一方的なマウントであったり、罵りであったりして、ただの憂さ晴らしというか、弱い者いじめにしかなってないというか。」

逆沢「そういう奴に限って、安倍事務所とか東電とか、そういう所には電凸もしないからね~。反撃しない、反撃できない弱者にだけ、攻撃して優越感に浸っているだけのクズそのものというか。」

愛原「次に量刑の問題。私刑というからには、刑の重さという概念は無視できないからな。」

鼎「正当防衛であったとしても、程度を間違えると、過剰防衛という罪に問われるようなものだよね。」

逆沢「そういえば昔の特撮もので定番の悪の怪人の中には、子供のイタズラレベルの混乱を引き起こしただけの小悪党もいたりしたけど、そんな怪人に対しても、一律ライダーキックで爆殺するようなのは、量刑的には不当という事になるのかな?」

愛原「うーん。相手は、怪人だから、人権が適用されるのかどうかは分からんが・・・。仮にクマやイノシシのような害獣と同類と判断されたなら、町で騒動を巻き起こしただけでも、十分死罪に値するんだろうけどな。元々は人間みたいな感じで、人権がそのまま適用されるされるようなら、軽犯罪なり偽計業務妨害レベルの騒動で、爆殺はやりすぎの感があるかも知れないな。」

逆沢「いくら相手に非があったとしても、量刑を考慮せずに悪・即・斬という訳にはいかないってか?」

愛原「そんな事されたら、一度も横断歩道以外の道路を横断した事ないとか、制限速度を超えて車を運転した事もないみたいな人以外は、みんな悪・即・斬で天寿を全うできずに終わるだろうな。」

鼎「でもいわゆる反社会勢力によるリンチ行為では、量刑を考慮しているイメージはないよね。組を抜けようとしたり、サツにタレこもうとしたり、シノギの邪魔をする市民などに対して、とにかく分かりやすい形で痛めつけるようなイメージしかないというか。」

愛原「彼らのリンチというか、私的制裁行為の目的は、彼らにとって都合の悪い行動をする(orした)者を徹底的に痛めつける事で、同様の行為に及ぶ者が続かないように抑止力にするというか、いわば見せしめ行為に特化しているからな。」

逆沢「なるほど。見せしめ効果を狙っての制裁か? だったら厳罰であればあるほど効果的だから、量刑は重ければ重い方がいいというわけね。」

愛原「見せしめが目的だから、重くても地味なら意味がない。極論を言えば、密室で誰にもバレないようにこっそり処罰しても、見せしめ効果はほぼゼロだからな。だから公開処刑に近い形でできるだけ派手にやる。メンバーが集まってる場所で、制裁行為をやってみせるとか。共犯意識を持たせるために、メンバーに、その制裁行為に積極的に加担させるとか、な。市民に対する見せしめが目的なら、これみよがしに死体を放置したり、あえて警察やマスコミを通じて事件の詳細が広まるような形で実行されることも珍しくない。」

鼎「でも、見せしめが目的なら、見た目は派手だけど、実際の量刑としてはさほどでもない事も、あったりするのかな?」

愛原「もちろん、それはある。分かりやすいのが、在日米軍兵による犯罪など。逮捕されましたみたいな報道は、そこそこ大っぴらにやるが、そこから先は報道しない。なぜなら事実上無罪のような感じで、彼らは祖国に帰ってしまうから。彼らが実刑判決を受けて日本の牢に入って罪を償う事まではめったにないが、それでは日本国民に対して説明がつかないので、とりあえず逮捕しましたという部分だけ派手に報道することで、日本国はアメリカに対して毅然とした対応ができる独立国みたいな印象を与える感じだな。一種のやってる感というか。」

逆沢「改ざん行為に与した役人に対する訓告処分や厳重注意処分のようなものか?いかにも厳正に処分したような報道だけはされるけど、実際のところ、彼らにとってはほどんど痛くもかゆくもなくて、ほとぼりが冷めたら通常業務に戻って、快適な天下りライフを満喫みたいな。」

鼎「大企業が不祥事を起こすたびに、【担当者はすでに処分した】みたいな発表をされる事もあるけど、これも実態がよく分からないよね。ポーズだけで実際は誰もほぼノーペナルティーなのか? それともむごいトカゲのしっぽ切りだけが実行されたのか? これ幸いに、意に沿わない派閥メンバーの大粛清が実行されたのか? 内実が全然分からないというか。」

愛原「その辺はなんとも言えんな。ただ対外的な見せしめが目的なのは一緒だから、表向き上の処分は必然と重い方向に傾きやすくはなる。反社会勢力が好むような度を超えた苛烈な暴力という形で表現されるか? お役人が好むような表向きだけ厳正に見えて、実際は痛くもかゆくもない処分に留まるのか? その辺は分からないけどな。」

鼎「正直、量刑に関しては、プロの判断でも首をかしげたくなることは多いよね。人を死傷させたらさすがに罪も重くなりがちだけど、詐欺罪とか政治犯罪とか、そういうのはすごく甘口というか。愛知県で起きたリコール騒動でも、裁判官は【直接民主主義や地方自治の根本をないがしろにする悪質な犯罪だ】とその悪質性を断罪したわりに、普通に執行猶予ついてたし。しかも河村さんとか高須さんといった首謀者格はほとんど取り調べの対象にもならず、完全にトカゲのしっぽ切り状態というか。」

逆沢「つーか、そのトカゲのしっぽにしたって、裁判官が悪質と認めるほどの罪を犯しても執行猶予がつくなら、この手の犯罪で実刑になるケースって、事実上皆無なんじゃねーのか? こんな特異な犯罪、短期間に何度も繰り返すとも思えないから、前科持ちとかでもない限り、再犯起こす可能性もほぼ無いし。だとすれば事実上の無罪と変わらないというか。」

愛原「こういう量刑に大きな不満がでかねない案件が出ると、私刑によって量刑を正常化させたい人達の声も大きくなりかねないわな。」

逆沢「まぁ世の中には、適切な量刑というものに興味はなく、ただ単に、誰かが不幸になればいいというか、少しでも重い罰を与えて欲しいと考えるだけの厳罰主義者もそれなりにいるから、その辺は気を付ける必要があるけどね。こういう人は、どれだけ刑を重くしても、(自分がその罪で罰せられる可能性がないと信じている限りは)もっと厳罰化しろとしか言わないから。」

愛原「私刑の問題点の3番目としては、透明性の問題もあるわな。つまり誰が、いつ、どのような基準で、その刑を執行したのか? それが全く明らかにならないケースも多いからな。」

逆沢「あー、なるほど。たとえば必殺仕事人が悪人を秘かに抹殺したのはいいとしても、それが市井に正しく伝えられない可能性があるということね。」

愛原「抹殺した悪人の死体が隠されたままならば、その悪人が生きてるか死んでるかも、市井の者には分からない。仮に死体が公然に飾られていたとしても、誰に殺されたか分からないままならば、誰が殺したか? あるいは事故か自殺なのか? そういったあらぬ誤解や憶測を生む可能性が高くなる。」

鼎「あらぬ憶測の結果、必殺仕事人でもなんでもない無関係の人が殺しの犯人扱いされて、冤罪で捕まってしまおうなら、目も当てられないよね。」

逆沢「でも普通にあり得るわ。悪の組織の人間は、自分たちの所属メンバーが殺された場合、敵対組織の仕業だと決めつける傾向が元々強いから。シマを荒らすライバルのヤクザがいれば、そのヤクザの仕業と思うだろうし。市民団体と対立していれば、市民団体側に与する誰かの仕業と疑うだろうし。誰かに恨みを買ってれば、その関係者による復讐劇と疑うだろうし。彼らにしてみれば、実際に誰が真犯人であろうが、そんな事よりも、敵対組織にケンカを売ったり、見せしめの大義名分ができる方が重要だから。」

愛原「その悪人の悪行自体が世に伝わってない場合は、その悪行を世に伝える事を怠った場合、単なる人殺しで終わってしまう可能性もあるしな。」

逆沢「善玉政治家のフリをし続けている根っからの悪徳政治家を討伐しただけであっても、その悪徳政治家の悪行を世に知らしめる段階を踏み忘れたならば、善玉政治家が不当に殺されたと世間に認識されるだけでしかないようなものね。」

鼎「こうしてみると、私刑を正当化するには、その前にやるべき前段階が、かなりありそうだよね。」

愛原「正義のヒーローが活躍する作品の場合、幸い、その点は大体クリアできてるからな。だから同じ私刑であっても、容認されている気がしなくもない。」

逆沢「あくまでメタ視点での話だけどね。読み手視点。視聴者視点というか。」

愛原「その通りだな。作中に登場するモブ市民の視点からすると、いつの間にか悪の首領が倒されている(≒行方不明になっているor味方になっているetc)だけでしかなく、リアリティーを追求するなら、後でひと悶着起きそうなシチュエーションも多いのだが。それでも作品の読者視点でいえば、間違いなく悪は裁かれ、これにて一件落着でしかないからな。」

逆沢「量刑も、相手に感情移入せずに済む限りは、悪・即・斬しようが、爆殺しようが、スカッとするだけで、むしろ気持ちいいからね。感情移入してしまうと、ついつい許してしまいたくなっちゃうことも多いけど。」

鼎「感情移入できるかできないかで、適切な量刑が大きく変わるというのは、裁く者の立場としては問題なんだけど・・・。」

愛原「相手にも家族がいるとか、生まれ育った環境が悪かったとか、人間関係に恵まれなかったとか、立場上やむを得なかったとか、そういうのを考えると、許したくなる気持ちも出てくるが、そうでなければ時代劇で悪代官の【出会え出会え】の掛け声とともに駆けつけるモブ侍どもを、容赦なく切り捨てまくっても平気というか、むしろ爽快感しかないからな。」

逆沢「分かる分かる。私、佐川の意のままに改ざん行為に手を貸した赤木さん以外の理財局の連中どもが、正義のヒーローに皆殺しにされても、爽快感しか感じないもん。悪代官の悪事に何の疑問も持たず、命令のままに斬りかかるようなモブ侍どもが斬り殺されても、自業自得でしかないのようなものというか。北斗の拳で登場するモヒカンと同類の、殺されても当然のモブでしかないというか。」

鼎「ウルトラマンに登場する怪獣にしても、特撮ものに登場する怪人にしても、怪獣が地球に現れざるを得なかった経緯とか、怪人に改造された経緯とか、そういうのを色々考慮しだすと、安易に殺すのは可哀そうだなとか、なんとか救ってあげられないか?とか、色々考えちゃうけど・・・。そういう感情移入さえせずに済んだなら、害獣を殺すようなノリで簡単に殺せてしまうような感じかな?」

愛原「権力者のような、元々人より恵まれた地位・権力・財力を持つ者が、更なる権益を求めて悪事を為すならば、さすがに救いようがないが、立場の弱い者が困窮したり、精神的に追い詰められて手を出した悪事に関してならば、それなりに寛容でありたいわな。」

逆沢「悪を容赦なく制裁して自己満足するのも、悪を赦したり、改心させることで自己満足するのも、どっちみち自己満足という意味では同じだし。まぁ好きにすればいいんじゃないかな?」

鼎「ファンタジーの世界なら自己満足を物差しに判断しても問題ないけど、リアルでは、そういうのは駄目だけど。あの人はなんとなく自己満足で赦されて、あの人はその場のノリであっさり殺されたとかなったら、量刑の差がありすぎて、無用の恨みを買うことにしかならないから。」

愛原「正直、量刑をどうするか?は、プロでもなかなか判断が付きにくい。シロートでは尚更だろうな。」

逆沢「匿名の陰に隠れてこそ、それなりに気持ちよく私刑もできそうだけど、とても実名出してできるものではないわね。最初の内は正義のヒーロー扱いされても、どこかのタイミングで批判されまくって、いずれ胃に穴が開きそうだから。」

鼎「だからか、ネット上の私刑執行人は、ほぼ匿名だよね。」

愛原「私刑が公認されてないという表向きの事情も大きいが、仮に私刑が公認されても、大多数の人を納得させるような適切な裁きを行うのは、なかなかの難作業になるだろうからな。そんな危ない橋を渡るくらいなら、匿名の陰に隠れて、安全な場所から私刑を執行した方が安心というのはあるんじゃないか?」

逆沢「私は、安全な場所から石を投げつけるような奴は嫌いだけどね。」

愛原「安全な場所から石を投げつけるのは、権力という名の鎧を身に着けて、好き放題に人を裁くような奴も同じだからなぁ。評価の基準は、【安全な場所から人を裁こうとするか?】ではなく、【その裁きは適正か?】という方だと、個人的には思う。」

鼎「本来なら、私刑などせずに済む程度には、公的な裁きが適正に機能してくれればいいんだけど。」

逆沢「匿名の特定班とか言われる人が頑張らないとどうにもならないくらいに、情報すらまともに伝わってこない有様だからね~。捜査機関だけでなく、マスコミの情報入手能力も大きく落ちていそうというか。」

愛原「なぜか事件現場を写真に撮ろうとするだけで、怒るようなヤバい奴らが、最近急増しているらしいからな。証拠保全の有効性が全然分かってないというか。」

鼎「監視カメラはどんどん設置しろとかいうのに、スマホなどで事件現場を撮るのはNGとか、全然意味が分からないよね。」

逆沢「公権力は信用できそうだから覗き見されてもOKだけど、一個人が映像を撮るのは、後でその映像を何に使用するか分かったもんじゃないからNGって事なんじゃねえの? この国、万年与党が存在する程度には、なんだかんだお上に対する信頼度が高いみたいだから。」

愛原「民主主義は、元々お上が信用できない前提で成立したものなんだが、この国は、連合国から与えられた民主主義でしかないからな。心のどこかで、公権力のいう事を聞いていた方が間違いないという意識が、いまだに強く残っているのだろうな。もしも敗戦がなければ、ミャンマーや北朝鮮と大差ない国体のままかも知れんというか。」

鼎「写真であれ、映像であれ、そういうのは証拠保全のためにも、みんなが積極的に撮り、活用するものだよね。そこに防犯カメラがあるとも限らないし、警察官や記者のような人達が今そこにいるとも限らないし、それらを満たしていても、公権力の人達がそれを破棄も改ざんもしないとは限らないから。」

愛原「マスコミの映像班も、今は肝心の映像を思うように撮ることも入手することも困難になって、困ってるようだからな。だから容疑者の写真にしても、学生時代のアルバムを使用せざるを得ないような例も増えてるし。彼らがドヤ顔で撮れるのは、容疑者をムショに護送中の映像くらいじゃないのか?」

鼎「あれ、警察の人がマスコミの人にリークしてるらしいよね。【いつ、どのルートを通って容疑者を護送します】みたいな情報をリークして。で、それを受けてマスコミ関係者が後ろの席に座って護送される容疑者の姿様子の映像を、真正面からバチバチ撮るみたいな。」

逆沢「私が何かの冤罪とかで、容疑者扱いされて護送されたら、絶対に彼らに撮られないように運転席か助手席の後ろに隠れて寝転がってやるわ。」

愛原「あれは、警察からマスコミ(及び、容疑者が映ったその映像を心待ちにする視聴者の皆さん)に対するファンサービスのようなものだから、そんな事は絶対にさせない。その両ポジションはガッチリ警察関係者がホールドしていて、容疑者はカメラに綺麗に映る席にしか座らせてもらえない。お前にできるのは、できるだけ下を向いて、顔を隠すくらいが精一杯だ。」

鼎「本当に冤罪なり誤認逮捕なりなら、顔など隠さず、堂々としていた方がいい気もするけど、そうしたらそうしたで、ふてぶてしい奴だと視聴者に思われるかも知れないし、難しいところだよね。」

愛原「まぁ、顔を撮られる心配をするくらいなら、してもない罪を認めさせられずに済む方法を必死で考えた方がいいだろうけどな。この国は【真犯人が見つかるまでは、ずっと犯人扱い】のケースがやたら多いから。パソコン遠隔操作事件の時もそうだし。いくつかの防犯カメラがらみの誤認逮捕事件も同様だし。古くは無数の痴漢冤罪事件や松本サリン事件なんかもそうだし。起訴された場合の有罪率99%が物語るように、真犯人が見つからない限りは、犯人扱いのまま、自白を強要されて、そのまま事態が進行することは珍しくない。マスコミも容疑者段階で犯人と確定したような扱いで報道するし。大衆も、その前提で、容疑者を平気で叩きまくるからな。」

逆沢「そんな事をするから、公的な裁きがより信用できなくなるというか、正義のヒーローによる私刑を待ち望む願望がより強まるんじゃねえのか?」

愛原「かも知れんな。少なくとも俺は、私刑を全面的に否定まではしない。極めて危ういものであり、決して人に薦められるものでもないが、全面否定まではしない。ネットで暗躍する匿名の特定班とか、そういった人々の活動に関しても、一律に非難する気は全くない。週刊誌などで暴露されたスクープ記事の類にしても同じ。それらの危うさは常に意識の念頭にあるが、それらのおかけで迫れる情報の恩恵は、決して軽くないからな。」

鼎「本来は、そういうのはマスコミの仕事なんだけど。時には警察などの捜査機関よりも早く、真相にたどり着くこともあったほど、彼らの情報収集力は高かったというか。政治的な犯罪の究明とかは特に。いつの頃からか、捜査機関が提供してくれる情報をそのままストレートに垂れ流すだけの、広報屋になり下がってるけど。」

愛原「事件現場を写真に撮ろうとするだけで、反発したり。事情を知る関係者へのインタビューすら、可哀そうとか非常識とかいって嫌悪したり。訳わからん大衆が急増したからな。それでどうやって情報を入手し、保全し、真相に迫れるっちゅうねんと。」

鼎「被害者の言い分も、容疑者扱いされた人の言い分も、その家族とか、関係者の言い分も、すべてオープンにしてこそ、真相に迫れる部分はあるよね。よくよく聞いてみたら、加害者扱いされた人に情状酌量される余地とか、別の真犯人がいる可能性とか、そういうのが分かるかも知れないし。被害者側の言い分もオープンにされることで、ひどい被害者叩きをする人達を掣肘する事ができるかも知れないし。少なくとも事情もよく知らないで叩くような人は、それなりに抑えられそうというか。」

愛原「事情を知らずに済めば、悪党を問答無用で爆殺もできるだろうけど、事情を知れば知るほど、適切な裁きには落ち着きやすいだろうな。爆殺はさすがに可哀想とか。これ、本当に悪い奴は、怪人じゃなくて無理やり怪人に改造した連中だろ?とか。」

逆沢「事情を知らなければ理財局の連中を皆殺しにしても構わないと思えても、事情を知れば、本当に悪い奴は、理財局のメンバーでも、佐川でもなく、実はそれらに圧力をかけたもっと悪い奴がいたと判明する事もあるみたいなものか? 河井事件しても、賄賂を渡した奴と受け取った奴の問題ではなく、実は賄賂の原資である1億5千万円を配った奴がバックにいて、そいつが特定の誰かを落選させるためにやらせたみたいな真相が明らかになる可能性もあるみたいな感じで。」

愛原「そういうのをマスコミの記者でも、ネットの特定班でもいいから、徹底して突き止められれば、彼らの存在意義も増すってもんだろうけどな。」

逆沢「けど今は、マスコミの人が聞き込みをしようとしたり、現場の映像を撮ろうとするだけで、露骨な嫌悪感を示す人が増える一方だからね~。その割に、ネットでは【この記事では、詳しい状況が全然分からない。記者は無能】みたいな叩き方をする人も増える一方だし。取材はするな。でも詳細の分からない電報みたいな記事も駄目だとか、一体、どうしろっちゅうねん。妄想で記事を書けというのかと。」

鼎「加害者側であれ、被害者側であれ、できるだけ多くの関係者に聞き込みして、少しでも情報の正確性を高めてこそ意味があるのに、【こんな時にインタビューするなんて可哀想】とか言って、それを否定するのなら、警察発表みたいな公式の大本営発表と、関係者が開いた記者会見以外の情報は全て無くても構わないくらいの覚悟をしないと駄目だよね。」

愛原「確かに無神経で見当違いな質問ばかりぶつけるクソ記者みたいのも、中にはいるが、それを理由に報道自体を叩くのはお門違いだわな。無謀運転をするドライバーが後を絶たないからと言って、全ての国民から車の免許を取り上げようといってるくらい、筋違いでもあるというか。」

逆沢「中には、容疑者が弁護士を付けただけで、加害者の味方とか言って、弁護士叩きする輩すらいるからね~。」

愛原「タチの悪い悪党が弁護士を通じてトンデモ弁明を展開するのは珍しくないし、そういうのに対する嫌悪感も分かるが、弁護士は依頼人の主張をそのまま伝える義務があるから、依頼人がトンデモな主張をするなら、弁護士もそう主張せざるを得ない。もちろん弁護士がトンデモな主張をするよう、依頼人にアドバイスする場合もあるが、それでもそれを飲むかは依頼人の最終判断である以上、弁護士だけが叩かれるのはそもそも筋違い。そしてもう一つ。検察側も、それに負けず劣らず、結構トンデモな主張するから、そういう意味で弁護士は必ず必要なんだけどな。そっちの部分はあまり報道されないだけで。」

逆沢「そういえば、この前、神戸で起きた殺人事件で、検察側が【被告は、自らの恋心がかなわなかったので逆恨みして被害者を刺した】みたいなトンデモ主張をして、容疑者を激高させてたけど、今までの事件の成り行きで、そんな感じは全くなさそうだったし。人の心の中は誰にも分からないとはいえ、さすがに度を越してると思ったわ。」

愛原「無理難題をいう傲慢な上司の態度に反発して、出来ないことはできませんと断っただけなのに、【ゲイの部下は同性の憧れの上司に恋心を抱いたけど思いが実らなかったから、腹いせに命令を拒否した】みたいなシナリオに勝手に改ざんされたら、大抵の人間は、困惑と同時に怒りがわいてくるだろうな。相手をわざと怒らせる事で、自分有利の空気に持っていく一種の法廷戦術と言われたらそれまでだが。」

鼎「でも民事の離婚裁判とかだと、そういうのは当たり前に主張展開されるそうだよね。あり得ない性交渉の話とか。DVの話とか。浮気の疑いがどうとか。一方、もしくは双方がトンデモな主張をする事も珍しくないというか。でもそんな主張をされると、相手側も激高して冷静な反論が出来なくなるから、はたから見ると、やがてどっちもどっちのバカップルの成れの果てにしか見えなくなるような。」

愛原「民事訴訟の世界では、どっちかは確実に嘘八百だけど、どっちが嘘つきかが分からず、難航するケースも多いわな。そういう場合、どっちの視点に立つかで、トンデモに見える相手が違って見える事も珍しくないぞ。そして中立に徹しようとすればするほど、どっちもトンデモに見えてくるというか。」

逆沢「それ、正しい方からすると、いい迷惑じゃないの? 正しい主張をしてるのに、トンデモ扱いされるなんて。」

愛原「でも離婚訴訟とか、基本的に相手の落ち度を攻める攻防になるから、一方もしくは両方が、相手を貶めるための嘘をつく事は珍しくないからな。その結果、双方の印象が最悪になって、クズ同士による争いに見えなくなる例は珍しくない。実際は、片方は濡れ衣であったとしても。」

鼎「裁判といえば、信号のある交差点で出会いがしらの衝突事故なんてのも、目撃者が皆無で、双方が自分の信号は青だったと主張しだすと、そういう展開になりやすいよね。」

愛原「双方の信号が青なんて事は普通あり得ないから、ほぼ確実にどちらかは嘘を言ってるのは間違いないが、どっちが嘘つきが分からないような展開になると、やがて、どっちもが嘘つきのクズに見えてくるのはあるわな。」

逆沢「そういう場合、裁判としてはどうなるんだ?」

愛原「まともな裁判官なら、5対5の過失割合で決着をつける事になる。どっちかは確実に嘘つきなので、嘘をつかれた方からすると、過失割合50%なんて受け入れがたいのは当然だが、証拠がない以上はどうしようもない。思い込みの激しい裁判員とかなら、【なんとなくこっちの方が正しそう】みたいなイメージだけで、一方の肩を持つ事もあるだろうけど。」

鼎「一流の詐欺師は、血のつながった子供が反対してても、詐欺師の方が信用できるとばかりに、詐欺師の意のままに契約書にサインさせたりもできるらしいから、イメージだけで判断するのは危険だよね。」

愛原「別に一流の詐欺師じゃなくても、騙される側の人間が思い込みの激しいタイプだと、簡単に騙されるからな。銀行員などが必死で止めても、それを押し切って振り込んでしまうような人も後を絶たないし。自分は騙されるようなタイプではないとか、人を見る目には自信があるとか思い込んで、人を言うことを聞かないタイプは正直ヤバい。」

逆沢「そう考えると、ドライブレコーダーとか、こちらの正当性というか、相手の嘘を暴けるものは、やっぱり欲しいわね。いくら正しい主張をしても、それが証明できないと苦しくなるから。」

愛原「だから俺は、常々情報の重要性を唱えているのに、世の人たちは、逆に取材妨害するような動きすら強めている点に、正直危機感を感じている。」

逆沢「アンタからすると、それが私刑であろうがなかろうが、重要なのは真相って感じか?」

愛原「当然。公的発表だから信じられる。ネットの特定班による発表だから信じられない。みたいな尺度は元々持ってない。誰であろうが、ちゃんとした根拠があれば、それが一番。一般人が面白半分で撮った事件当時の映像であったとしても、その映像が正しく精巧ならば、ぼやけた画像の防犯カメラの映像や、よく分からない第三者のあいまいな記憶よりも、よほど価値があるのだ。」

逆沢「そういえば前々回も、あんたは公的機関がちゃんと捜査しないと言うなら、こっちに権限よこせみたいな事を言ってたわね。」

愛原「それが本来の官民連携だからな。お上に責任丸投げというのではなく、民間でもできる事はやる。お上とてリソースには限りがあるのだから、できない事はできないといって、民間に任せればそれでいいと思ってるし。ただその代わり、権限は寄越せよと。」

逆沢「つまりネットの匿名の特定班のような人が活動しても、それはそれで全然構わないと。」

愛原「無問題。ただし、警察が誤認逮捕などをしたら不祥事になるように、ネットの特定班が、無関係の人をさらしたり、デマを流したり。あるいは関係はあっても不当量刑といえるような、過剰なプライバシー侵害行為や、名誉棄損行為を行ったならば、それは同様に処罰されるべきというだけの話で。」

鼎「よくよく考えたら、元々はメディアがそういう役割を担っていたんだよね。公権力が表に出したくない不祥事を、民間の立場で代わりに捜査して暴いてみせたりとか。それが時代の流れで、今度は匿名のネットの特定班みたいなのに置き換えられつつあるだけというか。」

逆沢「学校のイジメ事件とかは、警察も全然動かないし。教育委員会も、全然協力的じゃないからね~。である以上、報道機関が代わりに動いてくれればいいんだけど、インタビューすら容易にさせてもらえない世の中じゃ、もう匿名のタレコミに、頼るしかないというのはあるかもね。」

愛原「ただ匿名の声というのは、記者の記事と違って、どうしても無責任なものになりやすいから、信用性としてはどうしても劣るんだけどな。」

逆沢「頼らずに済むならそれに越した事はないというのが、私刑なり、正義のヒーローなのかも知れないってことね。」

愛原「まぁ、それをいったら、全てに当てはまるんだけどな。弁護士などに頼らずに一生を送ることができれば、それに越した話はない。税理士に頼らずとも生活ができるなら、それに越した事はない。遠いスーパーまで通わずとも、生活に不自由がないなら、それに越した事もない。ただ頼る必要性ができた場合は。もしくは頼った方が明らかにマシな日常を送れるならば、頼らないのはあまりに損というだけの話で。」

逆沢「選択肢としてあるなら、頭ごなしに否定すべきものでもない。それが私刑だの、私的制裁だの、リンチだのと、物騒極まりないものであったとしても、ってか。」

愛原「まぁ、そうは言っても、ヤクザにもめごとの解決を頼むくらいなら、警察などがちゃんと動いてくれる世の中の方がずっといいのは明らかなのだから、そういう方向に世の中を持っていくのが正しいやり方ではあるんだろうけどな。」

鼎「けど、彼らにもできるリソースに限りはある。また、残念ながら腐敗もする。そこをどう埋め合わせるか?という話だよね。」

愛原「誰かのフレーズではないが、民間にできることは民間に任せてもいいというか、公助で足りない部分は、共助、自助でもいいのではないか?という思いは、正直ある。もちろんそれを成し遂げるには、権限もそうだし、予算(資金の補助)もそうだし、専門家のサポートも必要になるのだろうが。」

逆沢「公的機関が大物政治家の悪を暴けないなら、民間が代わりに暴けるような世の中になればいいって感じかな?」

愛原「正義のヒーローが、ペガサスやドラゴンのような、空想世界上の存在で留まるべきではないとも思うからな。ヒーローは、大谷翔平や藤井聡太のような超人だけの専売特許ではない。無名の、匿名の、平凡な才能しかないヒーローが別にいても構わないとも思ってるからな。」

逆沢「ま、現状、どうやっても理想論ではあるけどね。私刑が機能するには、民度があまりに不足してるというか。自粛警察とか、電凸魔とか、下手したら半グレみたいなのが、量産される未来しか見えないというか。」

愛原「暴力を伴う行為はまず論外だな。そんな私刑を行う者は、相手がどんな凶悪人物であっても、普通に暴行罪、傷害罪などに問われるべき悪事としかいいようがない。認められるとすれば、正当防衛だけだ。どこぞの誰かが主張するような屁理屈ではなく、誰でも納得できるようなレベルの。」

鼎「電車内で喫煙を指摘されて、逆ギレして暴行するような行為は、絶対に正当防衛とはいえないけど、そんな逆ギレ暴行犯を取り押さえるために、やむなく実力行使に及ぶ行為なら、正当防衛といえるよね。」

愛原「そういうこと。警察官以外は、暴行犯を取り押さえてはいけないなんてルールはない。というか、そんな冷たい世の中にしてはいけない。車掌であれ、周りの大人たちであれ、周りにはたくさんの人がいるんだから、中には勇気ある人が出てきていいとも思っているし、また勇気ある人を賞賛できる世の中であるべきだろう。もちろん、最初に電車内喫煙を注意できた高校生自身も、賞賛すべき勇気あるヒーローだった。」

逆沢「でもネットでは、ヤバい人間に注意するような危険な行為はとても賞賛できないし、そんなヤバい人間の蛮行を止めようとするのも、同様に危険で愚かな自殺行為なんだから、見て見ぬふりをした周りの大人たちの反応こそが実は正しいみたいな意見も、少なからずあったけどね。少なくとも自分の家族には、絶対にヤバい人間を注意したりしないよう、あるいはヤバい人間の蛮行をみても、絶対に関わらず見て見ぬふりをするよう強く言っておくみたいな人達も、割といたというか。」

鼎「でも、それって、【いじめっ子がイジメ行為をしているのを見つけても、絶対に関わるな。助けようとするな。それこそが賢明で正しい行いだ】と言ってるようなものだよね。」

愛原「そんな人間が大人になったら、権力者の悪事を見て見ぬふりしたり、忖度して悪事の手伝いしたり、もみ消すような大人になるんだろうな。」

逆沢「そういう強気に媚びる犬みたいなのからしたら、公権力依存は一番間違いのない生き方なのかもね。公権力がクリーンなままでいてくれれば、自分たちが何もしなくても、役人たちが勝手に悪を制裁してくれてラッキー。そうでなければ、強きに媚びることで自分たちの身さえ守れれば、悪がのさばろうが、世の中がどうなろうが、知ったことではないみたいな感じで。」

愛原「他力本願もいいところだな。少なくとも自分たちの手で、より良い世の中を作る気は全くなさそうというか。誰かが勝手に世の中をよくしてくれることだけを期待し、それが期待できなければ悪人に目を付けられないように腰を低くして生きるだけとか。少なくとも悪人が悪事を行っていても、まず止めようとはしない。善人が悪人の蛮行を止めようとしても、それを冷笑して善人を助けようともせず、それで孤立無援の善人が最終的に悪人に敗れようなら、助けなかった自分の先見性を秘かに誇って、家族にもあんな愚かな善人みたいにはなるなよと吹いて回る。完全に悪人の一味そのものというか。」

逆沢「そんな奴ら、出会え出会えで駆けつけるモブ侍みたいに、さっさと斬られちゃえばいいのに。実質、悪人の蛮行を容認することで、悪の片棒を担ぐ生き方しかできてないんだから。」

愛原「俺は、お上にしか頼れない世の中とか御免だし。自分が悪人に襲われたなら、たとえ非力な高校生であろうとも、自分を助けようとしてくれた人に対しては絶対に感謝をしたいとも思うから、そんなヒーローを冷笑する生き方は絶対にしたくないな。少なくとも【俺を助けるくらいなら、黙って見て見ぬふりをしてればいいのに。愚かな奴だ】と、自分を助けてくれる人を内心で小馬鹿にする生き方だけはしたくない。」

鼎「誰かが手を差し伸べてくれたからと言って、必ず良い結果につながるとは限らないけど、純粋な善意や好意には普通に感謝したいよね。」

愛原「感謝しているからこそ、【無理はするな】とか、【俺なんかに構わずさっさと逃げろ】と叫びたくなる事もあるだろうけど、それは相手の善意を愚かと小馬鹿にしたからではなく、善意に対して善意、好意に対して好意、あるいは自分なりの感謝の形でしかないからな。」

鼎「今回のテーマは、私刑という本来、まがまがしいニュアンスを伴ったものなんだけど、それでも全面否定すべきものではないというのは、そういうケースも含んでいるからという事かな?」

愛原「というか、制裁という行為は、本来、大きな責任と負担を伴う重い行為であるが、民主主義の住民なら、お上に任せて他人事で済ませるのではなく、自分自身もその重みを少しは背負えという俺なりの気持ちも含んでいるからな。誰だって、いい子ちゃんでいたいが、真相を知るために、あえて聞きたくないことも聞かねばならないこともある。そういう役割を誰かが背負う必要もある。正義を執行し、悪事や再犯を抑制し、被害者を癒し、救済するためにも、適切な制裁を遂行しなければならないこともある。賠償や償いをさせる必要もある。それを誰がやるか? 誰が引き受けるか? という話。」

鼎「悪と戦えば、傷つく人も出るし。自分が傷つけられることもあるし。誤って無関係の人を巻き込んで傷つけてしまうリスクもあるし。それだったら誰かが蛮行を行っても、見て見ぬふりしてやり過ごしたい気持ちは分からなくもないけど、みんながそんな気持ちになれば、ますます悪人がのさばって、世の中を荒廃させるだけだよね。」

愛原「だから俺は、正義のヒーローによる私刑は否定しない。むしろ応援する。もちろんここでいうヒーローは、なにも武力で相手をねじ伏せるようなものだけでなく、頼りになる誰かに助けを求めたり、のちに真相究明の証拠となる映像や音声を残したり、色んな人から色んな事を聞いて状況をまとめたり、またできるだけ正しい情報を速やかに広めることで協力者を集めたり、色んな活躍方法があるからな。」

逆沢「いずれも諸刃の剣だけどね。正当防衛も、やり方を間違えたら、過剰防衛なり、普通の暴力になるし。情報集めや情報公開も、やり方を間違えたら、プライバシーの侵害とか、名誉棄損とか、いろんな問題を引き起こすし。」

愛原「そう。正義のヒーローの活躍のつもりでやってた行為が、実はただの迷惑行為というのは、よくあること。しかし、だからといって、誤認逮捕や冤罪が怖いからと言って、警察が何も動かなければ犯罪者が好き放題にやるようなヤバい世の中になるように。それは角を矯めて牛を殺す行為でしかないからな。リスクを取らないと、見返りも手に入らないのは、当たり前の話。だから俺は、勇気を出して、リスクも取って、正義を執行できる者は、まず賞賛もするし、尊敬もする。もちろん正義の中身次第では、あとで手のひらを返し、非難する事も多々あるが、それは中身が判明してからの話。」

鼎「その中身を正しく把握するためにも、状況をできるだけ正しく掌握できる世の中であって欲しいよね。事件現場の映像を撮らせたがらない風潮なんて論外というか。」

逆沢「少なくとも、警察自身が、取調室に、カメラも置かない。弁護士も立ち入らせない。とかは論外ね。どんな違法な取り調べをして、自白を強要し、無理やり調書にサインさせてもOKとか、あまりにも怖すぎるから。」

愛原「それでも公権力だから変わらず信頼するというのなら、ただの飼われたブタ。民主主義の住民としては不適切。それがおかしいと感じたなら、それをどうやって改善するか? あるいは民間の力でお上に足りない部分をどう補うか? そういった思考が欲しい。あくまで私刑を忌避するなら、お上が腐敗しないよう、改善策が必要だろう。民間の力も活用したいなら、それが私刑の暴走につながらないよう、しっかりと手綱を握って活用していくことになるだろう。まぁ私刑といっても、民間にできるのは情報収集と正当防衛と社会的制裁くらいで、そこから先は司法にお任せになるだろうけどな。アメリカのような銃社会でもあるまいし。」

鼎「近年は、少年法を無視して、少年犯罪でも実名をさらせとか、顔写真をさらせとか、そういう世論も非常に強くなってるし、実際に報道機関や匿名のネットが、勝手にそれを公開する私刑も目立ち始めているけど、そういうのをどの程度、容認すべきか?という話でもあるよね。」

愛原「容認も何も、法律で違法となってる行為をしたら、本来はやってはいけない、違法以外の何者でもないんだけどな。俺は別に、違法行為でも気にせずやれと言ってるのではなく、民間でもやっていい範囲をもう少し広めてもいいのではないか?と提案してるだけで。別にアメリカのように、民間人にも銃を持たせた方がいいみたいな過激な提案をしてるわけではなく、犯行現場なり取調室なりの録画にももっと寛容になってくれとか、勇気をもって悪人に注意をしたり、急いで応援呼んだり、証拠映像を撮ったり、関係者に聞き込みしたり、蛮行を抑え込むような正当防衛的武力行使行為を素直に賞賛できる方向で。」

逆沢「まぁ、それくらいのヒーロー行為なら、別に超人でもなんでもない、凡人でもなんとかできそうね。」

愛原「少年法がおかしいと思ったなら、それを改正する方向で動くのが正道だが、犯しても罰則がない(orペナルティーが軽微すぎる)なら、それは法の不備という奴だから、そこは深く突っ込まない。ただ俺は、人治主義を嫌う程度には法治主義だが、【悪法も法なり】とは認めない程度には混沌志向だから、あまりにおかしな法は速やかに改正してほしいと思う。公文書を1年以内に破棄しても構わないみたいな悪法とかな。」

鼎「私は、反社の定義をないがしろにした閣議決定を、まず改めて欲しいかな? あんた閣議決定をされると、何が正義で何が悪か分からなくなっちゃって、それこそ主観の制裁を誘発させかねないから。」

逆沢「お上がそんな風に腐敗まっしぐらなら、私刑に頼るのもいいけど、この際、そんな政府を転覆させた方が手っ取り早いと思うのは私だけか?」

愛原「クーデターというのは、究極の私刑だな。まぁ物語的にはおいしいが、リアルで扱うには手に負えそうにないので、とりあえずは凡人でもできる小さなヒーロー行為から始めたいな。その場にいなくとも、勇気ある人を応援したり、その場に出くわしたら、助けを呼んだり、目撃者としての協力的な活動くらいはなんとかできるかも知れないから。」

鼎「実際は、恐怖で震え上がって何もできないケースも多いだろうけど、それでも何もできなかった自分を賢明と思い込んで、勇気をもって何かをしようとした人を軽蔑したり、邪魔するような態度だけは取りたくないよね。せっかくの証拠映像を撮るなとか言って破棄させたり、聞き込みをする人を邪魔したりするような。」

逆沢「せっかく正義のヒーローが、嫌われ役を買って出てまで、証拠保全や証拠集めをやってくれてるのに、それを邪魔する有害ないい子ちゃんこそ、まず制裁する必要があるかもね。彼らは彼らになりに、善意で写真を撮るなとか、インタビューするなとか、主張してるみたいだけど、自粛警察と同類のトチ狂った正義でしかないから。」

愛原「正義のヒーローの活動を邪魔する事を正義の行為と勘違いするような、トンデモ私刑の執行者にだけはなりたくないわな。それするくらいなら、無能な怠け者になった方がよほどマシだな。」

逆沢「最後に前回のオチも混ぜてきたな。」

愛原「ちゃんと話がつながってていい感じだろ? というわけで今回のテーマもここで終わり。」

















過去のたわごと 
2022年 1月16日 やってる感 1月2日 捜査・諜報に必要なもの
2021年 12月19日 壊された人 12月5日 リソース運用型ゲーム
11月21日 後継者争い 11月7日 戦力分析と番狂わせ
10月24日 選挙放談2021 10月10日 文明崩壊後のサバイバル
9月26日 中立な報道 9月12日 隔離空間でのアドベンチャー
8月29日 侵略者が撤退した後 8月15日 正義なき力を生み出す者
8月1日 問題点(悪)の所在 7月18日 責任の所在
7月4日 教育政策 6月20日 職の貴賤
6月6日 外患(外敵)よりも恐ろしい内患(味方の腐敗) 5月23日 スローライフと幸福論
5月9日 社会に貢献する凡人たち 4月25日 情報戦の制し方
4月11日 予備戦力 3月28日 不正の告発と隠蔽
3月14日 職人(ドワーフ)  2月28日 地位に見合う責任と報酬の話
2月14日 娯楽産業  1月31日 名君・名宰相
1月17日 選別(トリアージ) 1月3日 大きく育ちすぎた作品
 2020年 12月20日 つまらないラスボス戦 12月6日 予知の活用方法
11月22日 信じたい事しか信じない人たち  11月8日 老化の始まり(能力のピーク)
10月25日 敵の成長率 10月11日 属人性
9月27日 信用(信用創造) 9月13日 犯罪都市
8月30日 同行するヒロイン、同行しないヒロイン 8月16日 まとめ役としてのリーダー
8月2日 なろう系主人公とやれやれ系主人公 7月19日 安楽死
7月5日 イデオロギーの矛盾や対立を超えて幸福を実現する方法 6月21日 アピールする人、出る杭を打つ人
6月7日 間違いを改める方法  5月24日 コロナよりも、ゾンビよりも、米軍よりも恐ろしい集団の空気
5月10日 部隊長の決断 4月26日 集団ヒステリーと同調圧力 
4月12日 札束を無限に刷り続けるとどうなるか? 3月29日 借金取りの恐怖
3月15日 禅譲 3月1日 秩序志向のプレイヤーと混沌志向のプレイヤー
2月16日 (こまめな)人事異動(のススメ) 2月2日 忠誠度という名のゲームパラメータ
1月19日 恨み 1月5日 鞍替え
 2019年 12月22日 景気 12月8日 承認欲求に囚われないために
11月24日 黒幕としてのスポンサー 11月10日 プロスペクト理論とモブの生き残り戦略
10月27日 追い込まれた悪人キャラのダメージ・コントロール戦略 10月13日  いじめっ子キャラの特徴
9月29日 命令に背くNPC 9月15日 平等・公平を維持するためのコスト
9月1日 能力値とスキル 8月18日 地位を与えられた者(中間管理職)
8月4日 パニックホラーもののリーダー 7月21日 パニックホラーものの主人公
7月7日 許される人と許されない人 6月23日 愚民政策
6月9日 壊された人への対応 5月26日 新時代の脅威
5月12日 (攻撃の)大義名分 4月28日 前回の反省とキャスティングの話
4月14日 汚染された情報の拡散 3月31日 理想の選挙制度
3月17日 黙示 3月3日 あの世の世界
2月17日 うまくいかなかった革命後をどうするか? 2月3日 策略としての挑発
1月19日 腐敗した司法(正義の裁きの担い手)  1月5日 強きを挫き弱きを助くVS弱きを挫き強きを助く
 2018年 12月23日 悪の根源≒マウントしたいという欲望 12月9日 Steamのゲーム
11月25日 成り上がったダメ人間 11月11日 自分を強化する技VS敵を弱体化する技
10月28日 限界への挑戦 10月14日 「弱者=守られるべき善人」でない場合
9月30日 脅しによる支配 9月17日 信用できない情報だらけの社会の場合
9月2日 太鼓持ち 8月19日 連続攻撃
8月5日 信用スコアに支配された社会 7月22日 内通者
7月8日 人件費コスト管理ゲーム 6月24日 忠義者キャラ
6月10日 欠陥つき有能キャラの処遇 5月27日 邪悪な独裁者に支配された組織のメンバーの挙動
5月13日 邪悪な独裁者が健全な組織を乗っ取る方法 4月29日 論破
4月15日 正義の味方という名の制裁者 4月1日 平気で嘘をつける人たち 
3月18日 公正世界仮説 3月4日 被害者叩き 
2月18日 政治力 2月4日 統率力 
1月21日 優秀すぎるライバルが現れたとき  1月7日 素性を表す記号としての肩書き
2017年 12月24日 フリゲの雑談  12月10日 賤民階級
11月26日 個性づけとしてのパラメータ 11月12日 宿敵宣言
10月29日 大同団結 10月15日 品質について
10月1日 華麗な策略、汚い策略。その違い 9月17日 平等主義と反平等主義
9月3日 ファン型オタクとマニア型オタクの違い 8月20日 ツイッターの利点と問題点 
8月6日 大抜擢された人材 7月23日 誇りと傲慢
7月9日 傲慢とマウンティング 6月25日 権威を利用するナイトども
6月11日 悪事プレイ(のススメ) 5月28日 異界人(宇宙人)の干渉
5月14日 集団の思考ルーチン 4月30日 人間っぽさ=非効率的な思考ルーチン
4月16日 名声欲 4月2日 無言の圧力と忖度
3月20日 ロスト・ハイ・テクノロジー 3月5日 破壊神の信者
2月19日 一人称形式で見える視野の範囲 2月5日 歴史的人物の当時の評価
1月22日 未来予測 1月8日 人相見(人物鑑定)
2016年 12月25日 商業レビュアー 12月11日 成長戦略の目玉としてのカジノ
11月27日 パニック 11月13日 生存ゲーム的なシチュエーション
10月30日 強敵感 10月16日 感情移入という視点からのキャラクターメイク
10月2日 供給過剰社会 9月18日 血筋
9月4日 統一されるべき尺度 8月21日 暑さと寒さ
8月7日 (優秀な)下っ端 7月24日 超便利社会=超疲弊社会
7月10日 社会的弱者を量産し、彼らを悪の先兵に誘う者  6月26日 少子化社会という舞台
6月12日 有事法制(緊急事態における法のあり方) 5月29日 悪のセレブサロン 
5月15日 成功者が成功後にやりたいと思うこと 5月1日 ゲーム世界とリアル世界の違い
4月18日 過去に戻ってやり直すということ 4月3日 八百長 
3月20日 異邦人(外国人労働者) 3月6日 陣形
2月21日 功績泥棒 2月7日 三国志13をプレイ
1月24日 裏切り者 1月10日 善政家
2015年 12月27日 精神~命よりも大切なもの 12月6日 独立戦争 
11月23日 ジャーナリスト 11月8日 精神力 
10月25日 優しい指導者  10月11日 助けを求める人たち 
9月27日 兵站 9月13日 善玉が起こした悪事や不祥事
8月30日 カイゼン 8月14日 盗作・ゴースト
8月2日 表稼業 7月20日 正論を用いない説得工作
7月5日 ディストピア 6月21日 財政破綻
6月7日 防諜 5月24日 サイコパス
5月10日 戦犯 4月26日 ハト派とタカ派
4月12日 不遇な先駆者 3月29日 プロギャンブラー(バクチで生計を立てる人)
3月15日 世界の管理者という名のラスボス 3月3日 命令コマンド
2月15日 攻略本・攻略サイト 2月1日 お遊びコマンド
1月18日 精神異常状態 1月4日 NPCの選択判断ルーチン
2014年 12月14日 男女キャラクターの比率 11月30日 不安と安心の役割
11月16日 現実主義者の正体 11月3日 アイテムゲット
10月19日 真相にたどり着けない者 10月5日 挫折
9月14日 嫌いだけど素晴らしい人達 9月7日 売れている作品と面白い作品の違い
8月24日 援軍 8月3日 ブラゲとパケゲ
7月20日 根性論と科学的知見に基づいた肉体改造 7月6日 ディスリスペクト(軽蔑・disり)
6月22日 あやかり系主人公 6月8日 中毒
5月25日 箱庭ゲーム 5月11日 ダブルスタンダード
4月20日 偽りの理想郷 4月6日 防御力
3月23日 自分用ゲーム作り 3月9日 育成する指導者、選別する指導者
2月23日 忠誠 2月9日 変化するキャラクター
1月26日 一芸職人VS器用貧乏 1月11日 評判
2013年 12月23日 身分制度 12月8日 陰謀
11月24日 秘密 11月10日 努力が報われるゲーム
10月27日 ゲームの自由度について 10月13日 出来の悪い二代目
9月29日 怒り 9月15日 撤退戦術
8月30日 ヒール(悪役) 8月15日 覆水盆に返らず
7月28日 予知・予測 7月13日 かつてのヒーロー
6月30日 覚醒(新能力発現・急成長) 6月15日 犠牲
6月3日 単独開発 5月19日 ダメ人間
5月5日 悪徳宗教を必要とする人々 4月21日 悪の連帯責任
4月7日 3種類の立場からみた作品批評 3月24日 中立性を装った愚痴・悪口など(仮)
3月10日 人気対戦競技の条件 2月24日 幻想空間
2月10日 お金 1月27日 尊敬できる敵
1月13日 やる気・気合 12月29日 ルール
2012年 12月15日 厨二病 12月2日 売れ筋
11月17日 改心 11月4日 議論
10月21日 優秀な人材の起用・登用方法 10月7日 憎しみにとらわれた人達
9月22日 友情やコネによる人事起用の危うさ 9月8日 権力欲に取り憑かれた人達
8月19日 敗北の受け止め方~捲土重来を期すために 8月5日 作者(表現者)が作品を通じて伝えたい思い
7月29日 人が自ら死(自殺)を決意するとき 7月15日 選択肢を選ぶことによる覚悟(リスク)
7月1日 選択肢があるということ 6月16日 宣伝と人気
6月2日 ホンネとタテマエ 5月19日 コンプガチャに学ぶ確率論とイカサマの話
5月6日 鑑識眼 4月30日 平等と競争
4月14日 公務員ヒーロー 4月1日 SF設定
3月18日 情報収集 3月3日 原発考察
2月19日 プライド 2月5日 お笑い
1月22日 ラスボスの処断方法 1月8日 創造→創作
2011年 12月30日 独裁者 12月9日 二次創作品
11月27日 万人向けからマニア向けの時代へ 11月13日 無敵能力の人たち
10月29日 正式名称 10月15日 利の人、情の人
10月3日 ポジティブ・ネガティブ 9月16日 利権
9月3日 借金 8月21日 何も変わらない事の恐怖
8月5日 発信したいオタクと共感したいオタク 7月25日 戦う地方、媚びる地方
7月17日 充電期間 7月10日 ひとそれのアンケート結果
7月2日 供給過剰気味のゲーム(&娯楽) 6月21日 東日本大震災3
6月5日 上司に反発 5月21日 修正する度量
5月14日 挑戦する勇気 5月1日 調子
4月17日 専門スキル 4月3日 東日本大震災2
3月18日 東日本大震災1 3月5日 ネトウヨと不良キャラの共通点
2月19日 信用ラインと警戒ライン 2月5日 信じられない者ばかりの世界観
1月23日 武器を交えない戦争 1月16日 しゃべらない主人公
1月7日 異世界に飛ばされた凡人 12月25日 後ろ向きな嫉妬心
2010年 12月19日no2 人それのゲーム難易度 12月19日no1 社会人型キャラ
12月11日 新作公開してから一週間 12月5日 新作ゲーム紹介
11月20日 理想と現実 10月29日 新作公開予定
10月18日 派閥 10月1日 仲間
9月19日 キャラクターイメージ 9月6日 理想を持った人間。そうでない人間
8月21日 革命後 8月8日 長編のオチのつけ方
7月24日 勇者は世直しができるか? 7月10日 全力集中プレイと長期戦略プレイ
6月27日 RPGのチームバトル 6月13日 傭兵団
5月29日 相手の思考をよんでみよう 5月14日 扇動する者、される者
5月7日 こっそりアンケート設置お知らせ、ほか 5月3日 地方を主人公の舞台にしてみよう
4月17日 コンピュータは人間を上回れるか? 4月2日 政権交代から6ヶ月が過ぎて
3月22日 フィクション 3月12日 困ったパーティメンバー
2月21日 責任 2月6日 教育
1月23日 トップダウン式製作とボトムアップ式製作 1月10日 ゲーム作成スタッフ
2009年 12月25日 政権交代から3ヶ月が過ぎて 12月12日 血液型
11月29日 編集日記・編集後記 11月14日 AVG(+SLG)制作中
10月31日 シナリオ 10月18日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには2
10月3日 オリジナル 9月19日 ゲーム作りで完成までこぎ着けるためには
9月6日 実在モデルをどこまで採用できるか 8月24日 素材?
8月14日 今時の報道スタイル 8月8日 ユーザーサポートにメールを送ってみました
7月25日 恋愛シミュレーション2の魅力? 7月11日 人気と実力
6月27日 打ち切り 6月19日 エロゲ規制強化の流れからみるゲーム考
6月6日 貴族階級 5月23日 悪の戦闘員
5月10日 異なるキャラクターの視点でみてみよう 4月24日 強者がますます強くなる・・・
4月11日 ゲームエディタ 3月29日 愛郷心
3月22日 匿名ネット社会 3月6日 暗躍する超能力者たち
2月22日 信者キャラ 2月15日 必殺技
2月1日 アンチヒーロー(悪役型英雄) 1月23日 カタストロフィーを未然に阻止しよう
1月16日 フェアな戦い 1月3日 あれから幾年後
2008年 12月28日 国盗りSLGの景気対策 12月20日 現実世界をゲーム化してみよう
12月5日 内部対立 11月29日 推理もの??
11月22日 悪人とも言い切れない罪人 11月7日 正史
10月31日 萌えない女性キャラ 10月18日 関西弁
10月5日 大阪 9月21日 避けられない強大な敵
9月7日 人気・魅力・カリスマ 8月29日 黒幕
8月23日 運と実力 8月9日 COMの思考ルーチン
8月3日 新シナリオ「HeiseiNippon」公開 7月19日 軍師
7月5日 各国の思惑を構成するもの 6月21日 催眠術
6月7日 和解 5月24日 知恵者
5月16日 千年生きてみよう 5月3日 生き残ることと勝ち残ること
4月18日 冷酷な指導者 4月5日 お金の使い道
3月15日 若さ 3月7日 性能と運用
2月29日 アンケート現況発表(質問2について) 2月22日 広報戦略
2月10日 差別 1月27日 敵のスペック

1月13日 神の加護、神聖魔法 12月30日 フリーゲームのレビュー
2007年 12月16日 国盗りゲームのパターン 12月1日 謎について
11月16日 ゲーム世界での対人設定2(その他視点) 11月3日 ゲーム世界での対人設定1(味方視点)
10月20日 レジスタンス勢力 10月5日 終盤~エンディング
9月21日 世襲について 9月8日 悪役(ヒデブ派5隊長など)
8月24日 確率について 8月10日 セーブ&ロード
7月27日 成長について 7月15日 SRPGにおける白兵部分のゲーム的処理
6月30日 SRPGのマップのシステム 6月17日 徴収と略奪
6月2日 兵科あれこれ 5月19日 理想の君臣関係
5月4日 経済力うんぬん 4月21日 戦略ゲームと戦術ゲーム
4月6日 公開情報と非公開情報 3月24日 個人戦用の武器等
3月9日 兵士の武器 2月25日 ゲーム作りとゲーム遊び
2月11日 少数派(属性持ち)向けゲーム 1月28日 バージョンアップ

1月13日 宮田軍にてこ入れ? 12月30日 フリーゲームの宣伝
2006年 12月15日 投票・アンケート 12月1日 最強の敵
11月18日 動かしやすいキャラと動かしにくいキャラ 11月4日 デバッグ
10月22日 現代・近未来ものについて 10月6日 趣味の社会人クリエイター
9月15日 新作?の状況について 9月8日 BGMについて
8月27日 登場人物の口語表現 8月12日 女性キャラ
7月28日 主人公選択式ゲーム 7月16日 マイサイトについて
7月2日 死について 6月17日 風刺について
6月2日 シナリオタイプあれこれ 5月19日 ゲーム作りの進め方について
5月5日 ゲーム作りを始める時について 4月21日 高能力キャラの表現方法
4月8日 悪い敵 3月31日 名前について
3月18日 伝え方と伝わり方 3月12日 キャラクターのプロフィールについて
3月5日 アマとプロによる基本プロット考 2月25日 自作CGについて
2月19日 著作権について 2月12日 バックグラウンドの設定について
2月5日 SRPG95の次回作に対する期待 1月29日 分岐と自由度について
1月22日 難易度について 1月15日 勢力別能力値考察
1月8日 主人公について 1月1日 ユニットの能力値をどういじるかについて
2005年  12月30日 12月23日 12月16日 12月9日 12月2日 11月25日 11月18日 11月11日 11月5日 10月31日















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